No.759639

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第555話

2015-02-20 18:21:50 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1484   閲覧ユーザー数:1353

 

同日、20:30――――

 

ユミルに到着したリィン達は最初にシュバルツァー男爵邸を訪ねた。

 

~温泉郷ユミル・シュバルツァー男爵邸~

 

「リィン……エリス……皆さんも無事で何よりです。」

「よくぞ無事に戻ってきた。それにアルフィン殿下とオリヴァルト殿下もご無事で何よりです。」

ルシア夫人と共にリィン達を温かく迎えたシュバルツァー男爵はアルフィン皇女とオリヴァルト皇子に視線を向けた。

 

「そんな………!おじ様達こそお元気そうで本当に何よりです……!わたくしが郷にいなければあのような出来事は起こらなかったというのに……」

「御心遣い痛み入ります。エレボニアの内戦にこの郷を巻き込んでしまった上ご子息達に何度も危険な目に遭わせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。」

「ユミルが内戦に巻き込まれた件については殿下達の責任ではないと私達は思っていますし、息子達は息子達の意志で内戦に関わると決めたのですから殿下達を責めるつもりはありません。」

アルフィン皇女とオリヴァルト皇子に謝罪されたシュバルツァー男爵は静かな表情で二人に慰めの言葉を送った。

 

「おじ様……おば様……」

「それで何故今になってユミルを訪ねてきたのでしょうか?その……昨日のお昼ごろに”戦争回避条約”の”猶予期間”が終わった事をエイリーク皇女殿下より既に聞いていますが……」

「……実はその件なんですが――――」

リィン達は二人にユミルに来た経緯や事情を説明した。

 

「た、確かにその方法ならエレボニアが存続できる可能性が出てきましたね……フフッ、それにしてもまさかリィンの重婚がエレボニアを救う事ができるかもしれないなんて夢にも思いませんでした。」

「……その件だがリィン。エイリーク皇女殿下よりお前がエリゼやエリスを含めた多くの女性達を婚約した話も聞いているぞ。」

事情を聞いたルシア夫人が苦笑している中、シュバルツァー男爵は真剣な表情でリィンを見つめた。

 

「う”っ……!?そ、それはその……」

「―――全て終わって落ち着いた後でいいから色々と聞かせてもらうからな。」

「はい……そ、それよりも父さん、母さん。ロイドさんからユミルに二国に意見できると思われる方がいらっしゃるとの事ですが……」

「お父様達は心当たりはありませんか?」

シュバルツァー男爵の言葉に肩を落とした様子で頷いたリィンと共にエリスは二人を見つめて尋ねた。

 

「そのような公な場で意見ができる方ですか……―――あ。」

「フフッ、確かに”あの方”なら可能だな。」

「ええっ!?そ、それじゃあ……!」

「本当にユミルにそのような方がいらっしゃるんですか!?」

「一体何者なのですか?」

心当たりがある様子のシュバルツァー男爵夫妻を見たエリオットとアリサは驚き、ユーシスは真剣な表情で尋ねた。

 

「フフ、会えばわかる。―――今は”鳳翼館”で休まれているはずだ。」

「”鳳翼館”ですね!?……!」

「お、お兄様!?」

「全く、焦りすぎよ……」

「わ、私達も追いかけましょう!」

シュバルツァー男爵の答えを聞いて飛び出して行ったリィンの様子を見たセレーネは驚き、セリーヌは呆れ、エマは真剣な表情で提案した。

 

~鳳翼館~

 

「バギンスさん!」

「おや、若。いつお戻りに?それに随分慌てているようですが何かあったのですか?」

「今さっきです!それより”鳳翼館”に泊まっている方は今どちらにいらっしゃるんですか!?その方に至急お願いしたい事があるんです!」

「本日”鳳翼館”で宿泊されているのは団体様ですが……その方達の中のどなたに御用があるのですか?」

リィンの話を聞いた支配人は目を丸くして尋ねた。

 

「え……だ、団体ですか?」

「はい。七耀教会の関係者の方々ですが。」

「七耀教会ですか!?一体誰が……それでその方達は今どちらに?」

「先程露天風呂に入ると仰り、大浴場に向かいましたが……」

「露天風呂ですね?ありがとうございます……!」

「わ、若!……今の時間は女性なのですが……」

そして慌てた様子で大浴場に向かったリィンを支配人は冷や汗をかいて呟いた。

 

~露天風呂~

 

リィンが露天風呂に向かう少し前、ある人物達が露天風呂で疲れを癒していた。

「フッ、まさか女神とその一族達と共に湯に浸かる日が来るとはな。人生わからないもんだな。」

女性は自分と同じように露天風呂に入っている人物達―――エイドス達を見回して口元に笑みを浮かべ

「もう、アインったら……”守護騎士(ドミニオン)”の一人であり”星杯騎士団”の”総長”でもある貴女が世界が大きく動こうとしているこの時期に仕事を放り投げて、こんな所で油を売っていいと思っているの?」

ルフィナは呆れた表情で女性を見つめて指摘した。

 

「失敬な。ちゃんと我らが主神”空の女神”とその一族の方達に接触、そして僅か半年の滞在期間の間に是非アルテリアに訪ねて色々と話をして頂きたいという説得と共に護衛をするという重要任務についているが?」

「ハア……リース。貴女、アインに変な事を教えられなかったでしょうね?」

女性の答えを聞いて溜息を吐いたルフィナはリースに視線を向けた。

「総長には本当にお世話になった。星杯騎士としての修行もそうだけど、たまに街に飲みに連れていってもらって奢ってもらった。」

「ちょっとアイン?まさかとは思うけど――――」

「酒は飲ませていないから安心しろ。それにそもそも私達が崇めている”空の女神”がそんな細かい事を気にしていないのだからそう固い事を言うな。」

「そうですよ。”私”を崇めているのならそんな固い事は言いっこなしですよ。」

「うっ。」

女性の後に答えたエイドスの言葉を聞いたルフィナは疲れた表情をした。

 

「もう、この娘ったら……気持ちはわからなくはないけど、物事には限度というものがあるでしょうに。」

「う、う~ん……本当に一体誰に性格が似たのでしょうね……?アドルさんとフィーナさんはあんなユニークな性格ではないですし……」

その様子を見守っていたフィーナは呆れ、エレナは苦笑し

「当然クレハ様似でもないの。」

「当たり前よ。それにしても半年かぁ……まさか未来に来て半年の長期家族旅行をする事になるなんてね。」

ノイの言葉に答えたクレハは苦笑しながらエイドス達を見回した。

 

 

 

今回の話でリィンがとんでもない所に突撃しようとしている事におわかりかとww”虹の悪魔”降臨まで後少しですww


 
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