No.763085

真・恋姫†無双 異伝「空と命と夢の狭間に」第六十九話


 お待たせしました!

 今回は拠点第二回という事で、登場

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2015-03-08 17:26:41 投稿 / 全14ページ    総閲覧数:5487   閲覧ユーザー数:3915

 

「あっ、月お姉ちゃんだ!」

 

「璃々ちゃん、こんにちは。お母さんとお買い物?」

 

「うん、桔梗さんも一緒にね」

 

 街に紫苑や桔梗と買い物に来ていた璃々は一人で歩いている月を見つけて声を

 

 かける。

 

(ちなみに桔梗は公務で洛陽を訪れたついでに紫苑を訪ねて来ている)

 

「月お姉ちゃんもお買い物?」

 

「ええ、此処に来ないと買えない物があってね。それに、たまにはこういう所に

 

 来ないと分からない事もあるのよ」

 

「ふ~ん、月お姉ちゃんも大変なんだ。お仕事頑張ってね」

 

「ありがとう」

 

 そこに店から紫苑が出て来て、月がいた事に驚いていたが、月と親しげに話し

 

 ている璃々を見てさらに驚いていた。

 

(一応、璃々からは天水にいた頃から月と遊んでいた事を聞いてはいたが、洛陽

 

 に来てからあまり会話をする事も無かったので、実際にその場面を見て面喰っ

 

 ている状況であったりする)

 

「これは相国様、ご機嫌麗しゅう…」

 

「黄忠さん、今は政務中でも無いし城内でもありませんからそんなに畏まらなく

 

 ても大丈夫ですよ」

 

 月はそう言うものの、なかなか緊張を解く事も出来ない紫苑であった。

 

 

 

 そして桔梗も合流し(彼女も月がいた事にびっくりしていたが)、皆で一緒に

 

 茶店でお茶をする事になったのであるが…。

 

「はい、月お姉ちゃん」

 

「ありがとう、璃々ちゃん」

 

 二人が本当の姉妹のように仲睦まじいので紫苑と桔梗は少々手持ち無沙汰にな

 

 っていたりした。

 

「のぉ、紫苑…」

 

「何かしら?」

 

「こうして見ていると本当にこの方が相国閣下なのかと思ってしまうのは気のせ

 

 いかのぉ?」

 

「…正直、それは私も思わないでもないわ」

 

 そう言う二人の眼は璃々と遊んでいる年相応の女の子にしか見えない月に向け

 

 られていたのであった。

 

 ・・・・・・・

 

「今日は楽しかったです。洛陽に来てからはこうして璃々ちゃんと遊ぶ事もほと

 

 んどありませんでしたし」

 

「いえ、こちらこそ相国様と…『黄忠さん、此処ではその相国というのは無しで

 

 お願いします。私の事は月と呼んでください』…えっ!?いえ、でも…」

 

「私と璃々ちゃんとは良いお友達です。その友達のお母さんとも良き友人でいた

 

 いと思っています…それとも迷惑でしたか?」

 

 

 

 そう言って寂しそうに見つめられると紫苑もそれ以上断りようも無く…。

 

「いえ、まさかそのような…私の真名は紫苑です。娘共々これからもよろしくお

 

 願いします、月様」

 

「ありがとうございます、紫苑」

 

 そしてそのままの流れで桔梗とも真名を預け合い、その場はお開きとなったの

 

 であった。

 

 ・・・・・・・

 

「…という事がありまして」

 

 次の日、紫苑より街で月と会い、真名まで預け合った事に皆は驚きを見せてい

 

 たのであったが…。

 

「でも、月って天水の太守だった頃から一人で結構出歩いていたけどね」

 

「そうよね、詠もそれには何時も頭を悩ませていたわ」

 

 昔から月を知る蒲公英と輝里はそんな反応であった。

 

「しかし、相国閣下ともあろうお方がお一人で出歩くなんて大丈夫なのですか?

 

 幾ら洛陽の治安が良いといっても、騒動や喧嘩の一つや二つは起きる事だって

 

 ありますし、もしもそれに巻き込まれたりなんかしたら…」

 

「沙矢の懸念ももっともだけど…月様にどうにか出来る奴なんかそうそういない

 

 からその点は安心して良いわよ」

 

「えっ?それってどういう…」

 

 

 

 沙矢がそう聞きかけたその時、扉が荒く開いて詠が部屋に入ってくる。

 

「どうしたのですか、詠?そんなに慌てて…」

 

「いきなりでごめん、蒲公英と沙矢を貸してもらえないかしら?こっちの武官は

 

 皆出払っていて人手が足りないの!」

 

「何かあったの?」

 

「月が…」

 

「月様の身に何かあったのですか!?」

 

「街中で月が大暴れしてて手が付けられないのよ!何処かのバカ共が月にちょっ

 

 かいをかけて月がキレたらしいの!!」

 

 ・・・・・・・

 

 その頃、その街中では…。

 

「もう終わりですか?」

 

 そう言って頬笑みを見せる月の周りにはゴロツキらしい男達がおよそ十五人は

 

 倒れていたりする。その服装は何やら美々しいというか派手というか…とにか

 

 く皆変わった格好をしていたのである。まだその仲間らしい男達が六人程いる

 

 のだが、月のあまりにもの強さに完全に腰が引けていたのであった。

 

「どうしました?元々喧嘩を仕掛けてきたのはそちらからでしたよね?まさか今

 

 更やめますとか言わないですよね?そのような奇抜な格好をしているのですか

 

 ら、余程勇気がおありになられる方々とお見受けしましたけど?」

 

 そう言っている月の笑顔の裏には『てめえらからふっかけておいて、今更やめ

 

 るなんて事が通じると思ってないよな。それともてめえらの格好はただのはっ

 

 たりか!?悔しかったら何か言ってみろ、この張りぼて野郎どもが!』みたい

 

 な迫力が満ち満ちており、男達ももはや意識を保つのがギリギリの状態になっ

 

 ていたのであった。

 

 

 

 そのまま何時までも何も動きが無い事に業を煮やしたらしい月が動こうとした

 

 その時。

 

「ちょっとどいて、そこを通しなさい!!」

 

 蒲公英と沙矢、そして十人程の警備兵を連れた詠がそこに到着する。

 

 それを見た男達は詠達に助けを求めるように駆け寄り、そのリーダー格とおぼ

 

 しき男が詠に哀願してくる。

 

「た、助けてください!おr…僕達ただ道を歩いていただけなのにあの女に因縁

 

 をつけられて…友達も大勢やられたんです!!」

 

 そのあからさまな態度にその場の者(この男達以外)全員が白けた表情になる。

 

「あんたねぇ…そんなアホな話、誰が信じると思ってるの?あんたらに対する苦

 

 情こそ山のように来ているんだけど?」

 

「そんな…僕達はこんな格好こそしていますけど、そのような事は…そうだ、僕

 

 の父は相国である董卓様の側近をしているんです!父に聞いてもらえば僕達の

 

 潔白も…『月、こんな奴らが息子にいるのって誰か知ってる?』『さあ、私は

 

 知らないけど?』…そんなのお前らが知らないだけだろうが!俺の親父の名は

 

 李鴈だ!!親父に睨まれたくなかったら、さっさとこの女を捕縛しろ!!」

 

 リーダー格の男はそう言い切るが…月と詠の頭の上にはますます『?』マーク

 

 が浮かぶだけであった。

 

「この…本当に良いんだな!親父に言うz『言えば良いんじゃないか?李鴈って

 

 誰か知らないけど』…何だてめぇ!いきなりしゃしゃり出て!!」

 

「俺の名前は北郷一刀、衛将軍を務めている者だ」

 

 

 

 話は少し遡るのだが…。

 

 俺は仕事を終えて気分転換に街を歩いていたのだが、そこに街の人が慌てた様

 

 子で『あの奇抜な無頼の野郎共に喧嘩を売った女の子がいて、その娘一人に奴

 

 らはほとんどやられている』と叫びながら走ってきていたのであった。

 

 ちなみにその『奇抜な無頼の野郎共』というのは、此処最近洛陽に出没し始め

 

 た奴らで、奇抜な服装や化粧をして道の真ん中を肩で風切って歩き、気弱そう

 

 な奴らを選んでは因縁をつけて怪我をさせたり金や物を奪ったりとかなり問題

 

 になっている連中であった。しかも警備兵が注意すると何やら高官らしい名前

 

 を出して『俺の親父だ!』とか言って逆に因縁をつけるとかいう話らしい。し

 

 かも樹季菜さんや瑠菜さんが出張って来た時には何処へ行ったかまったく姿を

 

 現さないので今まで捕まえる事も出来なかったのであった。それを聞いた命が

 

 怒り心頭の表情で『そんな奴らはさっさと成敗せい!さもなくば妾が近衛兵を

 

 引き連れてたたっ斬りに行く!』と命令を下したので、重点的に眼を光らせて

 

 いたのだが。

 

 待てよ…確かこの区域の担当は月だったはず。しかも今日は恋と霞と華雄は并

 

 州へ出向いていて(無論、ねねも一緒だが)、凪達三人は天水に戻っていたは

 

 ず…まさか。

 

 少々嫌な予感がした俺はその現場に向かってみると、やはりそこにいたのは月

 

 であった。しかも丁度詠が蒲公英・沙矢と警備兵を連れて到着した所でもあっ

 

 た。確かこの間月が『最近運動不足だから少し身体を動かしたい』とか言って

 

 いたけど、まさか自分が囮になって奴らを引き付けて自分の手で奴らを成敗す

 

 るつもりだったとか…有り得る話だ。

 

 

 

 ともかく詠が来たのだからこれでとりあえずは収まるだろうと思って見ている

 

 と、その男達のリーダー格らしい男が『俺の親父は李鴈だ!』とか言い出して

 

 逆に因縁らしき物をつけ始めていた…ああ、これが例の。でも、李鴈って誰だ

 

 ろう?月や詠の頭の上にも『?』マークが浮かんでいるように見える。しかし

 

 このまま奴に好き放題言わせていても馬鹿馬鹿しいので…。

 

「言えば良いんじゃないか?李鴈って誰か知らないけど」

 

 とりあえず俺も出て行ってみる事にした。そして当然の事ながら、

 

「何だてめぇ!いきなりしゃしゃり出て!!」

 

 そう言ってくるので俺は正直に名乗る。

 

「俺の名前は北郷一刀、衛将軍を務めている者だ」

 

 その瞬間、男達の表情が引きつる。動揺しているのが丸分かりだ。

 

「こ、これは失礼しました…おr、僕は董卓様の側近の李鴈の息子の李奥と申し

 

 ます。北郷様、どうかこいつらを死刑に『何でだ?』そんなの李鴈の息子であ

 

 る俺に対する無礼、いや不敬に対する罪に決まって『いや、だから李鴈なんて

 

 人はまったく聞いた事も会った事も無いんだけど?ねぇ、董相国閣下?』……

 

 ……………えっ!?」

 

 それでも気を取り直したように俺にそう言ってくるので、俺が月に向かってそ

 

 う問いかけると、李奥の顔がこわばる。

 

「だから、今お前が死刑にしろとか言っているその娘が董相国様ご本人だって言

 

 っているんだけど?ちなみにそちらの眼鏡の娘が相国様の側近で参軍でいらっ

 

 しゃる賈文和殿」

 

 

 

 俺がそう言うと、李奥の顔がみるみる内に青ざめる。

 

「さて、李奥殿?誰が誰に対する不敬を働いたのでしょうね?そもそも李鴈って

 

 何処の誰ですか?」

 

「それについてはワイにお任せや!」

 

 そこに突然及川が登場する。

 

「仕事が早いな。頼んだのは昨日だったのに…さすがは及川」

 

 実はわざわざ奴らが名前を出す高官らしき男の名前について及川に調べてもら

 

 っていたのだ。本当に宮中にこんな奴らの親父がいるのなら大問題だからだ。

 

「ふっふ~ん、こないな程度の事はワイにとっては鼻歌より容易い話や!かずピ

 

 ーに頼まれる前から調べとったのもあるけどな。という事で、こんアホが言う

 

 てる李鴈いうんは確かにいたで。でも相国閣下の側近なんて嘘っぱちで、今は

 

 天水で馬小屋の番をしていたわ。何か向こうで酒を飲んでは『儂は董相国閣下

 

 の馬の世話をした事がある』って自慢気に言ってるらしいけど、そないな人は

 

 何人もいるから誰も相手にしてへんちゅう話やな。ちなみにそいつがその李鴈

 

 の息子なのだけは事実やけどな」

 

 及川の報告を聞いた皆の視線が李奥に刺さる。もはや李奥の顔は完全に血の気

 

 が失せたかの如くに真っ青になっていた。

 

「なるほど…その親にしてこの息子ありって話か。まあ、それはともかく…お前

 

 達のこれまでの悪行は全て判明している。劉弁陛下からもそのような胡乱な輩

 

 は即刻処刑せよとの御内意を頂いている…とりあえず此処は神妙にお縄につい

 

 ていただいてもらおうか?」

 

 そして李奥以下、お騒がせの面々は全員お縄になったのであった。

 

 

 

 次の日。

 

「ようやく例の奴らを捕縛したそうじゃの?」

 

 朝議の最初の議題がそれであった。ようやく一網打尽に出来た事で命の声も心

 

 なしかはずんだものとなっていたのだが…何だか月の様子がおかしい。おかし

 

 いというか何処となく機嫌が悪いように見えるという感じだ。命もさすがに気

 

 になったらしく…。

 

「どうしたのじゃ、月?そんな不機嫌そうな顔をして」

 

「い、いえ、何でもありませんから」

 

「そういう風には見えんぞ?」

 

「大丈夫ですから、ご心配なく」

 

 絶対そうは見えないのだが、月がそう言い張っているのでとりあえずその場は

 

 それ以上誰も追及しなかったのであったが…そういえば昨日あいつらを捕まえ

 

 た辺りから機嫌が悪かったような気が。そういう事ならば…。

 

 ・・・・・・・

 

「月。ちょっと良いかな?」

 

 朝議が終わった後、俺は月に声をかける。

 

「どうしました、一刀さん?」

 

「少しばかり俺に付き合って欲しいのだけど、時間とか大丈夫かな?」

 

 俺がそう言った途端、周りの空気が一変する…あれ?俺何かおかしい事言った

 

 かな?

 

 

 

「ど、どういう事じゃ、一刀!?何故いきなり月を誘うのじゃ!?時間なら妾も

 

 いっぱいあるぞ!」

 

「姉様の時間があるかはともかく…一刀に時間があるのなら照刀と遊んでやって

 

 欲しいですね。無論、私もお伴しますし」

 

「一刀?時間があるのなら、もう一度宮中の警備について練り直したい事もある

 

 し、私の家に…」

 

「一刀~、この間雪蓮姉様から珍しい物が送られて来たんだ!時間があるのなら

 

 シャオの家に行こうよ!」

 

 そして皆がそう言ってくる…何をそんなに慌てているのだろうか?

 

「樹季菜よ、お前は良いのか?あそこに加わらなくても」

 

「…あそこまで積極的に行ける自信は私にはありません」

 

「そのような事では機会は一生訪れんぞ?」

 

「…そんなの義真様に言われなくとも。でも…何で皆あんなに押しが強いんでし

 

 ょう?」

 

 何やら樹季菜さんの言葉に義真さんがこっちを見ながら苦笑いを浮かべている

 

 のが少々気になるけど…今はそれどころではないな。

 

「月、こっちへ!」

 

 俺は半ば強引に月の手を掴むとその場から月を連れて離れる。後ろの方で何や

 

 ら皆が騒いでいたが、それは無視。

 

 

 

「か、一刀さん…一体何処まで?」

 

「良いから、もう少し先まで」

 

「は、はい…////////」

 

 最初の内は何やら戸惑いを見せていた月であったが、段々とおとなしくなって

 

 いき、それに反比例するかの如くに俺の手を握る力は強くなっていた。

 

「ええっと…此処で良いかな?」

 

「此処ですか…でも、此処ってまだ整備途中の中庭ですよね?ま、まさか此処で

 

 ………へ、へぅぅぅぅ!か、一刀さん、こういう事はもう少し雰囲気のある場

 

 所で…一刀さんがお望みであるなら私は出来るだけその要望にはお応えしたい

 

 とは思ってはいますが/////」

 

 何やら月がそう言ったきりモジモジしているけど…まぁ、それはともかく。

 

「はい、これを」

 

 月は俺から手渡された物を見てあっけにとられたような顔をする。

 

「何です、これ…木剣のように見えますけど?」

 

「うん、木剣だよ。是非、月に一手お手合わせ願いたいと思ってね」

 

「へぅ?…………………まさか、その為に私を此処まで?」

 

「うん、昨日あいつらを捕まえた時から何だか機嫌が悪そうだったから、ちょっ

 

 と不完全燃焼気味なのかなぁと思ってね。恋も霞もいないし、俺じゃ月の相手

 

 には少々物足りないかもしれないけど」

 

 俺がそう言った途端、先程以上の不機嫌オーラが月から吹き出してくる………

 

 ……あれ?俺何か間違えたかな?

 

 

 

「良いでしょう…ならば一刀さんには是非お相手をお願いします」

 

 そう言って月は木剣を構えるのだが…マジで眼が怖いんですけど。とはいって

 

 も、俺から誘った事だし…。

 

 そう思いつつ俺も木剣を構え、月との手合わせを始めたのであった。

 

 ・・・・・・・

 

「何じゃ、鍛錬か。ならば問題無いの」

 

「とりあえず私達は帰りましょう」

 

 二人をこっそり尾けていた命と夢は何処となく安心した様子でその場を後にし

 

 たのであった。

 

 ・・・・・・・

 

 一刻後。

 

「ふぅ、良い汗をかきました。こうやって身体を動かすのはやっぱり良いですね。

 

 でも…一刀さんは大丈夫ですか?」

 

 月の顔は何だか晴れ晴れした感じの物になっていたから、当初の目的は達成し

 

 たのだろうが…月に心配される位、俺はボロボロだったりする。月ってば何故

 

 にあそこまで容赦の無い攻撃ばかりを…実戦だったら間違いなく三回は死んで

 

 いたな。

 

「ああ、大丈夫…何とか歩いて帰れる位はね」

 

 俺は何とか立ち上がろうとしたが予想以上に足にきていたらしく、すぐによろ

 

 けてしまう。

 

「あら、これはいけませんね」

 

 それを見た月はそっと俺の脇に入り込み支えてくれる。

 

「それでは行きましょう。お部屋までお送りしますから」

 

 

 

 そしてそのままほぼ強引に部屋まで送ってもらったのだが…横から感じる月の

 

 柔らかい感触にまるで体力とは別物の如くに下半身の一部が反応し(最近ご無

 

 沙汰だったせいでもあるが)、そしてそれはあっさり月に見つかり部屋に入っ

 

 たらそのまま…もう身体も動かせない位へばっていたはずなのに、こういう事

 

 は出来る俺の身体って一体…。

 

 ・・・・・・・

 

 そしてその次の日の朝。

 

「のぉ、月?一刀はどうしたのじゃ?」

 

「昨日、ちょっとあれから一緒に鍛錬をしてまして…どうやら今朝は起き上がれ

 

 ないみたいです」

 

「ほぉ…一緒にやっていたはずの月はこうしてピンピンしておるのに男の一刀が

 

 のぉ…だらしないやつよのぉ。ところで…月は今日は随分と機嫌が良さそうじ

 

 ゃの?」

 

「ふふ、一刀さんと一緒に鍛錬出来たおかげ…ですかね?」

 

 そう言って微笑んでいる月の肌は何処か艶々としていたのであった。

 

 ・・・・・・・ 

 

 そして同時刻、一刀は寝台の上で真っ白になっていたのは言うまでもない話で

 

 あった。

 

 

                                  続く。                        

 

 

 

 

 

         

 

 あとがき的なもの

 

 mokiti1976-2010です。

 

 今回は月のお話をお送りしました。

 

 最初はただゴロツキ相手に月が大立ち回りをする

 

 だけの話の予定だったのですが…何処でこうなっ

 

 てしまったのかは不明です(オイ。

 

 とりあえず次回も拠点をお送りします。誰にする

 

 かはまだこれからですけど(エ。

 

 

 それでは次回、第七十話にてお会いいたしましょう。

 

 

 

 追伸 李鴈と李奥は私が適当につけた名前ですので

 

    歴史上そういう人物はいない…はずですので。

 

    そして李奥達は処刑こそ免れたものの、全身

 

    の毛という毛を全て剃り落されて、開拓地で

 

    の無期限奉仕労働を言い渡されたというお話

 

    です。

 

 

 

 

 

 


 
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