No.76910

真・恋姫†無双~江東の花嫁~(壱拾)

minazukiさん

今回は宴会のお話です~。
キャラが壊れていますがお酒の力!ということでお目こぼしを!(マテ)

2009-06-02 18:12:16 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:31648   閲覧ユーザー数:21383

(壱拾)

 

「か~じゅと~、呑んでる~~~~~?」

 

「わっ、し、雪蓮、どこ触ってるんだ!」

 

「へへへっ~~~~~♪」

 

 完全に酔っ払って一刀に絡んでくる雪蓮。

 

「お、お姉様!か、一刀が迷惑していましゅ!」

 

 そう言いつつもしっかりと雪蓮と反対側から一刀に胸を押し付けていく蓮華。

 

 普段の彼女から想像できないほど大胆な行動をとっているが、当の本人は酔っているため気づいていない。

 

 挙句に語尾が少しおかしい。

 

 助けを求めようと周りを見ても酔いどれと化した呉の重臣達と美羽、それに月達。

 

 なぜこうなったか数日前に遡る。

「宴?」

 

 自室の寝台に座って月に肩の晒しを取り替えてもらっている一刀に雪蓮が嬉しそうに言った。

 

「そう。無事に独立できたし、その祝いの宴」

 

「そっか~。いいかもしれないな」

 

「でしょう?それにこれ機会に月達と親睦を深めようと思うの」

 

 今のところ、旧董卓軍は曹操に降った張遼を除けば全員、一刀の預かりになっており、月と詠は侍女を、華雄と恋と音々音は一刀の家臣とされていた。

 

 さらに遺恨はあるものの、一刀の保護下にある美羽達も参加させると雪蓮が言ったことには一刀も驚いた。

 

 命を助けてもらっていた美羽は真名をお礼として一刀に、恭順の意味を含めて雪蓮に授けていた。

 

 雪蓮も一刀がいるかぎり彼女が妙な気を起こすこともないとわかっていたので真名を授けていた。

 

 それでもまだ雪蓮の前では怯える美羽だったのだが、とりあえず一刀としては一安心していた。

 

「いい考えだな」

 

 一刀からしても断る理由はどこにもなかった。

 

「じゃあ決まりね♪」

 

 嬉しそうにする雪蓮。

 

「月達も問題ないかな?」

 

「はい」

 

「コクッ」

 

 晒しを巻き終えて一刀に頭を撫でられ、頬を紅く染める月と美味しそうに饅頭を食べる恋。

 

「じゃあ準備には月と詠を借りるわね」

 

「了解」

 

 それから数日後、宴が始まった。

 まずは雪蓮が今回の独立祝いを述べ、全員で楽しく酒を呑み交わした……まではよかった。

 

 雪蓮が一番に狙いを定めたのは冥琳。

 

 無礼講と称して浴びるように酒を飲ませて冥琳をつぶした。

 

 そこから宴はある意味、狂乱と化した。

 

 歯止めとなるべく冥琳を先に酔い潰した雪蓮によって亞莎と明命があっけなく撃沈。

 

 思春は最後まで抵抗したが主君の命と言われてしまい、何杯も飲まされこれも撃沈。

 

 続いて穏は潰されることはなかったが別に意味で発情してしまい、詠と音々音が標的とされて一刀が興奮する場面を生み出し、悲鳴が木霊した。

 

 祭に関しては華雄と呑み比べを始め、華雄が撃沈した後でも楽しげに周りを見ながら呑み続けていた。

 

 美羽と七乃はまったく別世界であって、美羽は用意された蜂蜜をさも美味しそうに舐める姿を七乃は可愛いものを見るような視線を向けていた。

 

 だが、酔った雪蓮によってその平和は破られ、七乃が一気呑みをさせられ撃沈。

 

 残った美羽は身体を震わせて逃げるが捕まった。

 

「蜂蜜にお酒を混ぜるとさらに美味しくなるわよ♪」

 

 震える美羽の耳元で嘘をささやくと、美羽はそれを信じ蜂蜜に酒を遠慮なく流し込んでそれを雪蓮によって一気に呑まされて撃沈。

 

 宴の席でも覇王と化した雪蓮。

 

 一方、月と小蓮は仲良く食事をしていたが、小蓮が目を盗んで酒を呑み、また困惑する月に呑ませると一瞬にして酔いがまわり顔を赤くした。

 

 そしてゆっくりとご主人様である一刀のもとに行き、膝の上に頭を乗せて眠ってしまった。

 

「あ~~~~~シャオも一刀といいことしたい~~~~~!」

 

 それを見て小蓮は背中に抱きついて一刀の首筋に頬を擦り付ける。

 

「か~ず~と~♪シャオといいことしようよ~~~~~♪」

 

 完全に酔った目で誘惑する小蓮。

 

「し、小蓮!」

 

 まだこの時点では理性が残っていた蓮華。

 「一刀から離れないか!か、一刀も迷惑しているぞ!」

 

 「え~~~~~。だってシャオは一刀のお妃になるんだもんね~~~~~。だからなにをしていいんだもん♪」

 

 あまり普段と言動が変わらない小蓮に姉の蓮華が許しはずがなかった。

 

「小蓮!そ、それでも孫家の娘なの?」

 

「お姉ちゃん、そんなこと言って本当は一刀といいことしたいんでしょう?」

 

「な、何を馬鹿な……」

 

 そこまで言っておきながら否定できないでいる自分に気づく蓮華は黙ってしまう。

 

(わ、私だって一刀と……)

 

 想像をするだけで全身が火照ってしまう蓮華。

 

 そこへ宴の覇王がなだれ込んできた。

 

「あ~ら、蓮華ちゃんったらな~に赤くなっているのかしら♪」

 

「お、お姉様!?」

 

 後ろから抱きつかれ酒の匂いを纏った姉に慌てる蓮華。

 

「ほらほら、遠慮しないの♪」

 

「お、おね……ウプッ」

 

 振り向きざまに酒瓶の口を押し込まれ中の酒を呑まされる蓮華は、みるみる顔を赤くしていき、呑み干してしまった。

 

「ほ~ら、一刀。シャオちゃんだけでなくこの子も仲間に入れてあげて♪」

 

「な!」

 

 小蓮に後ろから抱きつかれ、さらに虚ろな目をしてゆっくりと一刀の左側に座った蓮華を止めようとしたが無駄だった。

 

「そして残った私も参加しちゃうもんね♪」

 

 空いている右側に座りこれでもかと胸を一刀の腕に押し付けていく。

 

「ほらほら、一刀の好きな私の胸よ~~~~~♪」

 

「し、雪蓮!な、な、なに言い出すんだよ!」

 

「かじゅと!本当なお!」

 

 メーターを振り切った酔っ払いと化した蓮華も姉に負けじと胸をさらに押し付けていく。

 

 その表情はどの怒ったときの顔よりも怖かったと後々まで一刀が思ったほどだった。

 

「あらら、蓮華ちゃんのでは一刀は満足できないわね♪」

 

「し、小蓮よりましでふ!」

 

「シャオはこれから大きくなるもんね~~~~~~!

 

 三姉妹に囲まれて動くことも出来ない一刀。

(そういえば、月は?)

 

 ふとさっきまで膝に頭を乗せていた月はどこにもいなかった。

 

 が、それはただ単に目の前に移動して正座をしてこれまた蕩けるような表情をして一刀を見ていた。

 

「……へぅ……ごしゅじんさま……」

 

 メイド服で酔っ払っている月の姿に一刀も見とれる。

 

「あ~~~~~!一刀が月を狙ってる~~~~~!」

 

「ち、ちょ……」

 

 とんでもないことを口走る雪蓮。

 

「ボクの月になんでことをするんだ~~~~~!」

 

 穏に襲われ月と同じメイド服が着崩れした状態で詠が走ってきて月を一刀から守るように抱きしめる。

 

「月、こんな奴に近づいたらダメ!ダメだからね!」

 

「へぅ……ご主人さま♪」

 

 酔った者に何を言っても無駄。

 

 右手を頬に当てて一刀を見つめる月に詠は半泣きになる。

 

「ゆえ~~~~~~」

 

「は~~~~~い、えいちゃん~~~~~にげたらだめですよ~~~~~♪」

 

 詠の後を追いかけてきた穏は月を抱きしめている詠をまさに「えい♪」と掛け声をかけて引き離した。

 

「ゆえ~~~~~~」

 

 引きずられていき音々音が潰れて倒れている場所で穏のボリュームある胸に悲鳴を上げる詠。

 

(酒って怖いな……)

 

 この惨状でそれを学んだ一刀だった。

 

 そして誰もが忘れていた。

 

 この場でただ一人、理性を保っていた恋は黙々と食事を平らげていたことを。

 宴も夜が更けていくと静かになっていった。

 

 全員が酔いつぶれそれぞれ眠ってしまった中で一刀は目が覚めて、まだ残っている酔いを冷ますため外に出るとそこには雪蓮が立っていた。

 

「あら、目が覚めた?」

 

「雪蓮はずっと起きていたのか?」

 

 返答の代わりに雪蓮は杯を差し出し、それを受ける一刀は一気に呑み干す。

 

「なんだか今日は楽しかったわ」

 

「そうだな。俺は酷い目にあった気がするけど」

 

 本気で嫌とは思わないが少々、羽目をはずしすぎたんじゃあないだろうかと思った一刀はその原因である雪蓮の横に立った。

 

「みんな何だかんだって言って一刀のことが好きなのよ」

 

「そ、そうなのか?」

 

「冥琳や祭、蓮華に小蓮、穏に亞莎、明命や思春、それに月達。みんなあなたのことが好きなのは見ていて分かるわ」

 

 別に特別なことをしているわけではなく、こうあってほしいと思って行動をしたに過ぎない一刀。

 

 助けられるものなら助けたい。

 

 その結果が今、こうして一刀の周りにある。

「どう?種馬としては嬉しいでしょう?」

 

「はははっ……」

 

 まさに世の男が見れば羨ましがるハーレム状態を一刀は体感している。

 

「でも」

 

 杯を置いて雪蓮はゆっくりと身体を動かし、そして一刀を抱きしめた。

 

「一刀のことを一番分かっているのは私よ」

 

「雪蓮?」

 

 彼女の背に手をまして一刀も抱きしめる。

 

 恋人のように抱きしめあう二人。

 

「一刀が誰を抱こうが私はかまわないけれど、今は私だけを見て」

 

 小覇王ではなく一人の女性。

 

 今の雪蓮はそれを感じさせていた。

 

「一刀、これからも傍にいてね」

 

「雪蓮……」

 

 誰の傍かまで言わなかった雪蓮。

 

 雪蓮の傍かそれとも別に誰かの傍なのか、その答えは言った本人ですら知らなかった。

 

「さあて、一刀の部屋で呑みなおしましょう♪」

 

「ま、まだ呑むのか?」

 

「もちろんよ♪それに」

 

 耳元で雪蓮は一刀が顔を真っ赤にすることを囁いた。

 

「一刀と朝まで感じていたいしね♪」

 

 翌朝、また一騒動が起こったのは別の話。

(座談)

水無月:今回は宴会のお話でした~。いや~お酒って人を大胆にしますね~。

 

蓮華 :・・・・・・(真っ赤)

 

小蓮 :シャオはお酒がなくても一刀には大胆だよ~♪

 

雪蓮 :私も一刀なら大胆でいられるわよ~♪

 

一刀 :勘弁してください・・・・・・(泣)

 

水無月:さぁ次回はいよいよ前半戦のもっとも重要なお話です。

 

雪蓮 :とうとうきたのね。

 

水無月:きちゃいました!重要なお話の為に少し完成まで時間がかかるかもしれません。

 

雪蓮 :そう言って次の日に出来ていたら面白いわね。

 

水無月:さすがに微妙ですね~。

 

冥琳 :とにかく読んでくれているみんなのために頑張って書きなさい。

 

水無月:サーイエッサー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠  :うううっ・・・・・・あのたわわ軍師のせいでボクは・・・・・・ボクは・・・・・・月~~~~~(大泣)

 

音々音:恋殿・・・・・・ねねは・・・・・・ねねはあの反則的な大きなお饅頭に・・・・・・(バタッ)

 

恋  :もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐも。

 


 
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