「さて、全員ここに集まってるな?」
「はい。準備も出来ています」
「よし、んじゃ始めるか」
その理由はただ一つ……アーマードライダーの実戦調整の為である。
「おっしゃ」
「お手柔らかにお願いしますよ、皆さん」
「さて、それはお前等次第だな」
「やれやれ、私もですか…」
「諦めろ。戦極ドライバーを手に入れた以上は付き合って貰う」
集まっているのは竜神丸、ディアーリーズ、刃、支配人、そしてokakaだ。全員がそれぞれ専用の戦極ドライバーを腰に装着しており、手にはそれぞれロックシードを持っている。彼等は一斉にロックシードを構え、開錠する。
≪マスカット!≫
≪スターフルーツ!≫
≪ライチ!≫
≪メロン!≫
≪オレンジ!≫
竜神丸はマスカットロックシードを右手から左手に持ち替え、ディアーリーズはスターフルーツロックシードを右手に持ったままゆっくりと上に振り上げ、刃はライチロックシードを正面に突き出し、支配人はメロンロックシードを真上に高く投げてから落ちてくるのをキャッチし、okakaは左右に身体を捻ってからオレンジロックシードを真上に突き上げ、そして五人全員が同時にロックシードをそれぞれの戦極ドライバーに装填。そしてカッティングブレードを下ろす。
≪≪≪≪≪ロック・オン!≫≫≫≫≫
「「「「「変身!」」」」」
≪ハイィ~! マスカットアームズ! 風・刃・セイヤットウ!≫
≪ソイヤッ! スターアームズ! セイバースター・オンステージ!≫
≪ソイヤッ! ライチアームズ!
≪ソイヤッ! メロンアームズ! 天下・御免!≫
≪ソイヤッ! オレンジアームズ! 花道・オンステージ!≫
全員がアームズを被ると同時にライドウェアを纏い、アームズを展開。竜神丸はアーマードライダー
「うし! 不備は無しっと」
「では……始めましょうかねぇ!!」
「え……うわわわっ!?」
「どぉっ!?」
「ぐ…!!」
変身を完了した直後、まずは龍刃が手に持ったマスカット風刃を振るって斬撃を放ち、龍星と鎧武が慌てて回避。そして飛んで来た斬撃を斬月がメロンディフェンダーで防御する。
「いきなり過ぎるだろうがよっと!!」
「む…!!」
鞘から抜いた無双セイバーで斬月が狙撃、龍刃はマスカット風刃で上手く防ぐも、その隙に千鳥が龍刃に向かって接近する。
「私を忘れないで貰いたいですね!!」
「おっと、刃さんですか…これまた厄介な!!」
「逃がしませ……ぐっ!?」
千鳥は脛当て型アームズウェポン―――
「ッ……テメェ…!!」
「おいおい、素が出ちまってるぜ?」
≪パイン!≫
千鳥の背中を一閃した張本人―――鎧武はすかさずパインロックシードを取り出し、オレンジロックシードの代わりに装填する。
≪ソイヤッ! パインアームズ! 粉砕・デストロイ!≫
「そぉら!!」
「ぐは!?」
「もう一丁!!」
「ぐぅ…!!」
パインアームズとなった鎧武は鎖鉄球型アームズウェポン―――パインアイアンを振り回して千鳥、龍刃に強烈な一撃を炸裂させる。そして殺気を感じ取った鎧武はすかさずパインアイアンを背中に持って行き、後ろから無双セイバーで斬りかかって来た龍星の攻撃を防御する。
「まだまだ負けんぞ、新米アーマードライダーさんよ!!」
「何の、すぐに超えて見せますよ!!」
≪ドラゴンフルーツ!≫
「何…うぉ!?」
≪ソイヤッ! ドラゴンアームズ!
無双セイバーがパインアイアンに防がれている状態から、龍星はドラゴンフルーツロックシードを装填。回転しながら降下するドラゴンアームズが果汁エネルギーを噴射して鎧武を押し退け、龍星はそのままドラゴンアームズへと変化する。
「さぁ、まだまだここからです!!」
「面白い!!」
日本刀型アームズウェポン―――
(スピード重視のアームズか……なら!!)
≪パインスカッシュ!≫
勝負に出るつもりのようだ。カッティングブレードを倒した鎧武はパインアイアンの鉄球部分を真上に投げその場から大きく跳躍する。
「いきなりですか!? くっ…!!」
≪ドラゴンフルーツオーレ!≫
龍星もカッティングブレードを二回倒し、龍刃刀と無双セイバーにエネルギーを充填。まずはその場から回避しようとする龍星だったが……それは既に鎧武に読まれていた。
「させるか!!」
「!! しまっ…!?」
それに対して空中に跳んだ鎧武はパインアイアンの鉄球部分を蹴り飛ばし、それがパイン型エネルギーとなって龍星を拘束。そこに鎧武が飛び蹴りを放つ。
「セイハァァァァァァァァァァッ!!!」
「ぐ、ぅぅぅぅぅぅぅ…!?」
エネルギーの拘束から抜け出せないと判断し、龍星は龍刃刀と無双セイバーを×字のようにして構え、鎧武の飛び蹴りを受け止める姿勢に入る。鎧武の飛び蹴りが打ち破るか、龍星の二刀流が防ぎ切るか、両者のお互いの必殺技がぶつかり合おうとしたその時…
≪メロンスカッシュ!≫
「「!?」」
別方向から聞こえてきたその音声が、二人の意識をそちらへと向けさせる。
「はぁっ!!」
「ぐぁあっ!?」
斬月の投擲したメロンディフェンダーが空中の鎧武に命中し、飛び蹴りの勢いが死んだ鎧武は地面に落下。その間に龍星がエネルギーの拘束から脱出するも、斬月は無双セイバーを構えて駆け出す。
「く、この…!!」
「甘いな」
「なっ!?」
二刀流で迎え撃とうとした龍星だったが、投げられたメロンディフェンダーがブーメランのようにUターンする形で再び飛来し、無双セイバーを弾き落とす。そして返って来たメロンディフェンダーを斬月が左手でキャッチし、龍星が構えようとした龍刃刀の一撃を自分の無双セイバーで受け止め…
「はぁっ!!!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
メロンディフェンダーによるシールドバッシュで、龍星を大きく吹っ飛ばした。吹っ飛ばされた龍星は岩壁に叩きつけられ、地面へと落下していく。
≪イチゴアームズ! シュシュッとスパーク!≫
「らぁっ!!」
「!? ちぃ…!!」
直後、イチゴアームズとなった鎧武が二本のイチゴクナイを投擲し、斬月に命中して破裂。怯んでしゃがみ込んだ斬月も無双セイバーのレバーを引き、鍔の銃口から数発の銃弾を放つ。
「てやぁっ!!」
「ふっ!!」
離れた位置では、千鳥と龍刃の二人が戦っていた。千鳥の繰り出す足技と龍刃の振るうマスカット風刃がぶつかり合い、互角の戦いを繰り広げている。しかしライチアームズ自体が元々スピードに特化したアームズだからか、パワー面においては千鳥よりも龍刃の方が僅かに上らしく、千鳥の繰り出した回し蹴りが龍刃の左手で華麗に受け流される。
「ちぃ、小賢しい!!」
「小賢しいのはどちらでしょうねぇ!!」
「ぐっ!?」
千鳥の蹴りをマスカット風刃で弾き、その勢いを利用して回転した龍刃がそのまま千鳥を一閃。千鳥は不利な状況から脱するべく、カッティングブレードに手をかける。
≪ライチスパーキング!≫
「何、ちぃ!?」
装備していたライチアームズが装着前のライチ状に戻って回転し、龍刃のマスカット風刃を弾き返す。龍刃の体勢が崩れかけた隙に再びライチアームズを装着し直した千鳥は再びカッティングブレードを倒し、龍刃も地面に膝を突いてからカッティングブレードを二回倒す。
≪ライチスカッシュ!≫
≪マスカットオーレ!≫
「ぜりゃあっ!!!」
「はぁっ!!!」
千鳥は回し蹴りで、龍刃はマスカット風刃を振るって斬撃を放ち、互いの斬撃が衝突し爆発。爆発の衝撃で吹っ飛びかける二人だったが、どうにか体勢を立て直して再び駆け出そうとする。
その時…
≪ギュイィ~ン!≫
「「!!」」
聞こえてはならない筈の音声が聞こえて来た。
≪レッドピタヤアームズ! 真龍・降臨!≫
「ハッハァァァァァァァァァッ!!!」
「な、ZERO……がぁっ!?」
ZEROが変身したアーマードライダードラークが飛び出し、両手に装備したピタヤクローで迎え撃とうとした千鳥を吹き飛ばす。その一撃は龍刃にも向けられるが、龍刃は攻撃が飛んで来る直前でギリギリ回避し、ドラークから距離を離してから構え直す。
「ZEROさんですか。あなたを呼んだ覚えは無いんですけどねぇ…」
「何をお前等だけで楽しんでやがる? 俺も混ぜろよ…!!」
「はぁ、やれやれ…」
「テメェ何してくれやがんだZEROォォォォォォォォッ!!!」
「! はんっ!!」
思わぬ乱入に激怒した千鳥が飛び蹴りを放ち、ドラークもそれを両手のピタヤクローで弾き返す。弾かれた勢いのまま宙返りして着地した千鳥はライチロックシードを取り外し、アセロラロックシードに取り替える。
≪アセロラ!≫
「人が戦ってるのを邪魔しやがって……テメェからぶっ殺されてぇようだなぁっ!!!」
「ほぉ、良いなぁ? いつもみたいにスカした態度なんざ取らずに、本能のままにかかって来いよ」
「言わせとけば図に乗りやがって……潰すっ!!!」
≪サラク!≫
「はん、図に乗ってんのはどっちだろうなぁっ!!!」
ドラークもピタヤクローを取り外し、手に持ったサラクロックシードを開錠する。
≪ソイヤッ! アセロラアームズ!
≪ソイヤッ! サラクアームズ!
千鳥はアセロラアームズに、ドラークはサラクアームズにチェンジ。千鳥は両手に持ったトンファー型アームズウェポン―――アセロラトンファーを、ドラークは蛇腹剣型アームズウェポン―――サラクブレードを構えてから戦闘を再開する。
「くははははは!! 良いなぁ、戦り応えがあるぜ…!!」
「テメェはマジでうざってぇんだよ…!! 仕事は碌にこなそうとしねぇし、飯は毎度大量に食い荒らしやがるし、ちったぁこっちの身にもなってみやがれ!!」
「はん、そんなのは知った事じゃねぇなぁ? 俺は俺のやりたいようにやっているだけだ、この俺に適応出来ねぇような奴は喰われて終わりだ…!!」
「自己中野郎が、マジで一回潰してやろうか!!」
「気取るなよ、どうせテメェも俺と同類だろうが?」
「テメェなんぞと一緒にすんじゃねぇっ!!!」
鞭のように振るわれるサラクブレードの連結刃をアセロラトンファーが弾き、接近しようとする千鳥をサラクブレードの連結刃が蛇のように襲いかかる。二人が激しい戦いを繰り広げている一方で、完全に置いてけぼりにされた龍刃は呆れたように眺めていた。
「やれやれ、どうしてこうなったんだか。せっかくの実戦調整が、無駄に面倒な事になりましたねぇ…」
あくまで実戦調整の為に戦っていたのが、いつの間にか本格的な殺し合いにまで発展してしまっていた。万が一この戦いで戦極ドライバーが破損でもしてしまえば、せっかくのデータが台無しである。
「どうするべきか…」
「どれ、私も参加させて貰おうか」
「生憎ですが、これ以上派手な戦闘は控え……え?」
歩み寄って来た人物に、龍刃は思わず仮面の下で目を見開いた。
≪サラクスカッシュ!≫
「うらぁっ!!!」
「んな、ぐぉっ!?」
ドラークがカッティングブレードを倒し、サラクブレードの連結刃にエネルギーが充填。連結刃がまるで生きた蛇のように地面を這い、その刃先が千鳥の胸部を容赦なく突きつける。
「おいおい、どうした? もっと俺を楽しませろよ」
「クソが、嘗めやがって…!!」
あくまで余裕の態度を取るドラークに、千鳥は完全に堪忍袋の緒が切れた。ただでは済まさんと思った彼はすぐに立ち上がり、カッティングブレードを倒そうとする。その時…
「がはぁっ!!」
「な、うぉっ!?」
「…!?」
突如、龍刃がとてつもない勢いで吹っ飛ばされて来た。危うく龍刃にぶつかりそうになった千鳥は何とか回避し、龍刃は大樹に叩きつけられてから地面に落ちる。
「く……流石、我等OTAKU旅団のトップですね…」
「「!?」」
龍刃の告げる言葉に、千鳥とドラークは彼が飛んで来た方向へと視線を向ける。その先には…
「ほう、また楽しそうにやっているじゃないか」
龍刃から奪い取ったであろう、マスカット風刃を構えているクライシスの姿があった。
「団長!?」
「クライシス、テメェ…!!」
思わぬ人物の参戦に千鳥は驚き、ドラークは仮面の下で歯軋りしながらクライシスを睨み付ける。せっかく楽しく戦っていたところを邪魔されるなど、ZEROにとっては喧嘩を売られるのと変わらないのだから。
「まぁ、そんなに怒らないでくれ。君達はそのまま戦ってくれて構わない……ただ」
クライシスはマスカット風刃を放り捨て、懐からある物を取り出す。
「!? それは…」
それは、千鳥達が装着しているのと同じ戦極ドライバーだった。
「ここからは、私も参加させて貰うだけだ」
クライシスが戦極ドライバーを腹部に当てると、ドライバーから骨のような形状をしたベルトが伸び、戦極ドライバーが装着される。そのままクライシスはある特殊なロックシードも取り出す。
(何だ……フルーツじゃない…?)
それはフルーツではなく、白い骨のような物が刻み込まれたロックシードだった。
「では、始めよう」
≪フィフティーン!≫
開錠音と共に、クライシスが取り出したロックシード―――フィフティーンロックシードが自動的に戦極ドライバーへと装填される。するとクライシスの頭上で骨のような禍々しいクラックが開き、中から巨大な
≪ロック・オン!≫
「変身!」
≪ギュイィ~ン!≫
カッティングブレードが倒されると同時に、髑髏が降下してクライシスの頭部へと被さる。髑髏と融合するような形でクライシスの全身が漆黒の闇へと包まれていき、それを見た千鳥達は一斉に構える。
(何だ、この殺気……やっぱ尋常じゃねぇ…!!)
千鳥の仮面の下で汗が流れる中、漆黒の闇が晴れた瞬間にクライシスの変身は完了していた。
「あれは…」
漆黒のライドウェアに、骨のような形状をした胸部のアーマー。仮面は骸骨を彷彿とさせる形状で、後頭部には白い鬣。そして何よりも目が行くのが…
「…え、十五?」
仮面の上部にある、漢字の「十五」の文字と描かれた角だ。これには千鳥も思わず首を傾げる。
「あぁ、この頭の漢字は気にしなくても大丈夫だ」
「は、はぁ…」
「さぁ、かかって来ると良い」
「ッ…!!」
クライシスが変身した漆黒の戦士―――アーマードライダーフィフティーンは、一歩ずつ前へと進んでいく。千鳥や龍刃はフィフティーンが放つ殺気に圧倒され、思うように身体が動かない。
(な、何だよこれ……全然身体が動かねぇ…!?)
(ふむ、やはり正面からぶつけられると厳しい物がありますね…!!)
しかし、そんな中でも…
「上等だ……楽しませて貰おうかぁっ!!!」
ドラークだけは、いつもと変わらない態度だった。彼はサラクブレードの連結刃を戻し、長剣に戻してからフィフティーンへと襲いかかる。
「ほう? まずはお前か、ZERO」
「オラァッ!!!」
ドラークがサラクブレードで斬りかかるも、フィフティーンは身体を逸らすだけでそれをかわす。しかしそれだけで終わりではなく、ドラークが何度もサラクブレードを振り回すたびにフィフティーンはそれを何度も回避し、時には両腕でサラクブレードの刃先を受け止めるなど、その立ち回り方には無駄な動きが無い。
「ふむ、なかなか良いパワーだな」
「チッ!! 避けるばっかでつまらねぇな、少しは攻撃して来やがれ!!」
「む、良いのか? では……遠慮なく」
「!? ぐふぉあっ!?」
サラクブレードの一撃を回避し、フィフティーンの掌底がドラークの胸部に叩き込まれる。そのたった一撃にドラークは怯まされ、思わず後退して膝を突く。
「どうだね?」
「ぐふ、テメェ…!!」
「私の攻撃は、まだここからだ」
「がはぁ!?」
フィフティーンが右手を胸の前に置くと、胸部のアーマーから瘴気のような物が噴き出し、骨を模した禍々しい形状の長剣―――
「図に乗ってんじゃねぇっ!!!」
「おっと」
ドラークが振るったサラクブレードの連結刃を、フィフティーンはいとも容易く受け流す。そして距離を離した後、戦極ドライバーからフィフティーンロックシードを取り外し、別のロックシードを取り出す。
「では、次はこうしようか」
「!? あれは…!!」
フィフティーンが取り出したのは、クウガやアギト、ディケイドや鎧武などの姿が描かれた平成15ライダーロックシードだった。それを見て千鳥が驚く中、フィフティーンはすかさずそれを開錠する。
≪ブレイド!≫
頭上のクラックから、仮面ライダーブレイドの頭部を模したアームズが出現する。フィフティーンは平成15ライダーロックシードを戦極ドライバーに装填し、カッティングブレードを倒す。
≪ロック・オン! ブレイドアームズ!
ブレイドアームズが被さり、アーマーを展開。フィフティーン・ブレイドアームズへの変身を完了する。
「ッ……その力、俺に寄越せぇっ!!」
「奪ってみると良い。奪えるものならな」
ドラークが声を荒げながらサラクブレードを振り下ろすが、フィフティーンは手元に出現させた醒剣ブレイラウザーでそれを防御。カウンターの要領でドラークを斬りつける。
「この…!!」
「さぁ、防いでみろ」
≪ブレイドスパーキング!≫
カッティングブレードが三回倒され、今度は重醒剣キングラウザーがフィフティーンの手元に出現。フィフティーンの目の前には五枚のカード状エネルギーが出現する。
「はっ!!」
「何!? ぬ、ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ……ぐがぁあっ!!?」
フィフティーンが放った光の斬撃がカード状エネルギーを通過していき、ドラークのサラクブレードと激突。しかしやはり防ぎ切れなかったようで、光の斬撃がドラークの防御を容易く打ち破り、ドラークをジャングルエリアの奥深くまで吹き飛ばした。
「おいおい、マジかよ…!!」
「やはり、ZEROさんでも敵わないようですね」
千鳥と龍刃がそれぞれ思った事を口にすると、フィフティーンは今度は二人のいる方向に目を向ける。
「さぁ、次は君達だ」
「…残念ながら私達には、戦わないという選択肢は存在しないようですね」
「くそったれ、冗談じゃねぇぞ畜生が…!!」
千鳥と龍刃が構えると、フィフティーンは平成15ライダーロックシードを取り外してから、再び開錠する。
≪カブト!≫
開錠音と共に、フィフティーンの纏っていたブレイドアームズが消滅。代わりに頭上のクラックから仮面ライダーカブトの頭部を模したアームズが出現し、再び平成15ライダーロックシードが装填される。
≪ロック・オン! カブト・アームズ! 天の道・マイウェイ!≫
「さぁ、第2ラウンドだ」
「「ッ…!!」」
カブトアームズへと変身したフィフティーンはカブトクナイガン・アックスモードを構え、二人のいる方向へと前進していく。
一方で、鎧武と斬月、龍星の戦いも激化していた。
≪スターフルーツスカッシュ!≫
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「そうはいかねぇよ!!」
≪オレンジスパーキング!≫
「な…うわっと!?」
高く跳躍した龍星がエネルギーの充填された
≪メロンオーレ!≫
「足元がお留守だな!!」
「うぉっと!?」
斬月が振るった無双セイバーから斬撃が放たれ、鎧武の両足に命中させて転倒させる。すぐに接近しようとする斬月だったが、そこに龍星が攻撃を仕掛ける。
≪ホオズキ!≫
「そぉれ!!」
「何…ぐぁっ!?」
龍星は展開前の状態に戻ったスターアームズを斬月に向かって蹴り飛ばし、斬月も対応が遅れてメロンディフェンダーを弾き落とされてしまう。その隙に龍星は頭上から振って来たホオズキアームズを頭から被る。
≪ソイヤッ! ホオズキアームズ!
「僕を忘れて貰っては困りますよ、支配人さん!!」
「ディアか……残念だったな、俺は盾無しでも戦えるぞ!!」
「何の、まだこれからです!!」
「おいおい、三つ巴の状況である事を忘れてんじゃねぇのかよ!!」
龍星が振り下ろした
しかし、そんな状況もここまでだった。
≪Clock Up≫
「え……がっ!?」
「何、ぐふっ!?」
「ごぁっ!?」
クロックアップを発動したフィフティーン・カブトアームズが乱入し、三人をカブトクナイガン・クナイモードで何度も斬りつけたからだ。想定外の事態に鎧武は地面を転がり、斬月は思わず地面に膝を突き、龍星は
「な、コイツは…!?」
「フィフティーンだと…!!」
「ほう、やはりお前達は知っていたか」
「「「!? 団長!?」」」
鎧武と斬月はフィフティーンの姿を見て驚き、更にフィフティーンが発した声から正体がクライシスだと分かり、三人は驚きの声を上げる。
「え、何故団長が…」
「戦闘を続けたまえ。私も遠慮はしない」
「がはっ!?」
≪カブトスカッシュ!≫
「ハッ!!」
「な……ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
フィフティーンはカブトクナイガンで斬月を斬りつけると同時にカッティングブレードを倒し、回し蹴りによるライダーキックで龍星を蹴り飛ばす。対応が間に合わず直撃してしまった龍星は地面を転がった後に変身が解除され、ディアーリーズの姿に戻って意識を失った。
「おいおい、マジかよ団長…!!」
「さぁ、まだまだ行くぞ」
≪クウガ!≫
平成15ライダーロックシードを再び開錠し直し、今度はクウガアームズがクラックから出現する。
≪ロック・オン! クウガアームズ! 超・変・身・ハッハッハッ!≫
「とうっ!!」
「な、うぉ…!?」
クウガアームズに変身したフィフティーンは大きく跳躍し、鎧武の目の前に着地。こうなれば戦うしかないと判断した鎧武は両手に持っていた刀型アームズウェポン―――大橙丸と無双セイバーの二刀流でフィフティーンに挑みかかるが、フィフティーンは素手の状態でも鎧武と互角に戦ってみせる。
「団長、何がどうなって俺達と戦う事になったんですか!!」
「何、至って単純な理由だ。一つ目は、このフィフティーンの実戦調整。そして…」
「あ…ぐはっ!?」
フィフティーンは鎧武が持っていた大橙丸を両手で無理やり強奪し、大橙丸がタイタンソードに変化。そこからフィフティーンは鎧武を突き飛ばし、左手でカッティングブレードを倒す。
≪クウガスカッシュ!≫
「フンッ!!」
「!? がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
フィフティーンは後ろに振り返る勢いを利用してタイタンソードを振るい、背後から斬りかかろうとしていた斬月を一閃。奇襲に失敗した斬月は岩壁に減り込み、変身が解除されて支配人の姿に戻る。
「ぐ、がは…」
生身の状態で壁に減り込んだ支配人はそのまま地面に落ち、フィフティーンはそれを見てから再び鎧武の方へと振り返る。
「そして、二つ目の理由」
≪クウガスパーキング!≫
「少し前にポケモンを可愛がろうとしたのだがね、見事に逃げられてしまってな。その鬱憤をここで晴らしておこうと思った次第だ」
「いやそれただの八つ当たりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!??」
盛大な突っ込みをかます鎧武だったが、フィフティーンが再び振るったタイタンソードの一閃により、間もなく鎧武も変身が解除。okakaの姿に戻ってから地面を転がる羽目になるのだった。
「私としては、怪獣系のポケモンを飼いたかったのだがね」
(いや、誰もそんな事聞いてねぇ…し…)
それが、okakaが気絶する直前に聞いた台詞だった。
結果、今回のアーマードライダーによる実戦調整は上手くいったものの、肝心の勝敗に関してはフィフティーンに変身したクライシスの一人勝ちで終わった。あの戦いでZEROも一度戦闘不能に陥った他、刃と竜神丸もクライシスとの戦闘で敗北したのを聞きつけたkaitoは、後にこう語ったという。
「もう全部あの人だけで良いんじゃないかな?」
kaitoのその言葉に、全メンバーが同意したのは言うまでもない。
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