No.766225

【真・恋姫†無双if】~死を与えることなかれ~23話

南無さんさん

こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます
貂蝉らが登場しますとシリアスな空気が一変してしまいますね。
しかし、漢女達、特に貂蝉は今後、重要な役割を持たせておりますで、
登場させない訳には、いきませんでした。
稚拙な文章、展開、口調がおかしい所があるかもしれません。

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2015-03-22 14:12:54 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:6101   閲覧ユーザー数:5020

急に、私達の前に現れた者、耳前の髪を三つ編みにし、筋骨隆々たる体つきに、

 

何故か桃色の紐パン一丁と言った身なりは、まさに異形の者と言える人物だった。

 

私は一刀を抱き締めながら警戒し、現れた者に睨みつける。

 

 

「華佗ちゃん!!」

 

「おう!!」

 

「華佗!?貴殿が北郷が言っていた名医華佗か!!」

 

「ええ、そうよん。周瑜ちゃん」

 

「何故、私の名を…!!」

 

「今は、そんな事よりもご主人様。そうでしょう」

 

 

確かに、現れた者の言う通り、今、優先すべきは一刀。

 

ほかの事は一切受け付けない。私は華佗と言う名を聞き

 

警戒を解いて、一刀を委ねる。

 

 

「…コイツは酷いな。だが、最善を尽くす。

 はあああああああ……!!」

 

 

華佗は一刀を診察し、懐から針を取り出して気を練った。

 

 

「元気になあああれええええええ!!!!」

 

 

華佗が叫んだ瞬間、針が黄金色に輝き、その眩い光の影響で辺り一帯の大地に、

 

私達の数だけの影が現れた。

 

そして、華佗は、その黄金色の針を一刀に向けて一気に刺した。

 

私は、心の底から祈りを捧げる。希望を。

 

 

「…どう!!どうなの!!一刀は!?」

 

「………駄目だ。毒が強力すぎて、消し去る事が出来ない!!」

 

「そんな…!!」

 

「だが、毒による侵攻は食い止められた。

 …孫策!!城の一室を借りたい。ここでは北郷の身体に思わしくない」

 

「わかった。それなら私の馬で…」

 

「その必要はないぞ!!」

 

 

野太い声で、またもや私の前に現れた者、先程の異形の者と対を成す存在と言える人物で、

 

褌に、裾が異様に尖った紺色の服を上半身裸の上から羽織っている。

 

これまた、何とも形容し辛い者だった。

 

 

「儂が抱えて飛べば、瞬く間に建業に着ける」

 

 

そう言うと、その男は一刀と華佗を両腕で抱え、膝を曲げて思いっきり一跳躍、

 

空の彼方へと消えてしまった。

 

 

「…私を置いてきぼりにするだなんて、相変わらず酷い師匠だわ。

 じゃあ、孫策ちゃん。私達は先に建業に行ってるわね。

 ……ふんぬぬぬぬううううう!!!!」

 

 

桃色の紐パン男?も同じ様に空に溶け込んでいった。

 

その人間離れした行動に私達は虚を突かれた様に、一瞬硬直するが、

 

直ぐ様、我に返り各々の馬に乗って帰路の一途を辿る。

 

そして、私は心に希望の灯火を再点火させ、一刀の無事を

 

もう一度、息災な姿で会える事を願っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

城に到着し急いで、華佗が居る一室へと向かう。城を守護していた常駐兵に

 

なりふり構わず、一刀の居場所を尋ねたら、一刀の私室で治療しているとの事。

 

私を始め、皆一同、更に足を速める。

 

 

「あらん、遅かったじゃない」

 

 

扉の前には先程の紐パンが待ち構えていた。部屋に入ろうとすると…

 

 

「入室禁止♪」

 

「どうして!!」

 

「今は治療に専念させたいのよん。だから入室禁止って訳。

 大丈夫、ご主人様は助かるわ」

 

「………」

 

 

扉の取っ手に掴んでいた手を離し、後ずさんで、その場で立ち止る。

 

と言うか、この紐パンは一刀とどういう関係なのかしら。

 

恐らく一刀の事だと思うけど、ご主人様って呼んでいるし。

 

 

「…北郷の事だと思うがお前はご主人様と口にしている、

 一体、お前は北郷とどう言う関係なのだ」

 

 

私と同じ疑問を抱いたのだろう。冥琳が紐パンに問い質した。

 

 

「あら、やだ。そう言えば何も説明していなかったわね。

 じゃあ、自己紹介から私の名は貂蝉、見た目通り麗しき踊り子よ♪」

 

 

どこがよ、と心の中で突っ込むが決して口には出さない。

 

一応、一刀を迅速に運んだ礼があるし、機嫌を損ねる訳にはいかないから。

 

 

「…その風貌で踊り子、のう。中々に胡散臭いわい」

 

「ちょっ!!祭!?」

 

 

私ですら空気を呼んでいるのに、ずけずけと口に出す!?

 

 

「まぁ、失礼ね。黄蓋ちゃん」

 

「…貂蝉。先程の冥琳、そして祭と言い、どうして二人の名を知っているのかしら」

 

「二人だけじゃないわよ。孫権ちゃん。

 私は皆を、ここに居る全ての将を知っている」

 

 

―――――孫策、周瑜、孫権、黄蓋、陸遜、甘寧、周泰、呂蒙、孫尚香―――――

 

 

思い出したり考える素振りを見せず、貂蝉は私達の名を口にしていく。

 

 

「…それでは、順番に先ずは周瑜ちゃんの答えを…と言いたい所だけど、

 場所を変えてくれないかしら。今から話す事は、他言無用。

 貴女達以外には聞かれたくないのよ」

 

「…わかったわ」

 

 

今までのおちゃらけていた様相から一転して、貂蝉は真剣な表情そのもの、

 

本気度がひしひしと伝わる、それ程重要で、私達以外には守秘を貫きたいのだろう。

 

それなら、要望に応えないと、そう思うと私は大広間へと案内をし、

 

守兵らに、立ち寄る事も一切を禁じ、完璧な密室空間を作り上げ、

 

万全の状態で貂蝉に耳を傾けた。

 

 

 

 

 


 
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