No.781736

2体の魔神皇帝IN艦これ

HIBIKIさん

PCの調子が悪く、余りTANAMIにアクセスできなかったのですが調子が大分戻ったので暇つぶしに書いていた(IS×マジンガー)×艦これをうpします。

2015-06-05 08:35:04 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1800   閲覧ユーザー数:1760

2体の魔神皇帝の一夏とその世界の吹雪が艦これの世界に飛ばされたら

 

人物設定

織斑一夏

世界観がかなり違うのだが性格や言動に変わりは無い。

本編とは違い軍艦を1隻だが所持している。

所持しているのは吹雪。他にも川内型や木曽、名取、翔鶴型当りが欲しいと思っている。

吹雪の事は自分の金で買い取り、改造したのでかなりの愛着を持っている。

艦これの世界に飛ばされた際に、吹雪に乗っていたためか彼女のもうひとつの人格ともいえる状態に。

↑分かりやすく言えばウルトラマンと地球人の同化状態に似ている。

 

彼女から分離する事もできるようだが彼の存在か艦これの世界ではまだ存在が不安定らしく

何時分離できるかは分からない。

ただし艦これの世界の航空機と同じ様に小さいサイズでなら一時的に分離可能。

↑一応『質量変化』による巨大化が可能。

マジンカイザーSKL、グレートマジンガー、マジンガーZを所持していてマジンカイザーSKLは

彼の右目と同化している。

 

2体の魔神皇帝本編やIFストーリーの一夏よりもマスコミ(類似する者達も)

嫌いに拍車が掛かっていて警戒心が強い。今回の青葉は取材許可を本人と提督に

得ていなかった為、サンダーブレークの餌食になった。

 

自分自身で子供だと判断した者達には結構甘い。

 

 

マジンガー(機体)の魔神パワー(第六と第七はオリジナル魔神パワー)

 

第一『再生』   見てそのままの能力。ブラックボックスさえ残っていれば幾らでも再生可能。

 

第二『吸収』   敵の攻撃などあらゆるものを吸収し自らaのエネルギーに変換できる

 

第三『強化』   機体性能などあらゆる面の強化が可能

 

第四『高次予測』 様々な状況を未来予知レベルで予測可能。

 

第五『変態』   動物の変態と同じ様に機体や体を作り変えることが可能。

 

第六『質量変化』 ウルトラマンで言う巨大化縮小化みたいなもの。部分的にも可能。

 

第七『人機一体』 マジンガー(機体)と操縦者(人体)を一時的に融合させる。

 

一夏達(人体)の魔神パワー

第五までは一緒

第六『因果律兵器』因果律に干渉し、例え一兆分の一の可能性でもあればその現象を

         過程をすっ飛ばして現出可能

 

第七『マジン化』 人間でありながらマジンガーとなる。『人機一体』と同時使用すると

         終焉の魔神と化す可能性が極めて高い。

         ある意味艦娘達と似た感じになる。(オリジナル魔神パワー)

 

吹雪(オリジナルVr)

 

元特型駆逐艦吹雪型の一番艦。現在は試作型光子力駆逐艦の一番艦・・・らしい。

一夏の所持していた艦が艦これの世界に来て艦娘となった。

彼に妹達共々艦娘になる前から大切にされていたので彼の事が大好きらしい。

一夏の事は艦長、稀に司令官と呼ぶ。

原作吹雪と性格などは変わらないようだが一夏と過ごしてきた時間がそれなりにあるので

時折彼の影響が見て取れる。キレれば相当怖いらしい。

艦の種別は一応まだ駆逐艦・・・らしい。

一夏だけでなく十蔵や剣造、束の魔改造を受けたせいで自分の艦種が分からなくなっている。

外見は艦これの吹雪を少し年上にした感じで胸もそれなりにある。

装甲は剣造が役に立つだろうと取り替えた超合金NZ

その為並大抵の事ではダメージが入らない。

動力機関は光子力エンジン。推進機関はスクリューと光子力ブースターの2種類。

最大速力は試験時に55ノット(スクリュー)を叩き出した。

ブースターは今だ未使用。

 

武装、装備(原型時)

・2連装特殊光子砲(光子力ビーム及び実体弾を使用可能)×3

・特製3連装誘導式超音速魚雷発射管(ミサイルパンチと同威力)×2

・4連装対空ミサイル発射管×2

・光子力バリア

・超高性能マルチレーダー(空、水中などカバーできる範囲が広い)

・マジンガー、ジーグ用カタパルト

 ↑主に一夏がマジンカイザーSKLやグレートマジンガーで出撃していた為装備されている。

・一部弱体化しているが魔神パワー装備(再生、吸収、強化、変態)

その他バル・バス・バウを取り付けたり、多数の機能が施されている。居住性などもかなり向上している。

 

 

(色々と不足がありますが)世界観みたいな物

・艦これの世界では艦娘は人型と原型の2形態がある。原型は主に救助活動時等に使用される。

 

・条件付だが人型のときにナニをすれば子供も出来る・・・らしい。←未確認情報

 

・一夏の世界には世界大戦等は無く、多くの軍艦たちが未だにDrヘルの残党と戦っている。

 

・一夏の世界では艦これの世界で艦娘になっている艦が現存している物が多いが

 一部は別の艦種だったり、建造されていなかったりと別の歴史を辿っている。

 

・Drヘルは野望半ばで不治の病に倒れ、亡くなっている。

 彼の野望はあしゅらブロッケン達がその後を継いでいるが資金不足などから襲撃は不定期。

 しかし機械獣が高性能の為、決して侮れない。

 

・光子力研究所には吹雪型駆逐艦の吹雪、白雪、叢雲、磯波が所属している。

 主に吹雪は一夏専用、白雪は箒専用、叢雲は束専用、磯波は清香専用で扱われている。

 

・一夏は吹雪と同化しているようで彼女のもう一つの人格と言う立ち位置にいる。

 精神だけでなく肉体面も入れ替わる事が出来るが一夏の肉体の時、吹雪の人格は表に出にくい。

 一応だが一夏は艦載機扱いで分離可能。

 

自分は艦これ未プレイなのでおかしいと思われる所も多々あると思います。

 

自分の勝手なイメージですがこの作品にオープニング、エンディングを付けるなら・・・

 

オープニングテーマ     

「HEATS」(真〈チェンジ〉ゲッターロボ世界最後の日 オープニング)

「感じてKnight!」(真マジンガー衝撃Z編 オープニング)

「FIRE WARS」(マジンカイザー オープニング)

 

エンディングテーマ     

「今風の中で」(忍風戦隊ハリケンジャー エンディング)

「ナイスな心意気」(こちら葛飾区亀有公園前派出所 エンディング)

「月光花」(ブラック・ジャック オープニング)

「TORNADO」(マジンカイザー エンディング)

のいずれかが合っているかなって思ってます。

 

一夏がDrヘルの機械獣を倒して駆逐艦「吹雪」の艦内で休んでいる時だった

 

『いっくん、如何?吹雪の調子は?』

 

恋人の一人である箒の姉、束から通信が入った。

彼女は最近整備の為にドックに入っていた吹雪の整備後初戦闘の感想を聞いてきた。

 

「良かったな。機械獣を2体も倒したし。動きも良くなってた」

 

『そっか♪10体中2体もね。調子が良さそうで安心したよ♪』

 

「しかしなぁ・・・Drヘルの残党も何時まで出てくるんだか・・・」

 

ふと一夏が横を見ると藍色と白のセーラー服を着た少女が苦笑いしていた。まるで「大変ですね」

と言っているかのように。

 

『どうしたの?』

 

「やっぱ俺霊感強いのかなって思ってただけだ」

 

『箒ちゃんも清香ちゃんも言ってたね。艦の精霊みたいな子が見えるって』

 

その少女も確かにと言いたげに頷いている。本来自分は誰にも見えないはずなのにと

言っている気がした。

 

「大切に使われていた物には魂が宿るって言い伝えもあるし別に不思議は無いって思ってるけど」

 

『いっくんって科学者的な感じなのに霊的な物も信じてるんだね』

 

「俺は科学者じゃないんだけど姐さん・・・」

 

『ま、私も人の事言えないかな・・・さって私も叢雲の整備にいこっと♪』

 

通信が切れると一夏は軽く溜め息をついて吹雪の現在位置を調べる。

 

「千葉沖10Km地点・・・研究所までは大体・・・2時間か」

 

ブー!ブー!ブー!ブー!

 

確認が終った瞬間、けたたましいブザーが鳴り響いた。

何事かと外を見ようとした瞬間、一夏の意識は落ちてしまった。

 

 

 

???SIDE

私が目を覚ますとちょっとした湾内の真ん中とも言えるような場所で立っていた。

 

えっと・・・私は試作型光子力駆逐艦の吹雪・・・(???→吹雪)

・・・艦長が現在位置を確認した後に・・・何かに巻き込まれて・・・

あれ?艦長は・・・?っていうか私、海の上・・・海面に立っている?え?如何いうこと?

 

(吹雪、吹雪!)

 

「艦長!?」

 

艦長の声が聞こえたけど周りには誰もいない。気のせいなのかなぁ・・・

 

(いや気のせいじゃない。どうも俺はお前さんに憑依?しちまったみたいだ)

 

「そうですか・・・ってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

多分このとき私は今まで出一番大きな声を出したと思う。

こんな体になって初めて声を出したから当たり前だろうけど・・・。

 

それから30分間くらい艦長の話を聞いてやっと現状を理解できた。

まず此処は私達の居た世界とは別の世界。艦長はまるで某光の巨人みたいな状態で私に憑依している。

また私は人間の体を得ていて艦長が人型と呼んでいる事。

人型のときは艤装を人型状態の私に合わせた状態の物を装備している事。

原型には戻ろうと思えば戻れるが艦長は実体化できないみたい。

原因はまだこの世界での存在が不安定なんだとか。

私が見たり感じたりした情報は艦長にもリンクされていて艦長は私のサポートが主な仕事らしいこと。

肉体も艦長の肉体と私の肉体が入れ替われる。けど艦長が表の時私は表に出難いみたい。

でも艦長は私の肉体が表に出ているときでも干渉できるっと・・・。一寸ややこしいなぁ。

カタパルトがあるから射出してみようとしたら艦長が小さいながらも実体化出来るって分かったのは

一寸嬉しかったけど艦長は余り好きじゃないみたい。巨大化出来るのかなぁ?

 

「でも如何します?このまま突っ立っているのも・・・」

 

(レーダーで陸地の形を確認してみてくれ)

 

「了解」

 

レーダーで陸地を確認してみると日本の海岸線みたいなのが浮き上がってきた。

どうやら此処は江ノ島沖みたい。

 

「あれ・・・?」

 

その時私の後ろから私と似たような女の子達が私に近づいてきているのが見えた。

 

吹雪SIDE END

 

江ノ島に新たに作られた鎮守府では一人の女性提督が少し慌しく数人の女性に指示を出していた。

(女性提督の容姿は束そっくり)

 

「あ、金剛、長門、加賀、駆逐艦、軽巡の子を何人か連れて一寸沖合いを見てきてくれない?」

 

「提督?如何したんデ~ス?」

 

金剛と呼ばれた女性が少し古い日本人の持つ外国人のようなイメージの喋り方で提督に聞き返す。

声を掛けられた彼女達は艦娘(かんむす)と呼ばれる存在で今この世界で人類の敵である

深海凄艦とよばれる未曾有の敵に立ち向かう事のできる今の所、唯一の者達である。

 

「実は妙な電波見たいな物を感知したの。それでもしかしたら敵かもしれないしね。念の為に」

 

「OKデ~ス」

 

金剛は笑顔で了解の意を示す。

 

「ふむ。了解した」

 

「索敵ならお任せください・・・」

 

長門、加賀と言われた女性達も頷いて答え、旗艦を長門とし戦艦2、正規空母1、軽巡2駆逐艦1

艦隊で出撃して行った。

 

「あれ?提督、どうしたの?」

 

一人の少女が提督に話しかける。

 

「雷(いかずち)ちゃん。・・・じつはね、これこれじかじかで」

 

「かくかくうまうまって訳ね。長門さん達を出した訳だわ」

 

「重巡の子も居てくれればもう少しマシな編成に出来たんだけど」

 

「うちには今羽黒と利根型しか重巡は居ないからね。軽巡は川内型に夕張さん、あと天龍さんと龍田さん

 駆逐艦は私達暁型と睦月方の子達に叢雲と深雪、空母は鳳翔さんに瑞鳳に一航戦の赤城さんと加賀さん

 後は二航戦の蒼龍さんと飛龍さん・・・」

 

「戦艦はさっきの二人と扶桑・・・なんだか空母に偏ってる感じがするのよね。皆良い子だけど」

 

一方出撃した長門たちは鎮守府からそれほど離れていない場所で吹雪を見つけていた。

 

「あれは・・・」

 

「見た所駆逐艦の子みたいですね・・・」

 

「敵じゃね~のかよ・・・チェ」

 

吹雪を見つけて敵でない事に舌打ちする軽巡洋艦の天龍。

 

「天龍・・・あんたね・・・」

 

「天龍ってホントに好戦的過ぎよ・・・」

 

そんな天龍を見て呆れる駆逐艦の叢雲と天龍と同じ軽巡の夕張。

 

「はぁ~。こっちの叢雲達、大分苦労してそうだね」

 

吹雪が天龍の性格を見て自分の妹を初め周りが苦労してそうだと溜め息をついた。

 

「グッ・・・皆からそう言われてっから言い返せねぇ・・・」

 

天龍も自分の性格の事等に自覚があるようで吹雪の発言に少し反省の色を見せた。

 

「それで貴方は一体・・・」

 

加賀が吹雪に何者なのかを質問する。

 

「試作型光子力駆逐艦?の吹雪です。元は特型駆逐艦の一番艦です」

 

「って吹雪!?アタシの姉じゃない。っていうか試作型光子力駆逐艦?そんな艦種無かった筈・・・」

 

(艦長・・・如何いうことですか?)

 

(多分この世界のこいつ等俺達の世界とは別の世界の艦なんだろうな。それなら説明が付く)

 

(その事説明した方が良いですかね?)

 

(こいつらの指揮官にも会って直接話した方が良いかもな)

 

吹雪は一夏との会話方法が分かったからなのか声を出さなくても意思疎通が出来ていた。

加賀が説明をしてくれと言うが吹雪は一夏の言ったとおり指揮官に会ってその時に話す事を提案した。

 

「分かりました。貴方は」

 

「私達の鎮守府に一緒に来てもらう。いいな?」

 

「はい」

 

「あ、自己紹介が遅れましたね。私は加賀です」

 

「長門だ」

 

(あれ?加賀さんは空母なんだ・・・)

 

「アタシは叢雲・・・言わずともわかるだろうけどアンタの姉妹艦よ」

 

「軽巡夕張よ。よろしくね。貴方の装備、後で見せてくれる?」

 

「英国生まれの帰国子女の金剛デ~ス!!」

 

(あ、俺コイツ苦手だ)

 

一夏は金剛が苦手なようだ。

 

「よろしく。叢雲、長門さん、加賀さん、夕張さん、金剛・・・さん」

 

吹雪も一夏と同じく金剛が少し苦手のようで彼女の名前のみ少し言いずらそうだった。

 

「俺の名は天龍・・・フフフ怖いか?」

 

「全然怖くないですよ?むしろ私の艦長の怒った時の方が遥かに怖いです」

 

天龍は吹雪にとてもイイ笑顔で怖くないと言われ、落ち込んでしまった。

他の者たちも笑いを堪えている。

 

(一寸吹雪、変わってくれ)

 

吹雪は一夏に言われて人格のみ交代する。

 

「吹雪の体を借りて失礼する」

 

「「「!?」」」

 

「なんなんだ?」

 

「さっき吹雪が言っていた艦長の織斑一夏ってんだ。いろんな事情で吹雪の第2人格みたいになってる。

 詳しい事は後で説明するからとりあえず案内頼むわ」

 

其れだけ言うと一夏は引っ込んで吹雪がまた表に出てきた。

 

「アンタ変わってるわね・・・」

 

「アハハ・・・」←自覚が有るので苦笑いしかできない

 

その後、鎮守府の港で彼女達の司令官に会った時、一夏は吹雪の中から司令官を見て

『姐さん!?』と珍しく驚いていた。

 

「えっと・・・じゃあ私から自己紹介するね。この江ノ島鎮守府を預かっている提督の東雲昴だよ。

 さっき一寸驚いていたみたいだけど・・・?」

 

「あ・・・えっと・・・私の艦長の義理のお姉さんにそっくりだったので・・・」

 

吹雪が少し緊張しながら言うと昴は笑顔で納得してくれた。

 

「で、吹雪ちゃんの艦種を聞いて思ったんだけど・・・」

 

「あ、さっき艦長が言ってたんですけど多分私は皆さんとは違う世界の吹雪だからだろうって」

 

「え?」

 

ぽかんとしている昴。吹雪は一夏と人格を交代し、平行世界の存在について簡単に説明し、

加賀たちのいた世界と自分達の世界とは別の道を歩んだ世界である事を説明した。

そしてその後、吹雪の性能などについて簡単に説明をして一旦引っ込んだ。

 

「ほえ~・・・」

 

「私は長門型3番艦として活躍しているんですか・・・そうですか・・・赤城さんは?」

 

「誰ですかそれ?」

 

(ちょっ、吹雪変われ)

 

吹雪の返しに慌てた一夏は強引に表に出て吹雪が赤城を知らない理由を説明する。

 

「赤城は設計段階で建造計画が終っていたんだ。だから一航戦の艦は翔鶴、瑞鶴しか知らないんだよ」

 

「そうですか・・・あの五航戦の子が・・・」

 

「ハチャメチャ活躍してるけどな。未だに(ボソッ)」

 

「私達の世界のあのお二人に嫉妬してどうするんですか・・・(汗)」

 

「ヘ~イブッキー!私は活躍してますか~!?」

 

金剛が混ざってきたが一夏の記憶には金剛はイギリスで建造後、日本に来る途中に

嵐に遭い船体が中央から真っ二つに折れて轟沈したとしか知らないので正直に話すととても沈んでいた。

 

「私・・・日本に辿り着けなかったデスネ・・・」

 

「だから金剛型じゃなくて比叡型戦艦ってなってる・・・でも最近金剛がサルベージされたってニュースで

 やってたな・・・」

 

「あ、私もそのニュース知ってます!」

 

吹雪と入れ替わりながら皆と会話する一夏。叢雲は一夏達の世界の自分が吹雪と同じ改造を受けている

事を知り、凄く驚いていた。

 

「マジなの?吹雪姉」

 

いつの間にか吹雪の事を『吹雪姉』と呼ぶようになった叢雲。

意外とこの叢雲、シスコンだった様だ。

 

「本当だよ。もう驚いちゃって可愛い♪」

 

吹雪が頭を撫でると顔を真っ赤にして恥ずかしがりながらも撫でられていた叢雲だった。

(吹雪の身長は叢雲より頭一つ位高い)

 

「あ、吹雪ちゃんに肝心な事聞くの忘れてた」

 

「そうデスネ。すっかり忘れてマシタ」

 

「?」

 

昴はコホンと咳払いして真剣な表情になる。

 

「吹雪、この鎮守府で私達と一緒に戦ってくれない?勿論貴方達の世界に戻るまでで良いから」

 

(艦長・・・)

 

(好きにしろ。せっかくこういう風に自身の肉体が持てたんだしな。戻るにしてもかなり時間が掛かるだろうからな)

 

(ありがとう御座います!)

 

吹雪は昴に笑顔を見せる。

 

「フフッ」

 

「分かりました。よろしくお願いしますね」

 

その後他のメンバーとも挨拶を交わした後、不意に吹雪の燃費について話が上がった。

 

「え?燃料は必要ないし弾薬くらいなら自己精製できますよ。修理は戦艦クラスの鋼材を使いますけど。

 まぁ装甲が凄く硬いので早々ダメージは受けないですけど。

 あ、ダメージ受けても時間は掛かるけど再生もしちゃいますよ♪」

 

「なにそのチート振り!?っていうか駆逐艦なのに修理費は戦艦クラス!?」

 

「それ以前に島風以上のスピードが出るし回避能力も高いから当てる事自体も難しいかもな」

 

「マジかよ・・・」

 

「火力も戦艦クラスは有るよな。主砲はビーム撃てるし」

 

「「「「・・・・」」」」←真っ白

 

吹雪が昴にその破格の燃費の良さや修復に必要な経費についって突っ込まれたが

一夏がさらに情報を与え、天龍が驚いている所に火力の高さについても語ったので

話を聞いていた者達は真っ白になってしまった。

 

(如何しましょう・・・)

 

(知らん)

 

ヴゥゥゥゥーーーーーーーーー!!!!

 

サイレンが鳴り響き、一人の艦娘が走ってきた。

 

「提督!!」

 

「大淀、何かあったの?」

 

「近くに深海棲艦の艦隊が!!戦艦2、重巡2、駆逐2の艦隊です」

 

「まずいな私達は先程演習の後、燃料だけの補給を簡単に行なっただけだから戦闘を行なう余裕が無い」

 

長門が言うと金剛に加賀も悔しそうにしている。

 

「扶桑と重巡の子達に出てもらうしか・・・」

 

「私も出ます(いいですよね艦長?)」

 

(お前の意思を尊重しよう)

 

「でも・・・」

 

「艦長もOKしてくれました」

 

昴は申し訳なさそうに俯いたが頭を上げて吹雪を見る

 

「お願い・・・」

 

「了解しました!吹雪、抜錨します!!」

 

敬礼をしながら吹雪は返事をした。

 

 

吹雪SIDE

 

航空戦艦の扶桑さん、重巡の羽黒さん、利根さん、筑摩さんそれに

あの後運よく補給を終えていた龍田さんを加えた艦隊で出撃しました。

 

「吹雪ちゃん実戦経験は?」

 

「この体になってからは初めてですね」

 

「え?大丈夫なの?」

 

龍田さんは私のの心配をしてくれているようだったので小さく笑って大丈夫だと答えました。

 

「でも・・・」

 

「何かあっても俺が変わる」

 

「え?」

 

「あ、今のは私の艦長なんです。艦長、出撃準備いいですか?」

 

(いつでもOKだ。Zで行く)

 

「カタパルト準備!」

 

「なぬ!?お主カタパルトを持っておるのか!?」

 

利根さんが驚いているけど今は艦長を射出することに集中しないと。

 

「索敵機より入電。敵艦隊見ゆ。11時の方向。距離、10000!

 戦艦はル級の模様」

 

筑摩さんの索敵機の情報からしても十分ですね。

 

「もう少し敵に近付いたら艦長を射出します」

 

「艦長?」

 

扶桑さんが首を傾けてますね。軽く説明しないと。

 

「私は扶桑さん達とは違う歴史を辿った世界の艦なんです。

 この世界に来る前に艦長が乗っていらしたので一寸変わった感じに憑依しているんです」

 

「で、でも今射出って・・・」

 

「艦載機扱いみたいになるんですけど一時的に分離して戦ってもらう事も可能みたいで」

 

まだ皆さん納得してない感じですけど・・・。

 

「スクランダーも装備完了した。何時でもいける。射出方向任せる」

 

背中に折りたたまれていたカタパルトに艦長のマジンガーZが現れた。

 

「この子も偵察機を・・・?」

 

「偵察機じゃねぇ。マジンガーZだ!!」

 

「敵艦隊との距離、5000!!」

 

「射出します!!方向6時!!」

 

「マジーーーーーン!!!ゴォォォォォォォォ!!!!」

 

艦長は射出後、人間サイズに巨大化し、僅か数秒で私達の頭の上を通り過ぎていきました。

私も直ぐに追いつきます!!

 

吹雪SIDE END

 

BGM Zのテーマ

 

敵艦隊から出てきた偵察機を発見した一夏。後ろには扶桑たちの水上偵察機もいる。

 

「お前ら下がってろ。まずは小手調べだ!!ルストハリケーーーン!!」

 

強酸性の風が敵偵察機を一瞬の内に灰燼に帰す。

続いて戦艦の砲弾が飛んできたが敵の砲塔の向きから弾道を計算していた一夏は難なく回避。

偵察機の方もそれなりの修羅場を潜ってきていたのか撃墜された者達は居ない。

 

「あぶねぇだろうが!!飛ばせ鉄拳!!!」

 

「援護します!!」

 

吹雪達も追いついて一夏の援護を始める。

 

「光子力・・・ビーーーーム!!」

 

吹雪の連装方が二筋の閃光を放つ。駆逐艦2隻にに命中し、蒸発した。

 

「ロケット・・・パァァァァァンチ!!」

 

ロケットパンチは戦艦の艤装を一部を破壊する。

 

「私も負けられないわね」

 

「い、行きます!!」

 

「筑摩!!」

 

「はい、姉さん!!」

 

「行くわよ~。死にたい艦はどこかしら~?」

 

扶桑たちも負けじと攻撃し、戦艦ル級を一隻沈める。

 

「ブレスト・・・ファイヤァァァァァァァ!!!」

 

胸の放熱板から三万度の熱線が放たれ、重巡2隻を溶解させる。

 

「最後だ。トドメを!!」

 

一夏が離れると扶桑は主砲を、残りのメンバーは魚雷を準備し終えていた。

 

「行きます!!」

 

扶桑が主砲を発射。着弾し、まだ中破状態のル級を確認するといっせいに魚雷を発射した。

 

「・・・・・・」

 

一夏は魚雷の命中を確認した後、敵の轟沈を確認して帰還した。

 

吹雪SIDE

 

艦長は私に戻ってから何だかじっと黙ってます。

やっぱり戦闘が終って安心している裏では空しさを感じているみたいです。

まぁ今までの人生が人生でしたからね。前の世界でも・・・その前も。

艦長が平穏に過ごした人生は私の知る限り全くと言って良いほど有りません。

記憶の一部共有って・・・こういうのは嫌ですよね

 

(艦長はずっと戦いばかりの人生でしたよね・・・)

 

(平穏と言える時間は有ったけどな・・・やっぱり時折空しくなる)

 

「どうしたのじゃ吹雪?そんな顔をして」

 

私が沈んだ表情をしている事を見抜いたのか利根さんが覗き込んでました。

 

「いえ・・・艦長の事を少し考えてて・・・」

 

「そういえば物凄い力を持っておったのぉ。なぁ筑摩」

 

「えぇ。あの高火力に速度、耐久性、運動性、どれをとっても私の想像を遥かに超えていました」

 

「・・・」

 

やっぱり皆さんそちらに目が行くみたいですね。仕方ないって艦長もよく言ってますけど。

 

「あの・・・ごめんなさい。余り触れないほうが良かったですか?」

 

羽黒さんは引っ込み思案な感じですけどみんなの事をよく見てくれる良い人みたいです。

え?変われって?艦長?

 

「まぁ、俺もお前さん等と似たような人生を繰り返してるからな」

 

「え?」

 

「生体兵器として生まれて死んだと思ったら前の世界の自我や記憶を持ったまま次の人生を

 繰り返し続けてたんだよ」

 

確かに・・・。私は現役艦が変化した存在ですけど皆さんは別世界の戦争で沈んだり

解体されたりした存在・・・。それが別の姿でとはいえこうして今存在しています。

艦長や箒さん達はそんな事を何億何兆回・・・もしくはそれ以上繰り返してきていたとか・・・。

・・・想像しただけでも地獄ですね。

 

私達で例えるなら艦娘→轟沈後変化→深海棲艦→轟沈後浄化→艦娘を∞に繰り返している様な物です。

 

「続けてきたって事は・・・何度も何度も・・・?」

 

龍田さんの問いに艦長が頷くと皆さん少しは艦長の気持ちが解るのか空気が沈んでしまいます。

 

「まぁ、それが不幸だとかは思ったことはないけどな」

 

そういう所は前向きですよね艦長は・・・。後悔はあるみたいですけど。

提督には話すんですか?

 

「昴にも後で話すつもりだが・・・今はこのメンバーだけにしておこう。俺は寝る」

 

そう言って艦長は私に人格を交代すると呼びかけに応じなくなりました。

完全に寝ちゃったみたいです。そんな事話してたらもう鎮守府に着きました。

 

吹雪SIDE END

 

 

「お帰り。如何だった?」

 

「吹雪ちゃんが敵駆逐艦二隻を一発で倒してましたね。後艦長さんが艦載機?で

 出撃されて重巡を2隻撃沈、戦艦1隻を大破させてました。大破した戦艦は

 私の砲撃と皆さんの魚雷で沈めました」

 

扶桑が昴に報告をする。

 

「吹雪ちゃん達圧倒的過ぎない?」

 

「艦長さんも敵艦載機も数が少なかったとはいえ一瞬で倒してましたから・・・」

 

「倒した時の敵の倒され方がなんというか・・・一気に錆付いて崩壊して言った感じじゃったな」

 

「確かその攻撃は強酸性の風で攻撃するルストハリケーンですね。後重巡を倒した攻撃は

 ブレストファイヤーっていう約三万度の熱線です」

 

吹雪はマジンガーZの武装の事を少し説明する。

 

「なんともまぁ・・・」

 

「凄いですね姉さん」

 

「うむ・・・」

 

「後他にも武装があって」

 

「まだ有るの?」

 

吹雪は指を折りながら武装名を言っていく。

 

「えっと・・・ミサイルパンチにドリルミサイル、光子力ビームにアイアンカッター、

 フィンガーミサイルにサザンクロスナイフ、ヒートフィンガー。

ゴットスクランダーを装備すればビックバンパンチとロケットパンチ百連発」

 

「空飛ぶ火薬庫かよ・・・」

 

「マジンガーZの二つ名は『鉄の城』や『守護神』と色々有るんです」

 

「そういえば吹雪ちゃんの艦長さんってアレだけのことしてたから疑う訳じゃないけど

 強いの?」

 

不意に扶桑が一夏が強いのか気になったらしく、吹雪に問いかけた。

 

「生身でも信じられないくらい強いです。聞いた話だと元少年兵でもあったから

 戦闘に関しては苦戦した経験は余り無いみたいで・・・」

 

「そう・・・変なこと聞いてごめんなさいね吹雪ちゃん」

 

「マジかよ。戦ってみてぇなぁ・・・」

 

好戦的な性格の天龍は一夏と戦ってみたそうだが吹雪が今は寝ていると告げると

まぁ仕方ないかと呟いて龍田と共に戻って行った。

 

この後、吹雪は初めて入渠(入浴?)を体験して風呂が大好きになったのだった。

 

 

 

 

吹雪が入居を終えて日向ぼっこをしていると一人の艦娘が自分を見ているのに気が付いた。

 

「どうしたの?」

 

「あ、あの・・・えっと・・・」

 

その艦娘はオドオドしながらも吹雪の所まで来た。

 

「わ、私睦月っていいます・・・。よ、よろしくお願いします」

 

「睦月ちゃんね。私は吹雪。あとタメ口でいいよ」

 

吹雪は睦月の頭を撫でながら優しく言うと緊張が取れてきたのか睦月の体から力が抜けたのがわかった。

 

「えっと・・・吹雪さんって私達とは別の歴史を歩んだ世界の艦娘って聞いたけど・・・」

 

「うん。私の世界の睦月ちゃんは今は兵装を外して保育園になってたかな。子供達が甲板で

 走り回ってて可愛かったなぁ」

 

「えっと・・・他の睦月型の子達は・・・?」

 

「皆似たような感じかな・・・。子供達に海の事を知ってもらうために色々と改装されてるんだ」

 

「そうなんだ・・・」

 

睦月はなんだかほっとしたような感じに溜め息をついた。

その時、叢雲がやって来た。

 

「あ、居た居た。吹雪姉、今からこの鎮守府の中を案内するから付いてきてくれない?」

 

「私も一緒にいい?」

 

「ん、良いわよ」

 

「一応艦長にも起きてて貰うね」

 

その後、叢雲と睦月の案内で鎮守府の施設を一通り見た吹雪(&一夏)。

資材置き場で加賀と赤城がボーキサイトと燃料を持ち出そうとしていたのを見て叢雲がキレ、

睦月に何で彼女が怒っているのか聞いた吹雪もキレた。

 

ほんの少しだったら吹雪も怒らなかっただろう。

その量と言うのが、数値でいうと4000だったというのだ。

その資材を溜める苦労を睦月から聞いた吹雪はそれを無断で持ち出そうとした二人に

今まで二人を怒っていた叢雲顔負けのレベルでキレた。

様々な言い訳をしてやり過ごそうとする赤城と加賀だがこれを吹雪の中から見ていた一夏が聞いて

吹雪と肉体までも入れ替わり、思いっきり拳骨を叩き込んだ。

 

「だ、誰?」

 

「吹雪さんが男の人に!?」

 

「あぁこの姿では会ってなかったな。俺が吹雪の艦長の織斑一夏だ」

 

「「・・・」」ぷしゅ~

 

簡単に自己紹介をした後、一夏は昴に連絡して二人に対する罰を言い渡した。

この時、赤城と加賀はその厳しい罰に顔を真っ青にしたとか・・・。

 

「か、艦長さんのキレ方は相当心臓に悪いわ・・・」

 

「睦月は今生きているんですね・・・」

 

「悪い・・・」

 

一夏は二人の頭を撫でながら心から謝罪した。

 

「お詫びと言っちゃ何だが何か甘い物でもつくるぞ」

 

「あ、アタシはなんでも良いけど・・・」

 

「睦月もなんでもいいです」

 

「どっか厨房借りれないかな・・・」

 

「それなら・・・」

 

叢雲と睦月に案内されてやってきたのは鎮守府内にある一軒の居酒屋。

 

「居酒屋『鳳翔』・・・ん?鳳翔って全ての空母の母って言われてるあの鳳翔?」

 

「そこはそっちも同じなんですね」

 

「あぁ、今でも搭載されている艦載機は少ないが第一線で無双の活躍ができる錬度を誇る

 最強空母って言われてる。乗っている人たちは普段は気さくなオッサン達だけどな」

 

一夏が自分の鳳翔の乗船経験から自分の世界の鳳翔のことを簡単に話した。

 

「あら?叢雲さん睦月さん、そちらの殿方は?」

 

「あ、鳳翔さん。この人は吹雪姉の艦長さんで・・・」

 

「ども・・・織斑一夏っていいます・・・」

 

一夏は鳳翔がまさに母親といえるオーラを纏っているので如何話せば良いか分からない様だ。

鳳翔がどの様な用件で来たのか聞くと一夏が先程の件を話して厨房を借りれることになった。

だたし鳳翔にもご馳走すると言う条件で。

 

「ほい、蜜柑アイス」

 

「「アイス♪!?」」

 

「お・・・おう・・・」

 

アイスを3人に出した後一夏は吹雪と入れ替わり、吹雪もアイスを満喫した。

 

「美味しかったです。之だけの料理の腕をお持ちなんて・・・。吹雪ちゃんはいい艦長を持ちましたね」

 

「はい♪あと艦長から伝言なんですけど」

 

「?」

 

「皆さんにはまた何かご馳走するって」

 

叢雲と睦月は大喜びし、鳳翔も嬉しそうにお礼を言った。

 

(ソフトクリームでも作ってやろう)

 

艦長ってば・・・冷たい甘味ホント好きですよね。というか艦長は嫌いなものって滅多にないですよね。

食べられない物も殆どないし・・・。この前如何見ても毒キノコみたいなものを平然と食べてましたね。

周りの人たちはトイレに駆け込んだけど一人だけ平然としていましたし。

・・・まるでギネス記録を今だ更新している漫画の主人公警察官さんみたいに。

お金に五月蠅いのもにてるし例外があるとしても妙に義理人情もあるし・・・。

この前抗体を見てみたら髑髏の形で病原菌とか猛毒とか捕食してたし・・・。

艦長って意外と人外ですね。

あっちとは違って一気にお金稼ごうとしないのは似てないですけど。

はっきり言ってあの派出所メンバーの良い所取りをしてるみたいなんですよね。

ヘンな所で短気な事以外・・・

吹雪SIDE

 

艦長の料理・・・鳳翔さん達は気に入ってくれたみたいです。

叢雲も睦月ちゃんも喜んでくれてるし艦長もなんだか嬉しいって感じみたい。

ほんとに美味しかったなぁ・・・アイス。

ますます艦長の事が好きになっちゃいますぅぅ!!

あ、勿論艦長の事が一番好きなのは箒さんと清香さんだと思いますけど私も負けません!

 

「お、此処に居たんだな吹雪」

 

天龍さんのご来店です。

 

「提督がさ、今度の合同演習に吹雪を出したいって言うんだけど」

 

「構いませんけど・・・?」

 

なんだか天龍さんの様子がおかしいです。何時もは姉御肌で面倒見がよく、

物事をハッキリと言う人って感じなのに何だか言おうとしている事が言い難いのでしょうか?

 

「相手はメンバーは正規空母2、戦艦2、潜水艦2の艦隊なんだ。

 こいつらはまともなんだがその提督が物凄く性格悪くてな・・・」

 

嫌な予感・・・艦長?かわるんですね?

 

「見下した口調で勝てばさらに罵倒をし、負ければこっちがインチキしたと言いがかりをつけて

 何かしらの要求でもしてるのか?階級がそれなりに高いのを利用して」

 

「ん?吹雪?」

 

「今は織斑一夏だ」

 

「あぁ吹雪の艦長さんか。そうなんだよ。エリートの名門の家の出だからっていい気になりやがって」

 

本当に外道ですね。艦長は何か考えてます。多分おっそろしい位えげつない事を・・・。

あれ?誰に電話したんですか?元帥?何で電話番号知ってるんです!?

え?調べた?本当に何時も何時も艦長の情報収集能力には驚かされます。え?清香さんのほうが上?

そりゃあの人は忍者だし・・・。

 

「なぁ、さっき元帥がどうのこうのって・・・」

 

「あぁ、横須賀にいる元帥は良心的な人物で艦娘達にも慕われてるって調べがついたから

 一寸演習の時に備えて下準備をな・・・」

 

絶対えげつない事考えてますね艦長・・・

多分下手すると演習相手の提督命ないんじゃ・・・。私は如何でもいいですけど。

天龍さんが怯えてる?

 

「な、なぁ艦長さん・・・なんでそんな悪い笑み・・・みたいなの浮かべているんだ?」

 

あぁ・・・アレは怖いですよね流石に・・・。

しかもこの顔って本当にえげつない事考えてたりするときの表情だから輪に掛けて怖いです・・・。

 

「まぁ・・・奴さんを地獄に落とす下準備を初めてるって所だ。あとは装備だな。

 ・・・睦月にアレ装備させてみるか」

 

アレってまさかスカルホースの重武装モードの事言っているんじゃ・・・。

さっき資料室で見付けた大和型の方たちの艤装そっくりなんですよね。あの形態。

っていうか物理法則無視した変形しますよね。ゲッターロボみたいに。

そういえば第六駆逐隊の暁型の子と大和型戦艦の人達は確か早乙女研究所が所有してたっけ。

ゲッター炉心搭載して私達と似たような感じになってたっけなぁ・・・

 

「ま、まぁその当りは提督と話し合って決めてくれ」

 

「あぁ。ありがとうな天龍。後、後ろ」

 

「ゑ?」

 

天龍がそっと振りかえると其処には龍田がいた。

 

「大方お前報告書を纏めるのがめんどくさくて逃げたんだろ?」

 

「ギクッ」

 

「そうなのよぉ~」

 

「真面目にやっときゃ良い物を・・・」

 

「だってよぉ」

 

そういうのって『だってもあさってもない!』って艦長は言いそうですよね。

龍田さんがもう天龍さんに言ってますけど。

 

「っていうか吹雪の艦長さんも似たような感じだと思うんだけどよ・・・」

 

「あらぁ~?艦長さんはきっちり報告書を書いてくれたわよ~?」

 

艦長はそういうところはマメなんですよね。十蔵博士がずぼらだったから。

所長や教授は普段から忙しいし束さんはお手伝いで忙しいし箒さんはそんな事わからないし。

他国語は色々喋れていたけど。やらせすぎれば本気でキレますけど。

 

「じゃあね~。艦長さん吹雪ちゃん」

 

「ま、待て龍田!首!締まって・・・」

 

天龍は龍田に連れて行かれ、吹雪は呆然としながら見送っていた。

 

(龍田は姉思いなんだな。一寸暴走気味だが)

 

(普段は優しい人みたいですけどね。雰囲気のせいで怖い人と思われてるみたいですけど)

 

艦長は洗物を拭いて食器棚にしまったら引っ込んで寝ちゃいました。

またご来店みたいです。ピンクの髪の毛でなんだか雰囲気が束さんに似てますね。

技術者的な意味で。

 

「あら、明石さん。この時間に来られるなんて珍しいですね」

 

「鳳翔さん。いや珍しく整備とかが速く終って・・・」

 

明石さんというみたいです。整備と仰っていたので多分工作艦の方だと思います。

 

(事実工作艦だっての)

 

艦長起きてらしたんですか?え?嫌でもわかる?そうでしたね。

感覚の共有って便利なんだか不便なんだか・・・。

 

「あれ?鳳翔さんこの子は?新入りさんですか?」

 

「あ私吹雪っていいます。艦種は光子力駆逐艦です」

 

「光子力って・・・どっかのアニメじゃあるまいし・・・」

 

「現実です」

 

「・・・」

 

明石さん、完全に固まってますね。

 

「明石さん?」

 

「ええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」

 

この後やって来た昴提督に色々私に関する説明を受けた明石さんは興奮して

私を工廠に連れて行って色々とされそうだったけど艦長が出てきて止めてくれました。

 

「うぅ・・未知の技術を見てみたかったのに・・・」

 

「やり過ぎだ」

 

「あはは・・・」

 

グレートマジンガーの状態で実体化した艦長に拳骨を喰らった明石さん。

滅茶苦茶痛そうです。っていうか一撃大破って・・・。

 

「入渠してきます・・・」

 

私もお風呂入りましょう。嫌な汗かきまくりました。艦長は暫く実体化しているみたいです。

睦月ちゃんが目を輝かせて艦長にくっ付いてますけど艦長は元々子供達には優しいから問題ないですね。

 

吹雪SIDE END

 

吹雪が風呂に入っている間、一夏は睦月に非常に懐かれていた。

肩車をしたりアスレチックにされていたりした。

 

「あ!睦月姉しゃん何してるんれすかぁ~?」

 

「にゃ?文月ちゃん?」

 

「このロボットしゃんは一体なんなんれす~?」

 

『ロボットじゃなくて一応人間なんだが・・・』

 

「みゃぁ!?しゃべったぁぁぁぁぁ!?」

 

『喋っちゃ可笑しいか?』

 

睦月が簡単に一夏の事と彼の事情を説明すると目をキラキラさせてグレートマジンガーを

見つめる文月。そんな彼女は背中の小さく格納されているスクランブルダッシュに気が付いた。

 

「これはなんれすか~?」

 

『ん?あぁ翼だ』

 

スクランブルダッシュを変形させ、格納形態から飛行形態に変形させる。

 

「スゴイスゴ~イ!!」

 

一夏は睦月と文月を抱きかかえると空に飛び立つ。

途中で『質量変化』で20Mクラスまで巨大化し手の上に二人を乗せた。

何時もとは違う視点からみる海に二人は感動しっぱなしだ。

 

「わぁ~♪」

 

「アハハ♪ヤッホ~!」

 

キャッキャッと騒ぐ二人を見て一夏は自分の世界で孤児院の子供達と同じことをしてあげたり

遊んでやった時の事を思い出した。

そして何時だったか見た特撮に出てきた光の巨人3人を思い出していた。

 

(こいつらもあのガキ共と変わらんなぁ・・・)

 

鎮守府に戻ると若干不機嫌な吹雪がいたが彼女や話を聞いた叢雲や第六駆逐隊のメンバーにも

同じ様にしてやるととても喜んだ。吹雪は自分が初めてではないことに若干不満そうだったが。

さらに遠征から戻って来た睦月方のほかの姉妹たちにもせがまれ、溜め息を吐きながらも律儀に

同じ様に飛んだ一夏だった。

 

「艦長!睦月ちゃんと文月ちゃんが最初なんてずるいです!」

 

「初めてはあの二人じゃなくて箒と清香なんだがな・・・」

 

「はにゃ~?」

 

「そのお二人はどんな人なんれすか?」

 

「あ~・・・」

 

文月の質問に答えにくそうに言葉を探す一夏。

 

「艦長の奥さん達です」

 

「結婚済み!?」

 

吹雪がぶっちゃけてばらしたのだった。

 

「しかも二人!?」

 

「こっちは一夫多妻OKだからなぁ・・・」

 

ガサガサ・・・ドスッ!グエッ!

 

「今変な声しませんでした?」

 

「知らん」←原因を作った人間

 

吹雪の質問にシレッという一夏だった。

 

「青葉~!?何処行ったの!?」

 

昴が誰かを探してやって来た。

 

「青葉~!っていっくん!?また違う姿だね。かっこいい・・・」

 

目を輝かせてグレートマジンガーをみる昴。

 

「さっきから探してるみたいだが青葉って確か重巡だよな?」

 

「そう。さっき建造で御出迎えできたんだ。けどスクープの臭いがするとか言って

 何処かにすっ飛んで行っちゃったの」

 

「ほぅ・・・」

 

一夏の目が自分たちからは見えないはずなのに若干の怒りに染まったような気がした睦月型の

メンバー達。吹雪は彼の『無責任で無遠慮なマスコミ』嫌いを知っていて呆れ、

叢雲はそんな吹雪の様子からこの後起こりうる可能性をかなり正確に予測していた。

第六駆逐隊のメンバーは上空に雷雲が渦を巻いているのに気が付き、カタカタと震えてしまっている。

吹雪は叢雲と共に他のメンバーを退避させた。すると・・・

 

「どうも!青葉です!何か一言おねg『サンダー』・・・ゑ?」

 

青葉が近くの草むらから葉と土に汚れて出てきた。

 

『ブレーーーーーーーク!!!!』

 

「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!!!!!」

 

怒ってはいてもサンダーブレークの威力にはしっかり手加減をくわえていた一夏。

この後、青葉は暫く雷(かみなり)に異常なまでのトラウマを持ったらしいが、

一時期は雷(いかづち)にも怯えていたとか。

 

 


 
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