授業中…
「《剣也君、ひとつ漢字解らないから教えて!!》」
なのはが念話で助けを求めてきた
「《うん?どれだ?》」
「《えっと…》」
なのはが読めない漢字を見たのだが…
「……………。」
剣也は固まった、読めるのだが…
「《なのは…読めなくて良い、此は》」
「《?何でなの?》」
その漢字は"金門橋"と書いてるのだ
「《"ゴールデンゲートブリッジ"と読む…普通は読めないし、まず見かけないから安心しろ》」
一般的に出回らない漢字だったからだ
何故に載っている?教科書に…
そんな感じに漢字の授業を続けていたのだが…
愛華と剣也のデバイスが光を放 ち始めた
バベルの緊急出動を示す合図だった
「先生!お腹が痛いんで保健室に行きます!」
「俺は付いて行きます!」
二人は馴れた言葉遣いで席を立った
先生の制止を呼び掛ける言葉を無視し、二人は教室を飛び出した
………と見せ掛けて……
騒々しく廊下に出た二人は、すぐに教室の死角に身を隠した
*小さい声です
「「属性は光……現れよ千の顔をもつ子供…化童子(ばけどうじ)」」
サイガ式を展開、光の紋章を真ん中にして召喚した式神は…
能面を付け、様々なお面を服の様に纏った童子…化童子だ
「「お願いね(頼む)」」
そう言った途端に化童子が光り、二人の姿になった
化童子はいわゆるコピーロボットの様なものである
化童子に代わりを頼み転移した
着いた先は、バベルの目の前
そこには出撃用トラック、バベル3があり、中から皆本が顔を出した
「学校だったのにすまない!すぐに出動するぞ!予知が出たんだ!」
三人は急いでバベル3へ入った
中には桐壺と柏木、チルドレン、ナオミ、谷崎(気絶していた)の姿があった
「柏木くん!詳しい情報は!?」
桐壺の問いに柏木が答える
「はい、予知科の報告で、あと30分後に、銀行強盗が発生する予知が出されました」
「場所は?」
「?○○銀行よ?」
剣也の問いに柏木が不思議そうに答えた
「マザー」
「はい」
愛華が呼び掛けると同時にマザーが○○銀行周辺の地形を立体的に出した
「おおお!!」
それを見て桐壺が驚きの声を出した
「全員出動だよ!」
「了解!!」
「あれ?私の言葉………」
桐壺が言う前に愛華が言い、すぐさまバベル3は発進した
移動中の車内では、改めて作戦会議が開かれた
「入る可能性は普通の出入り口が高いわね………」
「そうとは限らないぞ、もしエスパーなら…」
「あ、そうか」
皆本達と会議をする剣也と愛華
「…………………。」
その様子を驚きの顔でいっぱいにするチルドレンとナオミ
「ねぇ、ノーマルなら入り口を通るよね……?」
「?あぁ、そうだな……そうか!!」
剣也は何かを思い付いたらしい
「紫穂、入り口近くの床を透視してくれないか?」
「それでノーマルが犯人になるかを特定するってわけ?」
「そういうこと!」
銀行に入るには、無論入り口を通ることになる。
ならもし犯人がノーマルなら絶対に通るその地点を透視し、犯人を割り出そうと剣也は考えた
もし駄目なら相手はエスパー……しかも入り口を通らない事はわかっているから、壁や地面、空を対象に張り込めば良い
この剣也の妙案に、紫穂は賛同した
バベルを出て僅か数分…銀行脇の路地に止まり、紫穂と剣也の二人が先に降りた
因みに理由は紫穂のデバイスはどちらかと言うとサポートや防御を得意とする為戦闘向きではない(エスパー用デバイス:E,S,Pデバイスは攻撃魔法も組み込んでいる)為一人は危険と判断したためである
因みに薫、葵のデバイスは攻撃を得意とする
「《頼むぞ、紫穂》」
「《…分かったわよ…》」
念話で話す剣也と紫穂
小声で会話しながら、2人は入り口の方に歩いていった。
そして入り口の場所にやってきた時
「…あぁんっ!!」
「あ…、だっ、大丈夫…か?」
剣也が紫穂の足を引っ掛ける"フリ"をして紫穂が床に触れる
「……」
そして紫穂が床からの情報を読み取る
店内の視線は一気にこちらを向くが、怪しい目で見られる可能性は少ない
「へ、平気か紫穂…」
「これくらい平気よ」
紫穂は派手に転んだものの、受け身はしっかり取っていたので、何事もなかったかのように立ち上がった
そして転んだ紫穂が予想外に色っぽい声を上げ、 剣也は少し緊張したのだった…
店内の客は全員2人を見たが、紫穂がすぐに立ち上がったので視点を元に戻した
「《おまえ…あんな声出さなくて良いだろ》」
「《ああいう場面は演技も必要よ》」
念話で会話しながら椅子に座る剣也と紫穂
「《それで……どうだった?》」
剣也は改めた様子で聞いた
「《反応なし》」
「《よし、それなら…………?》」
剣也は言葉を続けようとしたがいきなり周りを見渡した
「?どうしたの?」
「いや、なんか聞こえた気が……」
*小さい声です
「ビ~ック…マグナ~ム!…ビ~ック…マグナ~ム!」
「…なぁ、紫穂…この声」
「…あいつね」
どこからか聞こえてくる、聞き心地の悪い声…
二人はこの声の主を知っている…
「いぃくわよぉ~ん!…ビィィィーーックマァァグナァァァーーーーーーーーッ ムッ!!」
ードカァァアァーーン!!
「「…やっぱり…」」
床下から飛び出て来たのは、犯罪エスパー組織 「P.A.N.D.R.A.(パンドラ)」の一員、マッスル大鎌だった
自身が得意とする、人や物体を硬質化させる能力を駆使し、床を破っての突入を敢行したらしい…
どうやら強盗はマッスル1人。
人員的には明らかに不利だが、超度の高い能力者 という威力を見せ付けただけで、今は優勢であ る。
「動いちゃったらあたしのビックマグナムが 火を噴いちゃうわよぉん!早くお金を詰め込みなさぁい!」
気持ち悪いオカマ口調で脅すマッスル。
しかし気持ち悪いのは、口調とそこからくる見た 目だけ。能力があれば従ってしまう一般人(ノーマル)。
たぶん、いや確実になのは達が見たらOHANASIだろう…
その時剣也と紫穂は、部屋の隅でマッスルを観察しつつ、皆本に連絡していた
「では俺の言った手順通りに」
「解った、実行は一分後、良いね?」
「了解」
剣也はある準備をして待つことにした
一分後……
「早くしなさぁいよぉん!バベルが来たらど うすんのよん!」
気持ち悪いようにクネクネと、そして小刻みに腰を動かしながらマッスルは言った
「「もういるよ!!」」
同時に叫ぶ剣也と紫穂
「ホワッツ!?」
マッスルが驚いているうちに剣也は準備していた転移魔法(認識阻害も併用)を発動して自分と紫穂、マッスルを転移させた
マッスルが転移された場所…それは銀行のビルの屋上であった
「な、何なのよ!?どうなってんのよぉお!」
事態が飲み込めず、混乱するマッスル
「俺が転移させたんだ!」
「何よ!?」
剣也と紫穂を見てマッスルは驚いた
「あらやだ!"救世主"じゃないのよ!しかもバベルっ子まで!?」
「私はついで扱いなのね……」
すねる紫穂
ーヒュンッ!!
「さぁ、マッスルオカマ!!山椒に鎖に付きやがれ!!」
「「薫(マスター)、なんか違う!?」」
葵とシャイニーソル(以下シャル)が突っ込む
「「それを言うなら"神妙にお縄に付きやがれ"よ!?」」
ナオミとアイが突っ込む
「「名前の間違いは無視!?」」
ストロングハート(以下スート)とマザーの突っ込み
「オカマじゃなくて大鎌よ!!!!」
マッスルが大声で言う
「「「……何?、この突っ込み祭り…」」」
紫穂とシークレットスター(以下シーク)、ウィルの感想
「オーイ、何時ものあれやろうぜ?」
「ハーイ!!…セットアップ!!」(女の子達)
そして剣也の言葉にバリアジャケットを全員展開し、いつものように始まる、アレ
「お金が欲しけりゃ働こう!!」(薫)
「銀行強盗?いけません!!」(紫穂)
「金利0%!捕まる確率100%!」(葵)
「限りあるお金!ご利用は計画的に!」(ナオミ)
「れ、れ、レイ、ク♪」(アイ)
「CMではごさいません!!」(剣也)
「リリカルマジカル!!絶対可憐チルドレン!」(チルドレン)
「プラスワイルドキャット!」(ナオミ)
「アンドエレメントガーディアン!」(剣也)
「トゥレインボーバルキリー!」(アイ)
「見参!!」(みんな)
…慣れというのは恐ろしい…既に剣也と愛華はこなしてしまっていた
パンドラ対バベル&魔導師…
今、戦いが始まる
*バリアジャケットのデザインは以下の通り
薫:赤をベースにした何時もの制服にオレンジの長袖ジャケット。武器に鉄球
葵:濃い青をベースにした何時もの制服に緑の長袖ジャケット。武器に弓
紫穂:紫をベースにした何時もの制服にピンクの長袖ジャケット。武器に銃
ナオミ:緑の長袖のアンダーシャツに左右の腰に薄いアーマーが付いた黄色のミニスカート、半袖の白いジャケットを羽織り、両手両足には手甲と脚甲を装着。武器に槍
アイ:黒をベースにしたドレス。武器に刀
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第三十二話合同任務