少女の正体……………それは大人となった紫苑の子供、璃々だった
だが、何故大人の璃々がここにいるのか……………?
そして………
絡繰人間とは……………?
三節 〜驚愕の事実!!!
大陸の未来と血光軍〜
??R「改めまして、先程皆様に証言した通り私は今から12年後の未来からやって参りました黄叙、璃々と申します」
璃々は頭を下げながら挨拶する
どうもまだ緊張がほぐれていないようで、カクカクした動きとなっている
一刀「璃々ちゃん、落ち着いて」
璃々(未来)「は、はい…………」
璃々は落ち着いて深呼吸を数回行う
秋蘭「12年後……………という事は………………今の璃々が9歳の筈だから……21歳か?」
璃々(未来)「はい、そうです」
璃々は真顔で頷く
一刀「じゃあ………璃々ちゃん、さっき俺に話した事をもう一回話してもらっていいかな?」
璃々(未来)「は、はい……!!!」
璃々は再び真顔で頷いた
そして、一度間を置き瞳を閉じ、口を開くと同時に瞳もゆっくりと開ける
璃々(未来)「単刀直入に申し上げます
今から凡そ5年後、この大陸に『新たな脅威』が襲い掛かり、この成都城や大陸が壊滅の危機に晒されてしまいます」
全員「「「「っ!!?」」」」
話を聞いていた一刀以外の全員が絶句する
璃々(未来)「その脅威の存在こそが先程、天の御遣い様……………ご主人様と私が破壊した『絡繰人間』なのです」
左慈「簡単に言っちまえば、『絡繰人間』っつーのは何者何だ?」
左慈は何時の間にか咥えていた莨を右の手で摘まんで、口から放し煙を吐いて質問する
璃々(未来)「絡繰人間とは、ご主人様や皆様を抹殺する為に造られた人型の生物兵器…………
その全てが全く無関係の民達を元に改造させられたものなのです……
敵軍の『副大将』により読み込まれた指令を忠実に熟す驚愕の刺客です」
蓮華「罪もない民達を兵器に!!?」
蓮華は思わず声を荒げる
璃々(未来)「はい………恐らく弱らせて連れ去ったのかと…………」
于吉「(…………更に人にデータをプログラミングさせた機械型生物兵器…………?
あまりにも近未来過ぎる…………非現実的で有り得ない……)」
于吉の表情は一層険しくなる
璃々(未来)「敵軍は突然、この成都城に攻めてきました
すぐさまご主人様や皆様が対応し、民達を脱出させ戦闘を開始していきましたが、奴らの強さは並大抵ではなくあっという間に攻め入られてしまいました」
冥琳「………………」
璃々(未来)「突然現れた敵軍である憎き奴らの名は『血光軍(けっこうぐん)』………………
全くもって存在すら確認されていなかった謎の軍です」
華琳「『血光軍』…………確かに聞いたことのない組織ね」
璃々(未来)「………その全ての兵が絡繰人間という凶悪な戦闘能力をもちます…………その数は凡そ50万は降りません」
翠「マジかよ…………話を聞く限り、ご主人様でさえ手こずってるのにそれが50万…………!!?」
翠は心底嫌な顔をして頭を垂れる
璃々(未来)「それだけではありません
『血光軍』には本体の軍とは違い、5種類の『特殊部隊』があるのです」
春蘭「5種類の特殊部隊?弓兵部隊や槍兵部隊だけではないのか?」
春蘭の素朴な疑問に璃々は頭を横にふる
璃々(未来)「奴ら『血光軍』の全てが絡繰人間
得物を使う者は誰一人として存在しません
奴らの身体そのもの全てが武器・凶器なのです」
華琳「その特殊部隊について、教えて璃々…………」
華琳が珍しくか細い声で諭す
璃々(未来)「勿論です」
その頃、今回の敵である『血光軍』がいる12年後の未来の大陸にある根城では、緊急会議を開こうとしていた
衣を纏った男より、絡繰人間8301号は『五虎将』と名載る者達の収集をしていた
今はある部屋の前にいた
その部屋の入り口は真っ赤に装飾されており、『炎の間(えんのま)』と書かれている
絡繰人間8301号「失礼します、〃〃様はいらっしゃいますでしょうか?
『監視情報部』の8301号でございます」コンコン
すると部屋の中から荒っぽく、イライラした声で返答してきた
??E「あ〝ぁ〜?『監視情報部』が俺に何の用だ?」
絡繰人間8301号「『斬魔』様が緊急会議の収集を呼び掛けています!!
『龍禅の間』までお越し下さい!!!」
絡繰人間8301号の会話の内容にイライラ声が一瞬で収まる
??E「『斬魔』様が…………?
分かった、すぐ行く」
絡繰人間8301号「よろしくお願い致します!!!」
こんなやり取りを以下、計5回行った
ある黄色に装飾された部屋『雷の間(かみなりのま)』では
??R「『斬魔』様による収集だと!!?
ケケケ……面白くなりそうだぜ!!!」
また、青を中心とした装飾をされた部屋『水の間(みずのま)』では
??T「分かったわ、すぐ向かうわ」
また、緑に装飾された部屋『風の間(かぜのま)』では
??H「了解だ、『龍禅の間』だな?」
最後の漆黒に染められた部屋『闇の間(やみのま)』では
??O「緊急会議か…………確か今回で2回目だな
直ぐに向かおう…………………」
………………
……………………………
それから数分後、その『龍禅の間』に『五虎将』といわれた者達が集結した
因みに『龍禅の間』は平たく言えば会議室のようなものと考えてもらえれば結構だ
??E「こうして全員が集まるなんつーのは、何年振りだろうなぁ!!?」ドンッ!!!
燃えるような紅蓮の髪色をし、眼が少々釣り上がった男は、机に脚を叩きつける
??R「さぁなっ!!!もう覚えてねぇよ!!!」ガンッ!!!
いかづちのような輝かしい金髪をし、耳に金色のリング状のピアスをしたこれまた荒々しい男は、両足を机に叩きつける
??T「確か………成都に2回目の襲撃を仕掛けたときじゃなかったかしら?」
全てを凍りつかせるような青々とした髪色をし、身長が決して高くない女は手鏡を持ち、化粧を気にしながら言う
??H「凡そ6年前だな………」
美しい程の緑に染められ肩まで伸びた髪色をした男は腕を組み、冷静な態度を見せる
??O「もうそんなに経つのか………早いものだな……」
そして最後の真っ黒な髪色をし、目に感情がない男は無表情で言う
全員が各々の椅子に腰掛け、堂々と座っていた
そこへ
??Z「おやおや…行動が早いですねぇ、結構結構」
先程、指令を出した衣を纏った男が『龍禅の間』へと入ってきた
すると、その場にいた者達は素早く立ち上がる
??O「『斬魔』様、全員揃っています」
??Z「ふむ………よろしい」
男は不敵な笑みを浮かべるのだった
再び場所は現在の成都の城
璃々(未来)「『特殊部隊』の前に、私達は倒さなければならない主となる武将が7人います」
蒲公英「うぇ〜、絡繰人間にも武将っているの〜?」
蒲公英は心底嫌な顔をする
璃々(未来)「はい、しかもその内の5人が『特殊部隊』の部隊将でもあります」
璃々は眉間に皺を寄せる
璃々(未来)「一つ目の部隊は、炎を中心とし破壊衝動を糧とする軍………『火炎軍(かえんぐん)』
その部隊将が倒さなければならない7人の内の1人………
『血光軍・特殊部隊』『火炎軍部隊将』『絡繰人間6号』『元名(げんめい)・炎掌(えんしょう)』
全てを焼き払う炎の能力を持つ絡繰人間です」
炎掌「『斬魔』様、緊急会議の内容を教えて下さいよ!!!」
華琳「『元名』?」
華琳は聞き慣れない言葉に聞き返す
璃々(未来)「絡繰人間は功績を讃えられると、改造以前に名乗られていた名前を与えられるのです」
秋蘭「つまり、『元名』を授けられている者はかなりの強さを示しているというのだな?」
璃々は無言で頷く
雪蓮「璃々、続けて………」
璃々は再び無言で頷き、話し続ける
璃々(未来)「二つ目の部隊は、雷を中心とし広範囲攻撃を糧とする軍………『落雷軍(らくらいぐん)』
その部隊将が倒さなければならない7人の内の1人………
『血光軍・特殊部隊』『落雷軍部隊将』『絡繰人間5号』『元名・雷昇(らいしょう)』
あらゆる生き物を死滅させる雷の能力を持つ絡繰人間です」
雷昇「落ち着け、炎掌!!!『斬魔』様が話すんだからよ!!!ケケケっ!!!」
璃々(未来)「因みに雷昇は絡繰人間6号、炎掌の実の兄でもあります」
愛紗「兄弟か…………」
愛紗な物珍しいように呟く
一刀「珍しくはないでしょ?
現にここにも姉妹はいっぱいいるし………」
一呼吸おいて璃々は口を開く
璃々(未来)「三つ目の部隊は、氷の能力を糧とし補助行動を行う軍………『水氷軍(すいひょうぐん)』
その部隊将が倒さなければならない7人の内の1人………
『血光軍・特殊部隊』『水氷軍部隊将』『絡繰人間4号』『元名・氷柱(つらら)』
氷の能力を持ち、援護補助能力を得意とする絡繰人間です」
氷柱「どちらにしろ、緊急会議ですもの
最早、回数なんて問題じゃないわよ」
璃々(未来)「絡繰人間の中で希少価値の高い、数少ない女性型の絡繰人間です」
風「女性もですか〜、見境がないですね〜」
璃々も風の発言にコクリと頷く
璃々(未来)「四つ目の部隊は、風の能力を糧とし目にも止まらぬ高速行動を行う軍………『風神軍(ふうじんぐん)』
その部隊将が倒さなければならない7人の内の1人………
『血光軍・特殊部隊』『風神軍部隊将』『絡繰人間3号』『元名・風刻(ふうごく)』
一瞬にしてあらゆる生き物を死へと誘う程の超高速の行動を行う、風の能力を持つ絡繰人間です」
風刻「氷柱、そんなことよりお前は手鏡を仕舞え
『斬魔』様の目の前で礼儀も知らぬのか?馬鹿者め」
璃々(未来)「風刻は冷静沈着で頭も相当切れるので、軍師兼武将の役割を果たしています」
霞「さしずめ、秋蘭や華琳と同じ定位置っちゅー訳やな」
霞は苦虫を噛み潰したような表情をする
璃々(未来)「五つ目である最後の部隊は、絡繰人間史上最悪の能力、闇の能力を扱う軍………『暗黒軍(あんこくぐん)』
その部隊将が倒さなければならない7人の内の1人………
『血光軍・特殊部隊』『暗黒軍部隊将』『絡繰人間2号』『元名・闇霊(おんれい)』
ありとあらゆる攻撃を無力、無効化させ無に返す絶対的能力、闇の能力を扱う絡繰人間です」
闇霊「全く、揃いも揃って何をしている……………私語を慎め、愚か者共めが」
璃々(未来)「今挙げた炎掌・雷昇・氷柱・風刻・闇霊の中で最も強いのが闇霊です」
星「更には攻撃の無効化?厄介この上ないな」
星は眉間に皺を寄せる
璃々(未来)「ただ暗黒軍は非常に希少な能力を扱っているので、数が最も少ない軍でもあります」
亜莎「少数精鋭………と云ったところでしょうか…………」
璃々(未来)「そして、その5人を指示を仰ぐ者が『血光軍』の指揮官……
軍師兼武将、及び『血光軍・副大将』『絡繰人間1号』『元名・斬魔(ざんま)』…………
通称『闇の副大将』と云われている冷酷無比で残虐非道の絡繰人間です」
斬魔「賑やかなのは良いことですよ?
ですが、そろそろ話を進めたいと思います」
斬魔「8301号、もう一度最初から説明をして下さいな」
側に立っていた絡繰人間8301号は直立不動で頷く
絡繰人間8301号「過去に絡繰人間7号を送り込み、過去の北郷一刀や大陸の残党達を抹殺する『大樹崩壊作戦(たいじゅほうかいさくせん)』はご存知の筈です」
炎掌「あぁ、それがどうかしたってんのか?」
炎掌は喰いかかり気味で返答する
絡繰人間8301号「絡繰人間7号は過去に降り立った後、成都の城下町で最大抹殺対象目標者である北郷一刀と接触に成功
そのまま戦闘を開始し、北郷一刀は成都から南東に凡そ40km程離れた荒野に移動
そこで戦闘を再開しました」
雷昇「少しでも犠牲を減らすっつー表面ヅラの行動だろーが
血反吐が出るぜ、クソッタレが!!!」
雷昇は一刀の行動に苛立ちを隠せない
絡繰人間8301号「その後、戦闘は五分五分の状態を保ち、7号が『殺気掌』を発動
一気に北郷一刀を追い詰めました」
氷柱「へぇ〜……それでそれで?」
氷柱は興味津々といった表情で頬杖をしながら聞き入れる
絡繰人間8301号「ですが、そこへ『全情報収録板』未登録の女弓兵が突如乱入
そこで、7号はやむなく『制限解除』を発動しました」
風刻「未登録の弓兵?そんな者がいたのか…………?
しかも、その者とその時代の北郷一刀を相手に『制限解除』をするとは計算が合っていなくはないか?」
風刻は有り得ないといった表情で考えている
絡繰人間8301号「そこで、状況は逆転したかに見えたのですが、北郷一刀が想定外の戦闘能力値にまで跳ね上がり、7号の『総合計損傷率』が9割以上に達してしまい、やむなく7号は『時限爆弾装置』を起動
北郷一刀と弓兵を道連れにしようと試みましたが、結果7号だけが自爆………正常に『時限爆弾装置』が起動され破壊されました」
闇霊「……………7号は自爆し、他の2人は生き延びたというのか……?
無駄死にではないか………」
無表情から僅かに眉毛をピクッと動かし、絡繰人間8301号を睨む闇霊
絡繰人間8301号「ご最もでございます
ですが、その時に北郷一刀が叩き出した戦闘能力値は我々の予想を大きく上回る強さでした
そして、謎の弓兵についても気がかりです」
斬魔「ですね…………まぁ、最も7号単体だけで北郷一刀を倒せるとは思っていませんでしたが、まさか成果が0とは……全くの予想外です」
斬魔はやれやれと呆れ顔で頷いていた
桔梗「かなりの手練が集結して出来た集団のようだな
これは並大抵にはいかぬぞ」
紫苑「けれど、大陸の未来が懸かっているのですもの
ここで、後退する訳にはいかないわ」
桔梗や紫苑から熱意が感じ取れる
一刀「だけど、これで終わりじゃないよ?2人共…………」
華琳「えぇ、璃々は『倒さなければならない7人』と言ったわ」
璃々(未来)「はい、後一人………それが最も厄介で、そしてこの戦いを引き起こした黒幕でもあります」
璃々は怒りを押し殺して言う
斬魔「さて、ここまで言えば分かりますね?」
コツ………コツ……
『龍禅の間』で緊急会議をしている斬魔達には聞こえない、廊下を歩く人の足音………………
風刻「なる程…………北郷一刀の強さや次期投入する絡繰人間について……ですね?」
コツ………コツ…………
風刻は姿勢を正して返答しているなか、足音は着実に『龍禅の間』に接近している
コツ………コツ……コツ
斬魔「えぇ、それなのですが…………」
ガチャ
炎掌「んぁ?」
氷柱「ん?」
闇霊「む?」
そして遂に、『龍禅の間』の扉が足音の主の手によって開かれた
そこには
??R「おや………?丁度良い場面で来れたようだな」
紫の龍の鱗のような柄をしたマントを纏い、深緑を中心した鎧をきた顔が整った男が立っていた
炎掌&雷昇&氷柱&風刻&闇霊「「「「「っ!!?」」」」」バッ!!!
その瞬間、斬魔を残した者全員が一斉に立ち上がり直立不動となる
絡繰人間8301号となっては敬礼をしたまま1㎜すら動けなくなる
ただ一人、斬魔だけは頬杖をつき片手で両目を覆い、呆れ顔となる
斬魔「…………何処から情報を嗅ぎつけたのですか?
この事は私達しか知らない筈ですが…………?」
斬魔「……………『龍天様(りゅうてんさま)』」
璃々(未来)「『血光軍』の総指揮官であり、絡繰人間の頂点に立つ男
『血光軍・大将』『絡繰人間0号』『元名・龍天』
未だ表に姿を現したことがない謎が多い男で絡繰人間で最も強い男でもあります………………」
龍天「いや、つい先程だよ………」
龍天は苦笑いをしながら空いている席に腰掛ける
龍天「………………あぁ、皆も座ってくれ」
炎掌&雷昇&氷柱&風刻&闇霊「「「「「はっ!!!」」」」」
立った者達はすぐさまその場に座る
斬魔「やれやれ………我らが主は………些か自由過ぎやしませんか?」
斬魔は眉間を摘んで考える
龍天「そうでもないであろう………
して、斬魔よ………いい加減『様』付けはやめてくれないか?
お前と私はもう10年以上の付き合いではないか………」
龍天の言葉に、斬魔は真顔で首を横に振る
斬魔「生憎ですが、それは無理な話ですね
貴方は一応現国主である北郷一刀を亡き者にし、この大陸の新たな次期国主となる御方なのですから………
例え10年以上であったとしても、それこそ100年以上の付き合いだとしても、今の内に上下関係はしっかりしておかなければね………」
龍天「うぅむ………やはりまだ慣れん…
落ち着かんな……………」
龍天は苦笑いをしながら頭を掻き、困っていたのだった…………
璃々(未来)「炎掌・雷昇・氷柱・風刻・闇霊・斬魔・龍天………………
最低でも以上挙げた7人を倒さなければ、この狂った闘いに終止符を打つことができません」
雪蓮「どいつもこいつも一癖も二癖もありそうな連中ばかりね……」
雪蓮は思わず溜息をつく
左慈「響窃の時よりも本腰入れてやらねぇと負けんのはこっちだぜ………?」
左慈も腕を組み舌打ちをして嫌な顔になる
璃々(未来)「因みに炎掌・雷昇・氷柱・風刻・闇霊の5人は龍天を死守する5本柱としての任務が第一に考えられています
その5人衆の正式名は『龍天五獄隊(りゅうてんごごくたい)』と云われています」
蓮華「『龍天五獄隊』…………」
璃々の言葉に一刀は付け加える
一刀「『大陸五虎将』と同じ分類ってことだね………」
『大陸五虎将』とは『天の御遣い』である北郷一刀を死守すべく創られた大陸の5本指に入る猛将を揃えた組織
その5人は蜀からは愛紗と恋、呉からは思春、魏からは春蘭と霞が選ばれていた
雪蓮や華琳、鈴々や星も強いが雪蓮達は一刀を支える元国主として外され、バランスを保つ為以上の者達が指名されたのだ
于吉「(…………となると、最終的には『大陸五虎将』と『龍天五獄隊』がぶつかるという訳ですね)」
璃々(未来)「『龍天五獄隊』の者達は個々の能力値が非常に高く、それぞれずば抜けた力を備えています」
雛里「……………と言うと?」
璃々(未来)「炎掌は5人の中で最も攻撃力が高く、破壊衝動が激しいのです
雷昇は攻撃範囲が最も広く、どれだけ離れていても攻撃を喰らってしまいます
氷柱は攻撃はあまり強くはありませんが、援護や補助に廻ると右にでる者はいません
風刻は史上最速の速さを備えています
闇霊に至っては5人の中で最も強いです」
季衣「う~~~~~ん、新しい事が多すぎてワケがわかんないよぉ……」
季衣は舌を巻いて嫌がっていた
朱里「大丈夫ですよ、私達がしっかりと書いておきましたから」
朱里や風といった軍師達は手に持った書簡を見せて頷く
璃々(未来)「私はそもそも、未来の絡繰人間の脅威を伝えるべくやって参りました、ですが……………」
璃々は一度俯き顔を上げた後、一刀に顔を向ける
璃々(未来)「この時代のご主人様に会い、あの変幻を見て確信しました…………」
『あの変幻』とはいわずと知れた『鷹狼虎龍』のことである
璃々の顔はみるみる泣き顔になり、その場に膝立ちとなる
そして、大声で叫んだ
璃々(未来)「お願いですっ!!!未来を…………大陸を助けて下さいっ!!!!!!」
華琳「…………………」
雪蓮「…………………」
桃香「…………………」
玉座の間は静寂に包まれる
一刀「……………………」
一刀は無言のまま、前に于吉から貰った無害の莨『鬼神』と無限ライターを制服の上着の懐から取り出し、徐に火をつけ『鬼神』を吸い出した
一刀「………………ふぅ〜」
一刀の吐いた煙は幻想的に渦を巻き、その場に滞留しだした
一刀「………………もし、璃々ちゃんと俺の立場が逆だったら、璃々ちゃんは俺のお願いを拒否するかい?」
璃々(未来)「っ!!!じゃあっ!!!」
璃々は一刀の表情を見て笑顔になる
一刀「勿論だ、断る理由が何処にもない」
一刀は振り返り、玉座から皆を見渡し声を荒らげる
一刀「天下三計を成し遂げるまでの乱世………それから襲撃してきた復讐の魔人…………更には過激なる外者達を退け、ようやく手に入れた俺達の平和、そう簡単に奪われてたまるか!!!」
一刀の言葉に全員は真顔、無言で力強く頷く
一刀「俺達の新たなる敵は、時空を超えて未来から現る刺客、脅威の生物兵器『絡繰人間』とその黒幕、龍天率いる『血光軍』っ!!!
そんな奴らに俺達の平和を渡す訳にはいかない!!!」
一刀は管理者達が立っている方向へ身体を向け頭を下げる
一刀「左慈!!!于吉!!!貂蝉!!!卑弥呼!!!
………………皆の力が必要不可欠だ、俺達に力を貸してくれ………」
一刀のお願いに管理者達は
卑弥呼「勿論じゃ!!!ご主人様はこの国はおろか、最早この外史の主!!!」
貂蝉「ご主人様のお願いとならば、拒否する意味がないわん!!!」
于吉「貴方が闘うのならば、私達は修羅になりましょう」
左慈「…………まぁ、てめぇの御陰でここに居られるんだからな
仕方ねぇからもう少し付き合ってやるよ…………」
全員が頷いてくれた
一刀「…………………ありがとう」
左慈「けっ!!!……………そんじゃあ、とっとと行くか…………?」
ズズズズズズズズズッ!!!
左慈は右手を突き出し、管理者達の休息場所『次元の狭間』に繋がる『闇行』を出現させた
一刀「あぁっ!!!行こうっ!!!」
全員「「「「「御意っ!!!」」」」」
全員は力強く頷き『闇行』の中へ消えていった
そして、闘いの歯車はミシミシと音を立てて動き出すのであった……………
……終……
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長時間に渡り、一刀と共に現れた謎の女弓兵の正体を暴いた大陸の猛者たち
結果、一刀の言った通り正体は未来からやって来た大人になった璃々だった
だが、何故時空を超越してまでやってきたのか?