ルナツー暗礁宙域そこは地球連邦軍の宇宙基地ルナツーがある。
そして、そのルナツーの近くの暗礁宙域で戦闘が起きていた。
サラミス級戦艦二隻、マゼラン級戦艦一隻から宇宙戦闘機セイバーフィッシュが続々と発進していた。
攻撃目標はルナツー防衛ラインに侵入してきたジオン公国軍偵察部隊だ。
『各員第一種戦闘体制!連邦艦隊と遭遇!モビルスーツ隊は敵機を迎撃せよ!』
ジオン公国軍ムサイ級戦艦キリシマの艦内に流れていた。
「おら!さっさと行ってこい馬鹿ども!」
キリシマのハンガーでその怒号は響いていた。
『ザクⅠ。ショウ・佐々木発進準備完了!何時でも行ける!』
『こちら葛葉先に出ます!』
『死ぬんじゃねえぞ葛葉!』
そうキリシマのモビルスーツ整備長の「フォムル・オルガン」に言われながら背中に大型のライフルを装備したザクⅠが出撃した。
「坊主!さっさと逝ってこい!」
『何かキョウに言ってたのと違うくねぇかおやっさん!』
そう言いつつもカタパルトに乗り、もう一機のザクⅠが出撃した。
『遅いよ!早く位置に着こうか』
「何か俺が悪い風になってねぇか!……後でゆっくりO☆HA☆NA☆SHI☆だ!」
『まあ、それは互いに生きてらねッ!』
そうキョウ・葛葉が言うと、彼の乗っているザクⅠは専用のライフルを撃った。
『ひえ~相変わらずすごい腕前ですね中尉は』
彼の狙撃を見て、そう呟いたのはショウ・佐々木の部下のアイラ・ジーク・リューネだった。
その通信を聞いていたショウもモニター越しに頷き同意していた。
「さてと……俺もいっちょ行きますか!!ジーク!しっかり付いてこいよ!」
『了解!』
二機のザクⅠはフルブーストで一気に接近しているセイバーフィッシュの大群の中に突っ込んだ。
二機のザクⅠがセイバーフィッシュを撹乱しながら撃墜していると、マゼラン級戦艦のブリッジが爆発し、撃沈した。
『……ごめんね』
キョウのザクⅠが正確無比な狙撃でブリッジを撃ち抜いたのだ。
キョウはそのまま次の獲物に狙いを定めると狙撃した。
ジオン公国軍偵察部隊と連邦軍部隊の戦闘はものの数分で終わった。
その戦闘の一週間以内地球にコロニーが落とされた…………。
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一年戦争初期からジオンの兵士として生きた戦士の記憶……
それは人々の知らない物語