No.671344

魔法少女リリカルなのはStrikers ダメ人間の覚悟

makeさん

第40話 傷と心

2014-03-16 20:38:27 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:7995   閲覧ユーザー数:7112

アリサ Side

 

 

ライラ『とりあえず、ここまでで何かございますか?』

 

ヤクモ達の言葉に誰も質問できなかった、室内はシン・・・と静まり返っていた。

 

だけど、静まり返った室内で私はなんとか口を開こうとして出た言葉が・・・・・。

 

アリサ「・・・・・ア、アイツって・・・・・いつも・・・こんなことを?」

 

せっかく吐き出した言葉がこんな言葉って・・・・・何やってんのよアタシは・・・・・。

 

ユーノ「・・・・・・こんな研究を・・・秘密裏にやっていたのか・・・・」

 

ハルカ「ヴィヴィオ達を別室に置いてきて正解だったわね」

 

メガーヌ「流石にこれは見せられないわねぇ・・・・・ルーには絶対見せられないわ」

 

プレシア「シュテル達やエリオ達がいるけど・・・・」

 

ハルカ「この子らは・・・ね」

 

皆もさっきの映像には相当なショックを受けていたようだった、ミッドに住んでいる人や長い事管理局に勤めている人は尚の事。

 

でもアタシも正直な気持ちとして出た言葉に変わりはない、こんな来る日も来る日も戦いばかりだったら、普通なら精神的にもまいってしまうから。

 

ハリベル「そうだ、あの方は毎日のように研究所を襲撃し、その度に奴らが研究していた物の破壊・抹消、生物等がいれば保護し解除策を講じ、向かって来るものや死んでしまった者、そして治すことが出来ない者はその手で消されていた」

 

すずか「そんな・・・・・」

 

ハリベル「あの方はお前達が通常の任務や教導等をしている時でさえ、このようなことを幾度となくやってきていた・・・・助けられた命も中にはあった・・・・だが出来なかった、その度にあの方は自身の心を痛められていた」

 

ハリベルとか言う女は淡々と話を進した、だけど彼女の言うとおり透がこんなに戦っていたらと思うと・・・・・流石に知らんぷりなんかできるはずない・・・。

 

ヤクモ『まだ映像の記録は半分です、もう半分はご覧になられますか?』

 

あ・・・あれで半分?アイツのあんな厳しい行動があれで半分だっていうの?!

 

リコ『・・・・止められますか?』

 

アリサ「・・・見るって決めたんだから、止めるわけにいかないじゃない!遠慮なく流しなさい!」

 

ヤクモ『りょ、了解です・・・・・』

 

アリシア「何でアリサが命令してんの?」

 

 

Side Out

 

 

ヤクモ ライラ リコ Side

 

 

では先程の続きを、と言いましてもそのすぐ後の話なのですが、ミュウの事を多少なりとも引き摺りながらそれでも襲撃の手を休めず、その次の日も研究所を潰していました。

 

そして時は流れたある日・・・・・大体3年前ですが、マスターはいつも通り研究所の破壊を行っていました。この日は偶々お一人での行動でしたが。

 

その研究所では皆さんが戦った『カラミティ』のような人に移植するような兵器や獣人やクローン技術を応用した『異形魔導師』を研究している所でした。

 

しかしマスターが襲撃した際、未だ実戦投入レベルに至ってなかった為あっさりと破壊・抹消されてしまったのです。

 

ナンバーズの方々の援護も無くお一人で襲撃し、更に何の妨害も無くスムーズに事が運び、最後に『天照』で研究所を燃やそうとした瞬間、後ろから何者かの気配に気付いたマスターは身体を振り向こうとしましたが、丸みを帯びた刃が顎の右側から上へ斬りかかってきました。

 

マダラ「ッ!」

 

しかもマスターが向いた瞬間には既に刃は顎に右頬に入り、そのまま右目に向かって上がっていき、あともう少しで眼球に届きそうになりましたが、寸での所でマスターは反応され頭を後ろにずらし回避しようとしました。

 

がしかし、攻撃してきた敵もすぐに刃を押し込んできまして、結局マスターは右頬から右眉辺りをザックリと斬られました・・・・・辛うじて眼は無事でしたが、それでも顔の右半分を斬られてしまった為『すり抜け』も『須佐能乎』も使えない状態になってしまいました。

 

マダラ「がっぁっ!?」ズザァァッ!

 

ハリベル『ッ・・・・』

 

なのは『透君に・・・・・そんな傷が・・・・・』

 

響『あぁだからだったの?・・・彼の右目と額に斬られたような傷跡があったから、一体どこで付けたのかって気にはなっていたんだけど』

 

はい、この時のモノです。

 

響子『透さんに後ろから攻撃するなんて・・・・・・何なのよコイツ・・・・・』

 

ハルカ『ッ!(コイツって!?『ノイトラ・ジルガ』?!)』

 

そしてこの時マスターの右目に傷を負わせたのは、9年程前から行方不明とされていた、当時は指名手配されていたそうで名前は『ガージェス・バラン』です。

 

クロノ『『ガージェス』だと!?あの大量殺人を犯した奴か!?女性や子供ですら容赦なく殺すという残虐な奴と言われていた・・・・だが確かに9年程前から行方を眩ませていたが・・・まさか研究所に拉致されていたなんて』

 

いえ、ガージェスは拉致されたのではなく自ら研究所に行った・・・・・というか、スカウトを受けたというべきでしょうか。

 

クロノ『何だと?』

 

ミッドだけでなく他世界でも失踪事件が少なからず起こっており、それは民間人だけでなく、そういった犯罪者などにも起こっていたことです・・・・・・まぁ彼のように『拉致』でなく『勧誘』という形で行っている場合もありましたが。

 

ハルカ『(別人か・・・・・にしても似過ぎよね)』

 

ガージェスは戦闘・・・いえ、殺しを楽しむこともあって研究所の所員と兵器の実験台になる代わりに、その実験に必要な『的(まと)』を人・・・・又は人に類する生物を用意しろという大変危険な存在でした。

 

クロノ『・・・・・あぁ、奴を逮捕した後は、すぐに処刑されるか無期懲役として処罰されると言われていたんだが・・・・』

 

そして我々も、まさかそんな輩がここにいるとは知らず、マスターはご自身が油断していたためと仰ってましたが、この件に関しましてはマスターを補佐する為に存在する我らデバイスの明らか失態です!悔やむに悔やみきれません・・・・。

 

シャーリー『(デバイスがここまで感情豊かにするのって・・・・珍しい)』

 

話を戻します、当初マスターはガージェスを見た時、一瞬ですが驚きの表情を浮かべられましたが、すぐに戦闘態勢に入られました。

 

マスターも怪我をされたとはいえ未だ戦闘の意志は消えておらず、刀や体術を駆使しなんとか攻撃をしてはおられましたが、不意打ちによる怪我などで冷静な判断が若干追いつかなくなってしまっていたのです。

 

更に片目ということもあって、相手との距離感が掴め切れず何度も空振りをしてしまうこともありました。

 

明らかにマスターが劣勢でいたのですが、マスターの攻撃がまったく届いていなかったわけではなかったのですが、決定打にはならなくガージェスは余裕からか研究の成果とも呼べる『変身』をしたのです・・・・これはハリベルさん達と同じ・・・いいえ、それ以上に禍々しく同じと呼べるようなものではありませんでした。

 

ガージェスは持っていた丸みを帯びた槍のような物を頭上に掲げながら、マスターの『始解』やハリベルさん達の変身の時の解号のような言葉を口にすると、ガージェスの姿が一気に変わりました。

 

ガージェスは頭に左右非対称の三日月のような角が生え、腕が節足動物のような装甲で覆われた上に、更に4本に増え、その手すべてに大鎌が握られてました。

 

マダラ「チィッ!また面倒な!?(余計『ノイトラ』に見えるっつーに!)」

 

ガージェス「クハァーッハッハッハッハ!コイツァいいぜ!最近手応えが無さすぎる奴等ばかりで退屈してたんだけどよ、こんな最高な力を試すのにはやっぱテメェみたいなエゲツない野郎の方がイイに決まってるよなぁ!?」ブンブンブン

 

マダラ「くっ!?」

 

4本すべての大鎌を振りだしたガージェス、奴の鎌はすべて殺傷設定にあり当たってしまってはひとたまりもありません。

 

マスターもそれはお分かりではあったものの、傷による視界の悪さや意識を保つのに攻撃の手が緩んでしまった為、攻撃も雑になってしまい、ガージェスの攻撃を防ぐのにやっとといった感じでした。

 

その所為で仮面も半分以上が崩れてしまい、額も斬られ・・・さらには先程斬られた右目の辺りをまた狙ってきましたが、眉を軽く斬られた程度で大したことはございませんでした。

 

しかし、ただでさえガージェスの手は2本以上あり、それらの猛攻を防ぐ手段は・・・現在のマスターには無く、頭部だけでなく身体中も大鎌で斬られ大小の傷が出来ました。

 

そして、激しい・・・・というか一方的な戦闘の際、ガージェスは不意に口を開きました。

 

ガージェス「なぁ、何でテメェそんなつまんね~ことしてんだよ?」

 

マダラ「ハァ・・・『痛み』を知らんお前達に・・・・・何が分かる・・・ハァ・・・・親を目の前で殺された者の『痛み』・・・・・人を傷付ける『痛み』・・・・大切な者たちに刃を向ける『痛み』・・・・そしてそいつ等に黙って・・・・・こんなことをやり続ける・・・・・・・『痛み』と『苦しみ』を・・・ハァ・・・ハァ」

 

ガージェス「はぁ?なんだそりゃ?・・・・俺がいちいちそんなもん考えてやってると思ってんのかよ?」

 

マダラ「ハァ・・・・ハァ・・・・無論・・・・思ってはいない・・・・お前がそんな・・・・殊勝な奴ならば・・・・ハァ・・・・・・こんなことを喜々として・・・・ハァ・・・やらんだろう」

 

ガージェス「そりゃそうだ、俺は!殺すのが何よりも楽しいんだよ!特に人間なんかがなぁ~たまんねぇんだ・・・・それも家族だ!あとは妻子持ちの旦那とかな!?」

 

ギンガ『なんて奴なの・・・・』

 

マダラ「!?」ピクッ

 

士郎『・・・・(透君・・・)』

 

ガージェス「家族持ちってのはなぁ、ガキじゃなくて父親母親のどっちかを縛り付けておきゃぁいいんだよ!そんでガキと片親をジワジワと傷付けていくとよぉ、ゼッテー俺に敵意を向けるか助けを乞うかのどっちかしてくるんだけどよぉ・・・・・馬っっ鹿だよなぁ!?誰が殺さずに生かすかってんだよ!!イイゼェ~ありゃぁ、何度も「助けてぇ~」だの、「殺してやる」だの色んな目で俺を見ながら言いやがるからよぉ、それを見ながら相手をぶっ殺すのってスゲェ楽しいんだぜぇ」

 

ティアナ『・・・狂ってる』

 

クロノ『奴はそういう奴なんだ、だから管理局も早々に指名手配したんだが』

 

マダラ「・・・・・・・貴様は危険だな」

 

ガージェス「だろうな、だがよぉ!それが楽しいんじゃねぇか!?クッハッハッハッハ!!」

 

マダラ「楽しいか・・・・そうか・・・・・そうか・・・・・・・・・・・・・・」

 

ガージェス「ハッハッハッハ・・・・・・ハァ~アっと、あ?オイオイ、何だんまりしてんだ「・・・・・は」・・・ぁあ?」

 

マダラ「・・・俺は・・・・・柱であり・・・・・・・・影でもあり・・・・闇でもある」

 

ガージェス「あ?何言ってんだテメェ」

 

マダラ「そしてアイツ等・・・・・・なのは達は(ボソッ)・・・・橋であり・・・・・・・光でもある」

 

ガージェス「血ぃ流し過ぎてとうとうおかしくなっちまったか?」

 

マダラ「かもしれん・・・・が、お前のような奴に・・・・・・アイツ等の居場所を・・・奪われてたまるか!俺は!!・・・・・・・俺はアイツ等を支える為の柱になる!!!たとえ!・・・・犯罪者の汚名を着せられてもだ!!」

 

ガージェス「マジで何言ってんだ?・・・・・もういいや、お前死ねよ」

 

マダラ「そして・・・・・『アイツ等』と言う『光』を・・・・・俺は『闇』・・・そして『影』として支えてやる!!・・・・・・『地爆天星』!!!」

 

ガージェス「ぁあ?何して”ドゴォン!!”っ?!何・・・・だぁぁぁ?!!」

 

マダラ「一緒に潰れてやる!!『天蓋砕星』!!!」

 

マスターはガージェスを倒す為に使用した『地爆天星』を自身諸共放ったのです、研究所内からではなく外で星を造りそれを研究所ごと潰したのですから研究所は粉々になって普通ならば誰も生きてはいません。

 

ですが流石に強化されているだけあってガージェスはそれだけでは倒れませんでした。

 

ガージェス「っがぁぁっ!!ハァ・・・・・・ハァ・・・・あ・・・・あぶねェ・・・・・・何なんだ一体・・・・・ありゃぁよぉ・・・・・・・・だけど、あんだけの規模・・・・野郎も無事じゃぁ済ま”ドスッ”・・・・・・・あ?」

 

研究所が粉々に砕け破壊された中にもちろんマスターもご存命でした、ですが『地爆天星』を使ってすぐには『神威』を発動は出来ず自力で衝撃を防いではおりましたが、それでもダメージは相当でした。そんな中マスターはガージェスの背後を取り、背中を『雷切』で刺したのです。

 

マダラ「『雷切』」ビリビリビリビリ!

 

ガージェス「な・・・・・・ん・・・・・・だとぉ・・・・テメェ・・・・・生きて」

 

マダラ「あぁ・・・・・ハァハァ・・・・ハァ、俺も危なかった・・・・左腕が潰れた・・・・・・だが俺は・・・ハァハァ・・・・・・まだ倒れるわけにはいかんのでな・・・・」

 

寸前で『神羅天征』を発動したのよかったのですが、発動が少し遅く、マスターご自身の左腕を犠牲にしてしまったのです。

 

しかしそれでガージェスの奇襲には成功したのです。

 

ガージェス「が・・・・・はぁ・・・・・ひぇ・・・ひぇひゃははは・・・・それで?これから・・・・どうするんだ?」

 

しかし、ガージェスはマスターの状態と自分の能力、そしてマスターのしてきたことを知っているガージェスにとっては未だ余裕があったのです。

 

ガージェス「知ってるぜ?テメェ・・・・・他の・・・研究所の奴等・・・・・を・・・・・何故か、殺して・・・・ハァ・・・・・・・ねぇんだってな?そんなテメェに・・・・・俺が・・・・・・殺せるのかよ・・・・・言っとくけどな・・・・・・俺を生かしても止めねぇぞ・・・・・俺は何度だって殺しをやって「あぁ・・・・知っている」何?」

 

マダラ「知っていると・・・・・・言った・・・・・・・お前を放っておけば俺の周りの・・・・・子供達や・・・・・彼女達・・・・・・そして・・・・・・俺の・・・・・・・一番・・・・なんぞ順位なんか付けられん程大切な奴等が危ない・・・・・ってことをな・・・・・だから・・・・・俺は・・・覚悟を決める・・・・・・お前を・・・・・・ここで消す!!」

 

ガージェス「!・・・何だとッ!?」

 

マダラ「・・・・・いずれこうなる時が来るんじゃないかと思っていた・・・・・・人を殺さないでやれるほど・・・・・・・『世界』は甘くはない・・・・覚悟・・・か・・・・・いらん覚悟だな・・・まったく、これで俺も人殺しか・・・・・アイツ等が喜ぶはずねェわなぁ・・・・」

 

ガージェス「や・・・・止めろ・・・・止めやがれ!!」

 

マダラ「今日はもう『天照』を使う余裕は無い・・・・・・・・残念だが直接的な物しか出来ん、大丈夫だ・・・・地獄へは俺も行ってやる、だが俺にはまだやるべきことがあるから・・・・・・・貴様は先に行って待っていろ!」

 

ガージェス「止めろぉ・・・止めろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

そしてマスターは貫いていた手を引き抜き、刀を持ち・・・・。

 

マダラ「啼け!!『紅姫』!!!」

 

マスターは目を見開きました、斬られた所為で閉じていた右目も無理矢理開きガージェスを睨みながら刀を振り下ろしました。

 

”ズバッ!”

 

ガージェス「ぎゃっ!!!・・・・・・・・・・」

 

マスターは直接ガージェスに向けて刀を振り下ろしました、斬られたガージェスはほぼ即死の状態で鎌を振るう力すら残っておりませんでした。

 

マダラ「ハァ・・・ハァ・・・・・ハァ・・・・ハァ!」

 

マスターはガージェスの遺体を『天照』で燃やしながら、瓦礫と化した研究所の壁だった部分に背を預けながら腰を下ろしました・・・もはや、マスターも限界だったのです。

 

我々はそんなマスターの事が何よりも心配になり声をかけました。

 

ヤクモ『マスター!しっかりしてください!!』

 

マダラ「・・・・スマン・・・・・・うっぷっ!・・・っぐっ・・・人を殺すっちゅーのが・・・こんなに辛いモンじゃったなんてのぉ・・・・・ははは、何が覚悟じゃ・・・・・・・罪悪感でいっぱいじゃし嫌な感触も残っちょる・・・・・逃げてぇなぁ・・・・・・・・もぉ、何がなんだか・・・・分からんようなってきたわ」

 

リコ『マスター!!』

 

マダラ「それに・・・・・なんつーか、『重い』なぁ・・・・・人の命を奪うのってよぉ・・・・・・」

 

この時のマスターは恰好こそ『マダラ』ですが、既に普段の状態に戻られていました。

 

透「~~~っ!ハァ・・・・ハァ・・・・じゃけど、今更・・・・ハァ・・・止めるわけには・・・・・いかん・・・・」

 

ライラ『その話は後でいいです!!それよりも、右目は大丈夫ですか?!』

 

ヤクモ『先程、無意識なのでしょうが瞼を開いてしまってましたが・・・・』

 

透「・・・・・・どうじゃろうのぉ・・・ハァ・・・・・ハァ・・・・もしかしたら、使いモンに・・・・なっとる・・・・・かも・・・・・・しれんのぉ・・・・・・あ、やば・・・・・血ぃ・・・・・・流し過ぎた・・・・・・頭も・・・目も・・・・重・・・く・・・」

 

ライラ『!?もうじきチンクさん達が駆けつけます!マスター!しっかりしてください!!!』

 

そしてそれからしばらくして遅れて来られたチンクさん達が駆け付けてきました。

 

最初チンクさん達は信じられない物を見ているかのようなお顔をされてましたが、事の重大さを知り、急いでマスターを担ぎ本拠地へと戻りました。

 

チンクさん達の迅速な対応や我々の必死の声掛けもあり、マスターは気を保ち続けることが出来、大事に至りませんでした。

 

しかし、マスターの身体には傷跡が残り、更には右眼や額の一部に傷が残ってしまいました。

 

朗報・・・・・と呼べるかどうかは分かりませんが、右眼は問題無く見えるとのことで『写輪眼』等も無論心配ないようでした。

 

ですがガージェスとの戦いでマスターは、より一層研究所への襲撃に警戒心を抱き、更には力をつけることを決められました。

 

透「奴等もガージェスみたいな用心棒的な奴を雇うかもしれん、そんな奴がこれからもっと出てくるじゃろうけど・・・・・もう油断はせんわ」

 

ハル「油断しないのはいい、それに今の君以上の奴は今のところ確認出来ないが、これからはこっちが確認出来ていない君以上の実力を持った輩が出てくるとも限らないんだけど・・・・」

 

透「問題はそこ・・・・・と、言いたいんじゃけど・・・・ハル、『マジェスター』の方はどうなっとん?」

 

ハル「ん?あぁアレか、改良していくらか増やせはしたよ、それに前回のように壊れる心配もないよ」

 

透「流石・・・・・・なら、アレをしばらく使う・・・それも色んなレベルMAXで」

 

ハル「MAXって・・・・いくらなんでも無謀過ぎる!君は確かに、頑丈な方だとは思うが・・・・君のことだ、増やせる人数の分・・・前の奴等並みかそれ以上の人物を出すんだろうが、それでは頑丈な君でもすぐに壊れてしまうよ」

 

ヤクモ『我々も、ハルドクターの意見に賛成です』

 

ライラ『マスター、焦らなくとも・・・・じっくりとやっていきましょう?』

 

透「・・・・強さに近道は無い、じゃけど実戦に似た修行なら得る力も大きい・・・しかも人間死ぬ寸前で、覚醒するっちゅー話も聞いたことあるし、俺はそう思ぉちょる」

 

ハル「だが「それに!」」

 

透「もう・・・・・自分の未熟さで手遅れになるんは・・・・・嫌なんじゃ・・・・・・・」

 

ハル「・・・・・・」

 

透「ハル・・・・頼む!」

 

マスターの熱意・・・・というか、頑固な部分に呆れてしまい、ハルドクターも渋々了解し実戦形式の修行をほぼ毎日取り組みました。

 

しかし不幸な事に・・・・・この日を境に、マスターはあまり眠る事が出来ず、毎夜夢に魘され起きての繰り返しで不眠症気味になっていました・・・・シュテルさん達の授業参観等の時には既にクマが酷かったんですが。

 

メガーヌ(あの時の・・・・・)

 

戦闘以外では、時々ボォーッとする場面もあり、周囲も少々不安ではありました。

 

 

 

そしてコレは先日のなのはさん達との再戦、その2週間前の深夜の時の事です、なのはさん達と戦った事が原因で完全に不眠症になり日に日に体力が低下していき、お顔もやつれていきました。

 

アリシア『えっ!何で!?』

 

・・・・・・そうでしたね、あの時・・・皆様はマスターの『卍解』で何も見てなければ聴いていらっしゃらなかったでしたね。

 

では、すこし戻しまして・・・・・・皆さんが最初にマスターと戦い、そして『卍解』をした直後の事です。

 

 

『卍解』・・・・『清虫終式・閻魔蟋蟀』を発動し、その間にマスターは退散する手筈でした。

 

しかし、マスターはすぐには行かず、しばらく皆さんをジッと見ておられてましたが、すぐに退散しようと後ろを向きながら歩こうとした瞬間、誰かに脚を掴まれてしまったのです。

 

なのは『・・・・・私と・・・』

 

フェイト『私・・・・だね』

 

はい、正確にはなのはさんが掴まれた時にマスターは足を止め振り返られた時にフェイトさんが反対の脚を掴まれたんです。

 

マダラ「!?」

 

倒れられた位置から目も見えず、這ってマスターの脚を掴まれたことに、マスターも少し動揺されてました。

 

恭也『?・・・だが透は見えているようだが・・・・・・もしかして、あの刀か?』

 

ハルカ『そう、この『卍解』は相手を見えなくするだけじゃなく『触覚』以外の感覚を無くす事、だけどその状態を唯一回避する方法がある、それは透が持ってる刀に触れること・・・・刀身とか関係なく、とにかく触れる事さえ出来れば感覚は戻るってわけ』

 

恭也『成程な・・・・ならば、脚を掴んだ程度では・・・・』

 

ハルカ『百パー意味無し』

 

そう、しかしなのはさん達が掴んでいる事実は変わらず、マスターはどうしたものかと思われました。

 

マダラ「~~~~~~っ」

 

ヤクモ『マスター・・・・・・』

 

マダラ「・・・・・・俺は・・・・・」

 

スゥッとマスターは右手に持っておられた刀をなのはさんに向けました。

 

マダラ「・・・・・・・俺は・・・・・・コイツ等にとっての・・・・・『敵』だ、俺がコイツ等に攻撃すれば・・・・コイツ等も俺を『敵だ』と判断せざるをえまい、本腰を入れて・・・・・俺を排除しようとする・・・・・そうなれば・・・」

 

そしてマスターはなのはさんとフェイトさんに向け刀を振り下ろそうと、刀をゆっくりと御自身の頭上まで上げました。

 

恭也『何!?』

 

士郎『ッ!?』

 

プレシア『!』

 

皆さん、マスターの右手をご覧ください・・・・・。

 

マダラ「・・・・・」カタカタカタカタ・・・

 

キャロ『・・・・震えてる?』

 

ええそうです、マスターも皆さんに刃を向けること自体に抵抗がございまして、その時の表情も・・・・こちらです、仮面を取ったバージョンです。

 

透「ハァ・・ハァ・・ハァ・・ハァ・・」カタカタカタカタ・・・・

 

響子の母『動揺・・・ですか、無理もないでしょう』

 

しかしその後・・・・更に動揺することに・・・・。

 

なのは(回想)「待って・・・・・透君、そこに居るんだよね?・・・待って・・・もうどこにも行かないで・・・・・もう・・・・もう・・・離れ離れになるなんて・・・・いやだよぉ・・・」

 

フェイト(回想)「透・・・透ぅぅ・・・・・やっと・・・・・やっと透に会えたのに・・・・・・・・こんなことになるなんて・・・・・・・行かないで・・・・もう・・・・一人ぼっちに・・・・・・あの空虚な日をまた過ごすのは・・・・嫌だよ・・・」

 

透「っ!?」

 

なのはさん達の声にマスターの震えは止まりました、そして持っていた刀をゆっくりと下ろし逆手に持ち直しました。

 

そして、マスターはなのはさん達に何も言わず・・・・なのはさん達の手を振りほどき、その場を去りました。

 

何も言わず・・・・・というのは正しくありませんでした、本当は何かを言おうとしておられてましたが、言葉が出ず・・・・悲痛な表情を浮かべられてました。

 

 

 

 

ここまでが、あの時起こった出来事です・・・・では、話を戻し先日の夜のところから。

 

マスターはベランダに出て月をご覧になられてました、眠れないのならば、せめて心を落ち着かせるようにとのことでした。

 

リコ『以前目を怪我なされた時からあまりお眠りになってないのに、ここに来てまったく眠らないなんて・・・・・いくらマスターの御身体が頑丈でも、いつか本当に倒れてしまいます』

 

透「・・・・・ホンマ、アイツを殺した時から寝ては覚めの繰り返しであんま寝れんくて不眠症気味じゃったけど、ここに来て本格的に不眠症になってきてしもぉちょるなぁ・・・・横になってもあんま変わらんし」

 

ライラ『ですがそれでは・・・・・・・』

 

透「体調の方は大丈夫じゃって、意外にも好調・・・・・とまではいかんでも今まで通りの状態じゃけんなぁ、余裕じゃし」

 

ヤクモ『・・・・・やはり、なのはさん達と戦ったのが原因ですね』

 

透「・・・・・・」

 

リコ『なのはさん達に・・・・刃を向けてしまった・・・・からですか?』

 

透「・・・否定はせんわ、自業自得じゃっちゅーのはよぉ理解しちょるけんな・・・しとっても、自分のしちょる事を胸張って言えるモンじゃないけどのぉ」

 

ヤクモ『ですがなのはさん達に言えば、必ず・・・・』

 

透「協力するじゃろーのぉ、それこそ俺と同じ様に管理局を敵に回しかねん・・・・特に響子が、んじゃけどそうなったらアイツ等の立場はどうなるん?せっかく不動の地位にまで上ったアイツ等を落とすようなこと・・・・出来るかーや・・・・・・いや、アイツ等はもう・・・・」

 

ヤクモ『アイツ等は・・・・・・何ですか?』

 

透「・・・・いんや、アイツ等は・・・もう俺が護らんでもええくらい強ぉなっちょるなぁと思うたんよ」

 

ライラ『確かに・・・・なのはさん達はもう自らがやるべきことを認識してらっしゃいましたし、御自分達の身を護れ市民を守る立場としては充分過ぎる程ですね』

 

透「・・・・・・・」

 

リコ『マスター?どうされました?』

 

透「ん?あ~・・・っとな、俺はアイツ等の事を信じとるけど・・・・・・・・・ホンマに信じとるんかなぁって思えてくるんよ」

 

ヤクモ『何故そんな事を言うのですか?!』

 

透「だってよ・・・・ホンマに信じとるんなら、今すぐにでもアイツ等に助けてくれって言えば済む話なのに・・・・・・それを戦ったって事はよ、俺がアイツ等の事を信じて無いっちゅー話になるやん?」

 

リコ『しかしそれは!』

 

透「それに・・・・俺はアイツ等をいつま~でもガキ扱いしとったんかもしれん・・・・アイツ等はもう、テメェの足で立って歩ける・・・もう俺の後ろに隠れんでも立派に・・・・・強ぉなっちょる」

 

ライラ『・・・・・・』

 

透「・・・・・ハッ!そう思ぉたら、いくらか気ぃが楽になったのぉ・・・・・・もう、今日でアイツ等を護ることは終いじゃ」

 

ヤクモ『で、では・・・・マスターは、これからどうされるおつもりですか?』

 

透「せやなぁ・・・・・」

 

ヤクモ『!(マスター、ハリベルさんです)』

 

その後、マスターを心配されたハリベルさんによって、目的をお聞きすることは出来ませんでした。

 

ですが、我々は今までのマスターの行動、表情、生活等からある一つの仮説が浮かび上がりました・・・・・いえ、これはもう確証と言って良いでしょう。

 

ユーノ『えっ!もうわかったのかい!?』

 

シャーリー『本当にデバイスなのかを疑いたくなるくらい高性能ですねぇ・・・・・一度入念に調査したいです』

 

すずか『シャーリー、それは後で・・・・・それで、その確証って?』

 

出来れば永遠に調査して欲しくないのですが・・・・・そうですね、その確証というのは・・・・・・。

 

 

 

 

 

皆さんの『家族を護る』ことです。

 

 

 

 

 

なのは『え・・・・・『家族』って・・・・・』

 

士郎『僕達・・・・・ってことかい?』

 

ハイ、その通りです。

 

スバル『でもそれって、あまり変わらないんじゃ・・・』

 

確かにそうかもしれません・・・・・しかし、マスターにとってはとても大切な事だったのです。

 

なのはさん達地球出身者の方々にお聞きします、マスターと皆さんとの共通していない部分は何でしょう?

 

アリサ『そんなの、さっきの話の流れから言って『家族』でしょ?それが何だって言うの?』

 

ではもう一つ質問します、皆さんはマスターがどのような顔をされていたかご存知ですか?

 

響『顔?』

 

ハイ、これはマスターが中学の時に盛大にやったクリスマスの日の映像です。

 

はるか『あぁ~、あの時なのはちゃん達に誘われて皆家族で行った時のやつね?』

 

シャマル『あの時は確かすずかちゃんの家でパーティーをやった・・・かしらね?』

 

すずか『ハイ、ファリンが盛大にコケちゃって皆で大笑いしたからよく覚えてるよ』

 

ヴィータ『んで?それが何なんだよ』

 

あの日、マスターが皆さんをどんな表情で、どんな視点で見られていたか・・・・・・どなたかご存知ですか?

 

はやて『視点って・・・・・』

 

マスターは・・・・・一人会場の隅に行き、皆さんをジッと見つめておられてました。

 

透「ふい~いっと・・・・・あー超笑ったわぁ」

 

リコ『大笑いでしたね、それにファリンさんも盛大にこけておられてましたし』

 

透「よぉあんな風にこけれるわなぁ~・・・・ある意味尊敬するわ」

 

ヤクモ『尊敬するんですか?!』

 

透「するする・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

フェイト「ちょっと姉さん!?そんなに食べたらお腹壊すよ!?」

 

アリシア「だ~いじょ~ぶ♪こんなことでお姉ちゃんは壊しま・・・・・・はぐっ!?」

 

プレシア「アリシア?!だ、大丈夫!?」

 

はやて「あ~・・・・やってしもぉたか」

 

ハルカ「シャマルの料理の犠牲者ね」

 

シャマル「ひどっ!?」

 

中村父「ハルカ・・・・あまりそうやって人を弄っちゃダメだって」

 

ハルカ「ならお父さんならいいの?」

 

中村父「いやよく「いいんじゃないかしら」ちょっと母さん!?」

 

なのは「ハルカちゃん・・・・」

 

士郎「中村さんは相変わらずだね」

 

桃子「ふふ♪そうね」

 

ヴィータ「なぁはやて~、アイスまだか?」

 

リインⅡ「リインも食べたいですぅ~♪」

 

シグナム「あまり主を困らせるなヴィータ・・・・騎士だろお前も」

 

アインス「お前もだぞリイン」

 

アルフ「こらザフィーラ!その食いモンはアタシが狙ってたんだ!素直に渡しな」

 

ザフィーラ「残念だが、これは我のだ・・・・他にもあるだろ」

 

アルフ「それが食いたかったって言ってんだよ!!」

 

フェイト「ちょっとアルフ!恥ずかしいからやめてよ!」

 

響子「皆さん賑やかですね・・・・・私は今のうちに透さんの為にお料理を詰めて」

 

緋村母「響子、渡すときはそっとですよ?」

 

響子「はい!」

 

逢「響子ちゃん、隠す気あるんでしょうか・・・・」

 

響「・・・・・・無いわね」

 

シャルル「あ!響子また抜け駆けしようと・・・長次郎さん!」

 

長次郎「何でしょう?」

 

アリサ「って!アンタは何執事呼んでんのよ!?」

 

デビット「アリサは呼ばないのか?」

 

アリサ「パパは黙ってて!余計にややこしくなるから!」

 

ワイワイガヤガヤ・・・・・

 

透「・・・・・・・」

 

ヤクモ『・・・・加わらないのですか?』

 

透「・・・・ん、親と楽しくしとるアイツ等を見とる方が、それはそれで楽しいけぇ」

 

ライラ『・・・・・やはり寂しいですか?』

 

透「そらぁお前、親が居るのと居らんのとではやっぱ違って・・・・・・若干寂しいのぉ」

 

ライラ『・・・・・・・・』

 

透「・・・・アイツ等には、俺とおんなじようなことを味わってほしゅうないのぉ・・・・ありゃぁキツいけぇな、ワリと」

 

リコ『・・・・・』

 

その時のマスターの目は羨望といった眼差しで皆さんを見られておいででした。

 

士郎『・・・・・・・そうだった、彼には両親が居なかったんだ・・・・透君はそのことを気にかけていなかった、だからいつの間にか・・・彼は吹っ切れたんだと思ってしまっていた・・・・彼との付き合いは長かった筈なのに・・・・僕としたことが!』

 

桃子『士郎さん・・・・』

 

恭也『それを言うなら俺もだよ父さん、俺は勝手にアイツの兄貴面をしていた・・・・なのに、黙って消え・・剰え刃を向け妹を泣かせた大馬鹿野郎と思っていた・・・・・だが、そんなアイツの心を・・・まったく理解してやれてなかった』

 

忍『そうね・・・・一番『家族』を大切に思ってるのって・・・透君だった・・・・気付かなかったのは情けないわ』

 

ユーノ『・・・友達なのに・・・・・全然知らなかったよ』

 

なのは『透君・・・・・』

 

マスターの最終目的は先程話しました通り、皆さんの御両親やご家族の安全を第一にすること、これまでのいくつもの研究所の破壊はどれも試験的な名目で地球へと送り込ませるのを阻止する事にも繋がるモノでした。

 

いくら士郎さんや恭也さん達の力や科学力を持ってしても太刀打ち出来ないモノもあります、マスターはそれを未然に防ぐためにも研究成果の高い場所を重点的に攻めておられたのです。

 

ゼスト『しかし最初の彼の目的とは違う、それだと矛盾が生じてしまうのでは?』

 

確かに当初はそうでした、しかしマスターはなのはさん達を護るとおっしゃりながらも、護る対象をなのはさん達からご家族の方々に移されていたのです。

 

これに関してはマスターは最初無自覚でしたが、なのはさん達との戦闘以来自覚されてはおりました。

 

あと最初は地球だけでしたが、徐々にその護る対象はミッドチルダ等にも広がっていました。

 

クロノ『何?・・・・・あ、そういえば確か以前誘拐事件があったな・・・・その時の犯人は捕まり、そいつは『仮面の男にやられた』と漏らしていたが・・・・まさか?』

 

その通り、マスターは何も研究所だけを破壊していたのではありません。

 

ミッドでの生活では色々な人の噂等が耳に入り、そしてマスターの副業とも呼べる相談室ではマスターに愚痴を零しに来る方や情報を言いに来られる方々もおられました。

 

街中の方々の情報というのは時として管理局も知らない情報が飛び交っている・・・とマスターの言でした。

 

その中で、管理局が気付きもしない犯行をマスターは未然に、もしくはその最中に防いでおいででした・・・・・もちろん『マダラ』として。

 

はやて『・・・・アカン、だんだんと『マダラ』の行動があやふやになってきおった・・・・』

 

アリサ『ていうか、よくもまぁ堂々と『マダラ』としてやれたわね・・・・・』

 

アインス『それだけ、管理局が杜撰(ずさん)・・・・ということか・・・・・・・・』

 

まぁ・・・研究所では破壊活動をしているテロリスト、そしてミッドや他世界等では犯罪をする輩を成敗・・・・というか、軽く沈めていらっしゃる・・・・どちらかといえばこちらもテロリスト行為といえますが・・・一応ヒーローとでも言いましょう。

 

更にその犯罪では、誘拐に関してはマスターは特に力を入れておいででした。

 

 

 

以上で一通りの映像は終了ですが、何かご質問は?

 

シグナム『では私から、いいか?』

 

ではシグナムさん、何でしょう?

 

シグナム『透はどのようにして、あれほどの力を身に着けたんだ?最高のコンディションでは無かったとはいえ、私達全員とあれほどの戦いを繰り広げたんだ・・・・気になってな』

 

そのことですか、マスターは当初皆さんから離れた時から強さは大して変わられてはいませんでした、しかしガージェスとの戦いで、あの超重量のリストバンドと『マジェスター』での修行を更に厳しくしておられました。

 

すずか『そういえばさっきも言ってたよね?その『マジェスター』って何?』

 

『マジェスター』とは、ある人物がイメージした人物なり兵器なりをそっくりそのままに造り上げてしまうようなものです。

 

シャルル『人や兵器を・・・・・造る?!』

 

造ると言いましても、イメージしたものを具現化しただけで実際のモノよりも多少劣りますし、この世界に『現存』しないものであれば尚更劣ってしまいます。

 

マスターは単純な戦闘経験だけでなく、『写輪眼』等の修行や技をコピーし強化するのが目的だったのです。

 

ハルカ『ちょっと待って、もしかして・・・・・・透は・・・・』

 

ハルカさんのお考えになっている通りだと思います、マスターはご自身の記憶にある『強者』・・・・それもご自身が思っている『最強』をイメージした存在。

 

それも1人や2人ではなく、ざっと20人はいました・・・・・それがこちらです。

 

アルフ『うぉ・・・・・』

 

ザフィーラ『む・・・・』

 

シグナム『これは・・・』

 

士郎『ほぉ・・・・』

 

ハルカ『・・・・・・・あ~』

 

なのは『ハルカちゃん?どうしたの?』

 

ハルカ『あー・・・・いやぁ・・・ちょっと眩暈がね・・・・あははは・・・(透の事だから、そうだろうとは思ってたけど・・・まさか本当に出してくるなんて・・・『白ひげ』や『総隊長』とか『うちはイタチ』なんかいるし・・・)』

 

シグナム『・・・ハルカは知っているのか?アイツ等の事を』

 

フェイト『何か、綺麗な女の人もいるけど・・・・・』

 

ハルカ『え・・・っと、確かにシグナムの言うとおり大体は知ってる・・・・あの女性は知らないけど、まぁ詳しく知りたかったら後で聞きに来てほしいけど・・・・簡単に言えば、どいつも人外・・・下手したら1人で国や世界を消したり崩壊させることが可能な奴もチラホラいるわ』

 

スバル『そ・・・・・そんな人が・・・・』

 

ハルカ『まぁどれも私や透の知る作品のキャラだってことだけど、それをここまで忠実にねぇ・・・そりゃぁあんだけ強くもなるってものよね』

 

ライラ『あの女性に関しましてはマスターからお聞きしておりますが、あの方もやはり生まれながらにして武の天才、10代にして『武神』の異名を持つ方だと伺っております。

 

ハルカ『・・・・・決定、やっぱあの女もバケモンだわ』

 

マスターの力に関しては以上です、他にございますか?

 

 

 

カリム『なら今度は私が・・・・前に彼は聖王教会に侵入してきた時にルーテシアさんやヴィヴィオを助けてくれてたけど、もしかして彼はヴィヴィオの事を前から知っていたの?』

 

はやて『というかそもそも、透君は何でヴィヴィオの事を知っとったんや?』

 

知ってるも何も、皆さんが・・・・というかエリオさんとキャロさんがヴィヴィオさんを見つけられた時、丁度その時我々はヴィヴィオさんがいた研究所を襲撃していたんですけど。

 

アリシア『えぇ!?』

 

それにエリオさん達が見つけられた時、近くにマスターもおられました。

 

エリオ『ち、近くにいたの!?』

 

キャロ『あ・・・・だからフリードが反応してたんだね・・・・・』

 

フリード『キュゥ!』

 

当時襲撃した先の研究所ではヴィヴィオさんの姿は確認されておらず、記録や研究内容を確認していた時にヴィヴィオさんの項目・・・・つまり『聖王』という項目を確認された瞬間マスターは急いでヴィヴィオさんを見つけようと彼女を研究していたラボに向かわれました。

 

しかし、不幸な事にマスター達が襲撃した時に起こった爆発の影響でヴィヴィオさんを閉じ込めていた部屋の鍵が開いてしまい、ヴィヴィオさんはお一人で外に出てしまわれたのです。

 

更に言えばその研究所はミッドの地下に存在し、いくつか脱出ルートが存在してありました。そのルートはほとんどがミッドの下水道に繋がっており、トンネル状に道が続いてあり、そこからヴィヴィオさんは抜け出し・・・・・。

 

エリオ『僕達が見つけた・・・・・・』

 

フェイト『確かその日って丁度休暇だったよね?』

 

キャロ『ハイ、その時に私達・・・正確にはフリードがヴィヴィオを見つけたんです』

 

その通りです・・・・その時の映像がこちらです。

 

 

 

ヴィヴィオさんが通ったルートを私はすぐに見つけ出し、マスターはヴィヴィオさんの後を追いかけ全速力でトンネルの中を走って行きました。

 

ヴィヴィオさがまた研究員や公安もしくは管理局の正規の方に保護されては見つけ出すのは困難となってしまうため、どうしてもヴィヴィオさんを見つけ出そうとしておられたのです。

 

マダラ「くそっ!まさかアイツがあそこにいるとはな・・・・明らかに情報収集不足の俺のミスだ!」タッタッタッタッ

 

ドゥーエ「それは仕方ないじゃない!あの子の事が載ってたデータはかなり厳重なセキュリティが掛かってたんだから!」タッタッタッタッ

 

ハリベル「それよりも、今は一刻も早く彼女を!」

 

マダラ「わかっている!アイツを見つけ出し・・・・・この手で・・・」グッ!

 

リコ『マスター!230m前方のに魔力反応を確認!』

 

マダラ「っ!止まれ!」

 

マスターの一声で皆さんは足を止め、そして静かに走りヴィヴィオさん達が見える範囲まで近付き、近くの物陰に隠れ様子をうかがいました。

 

そんな中、マスターは顔を出さず両手を合わせ静かにされてました。

 

マダラ「・・・・3人か、うち1人はアイツなのだろうが・・・・弱ってるな、周囲に他の魔導師はいないな・・・・他の2人は秘めた力はあるが、大したことは無いな」

 

他の局員や公安の魔導師がいないかを危惧されたマスターは魔力の網を薄く張り感知されました、この技術はマスターが独自で編み出した感知法です。自身を中心に魔力を薄くドーム状に徐々に徐々に広げていくというやり方だそうです。

 

ハリベル「どうしますか?2人ならばまだどうにかなりますが・・・・・」

 

マダラ「そうだな、出来れば・・・・やりあいたくはないが・・・・!?あれは!?」

 

マスター達の視線の先には二人の少年少女と倒れた少女・・・・つまりエリオさんとキャロさん、そしてヴィヴィオさんですね。

 

マダラ「アレが・・・『聖王』とされるヴィヴィオ?まだ子供・・・・あんな子供を神輿として、尚且つ『聖王』としての力を利用するつもりか!?」

 

ドゥーエ「人体に関する研究、それも子供を利用した研究なら他でもやってるけど・・・・ついには『聖王』までもクローンとして・・・それも子供からなんて・・・ね」

 

マダラ「・・・俺は・・・・俺にはアイツを・・・~~~~っ」ギュッ!

 

ハリベル「マダラ様?大丈夫ですか?」

 

マダラ「・・・・問題無い・・・・・それよりも、あそこの小僧たちも・・・局員・・・・・・か」

 

ハリベル「近年、管理局も人手不足で以前よりも10代ギリギリの子供を起用することも増えていると聞いてますが・・・・」

 

マダラ「・・・そうか・・・・・しかしまいった・・・子供を相手にする気はサラサラ無いんだが・・・・」

 

ドゥーエ「どうするの?」

 

マダラ「・・・・こうなったら、あの二人を幻術にはめるしかない・・・・か」

 

ヤクモ『マスター!あの二人の所属を確認しました!あの二人は『機動六課』に在籍しております!」

 

マダラ「!・・・・・・そうか・・・・」

 

『機動六課』・・・この名を聞いた瞬間、マスターは顔を上げられ、ハリベルさん達に指示を出しました。

 

マダラ「『聖王』・・・・いや、ヴィヴィオはあのガキ共に任せる」

 

ドゥーエ「・・・・理由は?」

 

マダラ「至って単純明快だ、俺達といるよりも安全で、何より安心する場所に居させた方がヴィヴィオの為にもなる」

 

ハリベル「しかし、私たちの方で保護した方が・・・・」

 

マダラ「俺達の目的を見失うな、俺達はあくまで研究所の破壊だ・・・研究対象を回収したりましてや保護などしたりしない、シュテル達は例外だがな・・・それに」

 

ドゥーエ「それに?」

 

マダラ「『機動六課』は、他の奴等と違い信用出来る奴等だ・・・・そいつ等がヴィヴィオを公安連中に渡すはずがないだろう、何と言ってもあそこには『エース・オブ・エース』・・・通称管理局の『白い魔王』を始めとした猛者がいるからな」

 

ヤクモ『それご本人の前で言ったら消されますよ?』

 

マダラ「その程度でヘソを曲げるようなガキではない、とにかくだ・・・・俺たち居るよりもアイツ等と一緒にいた方が・・・彼女の為にもなる」

 

ドゥーエ「・・・・知ってる人なんだ」

 

マダラ「あぁ・・・・・・謝らなくてはならない奴等だ」

 

ドゥーエ「そう、まぁあなたが決めたことなら私は何も言わないわ、きっとドクターもわかってくれるはずよ」

 

ハリベル「では私は戻りアパッチ達と破壊の方を進めておきます」

 

ドゥーエ「私も手伝うわ、マダラは・・・・・ゆっくりでいいわよ」

 

マダラ「スマン」

 

そういってハリベルさん達は元来た道を走って行かれ、お一人で残られたマスターは隠れるのを止めエリオさん達をジッと見つめられてました。

 

マダラ「あんな少女を一瞬でも憎い対象と自分が・・・・今では恥ずかしいと思うな、向ける対象を間違うとは・・・俺もまだまだ未熟か・・・・・いや、そもそもそんな感情を持つこと自体がまだ未熟という証拠か・・・」

 

ライラ『しかしそれは、人として当然の感情ではないでしょうか?』

 

ヤクモ『それに本当によろしいのですか?今ならまだ彼女をこちらで保護することも出来るのでは?』

 

マダラ「いや、俺では世間に悪い意味で有名な分更にあの少女の危険度が増す、そうなっては奴等もそれなりの戦力でアジトに来る恐れもある・・・・・それになのは達ならアイツを・・・人への道を歩かせることが出来るはずだ・・・・お前達に任せるぞ・・・・・・・頼んだ」

 

そう言い残し、マスターもドゥーエさん達と同様来た道を引き返して行かれました。

 

 

 

 

以上がマスターがヴィヴィオさんを知った経緯です、他に何か?

 

フェイト『あ、じゃぁ今度は私が聞きたいんだけど、透が今まで襲撃してきた時に助け出した人たちってどうなったの?まさか、聖王教会?』

 

カリム『いいえ、私たちが行った時にはそれほどの人数は確認されてなかったわ』

 

シャッハ『でしたら、一体・・・・』

 

確かに色々な研究所で保護のようなことはしてきましたが、先ほども申しました通り、マスターが行っているのはあくまで襲撃、救出を目的としているわけではございませんでした。

 

ティアナ『でもそしたら、生物系の研究で人を利用としている研究所で助けられた人たちはどうなってるの?まさか放置・・・・・なわけないか』

 

そういった人達も勿論いらっしゃいました・・・そうですね、皆さんにならお伝えしましょう。

 

ゼスト『伝えるとは・・・・一体何を?』

 

マスター達が助けられた・・・・謂わば難民の方々の事です。

 

マスターは助け出した彼等を一時的にアジトの地下にいるよう説明し、そして管理局の手が届かない・・・もしくは予想もつかない場所、つまり別の世界へと移住するよう手配されてました。

 

クロノ『別の世界・・・つまり管理外、ということか?』

 

それもありますが、何も管理外だけではなく管理『内』世界という選択肢もある、マスターはそのことも考えておられてました。

 

ゲンヤ『オイオイ、不用心っつーかあまりに短絡じゃねぇ~か?管理外は確かに管理局の手は届かねぇが、管理してる世界は届いちまうだろう?』

 

果たしてそうでしょうか?

 

ゲンヤ『あん?』

 

マスター曰く、「確かに管理局は多数の世界を管理してはいるが、果たしてその全てを管理しきれているのか?目や耳、果ては手は届いているのか?まして今の腑抜けた管理局がそこまでする余裕・・・・いや、やる気があるやつなど・・・百もいないだろうな」とのことです。

 

ゲンヤ『・・・・・・耳が痛ぇ話だ』

 

クロノ『しかし、事実ですね・・・やはり透は見抜いていたか』

 

マスターは移住が可能と思われる場所に保護された方々を送る、もしくはその世界に住む人達に彼等を保護・・・というか住まわせてもらうよう交渉されてました。

 

はやて『交渉って・・・そう上手くいくんかなぁ・・・・・』

 

案外上手くいきましたよ?

 

はやて『嘘ぉ!?』

 

グレアム『どうやって・・・』

 

聞きたいですか?

 

ハルカ『・・・・あぁー・・・なんとなく予想出来たんだけど、一応頼むわ』

 

では、交渉された方々は皆管理局に不満を持っておられる人達ばかりでした、そしてマスターが出した条件は『管理局が妙な真似をしてきた時は、俺達『暁』が護ってやる』ということでした。

 

ハルカ『はぁ・・・やっぱり、そりゃぁ今管理局と真っ向から対立して尚且つこっちの魔導師をほとんど一人で圧倒できる実力を持った透・・・『マダラ』が味方に付いてくれるっていうんなら、嫌いな管理局の言うことを聞くより透の言うことを聞くでしょうね』

 

ですが、中には無茶な交換条件を持ち出してきた所もありました・・・・が、それも無意味でしたが。

 

フェイト『交換条件?』

 

えぇっと・・・・ある世界の住人なのですが、集落となってまして、そこの村長が面倒見る代わりに守護と自身の孫を・・・そのぉ・・・・・・嫁に貰ってくれと。

 

アリサ『ハァァァ?!??!』

 

村長曰く『こちらで面倒を見るのですから、それくらいは了承していただかなければ、それにこれは此方の友好の証とも言えるのです』と・・・・・。

 

あ、もちろん!マスターは断りましたよ!?ですから皆さん!殺気を収めてください!!!殺気だけで艦が沈んじゃいます!!!

 

なのは『・・・・断ったんだ・・・・どうやって?』

 

・・・・それは・・・・・・・・。

 

フェイト『・・・・・言えないの?やっぱり断ってなかったんじゃ・・・・』

 

あ~そうではなく・・・・・断りはしたんですが・・・・そのぉ・・・・・・かなりキツめで・・・。

 

すずか『キツめ?』

 

ハイ・・・その時のマスターは村長からの条件をすぐに破棄し、その場を立ち去ろうとしておいででした。

 

それに、これは後(のち)に分かったことなのですが、お孫さんの方は既に好きな方がいらしてたようで・・・マスターもそのことに感付いておられたようで。

 

しかし、村長はなんとしてもマスターとの繋がりというか、力が欲しかったらしくて何とか粘られてました・・・・ですがマスターは。

 

マダラ「何か勘違いしているようだな、俺達は『そちらを護る』、そしてそちらは『彼らの面倒を見る』というギブ・アンド・テイクでいく中、そちらの更なる要求を呑む理由がこちらにあると思うか?そんな要求をしてくるようなところはこちらから願い下げだ」

 

と言われ、尚も食い下がろうとしている村長に対し。

 

マダラ「まだ分かっていないようだな、相手の気持ちを理解出来ん奴が俺に要求するとは・・・・・舐められたものだな、それならばいっそ俺がここを滅してやろうか?そうすれば奴等から狙われることもなくなるだろうな・・・・・あと、人の恋路を貴様のような老害が勝手に決めるな、その女はどう思っているかは知らんが、俺はその女の事なんぞ好きでもなんでもない・・・故に結婚はせん」

 

といった感じで、そこでの交渉は決裂しましたが、そのすぐ後に結婚させられそうになったお孫さんがいらして、マスターにお礼を言われてましたね。

 

どうやら彼女『にも』心に決めている男性がいるとのことで、マスターとの事でどう断ろうか悩んでいたとのことです。

 

ハルカ『(『にも』?)』

 

それに中には結婚ではなく、マスターに弟子入りしようとしていた方までいましたが、そちらも丁重に断られてましたね。

 

そういった要求を出されることもありましたが、なんとか今まで救出した方々は無事に保護していただけたようです。

 

ですが、中にはやはりミッドに戻りたいという方々もおられましたね。

 

アリシア『それは・・・・難しいんじゃ・・・』

 

ユーノ『ただでさえ公安とかが拉致に関わっていたんだから、戻るのは・・・・それに仮に戻ろうと管理局に頼ったところで・・・・』

 

あぁ、その点でしたらご心配なく・・・・というか皆さんにご提案がありまして・・・・。

 

はやて『提案?何なん一体?』

 

はい、マスターは戻りたいと頼み込んできた方々の事を考え、予め信用のある部隊を調べられてました。

 

そして、その中には皆さんの『機動六課』や『108部隊』それにクロノさんの所属の部隊もあり、その他にもいくつかをリストに纏め保護を受け入れていただいた方や無人世界にいらっしゃる方達に渡してました。

 

ハルカ『成程、提案ってのは透が助けた人達を私たちで保護しろって言うんでしょ?』

 

その通りです、それに現在では管理局内部もゴタついていて今保護した方々を連れたとしても気に留める暇もないでしょうし。

 

ハルカ『・・・・ま、それをやったのは透本人だけど・・・いや、なるべくしてなった・・・・・かしらね』

 

マスターの代わりと言っては失礼でしょうが、お願いできますか?

 

ゲンヤ『そう低姿勢になりなさんな、よしっ!そっちは俺が行ってやらぁな』

 

ありがとうございます。

 

クロノ『僕も協力しよう、出来れば研究の犠牲となった者も保護したいと思っているんだが・・・』

 

研究によって不本意に容姿を変えられた方々はハルドクターによって元通り、或いは人に近い状態に戻られてましたが・・・・・やはり容姿に対する不安があるようで・・・・・。

 

それに戻られている方の中には容姿を・・・・おっと・・・・・。

 

ハルカ『?』

 

いえ、なんでもございません。

 

もうご質問はありませんか?・・・・・では以上で映像は終了いたします。

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

 

~聖王医療院・とある病室~

 

 

 

 

ピィッ・・・・・・・・

 

 

 

 

ピィッ・・・・・・・・

 

 

 

 

看護婦1「失礼しま~す・・・井上さーん、バイタル等のチェックに来ました~・・・・って聞こえて無いっか」

 

看護婦2「ちょっと、聞こえてないからって適当にやらないでよ?私まで婦長や先生に怒られるんだから」

 

看護婦1「分かってるって」

 

透「」コー・・・・ホー・・・・コー・・・・ホー・・・・

 

看護婦2「だけど、この人の事をやたら心配してたわね塚原先生」

 

看護婦1「あの『エース・オブ・エース』の高町一尉のいる『機動六課』の人達が連れてきたらしいけどね」

 

看護婦2「・・・・顔が見えないからどんな顔してるのかわからないわね」

 

看護婦1「止めときなさいって、それこそ婦長に怒られるわよ?」

 

看護婦2「アンタに言われるとは・・・・分かってるわよ」

 

透「っ」コー・・・・ホー・・・・コー・・・・ホー・・・・

 

 

ピィッ!・・・・・ピィッ!・・・・・・

 

 

看護婦2「ん?」

 

看護婦1「どうしたの?早く終わらせましょうよ」

 

看護婦2「あ、うん・・・いや、なんかこの人のバイタルに一瞬変化があったような気がしたんだけど」

 

看護婦1「ハァ?・・・・・・・・・・気のせいじゃない?さっきと変わってないじゃない」

 

看護婦2「気のせい・・・なのかしら」

 

 

ピィッ・・・・ピィッ!・・・・・・ピィッ!・・・・・・

 

 

看護婦「!」

 

 

透「・・・・・ん」スゥ・・・

 

 

看護婦1「っ!目を覚ましたの?!」

 

看護婦2「井上さん!聞こえますか?井上さん!」

 

看護婦1「先生呼んでくる!」

 

看護婦2「あと『機動六課』の皆さんにも連絡して!連絡先は塚原先生経由でいいって聞いてるから!」

 

看護婦1「分かった!」

 

 

 

 

透「・・・・・」

 

 

 

 

ピィッ・・・・ピィッ・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピィッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ2

 

 

ヤクモ『(ふぅ~危なかったですね)』

 

ライラ『(流石にアレはマスターの許可無しにお見せできませんしね)』

 

リコ『(というより、アレはマスターご自身がお見せ・・・・というか『あの方達に』直接会わせられた方がよろしいですよね?)』

 

ヤクモ『(そうですよ、まぁマスターにドッキリをしてもらいましょう♪)』

 

ライラ『(ですね♪マスターには『口寄せ』であの方を出してもらわないと)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

長々と、そしてまた投稿が遅くなってしまい申し訳ないです。

 

今回は透の過去の行動映像の後半、それも透の顔に傷が出来た時の話もあり、しかも透が初めて人を斬り・・・・殺めてしまったこと、さらに透の行動理念・・・・信念が見れた話です。

 

当初の透の信念はなのは達を護るということだったのですが、なのは達が中学になった時には既になのは達を護ることを止めていたようです。そこからなのは達を護ることから、なのは達の家族を護ることに変えたということです。

 

健気・・・・・というにはあまりいい感じに話を纏められて・・・・・ないでしょうね・・・・・すみません・・・・。

 

と言っても透がガージェスという奴と戦った時にポロッと言っちゃいましたね、実はなのは達の事を護ることを止めてはいなかったようですね。

 

そして、透は・・・・今まで人を殺したことは無かったですが、実は一度だけ殺しちゃってたんですね・・・世間での大量殺人というのは間違いですが殺人だけは正解でしたね。

 

これはかなり精神的にもキてるでしょうね・・・・・不眠症気味にもなりますよ。

 

それと、透のガージェスとの自爆覚悟の時のセリフ・・・・・アレは『NARUTO』の『小南』のセリフと同じような感じでしたが、まさにそうでしょうね。

 

なのは達は『光』とすれば、なのは達を間接的に護っている透は『陰』・・・という感じになるかなぁと思いあのようなセリフを出しました。

 

あとは質問形式みたいな感じでしたが、透の強さというか修行内容やヴィヴィオとの出会い・・・・というか知った経緯ですかね、実は透はヴィヴィオの事も助け出そうとしていたんですね。

 

しかし、原作はどうかはわかりませんが、休暇中だったエリオとキャロに発見され保護されていた・・・という流れです。

 

あと、ヤクモ達は何を見せまいとしていたのでしょうかねぇ~?気になりませんか???

 

 

 

 

 

さてさて次回は、ヤクモ達によって映し出された透のこれまでの行動、そして管理局の裏での活動、これらを目の当たりにしたなのは達の取るべき行動とは?

 

1週間での意識を回復という驚異的な事をした透、目を覚ました透は何を思うのか?そして何を語るのか?

 

 

 

 

それでは気になるでしょうが、次回をお楽しみにぃ~!!!

 

 

誤字脱字・応援等のメッセージは常にカモン!なのでドンドンやっちゃってくださ~~い!!

 

 

 

 

 

 

 


 
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