No.770790

九番目の熾天使・外伝 ~vsショッカー残党編~

竜神丸さん

崩壊のW/消えゆくアンダーワールド

2015-04-13 15:57:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2179   閲覧ユーザー数:973

「フンッ!!」

 

「グァァァァァァァッ!?」

 

サツキに襲い掛かろうとしていたレギオン。そのレギオンとの戦闘に突入したウォーロックは戦いの場を鳴海探偵事務所前から噴水広場に移動したが、レギオンが使用する薙刀―――ハルメギドの猛攻に押されてしまい、強力な一撃を胸部に受けて大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「く…!!」

 

「お前に構ってる暇は無い……さて、あの娘は何処に逃げたか…」

 

あくまでサツキを標的としているレギオンはその場から立ち去ろうとする。しかしそんな彼の行く手を、ウォーロックソードを支えに立ち上がったウォーロックが遮る。

 

「させ、ない…!!」

 

「…構ってる暇は無いと言った筈だが?」

 

「貴様の相手は僕だ……あの娘には、指一本触れさせはしない…!!」

 

「…ほう」

 

斬られた胸部を左手で押さえながらも、ウォーロックソードを構え直してから戦おうとするウォーロック。そんな彼の姿を見たレギオンは自身の顎を触れながら興味深そうに告げる。

 

「何故そこまでして俺に歯向かう。貴様とあの娘に、一体何の関係がある」

 

「サツキさんとは、今日出会ったばかりさ……それでも、目の前で人が襲われているところを……見過ごすようなマネは出来ない…!!」

 

「なるほど。どうやらお前は、本質からして人助けをせずにはいられんようだな……良い、実に良い」

 

レギオンは冷静にディアーリーズの性格を分析し、次第に楽しそうな声色に変わっていく。

 

「自分がどれだけ傷付こうとも、無関係な誰かを助けようとするその思い……実に美しい。良いだろう、お前の心も覗かせて貰おうか!!」

 

「…!!」

 

標的をサツキからディアーリーズに変更したレギオン。ハルメギドを振り回し、ウォーロックはその場に倒れる事で攻撃を回避し、レギオンの右足を斬りつける。

 

「ほほぉ……実に素晴らしい、最高にエキサイティングだぁ…!!」

 

「ッ…どんだけ変態なんだ貴様は!!」

 

≪オリジン・ナウ≫

 

レギオンに蹴り転がされたウォーロックは立ち上がり、オリジンリングをドライバーに翳し、ウォーロック・オリジンスタイルへと強化変身を遂げる。すぐにウォーロックソードを構え直し、迫って来るレギオンを真正面から迎え撃つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、鳴海探偵事務所から少し離れた場所にある商店街…

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!!」

 

「く…!?」

 

「フッ!!」

 

「チィ……りゃあっ!!」

 

「グッ!?」

 

突如、三人のダークライダーから襲撃を受けたヒートとカリス。ヒートはダークキバの蹴りをしゃがんで回避してダークキバに拳を叩き込み、カリスはダークカブトと掴み合いになったまま、無双セイバーで斬りかかって来た鎧武・闇を後ろ蹴りで蹴りつけて怯ませる。

 

「ハルカ、コイツ等は…」

 

「えぇ……メイジの娘とは何か様子が違うわ」

 

≪デンデン!≫

 

一度ダークライダー達から距離を取る二人。カリスがカリスアローを構える中、ヒートは取り出したオレンジ色のカタツムリ型ガジェット“デンデンセンサー”で赤外線を放出し、ダークライダー達に当てる。

 

「!? …コイツ等、全身が魔力の集合体その物ね。中には誰もいないわ」

 

「誰かの意志で操られた傀儡という事か……それならば、気兼ねなく倒せる訳だ」

 

「始はあの黒いカブト虫の奴をお願い!! アイツは高速移動が使えるから、早めに潰さないと面倒よ!!」

 

「任せろ…でやぁ!!」

 

「ッ!?」

 

カリスは即座に飛び出し、カリスアローでダークカブトを斬りつける。ダークカブトもゼクトクナイガン・クナイモードでカリスアローを防ぎ、そのままカリスと応戦する。

 

「フッ!!」

 

「ハァァァァァァ…!!」

 

「ッ……女一人に男二人とか、かなり卑怯臭いわね!!」

 

残るダークキバと鎧武・闇はヒートに襲い掛かり、ヒートは鎧武・闇の無双セイバーを蹴り弾いてからダークキバのパンチを両手で受け止め、足を引っ掛けてダークキバをその場に転倒させる。その一方で鎧武・闇はヒートから距離を離し、無双セイバーのレバーを引いてエネルギーを充填し、無双セイバーの鍔の銃口から数発の銃撃を放つ。

 

「ハァッ!!」

 

「ぐ、この…!!」

 

「フン!!」

 

「がは!?」

 

銃撃で怯んだヒートの腹部に、ダークキバの膝蹴りが命中。そのまま更に蹴りを叩き込み、ヒートを建物の壁に叩きつける。

 

『ザンバット!』

 

「ヌゥン…!!」

 

「!? まさか、ザンバットソードまで…!!」

 

ダークキバのベルトに止まっている蝙蝠“キバットバット二世”の声と共に、魔皇剣“ザンバットソード”が何処からか出現。そのザンバットソードを手に取ったダークキバはすかさずヒートに斬りかかり、ヒートはザンバットソードを前転で回避してからヒートメモリをスロットに装填する。

 

≪ヒート・マキシマムドライブ!≫

 

「このぉ!!」

 

「ッ…ウラァ!!」

 

「な、がふっ!? が…!!」

 

前転から立ち上がったヒートは炎の纏われた拳を鎧武・闇に叩きつける。しかし鎧武・闇が無双セイバーで防御した所為で上手く怯ませられず、逆に鎧武・闇に連続で斬りつけられた事で逆にヒートが怯ませられる羽目になってしまう。

 

「この…!!」

 

 

 

-ドゴォォォォォォォンッ!!-

 

 

 

「!?」

 

直後、遠くから巨大な爆発音が聞こえてきた。ウォーロックとレギオンが戦っている噴水広場からだ。

 

(今の爆発、ウルがいる噴水広場から…!?)

 

「ハッ!!」

 

「!? しま…うぁぁぁぁぁっ!?」

 

噴水広場からの爆発音に気を取られたヒートは、ダークキバがキバの紋章を模した巨大な波動結界を出現させている事にすぐに気付けなかった。出現した波動結界はそのままヒートの目の前まで移動し、彼女を拘束したまま強力な電流で彼女にダメージを与え続ける。

 

「ぐぅ…こ、のぉ…!! アンタ等、みたいな…傀儡なんかにぃ…!!」

 

≪ヒート・マキシマムドライブ!≫

 

波動結界に拘束されたまま、ヒートはスロットに装填したままだったヒートメモリの出力を上げ、再び右手に灼熱の炎を纏わせる。しかしこれだけでは終わらない。

 

≪ヒート・マキシマムドライブ! ヒート・マキシマムドライブ!≫

 

(下手すればドライバー自体が故障する……けど、私とヒートメモリの適合率なら…!!)

 

≪ヒート・マキシマムドライブ!≫

 

「ッ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

何度もスロットを叩き、出力を上げ続ける事で全身に炎を纏い始めるヒート。しかし出力が上がり過ぎている所為でその負担もかなり大きく、同時に波動結界に拘束されているのもあって肉体的なダメージは相当な物だ。それでもヒートはその肉体的ダメージにも耐え、燃える拳を強く握り締める。

 

「クックック……ムンッ!!」

 

(ッ…やるなら今!!)

 

ダークキバはヒートを波動結界から引き寄せ、ザンバットソードで彼女を斬ろうとする。それがヒートにとって反撃のチャンスだった。

 

「ライ、ダァ……パァンチッ!!!」

 

「!? グォアァァァァァァァァァァッ!?」

 

引き寄せられる勢いを利用し、ヒートのライダーパンチがダークキバの装甲に強く叩き込まれた。想定外のカウンターでダメージを受けたダークキバは地面を転がり、着地したヒートも全身のダメージでその場に膝を突く。

 

「はぁ、はぁ……ざまぁ見なさい…!!」

 

しかし…

 

≪ロック・オン…≫

 

「!?」

 

「ハァッ!!」

 

≪レモンエナジー!≫

 

「キャァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

今のヒートにはその一撃が限界だった。ブラックレモンエナジーロックシードをソニックアローに装填していた鎧武・闇はヒート目掛けてソニックボレーを放ち、その一撃がヒートのロストドライバーに命中。成す術なく吹き飛ばされて地面を転がったヒートは変身が解けてハルカの姿に戻り、破壊されたロストドライバーが地面に落ちてバチバチ火花を散らす。

 

「ッ…ロストドライバーが…」

 

「フンッ」

 

「あぐ!?」

 

倒れているハルカの首元を鎧武・闇が掴み、無理やり彼女を起き上がらせてから高く持ち上げる。ハルカは首を絞められながらも抵抗するが、肝心のロストドライバーが壊れてしまった以上、今の彼女には反撃の手段が何一つ存在していない。

 

「か、ぁ……あ…!!」

 

「!? ハルカッ!!」

 

「…!!」

 

ハルカの窮地に気付いたカリスはダークカブトを押し退け、彼女を助けるべく鎧武・闇に向かって駆け出す。しかしダークカブトがそれをさせない。

 

「クロックアップ…」

 

≪CLOCK UP≫

 

「ぐぁっ!?」

 

クロックアップを発動したダークカブトが、カリスをあらゆる方向から攻撃。クロックアップの猛攻を受けたカリスは足止めされてしまい、その間にも鎧武・闇はハルカを片手で持ち上げたまま、無双セイバーの刃先を彼女の首元へと向ける。

 

「ぁ、ぁ…」

 

「ハァァァァァァ……デヤァッ!!」

 

既にハルカの意識は飛ぶ寸前だった。そんな彼女にトドメを刺すべく、鎧武・闇が無双セイバーを容赦なく突き立て―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪チョーイイネ・スペシャル! サイコー!≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「!?」

 

―――る事は無かった。

 

駆けつけたウィザード・フレイムドラゴンの胸部に出現したドラゴンの頭部“ドラゴスカル”から強力な火炎放射が繰り出され、鎧武・闇は思わずハルカを手放す。

 

「はぁっ!!」

 

「グガァッ!?」

 

そこへNEW電王も駆けつけ、マチェーテディで鎧武・闇に一撃を加える。NEW電王が鎧武・闇と戦う中、解放されて地面に倒れたハルカは苦しそうに咳き込みながら息を整える。

 

「げほ、ごほ……ありがとうハルト、助かったわ」

 

「なぁに、いつもはこっちがバックアップを受けてんだ。たまにゃ俺達にも助けさせてくれや」

 

≪SPINNING WAVE≫

 

「ガァッ!?」

 

そこへカリスのスピニングウェーブを受けたダークカブトが転がって来た。更に大きくジャンプして来たカリスがウィザードの隣に着地する。

 

「ウルがレギオンという敵と戦っている、お前はウルの援護に向かえ」

 

「!? レギオンだと……そりゃあマズい!!」

 

≪コネクト・プリーズ≫

 

レギオンの名前を聞いたウィザードは慌ててマシンウィンガーを召喚し、それに乗ってウォーロックとレギオンがいる噴水広場まで向かう。その間に起き上がったダークカブトとダークキバが、カリスとハルカに向かって襲い掛かろうとするが…

 

-ギャギャギャギャギャギャギャギャ!!-

 

「「ガァァァァァァッ!?」」

 

猛スピードで走って来たスカルギャリーが、ダークカブトとダークキバを大きく撥ね飛ばした。スカルギャリーはカリス達の前で停車し、ハッチが開き中からスカルと斬月が飛び出して来た。

 

「全員、早くスカルギャリーに乗れ!! 一旦引き上げる!!」

 

「待って支配人、まだウルがレギオンと戦ってるの!!」

 

「レギオン…!? だとすれば尚更急がないとマズいな…!!」

 

「急ぐぞ」

 

「「「グガァッ!?」」」

 

『幸太郎、急ごう!!』

 

「あぁ、その方が良いかも!!」

 

スカルのスカルマグナムと斬月の無双セイバーが、ダークライダー達に銃撃を浴びせる。NEW電王も鎧武・闇を斬り伏せてからスカルギャリーに飛び乗り、全員を乗せたスカルギャリーはその場から発車し、噴水広場まで走り抜けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、噴水広場…

 

 

 

 

 

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

ウォーロックはレギオンの猛攻を受け続け、窮地に陥っていた。ウォーロックソードはハルメギドで地面に叩き落され、レギオンは膝を突いているウォーロックに向かってゆっくり歩み寄って行く。

 

「お前の執念は凄まじい。ますます、お前の心を壊したくなってきた……フンッ!!」

 

「あ…!?」

 

指輪を取り換えようとするウォーロックだったが、それもハルメギドの刃で弾き飛ばされてしまう。そしてレギオンはハルメギドを高く振り上げる。

 

「さぁ、覗かせて貰うぞ」

 

「くそ…!!」

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

「―――エキサイティーングッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

レギオンの一閃が、ウォーロックを斜めに斬り裂いてみせた。それにより発生した空間の裂け目がウォーロックの動きを封じ、レギオンはその裂け目の中に乱暴な形でズカズカと入り込んでいき、裂け目が消えた後にウォーロックはゆっくり地面に倒れ込む。

 

「があぁ、あ…ぁ…!?」

 

「ウルッ!!」

 

マシンウィンガーで駆けつけたウィザードはウォーロックの傍まで駆け寄り、必死にディアーリーズの名前を呼びかける。しかしウォーロックは苦しそうに呻くだけでとても返事を返せるような状態ではなく、ウィザードは急いでウォーロックに自身の指輪を嵌めさせ、それをウィザードライバーに翳させる。

 

「待ってろウル、俺が何とかする…!!」

 

≪エンゲージ・プリーズ≫

 

音声が鳴り響き、ウォーロックの身体の上に出現する魔法陣。ウィザードはその中にすかさず飛び込み、特殊な空間を通ってディアーリーズのアンダーワールドへと突入していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっと!」

 

そして辿り着いたアンダーワールド。着地したウィザードの視界には、見覚えのある光景が広がっていた。

 

「ここは、イルヴィーナ…?」

 

そこは美空の故郷、イルヴィーナの村だった。多くの住人が楽しそうに過ごしており、その中には…

 

「! ウル、それに俺や皆も…」

 

ディアーリーズや美空、咲良やハルト、アキ達や雲雀が楽しそうに談笑している光景があった。ディアーリーズが見せている楽しそうな笑顔を見て、ウィザードは思わず感慨深そうにそれを眺める。

 

「ウルの奴、本当に楽しそうだな……って、いけねぇ!! 感慨深くしてる場合じゃなかった!!」

 

本来の目的を思い出し、慌ててレギオンを探すウィザード。その時…

 

 

 

-ズバァンッ!!-

 

 

 

「!」

 

村の風景に、突然紫色の裂け目が発生した。そこから先に潜入していたレギオンが飛び出して来た。

 

「!? お前は、指輪の魔法使い…!!」

 

「よぉレギオン、お前さんを探してたんだ……これ以上暴れるのはやめて貰おうか!!」

 

「冗談ではない……この美しい心を破壊してこそ、俺の快楽は満たされる!!」

 

「ご遠慮願うぜ、そんな快楽はなぁっ!!」

 

≪コネクト・プリーズ≫

 

≪コピー・プリーズ≫

 

ウィザードは召喚したウィザーソードガンをコピー魔法で二本に増やし、二刀流でレギオンに挑む。レギオンはハルメギドでウィザーソードガンの攻撃を受け止め、ウィザードを蹴りつけてからハルメギドを振り下ろそうとしたその時…

 

『ガォォォォォォォォォォンッ!!!』

 

「何…グォッ!?」

 

「! あれは…」

 

何処からか飛んで来た、翼を生やした獅子のようなファントム―――レグルス。口から放った冷気で形成された氷柱がレギオンを攻撃し、ウィザードの隣に着地する。

 

「おぉ、これがウルの言ってたレグルスか…」

 

『ガォォォォォンッ!!』

 

レグルスは「俺の縄張りに入って来てんじゃねぇ!」とでも言うかのように不機嫌そうな咆哮を上げ、レギオンに襲い掛かる。それを見たウィザードもすかさず指輪をドライバーに翳す。

 

「うし、なら俺も…」

 

≪ドラゴライズ・プリーズ≫

 

『グォォォォォォォォッ!!』

 

ウィザードは召喚したファントム―――ウィザードラゴン(以下ドラゴン)の背中に変形したマシンウィンガーを合体させ、その背中に飛び乗りレギオンに向かって突撃する。レギオンも慌てずハルメギドから斬撃を飛ばし、ドラゴンとレグルス両方を迎え撃つ。

 

「俺の快楽を邪魔する事は許さん…!!」

 

「へっ言ってな!! お前はここで確実に潰す!!」

 

≪キャモナシューティング・シェイクハンズ……チョーイイネ・シューティングストライク! ボーボーボー・ボーボーボー!≫

 

ドラゴンに乗ったウィザードはウィザーソードガンから強力な火炎弾を放ち、レギオンの足元を爆破させる。体勢を崩しかけたレギオンはハルメギドを地面に突き刺して支えとして使い、爆発が収まったところで接近して来たドラゴンを一閃する。

 

「!? しま…どわぁあっ!?」

 

斬られたドラゴンが湖に落下し、同時にウィザードも湖に落ちてしまう。そこへレギオンが跳躍し、エネルギーの溜まったハルメギドを思いきり振り下ろす。

 

「消えろ…!!」

 

「ぐ、ヤベぇ―――」

 

ウィザードが身構える中、レギオンの振り下ろしたハルメギドは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グガァァァァァァァァァァァッ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

ウィザードとドラゴンではなく、咄嗟に飛び出したレグルスの頭部に命中。そこからレグルスの全身に紫色の皹が生えていく。

 

「レグ…どぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

ウィザードが叫ぼうとした瞬間、レグルスは紫色の皹が全身に到達して大爆発を引き起こす。その爆発の勢いはアンダーワールド全体に広がり、ディアーリーズのアンダーワールドがあっという間に崩壊していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウル!!」

 

「ディアッ!!」

 

現実世界でも、スカルギャリーから降りたハルカや支配人達がウォーロックの下まで駆け寄っていた。ハルカが倒れているウォーロックを抱き起こしたその瞬間…

 

-ピシピシピシ……バキイィンッ!!-

 

「ぐ、ぁ…がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアッ!!!??」

 

ウォーロックドライバーが粉々に砕け散り、変身が解除される。しかしその後もディアーリーズの苦しみは一切収まらず、胸元を掻き毟りながら今までにないくらい壮絶な断末魔を上げる。

 

「!! ディア、しっかりしろ!! ディア!!」

 

「ウル!! ウルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」

 

支配人やハルカの声も、今のディアーリーズには到底届かない。彼等から治癒魔法をかけられる間も、ディアーリーズの断末魔は当分収まりそうにはなかった。

 

そんな状況だったからか、誰も気付けるような余裕は無かった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪――――――≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディアーリーズが付けていた銀色の腕輪が、一瞬だけ青く光った事に。

 


 
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