No.767331

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第601話

2015-03-28 01:10:50 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2271   閲覧ユーザー数:2049

~エルベ離宮・紋章の間~

 

「え――――――」

「そ、そんな!?貴方は……!」

「―――宰相閣下!?生きてらしたのですか!?」

突然現れたオズボーン宰相にリィンは呆け、クローディア姫は信じられない表情をし、クレア大尉は驚きの表情で尋ねた。

「いや、この”気配”は”死者”だな。しかしこの凄まじい負の霊圧は一体……?」

しかしクレア大尉の言葉を否定するかのように答えたセルナート総長は真剣な表情でオズボーン宰相を見つめながらいつでもエイドスを守れるように迎撃態勢の構えをし

「―――下がりなさい!その者はもはや人間ではなく”怨霊”の類ですわ!」

フェミリンスは神槍を構えてアリシア女王達に警告した。

 

「エステル、ミント!」

「う、うん!」

「VIPの人達は壁際まで下がって下さい!その人は危険です!」

フェミリンスの警告を聞いた瞬間すぐに判断したヨシュアに促されたエステルとミントは各国のVIPに警告をして席から離れさせ、異変を感じたリベール王国親衛隊が会議室に突入してそれぞれのVIPを守っている中オズボーン宰相を包囲した。

 

「フフ、お久しぶりですな、オリヴァルト殿下、アルフィン殿下。お二人ともご無事で何よりです。」

「オズボーン宰相……」

「ハハ……クレア大尉の情報を聞いてまさかとは思っていたけど本当に亡霊になっていたとはね。―――それで今更”死者”が何の用だい?」

オズボーン宰相に視線を向けられたアルフィンは不安そうな表情をし、疲れた表情をしたオリヴァルト皇子はすぐに気を引き締めて厳しい表情でオズボーン宰相を見つめた。

「これはおかしな事を。エレボニアの存亡を決める会議に”宰相”の私が出席しない方がおかしい事かと。」

「―――戯言を。貴様は”死者”。貴様が死亡した時点で貴様の”宰相”の位も消滅している事もわからんのか?それにエレボニア宰相の位はオリヴァルト皇子が引き継ぐ事が先程決定した。未来のエレボニアにとって”過去の亡霊”である貴様の居場所はどこにもない。」

オズボーン宰相の言葉を聞いたヴァイスは厳しい表情で指摘した。

 

「……逆に聞くがかつてない衰退が待っている未来のエレボニアを祖国であるエレボニア帝国がゼムリアの覇権を握る為に努力し続けて来たこの私が受け入れると思っているのか?」

「”死者”の分際で傲岸不遜な……オリヴァルト皇子を始めとしたエレボニア皇族である”アルノール家”が受け入れたのですから、例え貴方が”宰相”だとしても貴方の意志は全く関係ありません。」

怒りの表情をしているオズボーン宰相の言葉を聞いたエルミナは呆れた後厳しい表情で指摘した。

「確かにその通りだが……私の息子――――リィンがアルフィン殿下を娶ったのだから私もエレボニア皇族の一員になるのだが?」

「っ!!………………」

「リィンさん………」

不敵な笑みを浮かべるオズボーン宰相の言葉を聞き、辛そうな表情をしているリィンをクレア大尉は心配そうな表情で見つめていた。

 

「幼い兄様をユミルの雪山に捨てたのに今更兄様の父親を申し出るなんて、そのような都合のいい事がまかり通ると思っているのですか!?”今の兄様”はシュバルツァー家の長男!兄様は貴方の息子ではなく、父様と母様――――シュバルツァー男爵夫妻の息子です!」

「エリゼ………………―――オズボーン宰相。本人である貴方がそう仰るなら俺は貴方の息子かもしれない。―――だがエリゼの言う通り今の俺の”家族”はシュバルツァー家のみんなで故郷はユミル……―――それがレン姫から俺の出生を知らされた時からずっと考え、出した”答え”だ!」

怒りの表情でオズボーン宰相を睨んで太刀を構えているエリゼの反論で我に返ったリィンは決意の表情でオズボーン宰相を見つめて言った。

「まさか実の息子が父親の存在を即否定する上男爵家の令嬢如きがこの私に真っ向から歯向かうとはな……これも”零の御子”の仕業と言った所か。」

「……その口ぶりですと貴方はまさかこの世界の”真実”にも気付いているのですか?」

リィンの決意を知って不愉快そうに口元を歪めるオズボーン宰相にエイドスは厳しい表情で尋ねた。

 

「”結社”とやらから”碧き零”計画の詳細についても聞いているのだから、その程度の事を推測する等容易い事だ、”空の女神”よ。当然貴方のゼムリア大陸の降臨も”零の御子”の仕業である事にも気付いている。」

「……………………話は変わりますが、一つ聞きたい事があります。先程から貴方から感じている覚えのある忌々しい”気配”。まさか貴方は遥か昔に私や多くの仲間達、そして当時のゼムリアの人々の協力によってようやく封じ込める事ができた”ユリス”を復活させたのですか!?」

オズボーン宰相から感じる霊圧から何かを察していたエイドスは怒りの表情でオズボーン宰相を睨んで問いかけた。

「フッ、一目で見抜くとはさすがは空の女神。」

「!!一体どうやって封印を解いたのですか!?あの封印は私以外には解けないはずです!」

オズボーン宰相の答えを聞いて血相を変えたエイドスは厳しい表情で問いかけた。

 

「例え女神の封印とは言え、時間が経てば弱まるというもの。―――かの”ノーザンブリア異変”のように。」

「”ノーザンブリア異変”――――”塩の杭”か………」

オズボーン宰相の答えを聞いてある事を察したセルナート総長は真剣な表情で呟き

「例えそうだとしても余程の”負”の感情が世界に充満しない限りそう簡単に封印が解ける訳が――――!!」

エイドスは反論したがある事に気付いて血相を変えた。

 

「その点に関しては感謝するぞ、”六銃士”にメンフィル帝国。貴様らが起こした戦争によって先程”空の女神”が言っていた負の感情とやらが高まったのだからな。」

「二大国侵攻の件か……」

「………オズボーン宰相。エイドス様が仰っていた”ユリス”とやらを復活させて何をするおつもりなのです?」

オズボーン宰相の答えを聞いたリウイは重々しい様子を纏って呟き、複雑そうな表情で黙り込んでいたイリーナは気を取り直して真剣な表情で尋ねた。

「―――知れた事。この”力”で”零の御子”によって改変された忌々しきこの世界を一度破壊し、エレボニア帝国の名の元に再生する。勿論メンフィルを始めとした異世界もその中に入っている。」

イリーナの問いかけに対し、オズボーン宰相は不敵な笑みを浮かべて驚愕の言葉を口にした!

 

 

 

え~、既にお気づきと思いますが今回の話で出て来た”ユリス”という単語は某テイルズで登場したポッと出で秘奥義すらないあのラスボスの事ですww……あれ?そんなつもりはなかったけどよく考えたら”ユリス”と関わっていたキャラってオズボーンと似た職業のようなwwしかもオズボーンと同じ、自らの野望の為に王すらも利用している所とかもww


 
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