No.740328 【デジナミ】ハッピーハロウィン!【2014ハロウィン】七月一夜さん 2014-11-29 13:13:10 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:638 閲覧ユーザー数:623 |
カチカチカチ、カタカタカタ。
マウスのクリック音とキーボードを叩く音が響く、午前3時。
明かりのついたGMルームの中で、作業を進める人物がひとり。
「で、できたっ!間に合ったぞ、ギル!!
やっぱり、本気を出せば何とかなるもんだ……」
「毎回思うのじゃが、なぜおんしはその本気とやらを期日までに見せんのかのぉ?」
ジト目で睨むギルに、凍りつくアキラ。
今日はハロウィン当日である。
クレセントゾーン、ハロウィンイベント会場で、アキラとギルはイベントの準備を進めていた。
もちろん、二人とも仮装している。
基本的に、GM含め参加者は皆仮装しなければならないからだ。
「あの、すみません。会場ってどっちですか?」
「会場はあっちじゃ、気をつけるのじゃぞ」
ストラビモンと一緒に歩く女の子に道を尋ねられ、ギルが答える。
「ありがとう」
ぺこりと頭を下げた女の子に、お菓子の包みをひつつ渡して、
アキラは「会場はこちら」とでかでかと記されたプラカードを掲げて、道を示した。
手を振る女の子に手を振り返しながら、あたりを見回す。
今回の二人の仕事は、参加者の誘導。
去年、一昨年といろいろやらかしたため、ちょっとだけ自重しているのだ。
ルナに見つからないように、なるべく口を開かずに。
ジェスチャーとプラカードを交えて、お菓子を配りながら道案内を続ける。
しばらくそうして案内を続けたころ、ようやく人の流れが落ち着いてきた。
「そろそろ、メインイベントの開始時刻だな」
「そうじゃな、今年は何事も無いようでよかったのう」
こそこそと会話するふたりに、近づく影がふたつ。
「お疲れ、アキラ!って、何その衣装っ……」
現れたのは、GM責任者のクラレ。
隣にはパートナーであるシャウトモンも一緒だ。
アキラの仮装を見て、二人しておなかを抱えて笑っている。
「何って、ユキダルモンですよ、季節先取りです」
「衣装というより、きぐる」
「衣装です!」
そんな二人にお菓子を押し付けながら、堂々とアキラは言い放った。
ただし、衣装の構造上ややくぐもった声になるのは仕様である。
「ギルも仮装してるんだな」
「うむ、今年はプロットモンじゃ」
付け耳をしていつもより長くなった耳をぱたぱたと動かしながら、ギルが頷く。
そして、ちらりと会場に設えられている時計を眺めて、一言。
「それよりも、おんしら……予定では、そろそろ次の仕事があるのではないかの?」
ぎくり、と動きが固まるクラレとシャウトモン。
「あ、うん。シャウトモン、行こうか」
「お菓子ありがとうな、アキラ!」
「がんばってください」
慌てて走り出した二人に、いつもよりゆっくりした動作で手を振るアキラ。
今年は何も起こらなければいいのに、と内心で呟きながら。
夜なべして作った特製お菓子を抱えて、ユキダルモンとプロットモンの格好をしたGMは、巡回を再開するのであった。
10月31日
ハッピーハロウィン!
プロットモンに仮装したギルと、ユキダルモンの格好をしたアキラが、ハロウィン会場を巡回中です。
運がよければ、特製のお菓子をもらえるかも?
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遅刻気味で、ごめんなさいっ!
ハッピーハロウィン!
お借りしましたっ!いつもありがとうございます。
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