No.768305

魔法少女リリカルなのはStrikers ダメ人間の覚悟

makeさん

第50話 絶縁と鎗神

2015-04-01 22:09:15 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:13766   閲覧ユーザー数:12101

 

フェイト Side

 

 

私達六課は医療院ではなく、聖王教会の中を走っている。

 

『デビル』との戦闘を終えた私達に届いたのは、透が何者かに襲われたという知らせだった。

 

しかもヴィヴィオも一緒にいる所を襲われたらしく、私達の不安がさらに加速した。

 

ところで、何故医療院ではなく聖王教会なのかというと、医療院自体が損壊した為で他の患者は近くの病院へと移送もしくは自宅療養という形になったが、只でさえ透は管理局から狙われている身、しかも今回の件で透は更に傷を負ってしまった。

 

更には今回の様に襲われる可能性を未だある、となれば透の『療養面』と『護衛面』が必要な場所ということになる。

 

この両方の条件を満たしているのが聖王教会という事になる、聖王教会は管理局と不可侵条約のようなモノがなされている為、重要な要件以外は受け付けず簡単には入れない・・・・・と言っても私達六課は別なんだけど。

 

ここまで説明しておいてなんだけど、私達がこの事と『もう一つの事』を知ったのは今から起こる事の後だった。

 

私達が到着するとはやてを先頭に通された、急いで透の所に行こうとするとある一室の前にユーノ達が居た。

 

しかもその中にはアリサとすずか、それにはる先輩もいた。

 

ユーノ達は私達が来たのに気付くとこちらに来た。

 

ユーノ「あ・・・・・皆」

 

ハルカ「容態は?」

 

カリム「それが・・・・あまり良くはないんです、かなり深手を負っていたので治療にはかなり日数が必要になってしまって・・・・」

 

なのは「そんな・・・」

 

ガラス越しでしか見えないけど、ベッドの上に寝ている透。

 

治療し、快復に向かっていた透に更なる追い討ちを掛けるようにしての今回の襲撃、私は透の心配以上に怒りが込み上げてきた・・・・・普段なら執務官としてイケナイことなんだけど、それどころではなかった。

 

フェイト「・・・・誰?誰が襲ったの?!」

 

アリシア「ちょ、フェイト落ち着いてよ!」

 

フェイト「落ち着く?これが落ち着いてなんかいられないよ!やっと透と再会出来て、その透が怪我が治ってまた前みたいに一緒になれるかと思ってたのに・・・今度は私達が護ろうって思ってたのに・・・・・こんなのってないよ・・・・」

 

私は思いの丈を姉さんにぶつけながら、思わず泣いてしまった。

 

前の様に透と一緒に居られて、しかも恋人同士になれた事がとても嬉しかった、それに透が私達を陰ながら支え護ってくれていたんだから、今度は私達が透を護ろうって決めた矢先にこんな仕打ち会ったんだもん、怒りと悲しみの方が大きいよ。

 

姉さんも同じ思いに違いない、私に何も言わず強く抱きしめてくれた。

 

アリシア「・・・・結局誰が襲ってきたの?まさか、公安の連中が?」

 

はやて「確かにそれは考えられるんやろうけど、連中にしては杜撰な襲撃なんとちゃう?あんな大掛かりじゃなく、暗殺とか」

 

ユーノ「・・・・・」

 

カリム「・・・・・・」

 

ハルカ「・・・で実際のトコ、どうなのよ?」

 

ユーノ「え!・・・えぇ~っと、それは・・・・」

 

ユーノがとても言い辛そうな顔をして目を泳がせていると、アリサが声を上げた。

 

 

 

 

 

アリサ「襲ってきたのは榊の馬鹿よ」

 

 

 

 

 

その瞬間、周りの空気も変わり時間も止まった。

 

また・・・・・またなんだ、またアイツは透に危害を・・・・本当にいつもいつもいつもいつもいつもイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモイツモ私達ノ邪魔バカリシテ。

 

ヴァイス「またアイツかよ・・・・こんな時になんつーメンドウを」

 

ソロソロ・・・・我慢ノ・・・・・限界・・・・・・・・ナンダケド。

 

クロノ「(マズイ!このままでは!?)それで、榊は!?」

 

すずか「その事なら大丈夫だよ」

 

カリム「爆発が起きる少し前に、偶々その時私に用があった数人の騎士が取り押さえてくれて、今は地下牢に幽閉してるわ」

 

アリサ「まぁその前に私とすずか、あとシャルで透仕込みの『螺旋丸』でブッ飛ばしといたから全然手間は掛からなかったけどね」

 

ソウ・・・・なんだ、良かった・・・・・アリサ達が私達の代わりに殺ってくれたんだ。←ヤン気味

 

アリシア「シャルも来てたんだ」

 

はるか「でもシャルちゃんは会社の方に戻っちゃったんだけどね、流石に主要陣が3人も一気に開けてたら会社的にも不味いからね」

 

アリサ「まぁそういう事だから敵討ちとかはしなくてもいいわよ」

 

ユーノ「流石に今の榊に今の皆が攻撃したら、まず間違いなく死んじゃうからね(遠い目)」

 

ユーノの目に力が入って無いんだけど・・・・・違う意味で榊の様子が気になってきた。

 

カリム「とにかく、これで透さんへの榊元一等空尉の脅威が無くなった・・・・・んだけど」

 

カリムさんの歯切れの悪さが気になった・・・・・あ、そうか。

 

ヴァイス「え、どうしたんです?無くなってないんですか?」

 

フェイト「う~ん、一応榊の事は無くなったし、管理局自体も透を聖王教会に移したら手続き無しでは手が出せない・・・・というかほぼ無理、だから実質大丈夫なんだけど・・・」

 

アリシア「問題はもう一人の方だよね・・・・」

 

姉さんは言い終わると手を額に当て深い溜息を吐いた、なのはやハルカ達も凄く嫌そうな顔をして溜息を吐いた・・・・ただ一人は舌打ちをしていたけど。

 

クロノ「緋村の方は・・・・大丈夫じゃないのか?ここは誰にも気付かれずに透を運べたんだろ?」

 

ユーノ「んーまぁ、そうなんだけど・・・・でも「気付かれてると思うわよ?」・・・やっぱり?」

 

ユーノの言葉に被せるようにハルカが言った。

 

ハルカ「さっきここに来るときにチラッとしか見えなかったけど、サーチャーっぽいモノが見えた気がしたのよ・・・・・気のせいかと思ったけど、やっぱ気のせいじゃなかったのね」

 

なのは「となると、ここももう緋村君にはバレてるよね」

 

はやて「せやなぁ、しかも邪魔モンの榊君ていう障害が無くなった今、緋村君からしたらやりたい放題って感じやろうからいつ来てもおかしゅうないし・・・・」

 

フェイト「透をまた別の場所に・・・・あぁ、ダメか」

 

私達が緋村に対して有効な策を考えていると一人の人物が「あのぉ・・・」と言いながら手を上げ、発言した。

 

なのは「どうしたの?ティアナ」

 

 

 

 

 

ティアナ「私にちょっと考えがあるんですけど・・・・よろしいですか?」

 

 

 

 

手を挙げた人物は、ティアナだった。

 

 

 

Side Out

 

 

緋村 Side

 

 

榊の馬鹿が聖王医療院で馬鹿騒ぎを起こして数時間、現在は夜の10時だ。

 

俺様は今どこにいると思うよ?・・・・あぁ??わかんねぇだぁ?これ見てるテメェ等、脳ミソ腐ってんじゃねぇのか?

 

まぁオリ主の俺様が直々に教えてやらねぇと、この『俺様の物語』も進まねぇか・・・・ハァ~ァ、しゃーねぇ、教えてやるから分からねぇ奴は俺に感謝しながら何度も見返しやがれ。

 

俺様はなぁ、今聖王教会の前に来てんだよ!

 

何故かって?そんなの決まってんだろ、今聖王教会には俺様のなのは達を誑かしている妙な野郎がいるんだよ。

 

おそらく前々からなのは達を口説こうとしてた野郎に違いねぇ、そいつが何かの事件に巻き込まれた容疑者なんだろうけどよ、なのは達がその野郎のいる病院にここの所頻繁に通い詰めてたんだよ。

 

だが、今日の午前に榊の馬鹿が先走りやがった挙句、ヘマやらかして聖王教会に捕まりやがった・・・ザマァないぜホントによぉ!!ま、これで俺様がオリ主だって事だな!

 

俺様は違うぜ?俺様はあんな馬鹿な真似はしない、こういうのは夜にやらねぇと意味が無ぇんだよ!

 

それに目的地はもうわかってんだよ、昼間にユーノ達が居たのを見えたから、その時にサーチャーを飛ばしておいたからな・・・クヒヒ、俺様マジ天才だぜ。

 

ただ、警備の為に騎士を配置してやがるから簡単には入れねぇ・・・流石俺様のカリムだぜ!

 

だがこのまま警備が居たんじゃぁ入ることも出来ねぇ、あの警備を瞬殺するか?

 

なんて考えていたら警備の一人が別の奴に声を掛けていやがった。

 

騎士1「オイ!倉庫の方で不審者が出たらしい、我々にも要請が出た為急行するぞ」

 

騎士2「え、しかしよろしいのですか?ここを見張らなくても」

 

騎士1「騎士カリムからの直々の要請だ、しかも一人や二人ではないようだ・・・・それにその日のうちで、しかもこんな所に来る様な馬鹿な奴なんて普通は誰もおらんだろ」

 

騎士2「あぁ・・・・それもそうですね、なら急ぎましょう」

 

声を掛けた野郎の言葉に乗せられて納得しやがった騎士が持ち場を離れて行った。

 

俺様はそれと同時に目的の野郎の部屋に入って行った、中は案の定誰も居なかった・・・・当たり前だ。

 

緋村「馬鹿はテメェ等だってんだよ、持ち場を離れる馬鹿がどこにいるんだってんだよ・・・マジで馬鹿だ!ヒャハハ」

 

まったく、あんな騎士が下に付いてるなんてカリムもシャッハも不幸だぜまったく。

 

緋村「まぁ俺様がいつも傍に置いてやるからな、勿論なのは達と一緒になぁクヒヒ♪・・・・・それにはまず」

 

俺様は『王の財宝』から前にブッ飛ばして捕まえたクソ犯人から押収したナイフを出した。

 

緋村「榊の野郎も本当に馬鹿な奴だぜ、あんな派手にやっても意味はねぇのによ、殺したいなら・・・・こういうモノで静かに、確実に殺らねぇとなぁ!」

 

やる前に俺は気になっていたある、俺のデバイスの『ネギ』の事だ。

 

緋村「おいネギ、さっきはあ~だこ~だ言ってやがった貴様が何も言わねぇなんて、どうしたんだ?とうとう故障か(笑)?」

 

ネギ『いえ別に、もう何を言っても無駄だという事に気付きまして・・・・あと、故障もしておりませんので悪しからず」

 

いつもの様に機械質で感情があんのか無いのかよくわかんねぇ声を出して答えてきやがった。

 

緋村「チッ、相変わらず可愛げのねぇ奴だぜ、だがやっと俺様の偉大さに気付いて口出ししなくなったか?ところで、ここには俺以外にいねぇだろうな?周辺の探査をしておけよ」

 

ネギ『・・・・ご安心ください、ここには『我々』以外居りません』

 

ネギの報告に俺は安心して野郎の方を向いた、これで邪魔する奴はいなくなったってわけだからな。

 

持っていたナイフを逆手に持ち、振り下ろそうと腕を頭上まで思いっ切り伸ばした。

 

緋村「じゃぁな、どこの誰か知らねぇ野郎が俺様のなのは達に迷惑掛けてんじゃねぇーよ・・・・・だがこれで、アイツ等の負担も減るってなっ!」

 

俺様は振り上げていた手を思い切り野郎の心臓目掛けてなんの躊躇なく振り下ろした!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがそんな俺様の腕は誰かに捕まれたかのように抑えられ止まってしまった。

 

周囲には誰も居ない・・・・・・・・なら一体誰が!!??

 

すると突然俺様の周辺の空間が歪み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響子「そこまでよ、大人しくしなさい」スッ

 

 

 

 

 

 

 

 

歪みが治まると同時にさっきまで誰も居なかった部屋の中にはなのは達『機動六課』とカリムとシャッハ率いる騎士達によって取り囲まれていた。

 

そして俺様の腕を掴んでいたのは、俺様の義妹の響子が右手で俺の右腕を掴み、左手で槍の矛先を俺の喉元に突き付けていた。

 

 

 

Side Out

 

 

響子 Side

 

 

あのティアナって子の読み通り、クソ義兄はたったの一人で透さんのいる部屋に来て、あろうことに透さんに刃を向けて・・・・明らかな殺意を持っていやがった。

 

まぁそれを未然に防げたからよかった。

 

それにしても、あの子・・・・こんな策を思いつくなんて。

 

 

 

 

 

~回想・時間を少し遡り~

 

 

 

ティアナ「私にちょっと考えがあるんですけど・・・・よろしいですか?」

 

この時まで私の中ではこの子、ティアナの評価は特訓を経た今でも低いまま・・・・・・だって透さんにあんな暴言を言うんだもの。

 

はやて「何やティアナ?考えっちゅーんは」

 

ティアナ「ハイ、その前にちょっとなのはさん達に緋村部隊長の事を聞きたいんですけど、緋村部隊長ってどういう人なんですか?」

 

ハルカ「馬鹿」

 

響子「キモクソ下種野郎死ね馬鹿」

 

アリシア「アホ」

 

アリサ「人間のクズ」

 

なのは「人の話を聞かない」

 

フェイト「勘違いな人」

 

すずか「ぶっちゃけ死ねばいいって割と本気で思ってる」

 

はやて「最低ってすずかちゃん!!??響子ちゃんに至っては愚痴以上になってるし!?」

 

ティアナ「成程、要は最低な人ですね」

 

スバル「今のを要約したんだティア・・・・・・」

 

私達の間髪入れないクソ義兄の感想を掻い摘んで理解したティアナ。

 

ティアナ「皆さんにお聞きしたいんですけど、今日来ると思いますか?」

 

はやて「来ん・・・・・って言い辛いわなぁ」

 

フェイト「まぁ・・・ね、なんせ緋村だし」

 

ハルカ「来るんじゃない?もしかしたら今日中とか?」

 

シグナム「あり得ないと言えない所が情けないのだがな・・・」

 

でもあのクソ義兄に至ってはあり得る話であることに変わりない。

 

ティアナ「今日・・・ですか、それならさっき言った私の考えなんですけど」

 

 

 

 

 

ティアナ「ここに誘い込む・・・というか誘き出すっていうのはどうでしょう?」

 

 

 

 

 

この時私は一瞬だけど、大胆な発言をしたティアナに対し「へぇ」と思ってしまった。

 

ハルカ「これはまた、大胆発言を・・・・・」

 

はやて「確かに誘い込んだら一番手っ取り早いんやけどな?」

 

フェイト「さ、誘い込むって・・・緋村を?そんな危険な事出来ないよ、榊がやったことと同じことをするんだよ?」

 

ティアナ「その時は現行犯で堂々と捕まえられるじゃないですか、その為の誘い込みなんですから」

 

スバル「現行犯って・・・・でもティア、それって私達がいることが前提なんじゃぁ」

 

スバルの言う通り、ティアナの言った現行犯で捕まえるには私達が『あのクソ義兄の近くに居て透さんに危害を加える瞬間に居合わせないといけない』

 

ティアナ「確かにそうね、だから私達はこの部屋を『出なくていい』の」

 

全員「???」

 

ティアナ「実はまだ皆さんに言ってなかった事があるんですけど」

 

そう言うとティアナは徐(おもむろ)にデバイスを取り出した。

 

 

 

ティアナ「私のデバイスにまだ井上さんから借りた能力で『虹霞』が残ってるんです」

 

 

 

ハルカ「!」

 

はやて「ハァ!?あんたまだ残っとったん?!」

 

ティアナ「ハイ、本当なら『デビル』との戦闘の際に『虹霞』の能力で背後に回り込むつもりだったんですけど、使う場面が無くて・・・・」

 

なのは「でも『虹霞』って使用者の姿を消すだけだよね?とてもじゃないけどここにいる全員は無理なんじゃ」

 

ティアナ「いいえ出来ます、意外にも私と『虹霞』の相性は良かったのか、私の魔力でもこの部屋の中のモノなら消すことは出来ますよ」

 

ヴィータ「マジかよ・・・・」

 

スバル「でも、それだと井上さんを囮にするって事だよね?それじゃぁ井上さんに危険が」

 

ハリベル「その辺りは我々に任せてもらおう」

 

はやて「せやけど、私等がおるっちゅぅ事は緋村君のデバイスの『ネギ』を通してバレへんかなぁ?」

 

ハルカ「そこも問題よね・・・・・」

 

エアリス『あぁ、その辺りは大丈夫だよ』

 

突然ハルカさんのデバイスの『エアリス』が声を挟んできた。

 

なのは「大丈夫って・・・・何が大丈夫なのエアリス?」

 

エアリス『さっきからね、ネギちゃんが『私達』に通信を掛けてきてね、ネギちゃんのマスターが近くまで来てるって教えてくれてね?』

 

フェイト「私達って・・・・バルディッシュ?」

 

バルディッシュ『エアリスの言う通り、連絡が頻繁に来ております』

 

私も密かにオーディーンに聞いてみたらこっちにも連絡は来ていたらしい

 

ハルカ「それでなんて?」

 

エアリス『本人には知らせてないらしくてね、こっちの事情を話したら協力してくれるってさ・・・・・私達の存在の事は黙っておいてくれるって、向こうも『セイバー』同様でマスターに苦労してるようだからねぇ』

 

はやて「デバイスにすら呆れられてるんか・・・・もうどうすることも出来ん奴等やん」

 

確かに・・・・まぁあんなクソ義兄だったらデバイスですら見捨てたくなるわよね。

 

ティアナ「あのそれと、使用中は集中しないといけませんから拘束等は皆さんにお任せする形になってしまいます」

 

アリシア「そのくらいなら別にいいよ」

 

はやて「なら部屋での配置を考えよか」

 

カリム「念の為騎士も何人か配置して、あと外の騎士にもこの事を伝えておくわ」

 

とまぁ、こんな風にトントン拍子で話は進んで行ってった。

 

その中で私は皆が準備をしている中ティアナに話しかけた。

 

響子「まさかあなたがあんな作戦を思い付くなんてね」

 

ティアナ「響子さん」

 

響子「でも分かってる?貴方が考えた作戦は透さんを危険に晒すのと同じなのよ?」

 

ティアナ「分かってます、後で井上さんが嫌って言うほど謝るつもりです・・・・それに」

 

響子「それに?」

 

 

 

 

 

ティアナ「響子さんが何が何でも阻止するって信じてますから」

 

 

 

 

私の顔を見ながら笑顔で言い切って見せたティアナ。

 

無責任で根拠も何も無いくだらない事だと普段ならキレて掴みかかっている所なんだけど・・・・私は笑ってしまった。

 

響子「っ・・・アハハハッ!そこで私なんだ!信じるんだ私を!」

 

ティアナ「アレ?井上さんを護らないんですか?」

 

ティアナは私を試すように問い掛けてきた。

 

響子「言うわね・・・・私を誰だと思ってるの?私は透さんの永遠の奴隷を目指し”ゴンッ!!”イッタ!?何で殴るんですかハルカさん!?」

 

ハルカ「皆が居る前で馬鹿な事を口走るアンタが悪い・・・・・ていうかアンタもいい年にいい階級なんだから、自重しなさい!てゆーか目指すなそんなもん!!」

 

怒鳴ったハルカさんははやてさん達と打ち合わせをする為に戻って行った。

 

響子「イッツ~・・・とにかく、あんな野郎なんかに『私の』透さんを触れさせるわけないわよ・・・・私の名前と槍に掛けて約束してやるわよ」

 

ティアナ「・・・ですよね」

 

それだけを言い、私はティアナから離れた。

 

今までティアナの事は気に入らなかったけど私の中で少しだけ、ティアナの認識が変わった・・・・・それに。

 

 

 

響子「透さんがあの子達の事が気に入った理由が少しわかった気がするわ」ボソッ

 

 

 

で、今現在・・・奴が聖王教会に忍び込み透さんを暗殺しようとした矢先、私は奴の腕を掴み、頸筋に槍の穂先を突き付けている。

 

緋村「な、何でお前等が・・・・確かにここには誰も・・・・・・オ、オイ!ネギ!!これはどういう事なんだよ!?」

 

突然の出来事に加え、自分の思い通りにならなかった事に対し、奴は自分のデバイスに当たりだした。

 

ネギ『どういう事・・・と、申しますと?』

 

緋村「貴様さっき言っちゃじゃねぇか!?ここには誰も居ないって言ったじゃねぇか!?」

 

焦り過ぎてカミカミになっている・・・・・これが透さんだったら可愛過ぎて襲ってしまうんだけどなぁ・・・。

 

ネギ『ええ、言いましたよ・・・・ここには『我々』以外居ないと』

 

緋村「なっ・・・貴っっ様!誰がそんな屁理屈を言えって!「動くなって言ってんの」ぅぐ・・・」

 

空いている方の手でネギに触れようとしたけど、すかさず奴に警告を出しつつ槍の先を強めに突きたてた。

 

緋村「な、なぁ響子・・・何で兄ちゃんにこんな事をするんだ?」

 

響子「何でって・・・・今のアンタの姿見て分かんないの?現在進行形で犯罪をしようとしているアンタを現行犯で取り押さえてる、それ以外に何かあるの?あれば是非聞かせてほしいわね」

 

緋村「そ、それは・・・そ、そうか!?クロノ!貴様の所為か!?貴様がなのは達を騙して俺様を捕まえようとしてんだろ!!」

 

クロノ「何を馬鹿な事を言ってるんだ、今のこの状況を作りだしたのは紛れも無くお前達自身の日頃の行いで招いた結果だろ」

 

緋村「そ、そんな事・・・・あるわけないだろぉがぁぁぁ!!!俺は今迄なのは達の為に動いて「何もしてへんやろ」は、はやて・・・・・お前まで・・・・」へな

 

はやてさんに突き放され心が折れたのか、奴は力無く項垂れた・・・・・・・と思ったら。

 

緋村「・・・・・か」

 

響子「?」

 

緋村「・・・そうか、そういう事か・・・・コイツか・・・・この訳のわからねぇ・・・どこの誰だかもわからねぇ屑野郎に関わっちまったからなんだな?そうだ、ゼッテーそうだ・・・・じゃなきゃなのは達が俺の事を捕まえようなんて考える筈がねぇよ・・・・コイツか、コイツが居るからコイツさえいなけりゃよぉ・・・・」

 

響子「!?はやてさん!!」

 

私は奴の態度と雰囲気を悟って何かしでかすと踏んだ、だからはやてさんに『指示』を出し、『許可』を貰った。

 

はやて「ええよ!」

 

緋村「こんな野郎がいるからかぁぁ!!」

 

奴は・・・・この『元』クソ義兄貴は意識を取り戻していない透さんに向けて止めていたナイフを再び振り下ろそうとした。

 

 

 

 

だけど、それを素直に許す私なわけがない!!!

 

 

 

 

響子「疾!」ヒュンッ

 

 

 

 

奴が振り下ろすよりも疾く、私の槍が奴の背中に捩じり込んでやった。

 

しかも本気で。

 

緋村「グハッ!?」

 

私の槍を背中にモロに入った奴はザフィーラさんが開けてくれた窓から吹っ飛んでいった。

 

さて、何で私が『指示』を出して、『許可』貰ったのかということになる。

 

『指示』というのは私が奴に攻撃するという合図であり、奴を透さんの部屋から追い出す為に部屋の窓を開けてもらう為の『指示』。

 

で、『許可』というのはその奴を攻撃してもいいかという許可の事、警告を出しておいて無闇にこっちから手を出すのはある意味違反だから。

 

でも、奴が透さんに手を出そうとしたのは明白になった、もうこれでこっちから攻撃しても文句は言われない・・・・・だから。

 

響子「だからアンタはここで私が潰してやる!!!」

 

私は持っていたデバイス、『オーディーン』を構えた。

 

 

 

 

 

 

響子「緋村家28代目当主『緋村 響子』!因果のあるモノをこの槍で穿ち断つ!!」

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

第三者 Side

 

 

聖王教会の敷地内に男女が二人、互いに対峙しあっている・・・・というよりもこれから粛清をするようにも見受けられる光景だ。

 

そんな中、倒れていた緋村がやっと起き上がる。

 

緋村「いっつつ、きょ・・・響子、な・・・・何で兄ちゃんを「黙れ」お、い・・・オイオイ、どうしちまったんだよ?お前の大好きな兄ちゃんだぞ?」

 

響子「ハァ?いつ?誰が?アンタの事を好きって言ったの?ちなみに言っておくけど、私もなのはさん達も一言も、そして微塵も言ってないし思ってないから」

 

緋村「な、何言ってんだよ・・・・そんなわけねぇだろ?お前もなのは達も、皆俺様の事が好きなんだろ?だが恥ずかしくて、そんな事言えない・・・・分かってんだよ」ニコッ

 

響子「・・・・・ハァ、ホント・・・・何でアンタみたいなのが私の義兄なんだろ・・・・うぅん、『だった』んだろ、反吐が出過ぎて血が出ちゃうわよ」

 

緋村「今だってホラ、クロノ達に捕まりそうになった俺を逃がす為にこうやって芝居を打ってくれてんだろ?・・・・クッソあのクロノが!俺様を恨んでこんな手の込んだ事を!なのは達やお前まで騙してまでそんなに俺様を消そうってか!?クロノといいあの寝たきりの野郎といい、僻みにも程があるぜまったく!」

 

見当外れも甚だしい緋村にもはや哀れでしかないと思いつつある響子だが、響子の目的は緋村を捕縛する他にあった。

 

緋村の透に対する暴言を聞き怒りに震えながらも、響子はなんとか冷静さを保とうとしていた・・・・怒りのぶつけ時は必ずくると踏んでいるから。

 

響子「まぁアンタに個人的に用があったっていうのは、間違いじゃないわね」

 

緋村「ん?何だ?・・・あ!?フッ、分かってんぜ。俺の事が好きだから結婚してくれだろ?まぁ兄とはいえ義理だからな、安心しろ!絶対に出来る!もしなんか言ってくる野郎がいるなら、俺様が捻り潰してるから安心しておけよ!(これでやっと響子のあの爆乳を好きに出来るゼ!ウヒヒ)」ニタァ

 

響子は長引かせず手短に済まそうと構えを直したが、警戒を緩める事はしなかった・・・ただ緋村の隠そうともしない下卑た顔に若干震えていた・・・・もちろん気持ち悪さからだ。

 

響子「ハァァッ!もうっ!用件をチャッチャと済ますわ!アンタの妄想をこれ以上聞くのは虫唾が走り過ぎて耐えられない!!」

 

そう言うと緋村を睨みながら懐から封筒を取り出し、それを緋村に向ける響子、そして声を大にして言う。

 

 

 

 

緋村「緋村 修!!アンタは今日を以て、我が『緋村家』から『絶縁』する!!もうアンタは私の義兄でも何でも無い!『赤の他人』よっ!!」ドンッ!

 

 

 

 

そこには大きく『絶縁』と書かれた封筒が緋村に向けられていた、響子はその封筒を緋村に向けて手裏剣の様に投げつけた。

 

緋村「・・・・ハ?」

 

響子に告げられた事を理解してない緋村、間抜けな顔をし絶縁と書かれた封筒をボォーッと眺めていた。

 

ちなみにその様子を見ていたなのは達もそれなりに驚き部屋の中から眺めていた。

 

そんな中、響子は少しスッキリしたような顔を浮かべ空を見上げていた。

 

響子「あぁー!!スッキリしたぁぁ!!これでようやくアンタとは縁を切れるって訳ね!!肩の荷が大分下りたわ、やっとアンタからのヤラシイ目や言葉から解放されるのね!ハァ~・・・ちょっと涙が出て来ちゃった」

 

そう言いながら目尻にほんの少し溜まった涙を指で拭う響子、未だ茫然自失状態の緋村は正気を取り戻しきれず、動揺しまくりの状態で響子に詰め寄ろうとした。

 

緋村「ま・・待て響子!こ、こいつぁ一体なんの冗談なんだよ!俺が・・・・俺が?家から追い出された?ウソだろオイ!!そんなわけ・・・・・」

 

響子「そう思うのは勝手だけどさ、これは正式なものよ。何なら今からでもお母さんにでも聞いてみる?お母さんも本当はアンタなんかの声なんか聞きたくないだろうけど、確認取るくらいなら応対してくれるかもよ?ま、仮にも家族にいつも私やお母さんに色目使ってたアンタなんかに快く応対するとは思えないけど」へッ

 

響子の言葉に何も言えない緋村、しかし普段から毛嫌いし尚且つ透の怪我の要因の一つとも言える敵に対し情けを掛けるほど響子は甘くなかった。

 

響子「正直、アンタが義兄なのがかなり嫌だったわ、毎日毎日デートに行こうとか言って鍛錬の邪魔するし、日頃から私の身体を厭らしい目で舐め回す様に見て・・・ホンッッット最悪だったわ!」

 

これまでの鬱憤を吐き出すかのように罵詈雑言を浴びせ掛ける。

 

響子「その点透さんは私達をそんな目で見ないのよねぇ・・・・いや見るには見るけど、アンタみたいに下卑た感じじゃないし・・・・・ていうか見てくれて全然構わないのに、女として魅力ないんじゃないかってぶっちゃけ自身無くすんだけど・・・・・・ハァ~ア、透さんが兄なら良かったのに」

 

そうすれば毎日でも誘惑するのにと体をクネらせる響子は傍から見たらただの変質者にしか見えない。

 

しかし、そんな響子の言葉に逸早く反応したのは目の前にいる緋村だった。

 

緋村「!・・・そいつか・・・・・そいつがお前等を騙してんのか・・・・・・・俺様からお前達を奪った野郎か・・・・・・さねぇ」

 

響子「ハァ?」

 

緋村「許さねぇ!!ゼッテー許さねぇぞ透って野郎!!!よくも俺様のなのはやフェイト、それに義妹の響子を奪いやがってぇぇ!!なのは達は俺様のモンだ!!アイツ等の身体の隅々までも俺様のモンだ!!そんっっな糞みてぇな名前の野郎にお前を渡さねぇぞ!!!ゼッテーぶっ殺す!!!!!」

 

部屋の中で緋村の叫びを聞いていたなのは達は悪寒を感じながら思いっ切り蔑みの視線を向けデバイスを持とうとした手を伸ばした・・・・・が、すぐに止め手を戻した。

 

何故なら、自分達の代わりに響子が粛清をしてくれると思ったから、自分達以上に緋村を痛めつけるだろうと踏んでいたからだ。

 

響子「今何つった?今、何つったんだこのクズ野郎ォォォォ!!!!!」

 

近くの部屋で透が寝ている事を承知で響子は雄叫びを上げ槍を構えた。

 

響子「殺すだと!?私の、私達の透さんを殺すだと!!??どこまで私達の怒りを買えば気が済むのよアンタは!!そんな事、私がさせないわ!これ以上透さんを傷付ける事は私が許さない!返り討ちどころか、もうそんな気も起こせないよう五体全て潰してやるわ!!!!」

 

緋村「・・・・邪魔するなよ響子、もし邪魔するならいくらお前でも容赦しねぇぞ!!」

 

響子「一度も私に勝ったことが無いのに、良く言えるわね・・・・・あぁそう言えば、もう一つだけアンタに用があったわ。何で私が皆さんを差し引いてアンタと対峙してんのか、理解出来る・・・・わけないわよね、まぁ簡単な理由だけど一応身内でケリを付けようっていうのと、アンタだけは私の手で葬りたかったからよ!・・・・本当ならもう一人の榊って奴も殺りたかったんだけど」

 

緋村「そうかよ・・・・・でもいいのか?俺様が本気を出したら、一瞬で終わるぞ?」

 

響子「そうね、本気を出して貰わないと一方的過ぎて逆に弱いモノいじめになってしまうものね??」

 

緋村「・・・・・・なら、妹の躾の為にちょっと本気出してやろうかぁ!?安心しろ、傷付いても俺様が『じっくり』と『介抱』してやるからな!!」

 

そう言いながら、自分の背後に無数の武具を発現させる緋村。

 

『王の財宝』を展開し構えようとはしない。

 

響子「ご心配なく、そうなった場合は透さんにしてもらうから・・・・・ていうか、出来たらの話をしても意味無いんじゃないかしらね!!」

 

半身に構え、槍先を45゜下に向け、左手は刃先に近い部分を握り右手は石突の部分を掌に乗せるような状態、そして身体は低く・・・・ではなく、あくまで手以外の身体は自然体のままでいた。

 

緋村「何だ?ちゃんと構えないのか?あの母親はぁ??」

 

響子「・・・・そう思いたきゃぁ、思えばいいわ・・・今に分かるから」

 

緋村「そうさせて貰うぜ!!!!!」バッ

 

緋村が手を振り下ろすと『王の財宝』が全弾?撃ちこまれた、その全てが響子に向けられた。

 

緋村「(響子には悪ぃが手加減しねぇで倒す!まぁ怪我はするが、その時は俺が優し~く手当してやる・・・・あの身体は俺のモンだぜ・・・ヒヒヒ)

 

緋村の言う通り、『王の財宝』での攻撃は出し惜しみ無しの豪撃が敷かれていた、轟音と剣撃音が織り交ざって鳴り響いていた。

 

しかし緋村の予想とは裏腹な結果になっていた。

 

剣や槍等が全て同時に降り注ぐ中、通常ならば何をしても無駄だと悟るのが普通で身動きが取れない。

 

だが響子はそんな事微塵にも考えてなかった・・・・というより、寧ろ当たるわけがないと自信があった。

 

降り注ぐ武具を『瞬歩』と持ち前の槍捌きと体捌きで無駄な動きを一切せず回避していた。

 

緋村「チィッ!」

 

自分の攻撃が一つも当たりも掠りもせずに一歩ずつ一歩ずつ確実に緋村に接近している響子に怖気ずく緋村。

 

緋村「ならよぉ!!『エルキドゥ』!!」

 

叫ぶと同時に響子の周辺、右足と背後から鎖が響子を拘束しようと襲い掛かる。

 

響子「っ!!」ダッ!

 

しかし響子は右から来る鎖を一切見ずに気配だけで察知し、そして触れる瞬間に一気に距離を詰める為『瞬歩』で緋村に近づいた。

 

緋村「なっ!ぐっ(所詮は槍だ!直線的な攻撃しか出来ねぇ!!)・・・舐めるなよきょ「緋村流奥義」う子!!!」

 

近づいてきた響子に対し緋村は『王の財宝』から『乖離剣(エア)』を取り出し左にステップで避けながら攻撃を行おうとした。

 

 

 

 

が。

 

 

 

響子「『蛇行』」グニャッ

 

 

 

緋村の進行方向に来る筈のない響子の槍先が迫り、緋村の脇腹に”ドスッ”と音を立ててクリーンヒットした。

 

緋村「ぎやあぁぁ!!」ドサァァ

 

まったく予想外の方向からの攻撃に対処も出来ず、受け身もとることも出来なかった緋村は無様に地面に横倒しになってしまった。

 

緋村「な・・・・・何で横から・・・・槍の先っちょなんかが・・・・・」

 

響子「槍が直線的な攻撃なんて確かに当たり前の事よ?『斬る』ではなく『突く』もしくは『刺す』事に特化された武器よ、横薙ぎの攻撃なんてどちらかといえば『叩く』になってしまう・・・・だから相手が横に動けないように『速さ』が要求されるっていうのが槍って言われてるのよね・・・・だけど『緋村流』・・・ううん、『私の槍』は違うわ」

 

響子「『緋村流』の神髄は『教えを受けず自ら考え生み出す』事よ、基本的な技とかは教わってもその先は自分で考えて編み出す事こそが緋村流の奥義・・・・・まぁ奥義って言っても家督と奥義伝授を言い渡された時から軽く50は超えてるんだけど」

 

響子は軽く言うが、響子の母親も槍の腕前は響子程ではないが一つの奥義を身に付けるのに数年は費やした、だが響子は母親が数年で身に付けた奥義をたったの1日で身に付けてしまった、それだけではなく奥義伝授を言い渡されたのが響子がなのは達と合流した時、透と戦う時までには既に50をいっていた。

 

 

『蛇行(へびゆき)』・・・・読み方は『だこう』ではなく『へびゆき』、身体の柔軟性と脚の捻りを利用して通常突きしか出来ない槍の軌道を横や縦に変える事が出来る・・・・まさに縦横無尽の動きに誰も対処が出来ない、受ける相手にとってはまさにヘビが這う様に向かってくる様から『蛇行』と名付けられた、しかも槍自体に螺旋の捻りを加えるので通常よりも倍のダメージが期待出来る。

 

 

響子「私の奥義は『自然と発想』にあり、自然における生物の動き全ては武術に通じる・・・・これが私の奥義。私の奥義のキッカケは師である母と体術の達人の透さんよ、流石私の透さんよ♪」

 

頬を紅く染めながら呆ける響子、その姿を見た緋村は、また透って野郎か!!と苛立ち持っていた『乖離剣』を本来の使い方である『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ) 』ではなく、ただ横に振り抜き叩くだけの攻撃方法で我を忘れてしまっていた。

 

しかし緋村の攻撃とも言えないような抵抗は空しく空を切って終わった。

 

響子「・・・・一応投降出来るように時間も余裕も上げたんだけど、いらないわね?いいわ、ならこの技でトドメを指してあげる」

 

そう言うと響子は半身の構えを止め、スポーツ選手の基本的な姿勢・・・正面に身体を向け、脚を肩幅くらい開き膝を少し曲げる。

 

ここまでは構えとしては色んな格闘技では良く見る姿勢だが、唯一違うのは腕の位置だった。

 

響子は槍を片手で持ち、両腕とも肘を90゜くらい曲げていた・・・・通常の槍や薙刀の構えではありえない姿勢である。

 

響子「これはお母さんの奥義、超光速連続突きの『諸刃崩し』と透さんの体術を組み合わせて完成した技よ・・・・縁を切った家とアンタ達が怪我をさせた透さんの代わりに私が引導を渡してやるわ!!」

 

緋村「な、舐めるなぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

響子「『天照』!!!」ズババババババババッ

 

 

 

 

 

『エア』を振り上げた緋村の身体のあちこちを連続で突きまくった・・・・・背後以外は。

 

先程の『蛇行』のように曲がる突きを脇腹や脳天、脚の内側等を攻め正面に位置している部分全てを『諸刃崩し』に『石突』での打突も加えた攻撃で圧倒する。

 

緋村「ぁ・・・・・っ・・・・ぅ」

 

 

バタンッ!

 

 

約5分にも及ぶ突きの応酬を受けた緋村は喉もやられたというのもあるが、およそ100回は超える突きをその身に受けて続けてしまった為、何も言葉を発する事が出来ず地面に倒れデバイスも自動で解除された。

 

響子「さようなら、『元』義兄貴・・・・もう会う事も無いから・・・・・・・安心して逝っていいわよ、あと私透さんと結婚する予定だから・・・・獄中で祝ってなさいよ・・・ありがたくないけど」

 

気を失う寸前に緋村が見たのはニタァッと、卑しく艶かしく蔑むように笑う響子の姿だった。

 

その後すぐに緋村の身柄は機動六課が確保し、その日のうちに『グリューエン軌道拘置所』に移送された(怪我をしていようが関係なく)。

 

その日、響子の怒涛の闘う姿を見た六課の面々は改めて響子の凄さを痛感した・・・・・主にエリオが。

 

そして、誰が言ったか響子に付けられた異名が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『鎗神』となった。

 

 

 

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

今回も遅くなりまして、本当に申し訳ありません!!!

 

早く投稿しようとした為誤字脱字が結構あったり、話が上手く繋がってないかと思います!!!・・・ハイスミマセン!!私の所為です!言い訳してスミマセン!!

 

今回はウザい奴等の一人、緋村をボッコボコにするお話です。

 

まぁこれで緋村はオフラインとなっちゃいましたね(笑)、しかも緋村家から『絶縁』もらってしまうわ響子に拒絶&瞬殺されちゃいましたね♪

 

というか、久々の『虹霞』の登場ですね、私もぶっちゃけ忘れてましたからね。

 

しかし、残念な事にあの二人はまだ出て来ます・・・・・・ウザいですがまだまだ出て来ちゃいます。

 

 

さて次回は、緋村と榊から透を護ったなのは達、だが透の仇を討っても本当に解決はしてはいない、強くならなければ・・・・・そんな中、なのは達に人影が!?

 

 

それでは次回をお楽しみに!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近況というわけではないのですが、近々『ハーメルン』と『pixiv』にもこの小説を載せようかどうかを決めかねております。

 

もしその二つに投稿するとしましたら、皆さんも変わらず御贔屓にしていただければ幸いです。

 

 

それと、最近アニメ『艦これ』が終わりましたが、私も『艦これ』をしようかなぁ~とも考えているんですが、pcの容量とかや課金等が分かりませんので、どうしようかなぁとこちらも考えています。

 

ちなみに私の好きな艦は『加賀』『雷電姉妹』『長門』『高雄姉妹』『天龍』です・・・・・ハイ、巨乳枠とロリ枠です・・・・・男ですもん!!!・・・・すいません。

 

 

次の作品を作るとしたらと前に言った中に『艦これ』も加えさせてもらいます。

 

 

 


 
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