No.750833

艦隊 真・恋姫無双 22話目

いたさん

忙しくなりそうですので……早め投稿を。 1/13 最後の部分を加筆修正しました。 お詫び申し上げます!

2015-01-12 11:25:04 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1704   閲覧ユーザー数:1505

【 劉焉との対峙 の件 】

 

〖 益州  成都 劉焉本営 にて 〗

 

劉焉「き、貴様らぁあああッ!! 何を、何を狼狽えておるッ!! は、反撃をせんか!! 敵は我らより、遥かに少ないのだぞぉおおお!!」

 

劉焉は、『五雲の車』の玉座から荒々しく立ち上がり、佩刀を掴み車より降り立った!! 

 

──────ザッ! ザッ! ザッ!

 

加賀「勝負は決まりました! 敗軍の将なら……それなりの作法がある筈! 大人しく───縛されなさいッ!!」

 

劉焉「黙れ、黙れぇえええッ! 儂がおる! 益州州牧『劉君郎』が健在ならば───幾らでも民が支持する! 兵は集う! 臣は儂を担ぎ上げるだろう!! 貴様等如き……下郎に屈する儂では───無いッ!!!」

 

劉焉は、そう叫ぶが……負け犬の遠吠えに過ぎなかった。

 

 

★ー★ー★ー★ー★ー★

 

劉焉が、民より絞り取った税を使用して、華々しく作り上げた軍勢は………既に破損、汚損しながら……無様に敗走している!!

 

右翼『赤鶴隊』も、『隻眼の将』と『笑面夜叉の将』が……獅子奮迅の活躍を見せ付け、趙韙が捕縛されたとの報告が先程……入っていた!

 

左翼『白亀隊』も同じく、『謎の言葉を語る異邦人』と『鉄壁の強さを誇る武人』に、董扶が捕らえられたと、別の伝令兵より報告も受けている!

 

しかも、最も精兵で固めた筈の黄龍隊が……面妖奇怪、幻妖怪異のアノ巨漢が現れ、一番早く崩れたのが───痛恨だった!!

 

また、後方に配置していた劉焉囲む近衛兵達も、突如現れた漢中勢に蹂躙され、漢中勢の一部で劉焉を囲み……他の者達は、劉焉に忠を尽くさんと奮戦する兵達を掃討する為に動いている!

 

★ー★ー★ー★ー★ー★

 

 

──────ザッ!

 

雷「加賀だわぁ!! 久しぶりね! 元気にしてたぁ!?」

 

電「お、お久しぶりです! 加賀さん!!」

 

加賀「……二人とも……無事で良かったわ! ん? もしかして……コレに引導を渡すつもり?」ビシッ!

 

劉焉「────わ、儂を指差すなッ! 下郎共!!」

 

雷「勿論! 私達が戦って……屈伏させてやるわよ!」

 

電「────なのですッ!!」

 

加賀「……そう。 分かったわ、私が一航戦の誇りに懸けて立ち会いましょう! 劉焉、貴男が……私達の仲間に勝てれば、逃がして上げる。 どこへでも逃亡しなさい!!」

 

ーーー

 

瑞鶴「ちょっと! そんな勝手な真似───『一航戦の指揮に従うと言ったでしょう?』…………うぅぅ、翔鶴姉~ッ!!」

 

翔鶴「あの加賀さんが……勝機も無く無謀な賭けをする訳が無いもの。 ……信じましょう! それに、あの二人の事も──!!」

 

瑞鶴「………提督さんと一緒にと……死を覚悟した二人! うんッ! 私も刮目して、この勝負を見守るよ!!」

 

ーーー

 

榛名「……負けたら許しませんッ!」ゴゴゴッ

 

比叡「……ヒェエエェェェ──ッ!」ブルブルブルブル

 

霧島「……私が楽勝だったもの。 当然──あの二人だって!!」

 

 

比叡「わ、私……お姉ちゃんなのに……妹達の迫力に圧されて……! 気合いが……入らない~ッ!!」

 

ーーー

 

川内「…………雷達が負けたら………アイツを夜戦で蹴散らすぞ!」

 

夕立「でもでも……私達、提督さんとこ……集合しなくちゃいけないんだよ? それに……逃げ出した劉焉……誰が追跡するっぽい?」

 

川内「──────くっ! 盲点だった!!」ガクッ!

 

夕立「普通は誰でも────考えるっぽい!!!」

 

ーーー

 

劉焉「クククッ! ハーッハッハッハッハッ!! そんなガキがか! 良かろう! この前の眼鏡の女なら……いざ知らず! 今度は、このような子供の相手なら! ふんっ! この勝負の申し出、劉君郎……確かに受けたわ!!」

 

加賀「………劉焉は受けてくれたわ! 二人とも……武運を!!」

 

雷、電「「はいっ!!」」

 

 

◆◇◆

 

【 孫呉からの使者 の件 】

 

〖 益州 成都城 城壁上 にて 〗

 

貂蝉「一刀ちゃん!! 左慈ちゃんや于吉ちゃん! そして、他の艦娘達も合流したようよぉん!! 劉焉の益州軍は、九割方壊滅状態、負傷兵や投降兵多数、死者数0の殆ど作戦通りぃいいい!! 素晴らしいわぁん!!」

 

一刀「それで! 皆は!? 怪我とか無いのか? 大破した娘は居ないんだろうな? ま、まさか………轟沈したとかッ!?」ガッ!

 

貂蝉「イヤァ~ン! 一刀ちゃんたら~!! そんな荒々しく、私の肩を掴むなんてぇん! こういう行為は、人目に付かない夜じゃないとぉ~!!」

 

一刀「────!?!?」

 

港湾棲姫「カ……一刀………?」

 

『ジィ─────ッ!』

 

一刀「ち、違う! 俺は、そんな関係など────ッ!」

 

港湾棲姫「一刀ノォ───馬鹿ァアアアアッ!!」ポイッ! ポイッ!

 

一刀「駄目だ! 痛いッ! そんなモノ投げちゃ───痛ッ!!」

 

ーーー

 

一刀と港湾棲姫の痴話喧嘩を……懐かしそうに眺める恋姫達!

 

紫苑「懐かしくも、初々しい反応よね……」

 

桔梗「そうじゃな。 ワシらも……よくお館様をからかい、そのまま本気にされて、寝台で返り討ちあったモノじゃが……。 ───ムッ? 顔が赤いが、風邪か? この時期に、病気で寝込まれては困るぞ……紫苑よ!?」

 

紫苑「ち、違う! 桔梗が、その……ぉ。 わ、私は……昔と違って……経験なんて無いの! そう、はっきり云われると、一刀様を意識しちゃって……」

 

桔梗「なんじゃ! そんな事か! ワシとて無いぞ? 目に適う男が居らなくてなぁ! 考えてみれば……お館様以上の気骨溢れる男が居なかったせいかの! それにしても……あの紫苑がか……! いやはや分からぬものだ!」

 

紫苑「/////////」

 

焔耶「………まるで桃香様のような反応! とても可愛い──『ゴンッ!』───い、痛っあああッ!!!」

 

桔梗「馬鹿者が! 戦の最中に何を盛っておるッ!! 劉焉の軍勢が崩れたとなれば、投降する兵、負傷した者を対応する者を用意せねばなるまいッ! 軍師殿! ワシら外に出て、投降した者の対応をさせて貰う!」

 

朱里「分かりました! こちらも、治療の為の設備を、もう少し広げておきます! 治療の必要な方を渡して下さい!」

 

──────トンッ!!

 

雛里「────しゅ、朱里ちゃん!! た、たたたっ、大変だよッ!!」

 

朱里「な、何があったの!? 雛里ちゃん!!」

 

雛里「………こ、こっちに………あわわわわっ!!!」

 

??「────勝手に案内も無しで……すまん! 久しいな! 朱里、紫苑、桔梗、焔耶! ……此方に行けば、アイツに逢えると……その……卑弥呼なる者から……助言を受けてな……」

 

紫苑「あらあら───『思春』ちゃん!!」

 

桔梗「フッ! まさしく『友あり遠方より来たる!』じゃな! 思春よ!!」

 

焔耶「お、お前が来ただとッ!?」

 

朱里「はわわわわわ────ッ!!」

 

思春「───アイツは、どこに居るんだ?」

 

『─────────!?』

 

その場の空気が───凍りついた!

 

 

◆◇◆

 

【 怒る艦娘達 の件 】

 

〖 益州 劉焉本営内 にて 〗

 

劉焉「────儂の準備は、既に終わった! 何時でも来るが良い!!」

 

劉焉は『グラディウス』を両手で持ち、対峙している!

 

劉焉「劉氏一族には、代々伝わる両手剣の剣術がある!! これで……我が武は完璧! 勝機は間違いないッ!!」

 

加賀「────問題は……無いですね!」

 

加賀は、劉焉の武器を一瞥して問題無しと判断! 

 

雷「私達の武器は、これよッ!!」

 

電「これなのですッ!!」

 

加賀「──────!?」

 

『ハリセン』『100㌧ハンマー』に目を見張る加賀。

 

加賀「───本当に?」

 

雷「────これで、いいわよ!」

 

電「無問題───なのですッ!!」

 

加賀「────認めます! 双方……前に!!」

 

艦娘に囲まれる中、三人は対峙し───加賀が叫ぶ!!

 

加賀「勝負は一本! 勝敗に生死を問わず、正々堂々を貫く事! 双方──準備は良いですか!? では──っ! 始めっ!!」

 

ーーーー  ーーーー

 

劉焉「儂に……双剣を持たせた事! 悔やむがいいわ!!」

 

劉焉が、横に並ぶ二人に向かい、左手で横凪にし、右手で上から振り落とす!

 

雷「そんな攻撃ぃ! ──話にもならないわぁ!!」パンッ!

 

電「───バレバレです!!」ガンッ!

 

劉焉「───なっ!?」

 

雷が上からの剣を叩き落とし、電が横から来る剣を受け止める!

 

唖然とする劉焉に向かい、雷がハリセンで攻撃を仕掛けるッ!

 

雷「トオォリャアアァァ──ッ!! ティ! ティティティティティティ! テェッ!!」

 

劉焉「ふぐっ! ハッ! ハッ! ハッ! ヌオオォオオオッ!!!」

 

雷のハリセンが……劉焉の上半身を集中して狙ってくる! 顔、顔、左右脇腹、顎、真っ正面から顔面にぃ!! 

 

されど、劉焉も左右一対のグラディウスを、生き物の様に個別に操り、雷のハリセン攻撃を封じていく!

 

電「隙ありですッ! えぇ───ぃ!!」

 

劉焉「ヌグゥ!! ハァ───ッ!!」

 

電が『100㌧ハンマー』で下半身を集中攻撃すれば、咄嗟に退けて回避する!

 

ーーーー  ーーーー

 

雷「やるわね! 私の攻撃を簡単に避けるなんて……!」

 

劉焉「益州兵共と一緒にして貰っては困るなッ!」

 

電「───貴方の軍勢は、既に崩壊しています! これ以上、私達に対して争いをしても、意味などありません!! もぅ、こんな戦を止めるよう、残っている兵士さん達を止めて下さいぃいいいッ!!!」 

 

雷「電………!」

 

劉焉「ふんっ! 何をほざくかと思えば──笑止!!」

 

『─────!?』

 

劉焉「よく聞くがいいッ!! 儂は、漢王朝の『皇帝』に即位できる血筋、『天の御遣い』として……担ぎ出され英傑だ!! 確かに、お前達の主こそが御遣いかもしれん! だがな! 誰が出身も分からぬ者を信じるッ!?」 

 

電「───────!?」

 

劉焉「儂が──漢王朝に、皇帝に上奏すれば、お前達が『悪』!! 儂をいたぶり、益州に戦乱を起こし、民を苦しめたと──報告すれば、あの愚か者は『亡国の使者』と蔑まされ、大陸を追放される事だろう!!」 

 

雷「一刀司令が……亡国の使者!?」

 

電「私達を何時も心配してくれる……一刀さんを!?」

 

劉焉「くっははははっ!! ──民も、兵も、臣下さえもッ!! 儂を更なる地位に上げる『足場』であり『土台』であり『贄』であるのだッ!! 儂さえ、儂さえぇ!! 命があれば──他のモノなど、全て無用!!!」

 

加賀「───漢王朝の腐敗───考えていたより、腐っていたようね!?」

 

加賀が、全員へ包囲網を敷き直すように合図する。

 

加賀「生かして置いては───提督の災いと降りかかってくるでしょう!! そんな事、この私が許しません!!」

 

加賀が艤装の靫(うつぼ)より矢を取り出し、つがえて射る準備をする!

 

劉焉「ふんっ! 正々堂々とほざいた割には……飛び道具で儂を殺すか!? 良いだろう───!! 殺して見ろッ! しかし──貴様らの策も──全部、画餅に帰するだろうがな!! ハァ───ッハッハッハッハッ!!!」

 

加賀「───私が、全ての責を負い、劉焉を射殺します!!」

 

『───────!!』

 

他の艦娘は、声を失うが……提督代理として、指揮を振るう加賀に──従うしかない! 『このままで良いのか!?』と自問自答しながら!!

 

しかし───加賀の行動を遮る声が挙がった!!

 

雷「───待ちなさいよッ!!」

 

電「まだ──私達の勝負が付いていないのですッ!!」

 

加賀は、弓を下ろし……二人を見つめる!

 

加賀「貴女達に───勝機はあって?」

 

雷「まっかせなさいッ!! 電ッ! 行くわよ!?」

 

電「何時でも大丈夫なのです!」

 

雷「じゃあッ! 行くわぁ───ッ! よいっ……しょっ!!」

 

雷が電に背負われた体勢を取る!

 

雷「完成よッ!! ───劉焉!! 貴男は、私達を怒らせたッ! だから、この『雷電』が……天に代わってお仕置きしてあげるわ!!」

 

劉焉「───面白いッ! そのような不自由な格好で何ができるか──みせて貰おうかぁあああ────ッ!!!」

 

合体?した二人は、劉焉と………再度、対峙する事になった!!

 

ーーーーー

 

 

 

電「………雷ちゃん……少し、太ったのです?」

 

 

雷「ばっ!? こ、こんな時に───云う台詞じゃないわよ!!!」

 

 

 

◆◇◆

 

【 悲しみからの始まり の件 】

 

〖 益州 成都城 城壁上 にて 〗

 

思春は、恋姫達に問いかけた。

 

思春「───アイツ、北郷は………」

 

雛里「………………」

 

朱里「え、ええっ、焔耶さん!! ご、ごごごご主人様は、どこでしたですかね? ここには、い、居ないと思ってましたがぁ───!?」

 

焔耶「北郷様なら───あそこに『え、焔耶ちゃん!』モガモガ!!」

 

桔梗「ほ、北郷殿か……! 確か………」

 

一刀「俺が………どうしたって?」

 

港湾棲姫「……………………!」ギュッ

 

一刀「……どうしたんだい? 急に俺の服を掴んで? ───おやっ?」

 

 

『───────!?!?』

 

 

 

一刀「あぁ、新しく来られた将なのかな? 『初めまして』……! 俺の名前は、北郷一刀! 真名は無いから、好きなように呼んでくれれば……」

 

思春「ジィ─────ッ!」

 

一刀「えっ!? な、何か……顔に付いてる?」

 

思春「………雛里。 お前の言った通り……この男は、アイツじゃない!」

 

雛里「………ヒックヒック!」

 

思春「雛里がな、一緒懸命に教えてくれた。 『私達の知っているご主人様じゃないけど……ご主人様みたいな人』と。 孫呉に奪われるのが怖くて……付いた嘘ではないかと……勘ぐったのだが………」

 

『…………………』

 

思春「……アイツなら……こんな悲しい嘘を付かない! 私の目を……無心で見ながら……吐く事が出来る………薄情な男じゃ……ないッ!!」

 

雛里「うわぁあああ────ん!!」

 

一刀「えっ! この子も……北郷さんの関わりがある娘っ!? ゴ、ゴメンッ!! 無神経な事を云っちゃて……! 『空気読め!』って、部下のコ達から云われているんだけど……どうしてもねぇ……」

 

思春「………気にするな。 勝手に期待して……勝手に裏切られた……私のせいだ。 貴様とは……何も関わりは無い!!」

 

一刀「でも……凄いな……! こんな可愛い娘さんにまで、慕われていただなんて……北郷さんは素晴らしい人だったんだよね!!」

 

思春「な────ッ!? な、何を根拠にぃいいいッ!?」

 

一刀「だって……此処で、俺に力を貸してくれる皆は、全員、北郷さん慕っていたんだよね? 俺は……姿形は『北郷一刀』とソックリだけど、中身は遠く及ばない! 俺は、北郷さんに追いつくように……頑張らないとな!!」

 

思春「ボソボソ(雛里……コイツの中身……まさか、アイツ以上の鈍感野郎か?)」

 

雛里「ヒック! ヒック! ボソボソ(は、配下の人達も、何人居るのか分かりませんが、全員女性みたいなんでしゅ! かなり慕われていますよ? そ、それに……わ、私達も……慕っているのですが……気付く様子が……!?)」

 

思春「う~ん………取り敢えず、此方の勝敗を見届けた後、冥琳様に連絡しよう。 そうか、アイツ以上の鈍感野郎か! アーッハハハハハッ!!」

 

一刀「…………鈍感、鈍感云わないでくれ! これでも気にしてるんだ! それに、女の子が……口を大きく開けて、笑わない方がいい。 綺麗な顔が、台無しだ! 彼氏とか居たら、怒られてしまうよ?」

 

思春「───///////!! よ、余計なぁ御世話だぁあああッ!!」ボゴォ!!

 

一刀「ぐほっおおお────っ!!」

 

港湾棲姫「一刀ォオオオッ!!」

 

『………………………』

 

ーーーー  ーーーーー

 

こうして、思春は……北郷一刀と出会う。

 

期待していた人物ではなかった……しかし、気落ちする事もなかったのだ!

 

何故なら───彼もまた───『北郷一刀』だったのだから!

 

 

◆◇◆

 

 

【 大往生! の件 】

 

〖 益州 劉焉本営内 にて 〗

 

劉焉は、雷を背負った電を見て……嘲笑する!

 

劉焉「たかが、一方の小娘が背負われただけ! 何を恐れる事があるか?」

 

雷「云ったわねぇ! 私達の恐ろしさ……見せてあげるわ!!」

 

電「じゃあ! 行くのです──!」

 

電が雷を背負いつつ『雷電』体勢でユックリと歩く!

 

☆ー☆ー☆ー☆ー☆

 

因みに武器は、二人共持ったまま。 

 

『バランスが崩れそうになるから、歩いたのです!』と、後で電が理由を問われた時、このように話をしたと云う。

 

☆ー☆ー☆ー☆ー☆

 

劉焉「先程より動きが遅いッ! 『泰山冥流 双龍奪珠』!!」

 

劉焉が、その遅き動きに業を煮やし、疾風の速さで近付くと、背負われる雷の頭上へグラディウスの二振りが襲いかかった!!

 

劉焉の考えでは、背負われている娘(雷)の武器は『軽い、威力無し、速い!』 背負う娘(電)の武器は『重い、威力高い、遅い!』と考えていた。

 

だから、剣の威力が高く、二人同時に殺傷できる技を選択したのだが──!?

 

雷「そっちこそ遅いわよッ!! 『大往生流秘技 百遁衝天砲』!!」

 

電「とおぉ──っ!!」

 

─────ガキィン! ガキィン!!

 

劉焉「グオオォオオオ────ッ!?」

 

雷が叫ぶと、下から『百㌧ハンマー』が突き上げられ、劉焉のグラディウスを弾き飛ばした!! そのために、体勢が後ろに反る事になった劉焉!!

 

彼の考え、選択は……間違えではなかった。

 

間違えていたのは………対している彼女達を『人』と認識していた事!!

 

彼女は、彼女達は───『艦娘』である。

 

如何に幼女の姿をしていても、嫋やかな女性の姿をしていても、油断してはならぬ者である! 

 

しかも、劉焉は……逆鱗を荒々しく触ったのだ!

 

勝機など………一切………無いッ!!

 

雷「これは、あんたに侮辱された加賀の分!!」

 

体勢を直そうとする劉焉に、ハリセンを顔面に喰らわす電!

 

劉焉「ブヘェエエエ────ッ!? ぐうぅううう!! どこだぁ!? どこに居るのだぁあああ!! 忌々しい小娘共がぁあああッ!!!」

 

思わず鼻に当たり、涙で前が見えなくなり……闇雲にグラディウスを振り回す劉焉! されど、二人は距離を少し退き距離を開け、次の攻撃に備える!!

 

電「行くのです!! 『大往生流秘奥義 砕頂双體落地』!!」

 

劉焉「な、何ぃいいいいッ!?!?」

 

二人は……劉焉の後ろに廻り込んだ!!

 

雷「とおぉ────ッ!」

 

電「えぇ───いッ!!」

 

劉焉「バァッ!? 馬鹿な────ッ!?」

 

巨体の劉焉を二人で持ち上げ、後ろに投げ飛ばしたッ!!

 

電「これは……貴男に侮辱された……私達艦娘と一刀さんの分ですッ!」

 

─────ズドォォオオオン!!

 

劉焉は、数十㍍投げ飛ばされ……地面に落ちた!!

 

雷、電「「 大往生───ッ!! 」」パンッ!

 

二人は、両手を合わせ……合掌した!!

 

加賀「────勝負ありッ! 雷、電の勝利です!! 劉焉を至急治療の上、捕縛なさい!!」

 

加賀の高らかな───勝者宣言が挙がった!!

 

 

ーーーー  ーーーー

ーーーー  ーーーー

 

瑞鶴「───カ、カッコイイじゃないッ!!」

 

翔鶴「提督が御覧になりましたら……涙を流して喜ばれるでしょうね!」

 

ーーー

 

霧島「………信じていましたよ!」

 

榛名「榛名も………頑張りますッ!!」

 

比叡「ひぇえええ──ッ! ふ、二人共、手を貸してぇえええッ! 劉焉の治療しないと───ッ!?」

 

ーーー

 

川内「あれを……夜戦に使うには………ブツブツ」

 

夕立「……夕立も………提督さんのため頑張るっぽいッ!!」

 

ーーー

 

加賀「二人の技……あれは………?」

 

赤城「『大往生流』……中国拳法最古の歴史を持つ拳法ですね。 まさか、まだ……他にも伝承者が居るなんて……」

 

加賀「赤城さん……いつから……?」

 

赤城「つい、先程ですよ? それにしても…………」

 

赤城が、額に吹き出た冷や汗を……左手で拭い、右手でボーキを食べながら解説する。 

 

赤城「敵にまわせば……これほど恐ろしい艦は無く、味方に付けば頼もしい艦。 そう……思いませんか? 加賀さん…………」

 

加賀「私も思うわ。 だけど、赤城さんの手に持ったボーキの出所の方が、とても気に掛かるの! 是非、教えて貰いたいのだけど………?」

 

赤城「──────!」

 

★☆☆

 

益州軍の進行は、敵総大将『劉焉』が倒れた事により、瓦解! 艦娘や恋姫達の手で……武装解除の上、収容所入りとなる。

 

劉焉と他の二将も……一刀達の前へ引っ立てられた。

 

ーーー  ーーーー

 

そんな中、一刀の下に向かう二人の姿。

 

黒いベールを纏う……元益州軍軍師『鬼灯』

 

もう一人は…………西洋風の甲冑姿で歩く『??』であった。

 

??「私の姿に気付く者が、何人居るのかな?」

 

鬼灯「………なるべくなら……『空母水鬼』である事は伏せて頂きたいのですが……」

 

??「ふふっ! 目標があれば強くなろう! 弱者より強敵と戦った方が、潰しがいがある! 格言にもあるだろう……『豚は太らせてから喰え!』……とな!」

 

鬼灯「…………」ブルリッ!

 

劉焉との戦いは終わる。

 

しかし、本格的な大陸全体を巻き込む争乱は、すぐ傍まで来ていた。

 

 

 

 

ーーーーーー

ーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

パロディとシリアス……ごちゃ混ぜの話になりましたが、やっと劉焉の話も一区切りできそうです。

 

戦の話は、終わったんですが……戦後処理の話までまだ行けず、もう一話だけ続きますので、ご容赦下さい!!

 

??は、大体の方には……バレているとは思いますが、次回に正体等を出していきます。

 

 

 


 
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