それはカルトガスという国の王女と、
一人の傭兵の物語である。
王世紀1253年、この世界に名を轟かす傭兵集団がいた。
その傭兵集団の名前は「ブラックファング」。
頭領のサルガス・ロックが率いている。
その息子、ラル・ロック、彼はサルガスが戦争をしていた国の女性と
できた子どもである。今では14歳となり剣の扱いではブラックファング1の使い手であり、「狼の牙」と、
恐れられている。
今ブラックファングはカルトガスという国に来ていた。
カルトガスの名物は綺麗な模様をしたファルトという鳥、他にもいろいろあるのだが、
一番の名物はかわいらしい王女だ。その王女の名はリーフ・スルーガ・カルトガス。
14歳の温室育ちの世間知らずな少女である。姉と兄がいる。どちらもリーフを溺愛している。
このごろこのカルトガスで不吉な噂が立っている。
王の命が狙われているという話だ。
その話は根にも無いうわさだというが未だに途切れては無い。
それに、王の病気の容態が悪化しているという現状だった。
ブラックファングの傭兵たちが来て一週間、ラックが食料配達に城下町の市場に出かけたことだ。
「汚らわしい!私にそんな手で触るな!」という市場の活気を切り裂く声がした。
その男はいかにも貴族な服装をしていて貧しそうな親子を怒鳴っている。
ラックはそれを無視して市場をあるこうとする。
その時だった。悲鳴が聞こえラックが振り向くと、あの貴族が剣を抜き親子を切ろうとしている。
剣を振りかぶる。親のほうが子をかばった、それで親の背中から血が吹き出る。「お母さん?・・・お母さん!お母さん!」子どもは泣き叫び母の身体をゆするが返事をしない。
ラックは拳を握り締めた。なぜあの時助けなかったかと後悔する。
貴族は子どもにも剣を振るう。ラックはあせりながらも懐にあるナイフを貴族に投げる。
ナイフは貴族の手に当たる。剣はカランッと音をしながら落ちた。
「貴族のおっさんよー・・・あんた、人を殺すことをためらわなかったな?そんなヤツに剣をもつ権利なんてねぇ!とっとと消えうせろ!」ラックは激昂した。貴族はナイフの当たった手を押さえながら言った。「おぬし!私が誰かを知っているのか!?カルトガス城の大臣だ!おぬしそこまでして死にたいのか!」もはやラックは大臣の話などほとんど聞こえていない「しらねねーな・・・」「っく!・・・だれか!だれか!兵士を呼べ!」その声と共に甲冑を着た兵士たちがくる。「その不届き物をとっ捕まえろ!!」兵士たちが切りかかる、ラックはゆっくり剣を抜く「太刀筋が丸見えだよ、あんたら修行してるか?」兵士たちは剣を落とし青い顔をして倒れる。
「っひ!」おびえる大臣、「あんたも・・・やろうか?」「お、お前は何モンなんだ!」
「俺か?俺はブラックファングの狼の牙ラル・ロック様だ!」にっ!と笑いながら名乗る。
「くそ!覚えてやがれ!」大臣は馬に乗り城へと逃げ帰った。
「お母さん・・・」さっきの子どもは泣く涙が無くなるほど泣いたらしい。
その親の身体はもう冷たくなっている、出血死だろう。
「ごめんなぼうず、兄ちゃんがもうちょっと早くやってれば・・・」
ラックは悲しそうな顔でいう。
「いや、お兄ちゃんのせいじゃないよ」顔を振りながらいう。
そういう子どもの姿にラックは情けない気分になった。
「ぼうずごめんな・・・」ラックは死体を担ぎ、子どもと市場をで、ある丘のところに埋めた。
「兄ちゃん・・・ぼく兄ちゃんについていっていい?」
えっ?と振り返るラック。「だけどおれが行くところはとても危険な場所なんだ、死ぬこともある。」「それでも僕は兄ちゃんと行きたい。」「絶対か?」「絶対・・・」諦めた顔をしラックは
「わかったよ・・・ぼうず名前は?」満面の笑顔で「フルート・ワルク!」と答えた。
「よしフルート、俺の仲間が居るところに行くか。」「うん!」その夜、サルガスにこってり絞られた、こんな子どもを危険な戦場に連れて行けるかと。3時間説教された。
そしてその朝、ラックがカルトガスの魔法騎士たちにより逮捕された。
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ファンタジー物の小説です。
主人公の名前はラル・ロック、通称ラック。傭兵集団「ブラックファング」の頭領の息子である。ヒロインはリーフ・スルーガ・カルトガス。カルトガス王国の王女。あることで城から追い出されてしまう。この二人がお送りするファンタジー小説です。
へたくそですがどうぞよろしく。