バベル訪問から数日後…
~剣也視点~
はやて「それじゃ…今から支度するから少し待っててな~?」
そう言い…エプロンを着けて準備し出すはやて。(物凄く可愛かったです…///)
状況を簡単に説明すると、放課後になったと同時にはやてに手を引っ張られて連行され、スーパーで買い物をした後に八神家 到着…。
そして今、制服の上からエプロンを付けたはやてが飯の支度を始める…。(いまここ)
因みにアイは杏樹、ローズと三人でカリムの処に遊びに行ってるので問題ない…両親は聖王教会の仕事でいないから問題ない
今ははやての調理が終わるまでリビングのソファーに座っているのだが…
「……………。」
「…………パス…」
「ほいっと、これで30勝目♪」
「お前強すぎだろうが!!!!」
ヴィータとオセロをしてる…
「ヴィータ、もう諦めろ…」
「そうよ、ヴィータちゃん」
「全く勝ってないではないか」
シグナム、シャマル、ザフィーラの順に発言する
「駄目だ!!勝つまで止めねぇ!!」
「他のゲームにしたらどうだ?」
「やだ!」
俺の意見を却下し、暫く続けていたら…
「ご飯できたよ~?」
はやてに呼ばれ、肩を落としたヴィータを連れて椅子に座る…。メニューは肉じゃがを始めとした和食だ
「ん?ヴィータどないしたん?」
「オセロで一回も勝てなかったからいじけてるんですよ」
はやての疑問にシャマルが答えた
「ヴィータ機嫌直し?ご飯が不味くなるよ?」
「…解ったよ…」
「それでは…」
「いただきます!」(全員)
箸を手に取り、早速肉じゃがを口に運ぶ…。こ、これは…
「…どうかな?」
「…美味い!!」
「だろ?はやての料理はギガうまなんだ!!」
「いや、これはもはやテラうまの領域!!」
「そ、そんなにお世辞言ってもなんも出ぇへんよ?」
「生憎と俺は世辞は言わない…これは本当に美味しい」
「…ホンマに?」
「うん」
「あ、ありがと(凄い嬉しいな~)///」
それからも色んな話(捜査官について等)をしながら、箸は進み…
「ごちそうさまでした」(全員)
残すどころか、おかわりを数回貰いつつ綺麗に平らげた。いや、本当に美味かったな
「流石男の子やな~。結構な量を作ったんやけど…見事に完売や」
「剣也君凄いわねぇ… ヴィータちゃん以上ね」
「見ていて気持ちよかったな」
「ああ!」
「流石だな」
皆は俺の食べっぷりに感心していた
「そうか…?まぁ、それだけはやての飯が美味かったんだよ」
「あはは、ありがと。…それじゃ…片付 けよか?」
「手伝うぞ?」
「別にええよ?剣也君は、お客様なんやし」
「いいって…片付けぐらい手伝う…。ご馳走になるだけじゃな…せめて食器を運ぶぐら いはさせてくれ…」
「ん~…それじゃ…お願いな?」
「任せておけ」
「私もお手伝いしますね」
「ありがとな、シャマル」
こうして三人で分担しながら食器を片付けていった…
片付けも終わり、みんなで話しながら茶を飲み、 リビングでゆっくり寛いででいる…。だが…はやての様子が変なんだよな…特に過去の話の辺 りになるとボカすし…
「なぁ、はやて…」
「ん?なんや?」
呼び掛けに応じる、はやての表情は普段通りで 普通なら勘違いで済ますが…生憎と俺の眼は誤魔化せない…。瞳の奥に押し隠した感情が見えるからな…
「…過去になにかあったのか?」
「えっ?」
「過去の話を意図的に避けてるよな…? もちろん…話したくない事は無理に聞こうと思わないが…気になったんでな」
当然、はやてが話したくないって言うならこれ以上聞く気はないが…
「…ハァ~…ケンヤ君は鋭いなぁ」
「(主)はやて(ちゃん)…」(シグナム達)
「…ケンヤ君…大切な話なんやけど聞いてくれる?」
「…あぁ、分かった。話してくれ…」
はやての真剣な態度に俺も真面目に聴く姿勢を見せる…
「うん…あれは二年前の冬の話 や…」
昔を懐かしむようにはやてが静かに語り出す…
はやて「てな訳なんよ…」
はやての話によると誕生日に昔から手元にあった、変わった本…当時は闇の書と呼ばれていた ロストロギアが覚醒し、はやてはその主に選ば れたらしい…。孤独だったはやては守護騎士達を家族として迎え入れた…。当時のはやては身体…下半身が不自由だったものの暫くの間は平和に暮らしていたみたいだ…。だが…下半身の麻痺が徐々に時間を追うごとに上へ上へと侵食していった…シグナム達はそれが闇の書の呪い だと分かり、はやてを救う為にはやてに禁じられていた蒐集を始めた…。その過程でなのは達と激突していくことになった…。結果的に闇の書の闇を撃破したものの…はやての大切なパートナーリインフォースは消えてしまったらしい…。今は守護騎士達と管理局で働き、罪を償っているらしい…
「そんなことが…(あの二人は転生者なのに何をしていたんだ…?)」
「やっぱり引いたかな?犯罪者なんて…」
「(主)はやて(ちゃん)…」(シグナム達)
はやて達が落ち込み出す…。考えを巡らすのは後だな…。今は…
「はやて…っ!」
俺が話をしようとすると外から魔力が高まる気配が感じられた…。これは…攻撃魔法!?
「危ない!」
俺は咄嗟にベルカ式のシールド…パンツァーシールド、ミッド式のシールド…ラウンドシールド、サイガ式のシールド…エレメントシールドを張る…。俺達の前面に翡翠色の三角形、円形のシールドが展開される…
「ケ、ケンヤ君!?」
「!?」(シグナム達)
はやて達が驚く次の瞬間…
ヒュン…パリンッ…ガキィン!
魔力弾が飛んできて窓硝子を割り、こちらに向かってきたが…事前に張っておいたシールドに阻まれる…。気づけばこの家を中心に結界も展開された…
「なにもんや!」
慌てていたはやても状況を呑み込むと瞬時に冷静さを取り戻し窓の外に向かって怒鳴る…。 流石だな…シグナム達もはやての側にいる…
「見つけたぞ…闇の書の主!」
それに応えるように入ってきたの数人の魔導師だった…。武器は管理局の一般局員標準の杖 型デバイスを携えている…
「…誰や?何が目的なん?」
「誰、だと…!俺達から全てを奪っておいて! よくも抜け抜けとっ!知らぬなら教えてやる! 俺は貴様の守護騎士に魔力を奪われ…管理局を左遷された者だ!」
「っ⁉」(はやて達)
「…俺達は左遷にされた。それだけならばまだ諦 めもつく…だが!犯罪者の貴様はエリート候補?ふざけるな!何故被害者の俺達が左遷されて犯罪者の貴様がそんな役職に就ける!」
「それは…」
「罪を償う為?ふんっ!罪を償う気があるな ら死んで詫びろ!闇の書の主!」
男達はデバイスを構え、魔力を収束していく…。 殺傷設定の砲撃魔法だがあの程度はやてなら防ぐのは造作もない筈だが…当のはやては茫然自失していて反応できていない…
「(あぁ…これが私への罰なんかな?なに やってもダメなんかな?)」
「死ねぇ!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドォン!!!!!!!!!!!!!!!!!!
数多の砲撃が撃ち出される…俺ははやてに迫る砲撃を…
胸から風を纏った光球を展開、ある形は作り、構え…
ズドドドドドドドドドドドドドドドドン!!!!!!!!!!!!!!!!!!
打ち緒とした
「!!!!!!!!!!??????」(剣也以外全員)
呆然としているはやて達、砲撃を撃った男達…様々な視線を受けながら俺ははやてを背に庇うように前に出る…
その手に持つのは…
薄緑を基調とした刃の付いた銃と弓を組み合わせた武器だ(イメージは仮面ライダークウガのライジングペガサスフォームのライジングペガサスボウガン)
…天風弩(ストームボウガン)、俺の風の才牙でただひとつの遠距離特化型(接近戦可能)の才牙だ…
「…ふん」
「ケ、ケンヤ君!」
「なっ!貴様!犯罪者を庇うとは!ならば貴様も同罪だぞ!」
いきり立った男が俺に吠えるが…生憎とそんな言葉で動じる訳がない…。
犯罪者?上等じゃないか…はやてを…こいつらを守れるなら犯罪者でも何にでもなってやる
「…なにしてるんだ…はやて?」
だが、今は取り敢えず無視だ…。視線は男から外さずに肩越しにはやてに呼び掛ける…
「えっ?」
「お前はリインフォースに幸せになると約束したんだろ…?それなのに…生きる事を放棄するのか…?何もずっと頑張れとは言わ ない、辛い時は辛いと悲しい時は悲しいと誰か に言えばいい…。俺やなのは達が聞いてやる… だから…生きることを放棄するな…お前が死んだら悲しむ奴が大勢いる」
「ケンヤ(君)…」
「ふざけるな!そいつは!」
「貴様こそふざけるな!!」
「!!!!!???」(剣也以外全員)
俺は男の何倍もの気迫、殺意、怒り…その他諸々の感情を込めて言い放つ…
「な、なに?」
「はやてが何をした!?守護騎士達を恨むなら分からないでもない、だが!!守護騎士達は約束を破ってでも主を救う為に罪を背負い、又、背負わなくていい罪を背負い、必死に生きているはやてを責める事は誰にもできなん!!何故そんな優しい女の子を応援してやらない!!?死んで償え?ふざけるな!!!はやてには死んで償わなきゃいけない罪などは存在しない!!!」
俺の凄まじい気迫に呑まれ、黙る男達…
俺は気迫を落とし、はやてに言う
「はやて、これがさっき話してくれた事に対しての俺の答えだ…お前には誰よりも幸せになる権利がある…」
「ケンヤ君…!」
俺の答えを聞き、はやては泣き出す…
「だ、黙れ!!こいつのs「貴様らが黙れ…」!!!??」
それでもほざく男の言葉に蓋をするように話す
「それでもまだ…はやてを殺すって言うなら…来い、俺が相手をしてやる…」
天風弩(ストームボウガン)を突きつけ、本気の覇王色の覇気を叩きつける…
「あ…あ…ひっ!」
男達は今まで受けた事無いであろう凄まじい気迫に当てられ気絶する…。大したことない奴等だ…
「やれやれ…はやて、怪我は無い か…?」
はやて「(ポ~~~///)」
天風弩(ストームボウガン)を仕舞い("戻す"が良いのか?)後ろを振り返るとはやては赤くなりボーっとしている…
「…はやて?」
「はっ!な、なんや…ケンヤ君?」
二度目の呼び掛けで夢から覚めたかのようにハッとなる…
「…怪我は無いか?」
「う、うん…大丈夫や。ケンヤ君が守っ てくれたから///」
「そうか…。それなら何よりだ…シグナムさん達も大丈夫ですか?」
はやての側に居る、シグナム達にも声を掛けた…自分たちを盾にしてでもはやてを守ろうとしていたからな…
「あ、あぁ…///」
「だ、大丈夫だ…///」
「え、えぇ…///」
「感謝する…」
ザフィーラ以外は何故顔が赤い?
「みんなも守ってくれたんやね…ありがとうな」
「いえ、主はやてが無事で何よりです」
「そうだよ!」
「えぇ!」
「うむ…」
「ふふ……なぁ、ケンヤ君?」
シグナム達に笑みを浮かべてから、 はやてが静かな瞳で俺を見る…
「…ん、なんだ?」
「さっき言ってくれた事は本当なん?」
さっき…あぁ、あれか…
「あぁ…全部本当だ」
「ケンヤ君…私、ええのかな?幸せになるなんて許されへん事やないかな?」
「はやて…俺はその質問に意味が無いと思っている」
「…なんでや?」
「幸せになる資格なんていうのはな…言い出したら切りが無いと思う…。世の中みんなが多かれ少なかれ、何かを背負い生きている…。それなのに資格が無いの一言で幸せにならないなんてそれでも幸せを求めて頑張ってる 連中に申し訳ないと思わないか…?」
そんな事を言い出せば幸せになる資格なんて持ってる奴はいなくなる…
「あっ…」
うん、はやて達も気づいたな…
「だから…はやても誰に遠慮する事なく、幸せになれ…。少なくとも周りのみんなはそう願っている筈だ…」
「うん…うん!ありがとう…ありがとうな!ケンヤ君!」
そのあと何故か、はやてに抱きつかれ 頭を撫でてやり…落ち着いたとこで守護騎士達が管理局に連絡し、あの男を引き渡しに向かった…
「主はやて、そして我々を守ってくれた事、礼を言う///」
「ま、守ってくれて…あ、あ りがと///」
「はやてちゃんだけでなく私達を守ってくれたこと… なんてお礼を言ったらいいか…本当にありがと うございます!///」
「感謝する…」
守護騎士達にここぞとばかりに礼を言われた…
「気にするなよ
…俺が勝手にやったことだし…。それに仲間を助けるのに理由なんて無い…」
「ふ…そうか。強いな…柊は…」
「そうでも無いぞ?…お前達もさ…色々しんどいと思うけど頑張れよ…?何かあったら協力してやる…」
「あぁ…分かった」
「ま、まぁ…そんなに言うならな!///」
「もう…ヴィータちゃんたら。ケンヤ君…ありがとう」
「その時は頼む…」
「あぁ…それじゃあな…。はやて…また明日」
「また明日な~!」
こうしてはやてとの一日は終わりを迎えた…
~剣也視点終わり~
〜はやて視点~
「(ケンヤ君…ありがとうな。私…幸せを見つけれるように頑張るよ!)」
ケンヤ君に言われた事を思い出すだけで胸が高 鳴る…
「(これが…恋なんやね///私…頑張るよ…)」
ケンヤの知らないところでまた一人恋する乙女が増えた。これから剣也の大変な日々が続い て行く
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第三十一話八神家と夕飯、襲撃、剣也の考え、気持ち