カフェの扉を開けて、いつも溜まっているあたりを見回す。
亜輝の姿は見当たらない。珍しい事もあるもんだ、亜輝が時間前にいないなんて。
普段なら先にいてコーヒーなんかを飲みながら待っているのにな。
そんなこと考えていたら、顔馴染みの店員、佳織に声をかけられた。
「いらっしゃい。亜輝さんなら禁煙席にいるよ。」
「はぁ〜、禁煙席。なんでよ、いつも通りのガラガラじゃんよ。あいつ何か俺に恨みでもあんのか。」
「ガラガラで悪かったわね。あんた達がたくさん注文してくれると助かるんだけど。いつもコーヒーだけで何時間もいるんだから。」
「まぁ、今日はコーヒー以外も注文するかも、期待しないでまってなよ。」
「ええ、期待しないでまってるわよ。いつものように、コーヒーでいいんでしょ。すぐもっていくから。」
「ああ、ところでさ、禁煙席って二階だったよな。」
「そうよ、絶対に吸わないでよ。すったら料金倍だからね。」
「はいはい、わかってますよ。」
ブツブツと文句を言いながら階段をあがった。
階段を上って二階についたとき、亜輝の姿を見つけた、見つけた瞬間思わず帰ろうという衝動に駆られ階段を下りようとしたら、見つかった。
「アッ来た。コラなんで帰ろうとするかな。」
そりゃお前きまってるでしょう。どういう神経してんの当人を前にして話しなんて出来るかよ。
呼んでんなら、それも伝えろよ。
まだ心の準備出来てないんだから、物事には順序ってもんがあるんだからさ。
亜輝と一緒にいる人物が俺にとっては問題だった。
亜輝の隣には文が座っていた。
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どこかで起きていそうで、でも身近に遭遇する事のない出来事。限りなく現実味があり、どことなく非現実的な物語。そんな物語の中で様々な人々がおりなす人間模様ドラマ。