簡単なあらすじ・・・
武将が女の子ばかりという不思議な三国志の世界から戻ってきた北郷一刀。
落胆する彼の目の前に、彼の世界で天の御遣いの訪れを予言した管輅が現れる。
管輅が言うには、この世界は元々一刀が居た世界である。
だが、同時に一刀の望んだ世界でもあるのだという。
一刀の望み・・・それは別れてしまった彼女たちとの再会である。
その言葉通り、管輅と別れた彼は桃香、愛紗、鈴々、朱里、雛里、星、紫苑と再会する。
理事長の計らいで女子寮に住む事になったみんなは、そこを拠点に手分けして他の仲間を捜す事になった。
桃香と星は公園で麗羽、猪々子、斗詩、美以、ミケ、トラ、シャム、白蓮と出会った。
鈴々と朱里は、翠、蒲公英と再会できた。
愛紗と雛里は、桔梗と焔耶に出会えた。
一刀は、月、詠、恋、音々音の4人と再会した。
それぞれが紫苑の待つ女子寮へと向かう・・・。
紫苑の待つ女子寮には次々とみんなが戻ってきていた。
最初は鈴々達。
次に桃香達。
その次は愛紗達。
最後に一刀達である。
みんなはそれぞれ再会を喜び合ったが、月と詠の格好の違いに気付き聞く。
月「一刀・・・さん・・・に買ってもらいました・・・。」
詠「あのメイド服ってやつよりは普通だからいいじゃない!!」
頬を赤く染めながら話す月とあくまで強気の詠。
しかし、みんなにとって問題なのは服の内容ではなく誰にの部分だった。
桃香「えー、いいなぁ。一刀さん、私にも服買ってよ!!」
桃香のおねだりを皮切りに次々と服を要求する蜀の面々。
一方一刀は、月達に服を買う事でこうなるなど想定外だったらしく、あたふたし始めている。
そんな中、このやり取りに参加していなかった音々音がぽつりとつぶやく。
音々音「ここに住むのはいいとして、ねね達の食費とかはどうなるですか?」
一刀「あっ・・・。」
忘れていたわけではないが、ちょっと現実逃避していた。
生活をするためには先立つものが必要になる。
女子寮の家賃みたいなものは学園負担なので問題ないが、食費など普段の生活費は誰かが負担しなければならない。
桃香達は働いていないから収入はないし、今から働き始めても収入は来月にならないと入らない。
一刀にこれだけの人数を養える財力があるはずもなく、そんなのはよほどの金持ちしか不可能だろう。
一部何の事だか分からず相変わらず騒いでいるが、他の者とりわけ軍師の面々は深刻な状況に頭を抱える。
だが、ここにその問題を解決する人物が現れた。
??「それなら問題ないよ。」
みんな「!?」
声のした方向を向くと、杖をつきいかにも人の良さそうな老人が立っていた。
紫苑「理事長さん・・・。」
紫苑だけは出会った事のある聖フランチェスカの理事長その人である。
理事長は一刀の前に行くとその手を持った。
理事長「北郷一刀君。よく、みんなを捜し当ててくれた。」
一刀「いや、桃香達のおかげです。って理事長はみんなの事をご存じなんですか?」
理事長「ああ・・・。」
なぜという疑問を聞く前に理事長の後ろからその回答が出された。
??「わしが教えておいたからじゃよ。」
一刀「管輅。」
そこには、この世界で最初に一刀に出会った管輅その人が立っていた。
管輅の話は続く。
管輅「この事態は、わしにも予見できた。だが、わしはそこまで深く関与する事はできない。そこで双方の事情が分かる人物に協力を仰いだわけじゃ。」
一刀「それが理事長・・・。」
管輅「さよう。」
管輅が話したと言う事で理事長が知っているのは分かる。
だが、いきなり桃香達の事を話しても信じるはずはない。
その一刀の疑問には理事長が答えた。
理事長「それは、私も昔、あの世界に行った事があるんだよ。」
みんな「!?」
この理事長の発言には一刀だけでなく他の面々も驚いた。
そして、理事長は持っていた杖をみんなを指しながら動かした。
理事長「みんなともその時会っているんだよ。」
この発言にさらに驚く蜀の面々。
桃香「えー、こんな老人が昔に会った事あるって、私そんなおばあさんになっちゃったの?」
焔耶「いえ!!桃香様は美しいですよ!!」
桔梗「焔耶、いいかげんにせんか!!」
桃香が心配そうに周りに聞き、焔耶がすかさずフォローをしたかと思うと暴走気味の焔耶にげんこつを飛ばす桔梗。
だが、桃香ではないが他の面々も老人である理事長が昔にという言葉に不安感を覚える。
管輅「あー、心配するな。この者が出会ったおぬし達と今のおぬし達は似て非なる者だ。」
一刀「それってどういう・・・?」
管輅「それを説明するのは、正史や外史と言った面倒臭い事まで話さなくてはいけなくなるんでな。今はそうなんだと認識しておけばよい。どうしても知りたければあのマッチョな踊り子が教えてくれるじゃろ。」
一刀「マッチョな踊り子?」
そんなものに心当たりなど無い一刀だった。
??「へくしょん!!」
??「どうした、貂蝉。風邪でもひいたのか?」
貂蝉「そんなわけないじゃない。ひょっとして、ご主人様がう・わ・さしてるのかしら~。」
一刀「うぅ~。」
いきなり震えがくる一刀。
愛紗「どうされたのですか?」
一刀「いや、何でもないよ。」
愛紗「そのお体はもうお一人のものではないのです。ご自愛なさってください。」
一刀「ありがとう、愛紗。」
そう言って見つめ合う二人。
桃香「あー、愛紗ちゃんが一刀さんとイチャイチャしてる!!」
その発言に次々に非難の声を上げる面々。
愛紗「私は・・・イチャイチャなど・・・。」
そう言いながらも顔を真っ赤にしてうつむいてしまう愛紗であった。
管輅「あー、話を続けてもよいかな。まあ、そんな事情もあってこの者におぬし達の事をお願いしたのじゃよ。」
理事長「そう言う事だからお金とかの心配はしないでいいよ。あと、学園への編入手続きもすでに済んでいる。」
一刀「ありがとうございます。」
星「学園へ編入とは?」
みんなには何の事だからよく判らない。
一刀「みんなは、この学校の生徒になるって事だよ。」
星「なんと!?」
一刀の発言に驚くのだが、一部例外もいた。
鈴々「学校って何なのだ?」
鈴々を始め、翠や蒲公英、麗羽と猪々子、美以達南蛮兵、焔耶にはなんだか分からない。
一刀「学校って言うのは勉強をする場所だよ。」
鈴々「鈴々、勉強は嫌いなのだ!!」
そう言って不満を言う鈴々達であったが、一刀や桃香達の説得で何とか納得させる。
理事長「そういえば、あのカードは役立ったかな?」
紫苑「そうでしたわね。星ちゃん、朱里ちゃん、雛里ちゃんあのカードを出して。」
紫苑に言われカードを出す3人。
そう、雛里が桔梗のお酒を買った時に使ったカードだ。
桃香「その小さいものは何?」
理事長「これは、これを出す事でこの周辺だけだが、何でも購入できるものだよ。」
桃香「えー!!星ちゃん、そんなの持っていたの?」
星「持っておりましたが、忘れておりました。」
桃香「ぶー!!」
星のさも当たり前という感じの言い方に、不満を持つ桃香。
鈴々「朱里も持っていたのかー?」
朱里「うん。でも使う事もないかなって。」
鈴々「でも、知っていたら色々買っていたのだー!!」
朱里「たいやきもらったからいいじゃない。」
こちらはまるで子供の言い争いの様相を呈していた。
理事長「なんだ、結局全然使っていないのか。」
雛里「いえ、桔梗さんにお酒を買いました。」
理事長「そうか、役立ったのなら何よりだ。」
一刀「なんで、何でも買えるんです?」
一刀の疑問は尤もだった。
理事長「それはな・・・。」
このカードは結局、使用分を理事長のつけに出来るという地域限定のクレジットカードのようなものだった。
なぜ理事長のつけに出来るかと言えば、理事長を信頼しているに他ならないのである。
だが、地域限定とはいえ誰でも好き勝手に使われたらたまったものではない。
なので、理事長から信頼されたものにしか配られておらず、それほど枚数が出回っているものでもない。
理事長にカードを返す、星、朱里、雛里。
桃香や鈴々はまだ不満を言っていたが、一刀に説得されて静かになる。
理事長「とにかく、お金の心配はしないでくれ。私が何とかするから。それ以外の事は、君が頑張ってくれ。」
そう言って、一刀の肩をに手を載せる。
それ以外の事というのは、あっちの世界とこっちの世界の違いについてだろう。
ハイテク機器やルールなど教えなきゃいけない事は山積みだった。
と、ここで一刀が気付く。
一刀「外で教えるのは構いません。でも、部屋の中までは無理ですよ。」
女子寮は、エントランスまでは男子生徒でも入れるが部屋の中は無理だった。
しかし、理事長は笑顔を見せると言った。
理事長「それについては大丈夫だ。もう1人協力者がいる。君の知っている人物だと思うがな。」
その発言に呼応するように、女子寮入り口の自動ドアが開く。
1人の女生徒が中に入ってきた。
そして、その状況に驚く。
??「えっ!?この状況は何?・・・あ、北郷君。」
一刀「東堂先輩・・・。」
そう、入ってきたのは一刀が所属する剣道部主将の3年生、東堂真紀である。
一刀は東堂に、桃香達が留学生でここの事がよく判らないから部屋の説明などをして欲しい事を頼んだ。
東堂「そう言う事なら頼まれてあげるわよ。私は、東堂真紀。剣道部の主将をやってます。」
桃香「私は、桃香って言います。よろしく。」
そう言って握手を交わす2人。
名前については、一刀がみんなを説得し真名をこちらでの名前にする事にした。
本名は、有名な三国志の武将名だから使えないし、偽名ではいつボロが出るか分からない。
真名を誰それ構わず呼ばれる可能性のある事に不満を言う者もいたが、最終的には全員が納得した。
管輅「さてと、わしは帰るとするかの。」
一刀「ありがとう、管輅。」
管輅「なに、これがわしの仕事じゃからな。・・・っとそうじゃった。」
入り口付近で振り返ったかと思うと。
管輅「次に会った時にはハーレムに加えてもらう約束じゃったな。」
そう言ってウィンクをとばす管輅。
ハーレムという言葉が分からない面々。
鈴々「はーれむって何なのだ?」
鈴々が東堂に聞く。
東堂は、一刀を呆れるように見ながら言った。
東堂「ハーレムって言うのは、1人の男の人がたくさんの女の人を侍らせる事を言うのよ。今の北郷君みたいにね。」
その言葉のはしはしに怒りの模様が刻まれていた。
東堂のこの説明に反応する面々。
そして、非難の矛先は一刀に向けられた。
桃香「管輅ちゃんまでってどういう事?」
愛紗「呆れてモノも言えません・・・。」
鈴々「鈴々は別に構わないのだ。」
朱里「一刀さん、不潔です。」
雛里「あわわ・・・。」
星「一刀殿は相変わらずという事ですな。」
紫苑「私は何番目かしら?」
璃々「お母さん、璃々もそのはーれむに入っているの?」
翠「あ・・・あたしは違うからな!!」
蒲公英「たんぽぽが一番だよ!!」
麗羽「わたくしが一刀さんのそのハーレムとか言うのに入っているわけないですわ。」
猪々子「あたいは斗詩がいれば別にハーレムでもいいぜ。」
斗詩「もう文ちゃんったら。」
白蓮「私が・・・北郷と・・・(////)」
月「へぅ~。」
詠「ボ・・・ボクは関係ないからね!!」
恋「・・・・・・。」
音々音「ねねは恋殿とずっと一緒ですぞ!!」
桔梗「お館様は変わらぬと言う事じゃな。」
焔耶「桃香様を北郷のになんてゆるさん!!」
美以「兄はスゴイのにゃ。」
ミケ「スゴイにょ。」
トラ「スゴイにゃ。」
シャム「・・・にゃん。」
一刀は桃香達に押し倒され、もう収拾の付かなくなった状況に笑う管輅。
管輅「面白いな、おぬし達は。おぬし達に出会えた事、よかったぞ。」
一刀「管輅・・・。」
管輅「機会があれば、また会う事もあろう。それじゃあな。」
手を振り、女子寮を後にする管輅。
それに続き、理事長も。
理事長「ここまでお膳立てをしてやったのだ。あとは、キミが頑張る番だよ。」
そう言いながら女子寮を後にする。
2人の退場に神妙っぽくなる一刀だったが。
一刀「ってフォローは無しかよ!!助けて、先輩!!」
この言葉に東堂はふんっと横を向いて。
東堂「知らないわよ!!」
と、素知らぬ顔をする。
一刀「誰でもいいから助けてくれー!!」
一刀の叫び声が女子寮に響き渡るのであった。
あとがき
現代に戻ってしまった天の御遣い北郷一刀君の物語最終章です。
まず、魏と呉の武将達が出る事を楽しみにしていた方、ごめんなさい。
出すつもりもあったのですが、無理でした^^;
何とか話をまとめる事ができた・・・のかなぁ。
正直これほど大変とは思わなかったので、今はホッとしています。
簡単にですけど、分かりにくそうな部分を説明しようかなと思います。
理事長について・・・
当初、貂蝉や卑弥呼と言ったキャラを理事長にする予定もありました。
ですが、彼女(?)らをそう言った立場にするという話はどこかで見た事あったので
一刀と同じ外史に行った事のある人間にしました。
そうすれば、一刀の立場も理解できるし桃香達とのやりとりも違和感なく出来るのではないかなと。
結果どうだったでしょうか?
カードについて・・・
そこまで細かく考えていませんでしたが、こんな感じでした。
これについては、もうすみませんとしか言いようがありません。
今度はもうちょっと考えてから登場させないと思います。
東堂真紀について・・・
女子寮という場所である以上、一刀は彼女達の部屋には入れません。
せいぜい入れて管理人室でしょう。
でも、部屋の中のハイテク類、テレビやエアコンといったモノの説明は必要になります。
そこで登場したのが、この東堂真紀です。
当初は、一刀の幼なじみにして恋愛模様みたいなものを考えてましたが
ただでさえ登場人物が多いのでこれ以上は無理と判断して剣道部の主将にしました。
でも、剣道部の他の生徒の話って原作で出てましたっけ?
その辺が曖昧ですが、この子はオリジナルと言う事で勘弁してください。
管輅について・・・
最後は居残らせて、桃香達とのやり取りもさせる予定でしたが、やはり無理と判断して帰らせました。
彼女は一刀の事を気に入っているので何か書く事があったら登場させてあげたいと思います。
以上でこの話は終わりますが、学園生活はここから始まりです。
と言う事で、余裕が出来たら学園生活の模様を小説化出来たらと思っています。
その時には、またご覧いただけると幸いです。
今回もご覧いただきありがとうございました。
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天の御遣い帰還するの最終章です。
この話でとりあえず終わります。
最後にしてオリキャラも登場します。
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