PHASE 02 怒れる瞳
ザフトの新造艦ミネルバは進宙式を控えてアーモリーワンにて停泊していた、だが突如アーモリーワン内で大きな揺れが起こり乗組員でありMSパイロットであるシン・アスカとユニラ・クラインは揺れの発信源であるアーモリーワンのMS格納エリアへ機体を飛ばしていた。
「にしても何だってこんな白昼堂々とこんな事を…!」
「さぁな、第一誰がこんなタイミングで奪取を企むかね?」
シンはミネルバのオペレーターであるメイリン・ホークから「格納庫エリアにてザフト製の新型MSが何者かによって奪われて周辺の施設を破壊し始めている。」という事を聞かされて少し憤っていた。
「わかりませんよ!そんな事は!」
「…シン、とりあえず落ち着け。でないと勝てる戦いにも勝てないからな。」
「……。」
「…そろそろ目標ポイントだ、シンお前が先行してくれ。」
「…。」
「…シン?」
「…了解です!やってやりますとも!」
「よしっ、行くぞ!」
アーモリーワンのMS格納エリアには三機のガンダムタイプMSとザクウォーリアーが一機だけであり、ザクはボロボロの状態であった。三機のうち青色のMSがビームランスを用いてザクに向かって行った、対してザクは何とか回避しようとしたが肩にあるシールドが少し切られてしまっていた、そしてザクの後方には緑色のMSが待ち伏せしておりザクは先の攻撃でよろめいており回避不可の状態に陥っていた。
だがその時緑色のMSにミサイルの様な物が二つ当たり緑色のMSを吹き飛ばした、そしてしりもちをついた緑色のMSの上をコアスプレンダーが通過し上に上がって行った。そしてそれに続くように三つの機影が通過しコアスプレンダーと共に上へと上昇した。
「よし、今こそ合神せよ!」
「よしっ!……ってえぇ!?」
ユニラは左手を前に突きだし独特のポーズをしており、シンは今にも目の前のモニターを殴りそうな勢いで拳を挙げていた。
「…合体じゃないんですか?」
ユニラの乗るザクの左上のモニターに緑服で赤いツインテールの少女が突っ込んできた、なお彼女はメイリン・ホークでありミネルバのクルーであり管制官を務めている。
「…それに何ですか合神って?」
「…言ってみたかっただけダヨー。(シン!そこはエルゴ〇ォーム!!って言えよ!)」
ユニラは視線をそらしながらそう言ったが内心悔しそうであった。
「…そうですか。」
「…ともかくだ、さっさとやった方がいい。敵さんはもう待ってはくれないみたいだ。」
「分かってますよ、これ以上好き勝手させるものか!」
上昇していった四機はコアスプレンダーを中核とし赤いMSとなった。そして合体し終わったのを見計らってユニラのザクが近くに寄り背中合わせの状態で三機のMSの元へ向かって行った、合体したMSインパルスは背中にある二本の対艦刀を携えてザクはビームライフル片手に地上に足をつけた。
「…何でこんな事を!また戦争がしたいのか!アンタ達は!?」
「シン、俺がカオスとアビスを抑えるお前はガイアを抑えろ!」
(カオス―緑色 アビス―青色 ガイア―黒色)
「了解!うおぉぉぉぉ!!」
シンは二本の対艦刀エクスカリバーを一本に繋げてガイアへと向かって行った、両者共々一進一退の攻防で互いに決定的な一撃を与えられないでいた。
一方ユニラの方ではカオスのビームクロウや機関砲、アビスの砲撃を避けながらビームライフルで牽制したり大型のビームアックスで斬りかかろうとするが避けられていた、だがユニラの注目は目の前の戦闘以外にも先程まで戦闘していたとされているザクの方へも行っていた。
「(…あの機体は俺達が来る前から戦っていたが、どこの隊だ?通信を繋げようとも繋がらないしな…)おい!聞こえているか!?とりあえずその状態でここは危険だ、早く避難しろ!」
「………」
通信には応えてはくれなかったがザクは立ち上がりその場から離れていこうとした。
「…さてと、シン応答しろ。」
「隊長ですか、にしてもコイツら奪った機体をこうも上手く扱えるなんて…!」
「…苦戦してるのか?」
「これぐらい平気ですよ!…ってうわぁ!?」
「シン!?」
シンが油断したのかそれともガイアのパイロットが機体に馴れてきたのか、ガイアがインパルスを押していっているのであった。
「演習ではこんな!?」
「ちぃ!助けに行きたいが…こうも狙われていては…!」
シンの元へと行こうとしていたがカオスとアビスからの攻撃が激しくなっており救援に行けないでいた。そしてガイアがビームサーベルを引き抜いてインパルスに斬りかかりに行った。
「……っ!?」
「シンっ!?」
シンは不意の事で対応出来ないで棒立ちになっていた、だがその時インパルスの斜め後ろから一機の機影が迫りそして…
ブッピガン!ブゥゥゥゥン…!
先程まで退避していたザクがガイアに突進してガイアを突き飛ばしたのであった。
「…助かった!?」
「無茶しやがって…」
そしてユニラのザクのレーダーにはこちらに向かってくる機影が二つ確認され、片方は白いザク・ファントムともう片方は赤いザク・ウォーリアーであった。
「あの機体は…レイにルナか!」
「…待たせたな。」
「さぁ!キツイお仕置きをしないとね!」
赤いザクに乗っているのはシン達と同様ミネルバのクルーであり管制官のメイリン・ホークの姉であるルナマリア・ホークであり、白いザクもミネルバクルーで赤服のレイ・ザ・バレルである。
「お前ら大丈夫だったのか?」
「はい、問題はありません。」
「ウィザードをつけ忘れたけど、早く救援に行かなければいけませんでしたから。」
「ともかくこれで状況は3対2から3対4だ、やるぞ!」
「了解!」
「了解。」
「了解!」
ルナマリアとレイの参戦によって多少は有利にはなったものの三機の動向が怪しくなってきた。
「あまり攻撃してこない?」
「ちょこまか逃げてくれちゃって!」
その時ガイアが急に動きを止めたかと思えば、急に高く跳躍した。
「…!?こいつらまさか逃げる気か!」
レイがそう言ったとたんにガイアが外壁に対して攻撃を始め、また他の二機もガイアの元へと機体を進めていた。
「ちぃ!そんなことっ!」
シンはガイアの方へと向かい、またレイもシンに続いた。
「逃がすか!」
ルナマリアのザクも飛ぼうとしたが…
「…え!?」
ガイアの方へと飛ぼうとしたら背中のブースターから黒煙が吹き墜落した。
「大丈夫か!?ルナマリア!」
まだ向かっていなかったユニラのザクが前屈みで倒れたルナマリアの赤いザクを引き上げた。
「私は大丈夫ですけど、機体は…」
「…ルナマリア一旦ミネルバに帰投しろ…ついでにあそこに転がっているザクも収容しておいてくれ、あれにはまだ誰が乗っているみたいだからな。」
ユニラが指した方には少し前にガイアに突進したザクが転がっていた。
「了解、…御武運を祈ります。」
「任せろ!」
ユニラはシン達の向かって行った方へと急いだのであった。
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本来はもう少し長くなる予定でした。