No.755113

【サイバ】柚子ちゃん、最大の危機!?【交流】

古淵工機さん

またまたあのウサギ娘が腕を振るうぞ!
あとちょっとだけ柚子ちゃんメカバレw

■出演
ツネ:http://www.tinami.com/view/749662

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2015-01-31 23:41:19 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:883   閲覧ユーザー数:847

「悪りぃ雪歩ちゃん、すまんが台所手伝ってくれねえか?」

「はいよーっ!」

ここは足柄 丼兵衛・ツネ夫妻が切り盛りする手打ちうどんの店、きつね屋。

この日は、天空稲荷神社の巫女・北城唯とそのクラスメイトである今河和美・雪歩姉妹が手伝いに来ていた。

「いやぁ、相変わらずにぎわってるわよねぇ」

と、雪歩が盛り付けた料理を運んでいく和美。

「ほんと、今日はもうてんてこ舞いだわ。いつも以上に忙しくて、台所も客室もドタバタよ。唯たちが来てくれて助かったわ」

「なぁに、困ったときはお互い様でしょ。ねえ和美ちゃん?」

「うん!」

照れ笑いを浮かべるツネに、満面の笑みで答える唯と和美。

 

「カツ丼あがったぜ唯ー!」

「あぁ、今行くから待ってて!」

雪歩がカツ丼を手渡すと、それを受け取った唯は客席へと運んでいく。

「しかし雪歩ちゃん、お前盛り付け上手いな」

「へっへっへー。寧子ばあちゃんに仕込まれたからなw」

「寧子ちゃん、料理上手いからねえ…」

と、談笑していた丼兵衛・ツネ夫妻と雪歩。客席では唯、和美、そして店のマスコット人形である柚子がせわしなく動き回っている。

 

「すいませーん!」

「はい、ご注文お決まりですか?」

客席に座っていた女性客の前に、柚子が近づき対応する。

「ええと、このかき揚げうどんに玉子を…」

「はい、かき揚げうどんに玉子を乗せてお一つ…で…」

突然、柚子の動きが鈍り始める。それを見た女性客は心配そうに声をかける。

「柚子ちゃん?大丈夫?」

「んぐっ…だ、大丈夫…」

と、言いかけた次の瞬間であった!!

「!?」

突然柚子の背中の板が外れ、中から歯車が飛び出したではないか!!

「きゃあ!」

「大変だ!あの人形壊れたぞ!!」

すさまじい勢いで床にたたきつけられる歯車。ゼンマイばねが弾け飛び、その反動で柚子の内部機構が壊れたのだ。

「柚子ちゃん!柚子ちゃん!しっかりして!!」

 

あわてて駆け寄る唯と和美。ツネはすぐに周囲の客に声をかける。

「すみませんお客さん!お怪我はありませんか!?」

「え、ええ…」

「だけど柚子ちゃん大丈夫なのかい?」

「相当ムリしてたみたいだし…」

 

…その後、何とか今日の営業は終えたものの、柚子は2階の居間に横たえられていた。

「…ご、ごめんねツネちゃん…あたし…みんなに迷惑かけちゃった…」

「何言ってるの。あなたは十分頑張ったわ。誰もまさか柚子ちゃんが壊れるなんて思わなかったもの…」

柚子を抱き寄せ、そっと頭をなでるツネ。その様子を、一同は心配そうに見守っていた。

 

「あたし…もう駄目なのかな……?」

「そんなことない!だから泣かないで柚子ちゃん!」

「そうだよ!柚子はこの店の看板なんだ!だからきっと…」

と、柚子を励ます和美と雪歩に、ツネはそっと告げる。

「でも…柚子ちゃんも古い人形だからねえ…。私には直し方わからないし…かといって大切な家族だから捨てるわけにも行かないし…」

「ツネちゃん…」

「柚子ちゃん…こんな時だってのに、何もしてあげられない私を許してちょうだい…」

「ツネちゃんは悪くないよ…ぐすっ…」

ツネは柚子を抱きしめ、頬を寄せて涙を流していた。

すると丼兵衛が、何かを思い出したように叫んだ!

「そうだ!柚子はまだ助かるぞ!!」

「え!?助かるって…どういうことなのおじいちゃん!?」

驚きのあまり目を丸くする唯に、丼兵衛はさらに続けた。

「…ほら、ウチにもよく来るだろ。マオちゃんっていう子がよ。そいつなら多分、柚子の修理もできるんじゃないか?」

「でも、マオさんって確か中学生じゃ…」

と、あれこれ話しているうちに突然、天井裏から声が響いた!

「悪いが、話は全部聞かせてもらったぜ!」

「「「げえーっ!?シラセさんっ!?」」」

と、驚く唯・和美・雪歩をよそに、天井裏から壁伝いに降りてきたのは長岡シラセだ!それも裏人格である。

「でもなんでシラセちゃんがここにいるの?」

「ふっふっふ、気にしちゃ負けだぜ女将さんよ。お困りのようだから…連れて来たぜっ!」

「あ、どうも…」

シラセに呼ばれて出てきたのは、クラスメイトのマオ・スペア。

彼女の姿を見るなり、丼兵衛は声をかけた。

 

「マオちゃん。お前の噂はかねがね聞いてる。無理にとは言わんが…どうか柚子を修理してやってほしいんだ」

さらに、ツネも頼み込む。

「わたしからもお願いするわ。柚子ちゃんはこの店の…私たちの大切な家族なの!」

それに続く唯・和美・雪歩。

「あたしからもお願い!大切な友達なの!」

「あたしからも!」

「俺からも頼む!」

 

その様子を見ていたマオは、余裕の笑みを浮かべると、誇らしげに言った。

「だーいじょうぶ!スペア家に直せない機械はないのです!からくり人形だって新品同様に修理してみせるわ!シラセ、助手お願い!」

「おうよっ!」

…数十分後。

「さ、できたわ柚子ちゃん。動ける?」

「う、うん…」

マオに促されるまま、起き上がる柚子。しかし彼女は、今までとは違う確かな感触を感じていた。

 

「あ、あれ…?この感じ…まるで、初めて作ってもらったときみたいに…滑らかに動ける!」

喜びもひとしおに、腕や足を動かしてみる柚子。

「柚子ちゃん?元気になったのね!よかったぁ…」

「ツネちゃん…」

「な、俺の言ったとおりだったろツネちゃん」

「ええ、ホントね丼ちゃん…今日はありがとうマオちゃん」

「いえいえ、どういたしましてw」

 

しかし、不思議に思った雪歩は思わずマオに訪ねた。

「けどさぁ、なんでマオ姉ちゃんが柚子のことを修理できたのかな?」

「ああ、それなんだけどね…」

 

すっかり疲れて表人格に戻っていたシラセが、説明を始める。

「マオってば『こういうこともあろうかと』って、いつもガラクタ持ち歩いてるのよ。だから入手不可能な部品はそこから削ったり切り出したりして作っちゃうのよね」

「へー…あ、じゃあさ。今度寧子ばあちゃんが困ってるときとかも頼めるかな?」

「うーん…まあスケジュール的にどうだろ…ねえマオ?」

「いや、その依頼ならもうやってきたからw」

「うそーん!?」


 
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