No.67126

真・恋姫†無双~物語は俺が書く~ 第3幕

覇炎さん

 
この作品の北郷 一刀は性格が全く異なりますのであしからず。
 仲間には優しいですが敵と判断すると最低です。
 主に落とし穴に嵌めたり、縄で逆さ吊りにしたりと…。しかも、いつ仕掛けたのかも解らないほど鮮やかに。
 強さは武将達と渡り合えるくらい。

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2009-04-05 01:19:33 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:10419   閲覧ユーザー数:7455

真・恋姫†無双~物語は俺が書く~

第3幕「今の俺に前振りは…ねぇ!(荀彧編)[前編]」

 

 

 

 一刀は華琳に部屋を賜り、風呂に入り後は寝るだけのはずだった…。しかし、それが何故か自分の愛刀『朔夜』を見つめていた。いや、正しくは睨んでいた。

 

 

「……」

 

〈…そんなにみつめなでくださいな〉

 

「おぉ!刀身が赤くなった!?って、違う!!」

 

 

 『朔夜』…一刀が師範代をしている道場、天衣無縫流の継承者のみが持つ事を許される宝刀とかで自分の師『北郷 小十郎(仮名)』爺さんを下した際に、無理やり押し付けられた一品。しかし、銃刀法許可書は持ってはいた物の使う機会がない為に自室の飾りと化していた。

 

 勿論、よく手入れをしていたが喋った事など有る訳が無い。しかし、それをあまり疑問に思わないのはきっと夢と認識している為だった。

 

 

「本当に何でも有りだな、この夢は。武将は殆どが女性で終いには喋る刀ときた…何なんだよ、お前は?」

 

〈その前に聞かせてくださいな。何時までこれ[現実]を夢と言ってお逃げになる御積りで?〉

 

 

質問に質問で返してくる我が宝刀『朔夜』。静かな夜の部屋に絹の様な声が響き、窓から入る月の光が照らし、ほんの一時だけ『朔夜』に心を奪われる。

 

しかし、我に返った一刀は少しムッと怒った顔をして『朔夜』に宛てつけるかのように答える。

 

 

「訳の分からないことを…行き成り三国志の世界に来て、武将は全員女性?刀が喋る!?これが!夢じゃ無かったら何だ!?あれですか、いきなりパラレルワールドに来たってオチですか!?それにあの時貂蝉だって…」

 

〈あの時は!!!〉

 

「!?…」

 

 

本当は何処かで感じてはいた。これは現実[リアル]ではないか、と。目を覚ませば違う場所、知らない景色。知らない人に文化の違いを語る服装。

 

夢と想い込まなければ壊れるのは―自分―、そう本能が感じたからこそ夢と想いこんだ。それを否定されて混乱している一刀を『朔夜』が叱責する様な声が遮る。

 

 

〈確かに貂蝉はあの時は『夢から目覚めるだけ』と申されました。しかし、飽く迄『あの時』は、です。目が覚めてからは全てが現実…それは貴方が一番理解できていたはず。もし、それを否定なさるなら問いましょう“なぜ、夏候惇将軍を攻撃なさったのです”?〉

 

「それは!……」

 

 

一刀は答えることが出来なかった。それを言えばこれを現実と肯定する事となるからだ。しかし、『朔夜』の前では沈黙は肯定と取られる。

 

 

〈貴方は抱いてしまった。殺されるかも…死への恐怖に。夢だと思っているにも関わらず、ね?〉

 

「っ!?…なんだよ、偉そうに分かったような口を…大体、なんで怒ったような口調なんだよ?」

 

 

 一刀には理解できなかった。それを嘆くような、目が付いていれば憐れむ視線を送っていたろうと思えるほどの溜息をついた。

 

 

〈いいでしょう。無知無能のマスターはいくらでも現実逃避をしていて下さいな。取敢えず、私が喋れる様になった理由と知っている事を粗方説明させて頂きます〉

 

「マスター?喋れる様になった理由?」

 

〈黙って聞いていろ、ですよ?ボンクラマスター。初めから刀が喋るとでも御思いですか?〉

 

 

 気になった単語を並べただけで、この言われよう。この刀、性格が悪いのかそれとも口が悪いのか、はたまた両方かはまだ分からない一刀であった。

 

 『朔夜』の話で分かったのは以下の通り。

 

・『朔夜』は貂蝉が来たばかりの一刀を支援する為に疑似人格と情報を持たせ、刀を

頑丈に強化したらしい。

・この世界には一刀のいた世界[歴史]…『正史』とIf[もしも]の世界[歴史]…『外史』が

ある。『外史』とは要は今のこの世界…『三国志の武将が全員“女性だったら”』、そ

れが『外史』。

・一刀が持っているバックは亜空間となっており、小物だったら幾らでも入る。入れた

 物なら頭の中で想像して手を入れれば取出せる。因みに名は『亜門』(貂蝉命名)。

・一刀自身に『氣』が使えるように人体改造を行っており、それを生かすも殺すも本人

次第。

 

 最後のは嬉しいが勝手に人体改造はよろしく思えない為、あまり良い顔が出来ない一刀。それよりも一番気になることを、質問する為挙手をする。

 

 

「はい、朔[さく]先生。質問して宜しいですか?」

 

〈質問を認めましょう…『朔』?〉

 

「『朔夜』って銘だろ?疑似でも人格は人格だから……銘じゃなくて名で呼びたいから」

 

 

 一瞬の間は合ったものの〈お礼は言っておきます〉と言って黙秘し、初めて一本とった気がした。

 

 

「で、質問なのだが結局俺は何をすればいいのだ?どうして俺なのだ?」

 

 

 食べるのはお腹が減るから、歩くのは行きたい所があるから。行動には理由が付いてくる。しかし、今の一刀にはそれが理解できない。

 

 朔はその問いを簡潔に答えた。

 

 

〈問1の回答,マスターがこの世界に来たいと言ったのでしょう?取敢えずは貴方は歴史の流れに抗うことなく生きれば良い。今は曹操と共に南華老仙の古書を探して下さいな〉

 

〈問2の回答,貂蝉に聞いてくださいな〉

 

 

 何だかんだで話していたが既にかなりの時間がたっているはずなので、その日はもう寝る事にした一人と一本は自分の寝台(朔は鞘)につく。

 

 

「なぁ、朔?」

 

〈なんでしょう?一人で寝る事の出来ないベイビーマスター?〉

 

 

その前に一刀が神妙な顔つきをしながら、背中越しに朔に話しかける。朔の悪口をスルーし、心で思っている事を正直に言う。

 

 

「お前が、どんなにこの世界を現実だって言っても俺はそれを信じる事が出来ない。だから今まで態度、変わる気はないから。お休み」

 

〈……そうですか。ですが一つだけ覚えていてください〉

 

 

今までの強気の話し方とはまるで違う、軽い話し方に聞こえはするがズシリと心に何かが乗っかってくる感じがして、耳ではなく心で聞こうとする。

 

 

〈夢と否定するならそれもまたいいでしょう…でも、それはここで生きている、そこに在る物全ての否定と心得ていてください。そして、“曹操達の存在すらも否定”した事を心に留めておいてください。…それではマイスター、良い悪夢を見る事を心より願います〉

 

 

 一言言えば熨斗と山葵付きで返してくる一刀の愛刀…いや、これからは相棒の朔。

 

 口は悪いが、きっと自分の事を思って言っていると信じる一刀。本当に心を抉って残してくれる。『曹操達の存在すらも否定した』、その言葉を噛締めながら眠りについた。

 

 

 

 

「お…ろ!!ほ…う!」

 

 

何かが隣で喋っている気がしたが、睡魔に体を占拠され自由がきかず眼の開ける事の出来ない一刀。

 

 

「ね、むい…!?」

 

 

 それを言った瞬間、とてつもない殺意を感じ体が自然に動く。

 

―サッ。

 

―ブンッ。

 

―ドスンっ!

 

―ザシュ!

 

 

 一刀は昔から寝ている時に、スパルタ爺さんの奇襲を喰らう事が多々有った為、条件反射的に殺意(それに近いもの)を感じると回避行動を執ってしまう。そう例え寝ていてもだ。

 

 状況を整理する為、周りを視る。真っ二つに寝台と大剣(幅広の刀)『七星餓狼[しちせいがろう]』を振り下ろし寝台から落ちている一刀を見て状態で固まっている春蘭。

 

 

「状況把握完了。俺が中々、起きないから苛立って斬ろうとしたが突然、寝返りを打ち回避した。当然寝返りを打った俺は寝台から落ちる」

 

「おぉー、私の攻撃をかわした事にも驚いたが貴様の洞察力にも吃驚だ」

 

 

 感心している春蘭だが、彼女が此処にいる事自体おかしい。起こしに来たのだからなにかあるはずだ。

 

 

「春蘭、起こしに来たんだよな?」

 

「そうだ」

 

「何か用が有ったんじゃないのか?」

 

「……」

 

「……」

 

「それを早く言え!!」

 

「ホワイ!?何故、俺がどやされる!?」

 

 

 感心していたのも束の間、直ぐに一刀の襟首を掴み睨んで来る。

 

 

「来い、北郷。華琳様がお呼びだ!」

 

「華琳が?なんで」

 

「約束を忘れたのか!?これから、盗賊を討伐しに行くのだ!速く城壁の上に来い!」

 

 

 そう言い残すと春蘭は隼の如く、最愛の人の下へ走って行った。一刀も―ある服―に着替え、『朔夜』と『亜門』を腰に据付け城壁へと向かった。

 

 

 

 

「遅い!何をしていたの!?」

 

 

 目的地が見えたと同時に華琳の叱責が飛んでくる。それを風が吹いたかのように一刀は軽くあしらう。

 

 

「済まない。しかし、天の御遣いとしての服装をしっかりしないと兵達に示しが付かないだろ?」

 

 

 物は言いようで、確かに着替えで手間取ったのは事実ではあるが大幅に時間を割いてしまったのは、春蘭とのやり取りであったがそれを言うと更に時間が無くなるので敢えて言わなかった。実際に華琳たちも一刀の服装を見て、珍しい者を見るかのように見入る。

 

 一刀の恰好はシルバーのノースリーブ系アンダーウェアで、前後の裾が腰辺りから二つに切れており下に視線を下すと裾が徐々に細くなり、太腿の上ら辺で途切れ先端に直径が50ミリ、厚みが5ミリ位の翡翠色のストーンリングが前後に2つずつ付いていた。

 

 両腕には趙雲がしていたような振袖が肘から手首まであり、肘から先にいかないように金属のリストバンドで固定され、袖の長さも刀を振るのに邪魔にならない長さであった。動く度に袖から金属がぶつかったような音がするのは気のせいでは無いだろう。

 

 下は黒い革のズボンに何処で手に入れたかは一刀自身覚えてない軍用靴。左太腿に苦無を何本か差したホルダーが付けられていた。鞘の『望月』には、何時でも取外し出来るように革のバンドを取付けベルトに通してスナップボタンで留めた。

 

 

 華琳たちの評価はというと『変』の一言だった。しかし、一刀にとっては(初めて来た)極力動き易い服装(戦闘服)でこの格好にはもう一つの意味があった。

 

 

「確かに君たちが“変”と思ってもしょうがない事だろう。しかし、それが私の狙いだ」

 

 

偉そうに言う為にワザと目上口調で言う一刀を殴りたいが、取敢えず狙いを聞いてから春蘭にやらせるかどうかを考える華琳。そうとは知らずに一刀は講釈を垂れた。

 

 

「自分たちにとっては意味の分からない恰好。しかしだからこそ、そいつは“もしかしたら天の御遣いかもしれない”。少なくともここにいる皆な以外私の素性を知らない、そこに付け入らしてもらう…どう?」

 

「……なるほど、貴方が考えたにしては良い案だから採用をしましょう。だけど、それで寝坊で遅れた事は帳消しにはしないから…どんな罰を与えようかしら?」

 

「うむ…そんな意味が有ったとは」

 

「確かに的を射ているな」

 

「ふーん、雄猿にしては良い考えじゃない」

 

 

 華琳の罰という発言に内心ビクついていたが、それを表に出さず平然な顔をする。それよりも、最後の発言が気になり発言者を見る。

 

 端整な顔を歪めていて猫耳フードから覗く淡い栗色の肩まである髪に深緑色の瞳。クロークのような上着の中は薄着のシャツにドロワーズ(かぼちゃパンツ)に似たズボンを穿いている少女がいた。そんな彼女に一言。

 

 

 

「……誰?」

 

「汚い目で見ないで穢れるわ」

 

「先に言っておくが俺に前書きはない。ぶっ飛ばすと決めたら地の果てまで殴り飛ばす。なに、俺だって地の果てに一発で行けるなんて思っちゃいない…地の果てに“逝くまで”殴り“続ける”だけさ」

 

「やれ、北郷!私が許可する!!」

 

「姉者、煽るな…北郷も今仲間になったばかりの相手に、怪我なんかさせないでくれ」

 

 

 春蘭はこの子が気に入らないのか一刀を煽り、それを止める秋蘭。一刀に対しては本気で言っている訳でも無く、一刀自身本気で言っているわけではない。朔のおかげで悪口を言われても対して怒る気がせず、半分冗談を言いながら華琳が彼女の代わりに答える。

 

 

「彼女は姓は荀[じゅん]、名は彧[いく]、字は文若[ぶんじゃく]。今回の指揮を任せる子よ。もし、この戦が上手くいけば召抱えるしいかなければ首を討つだけよ」

 

「……」

 

「随分と両極端だな」

 

「本人、桂花…荀彧が望んだ事」

 

 

 秋蘭は、一刀が来ない間にあった出来事を順を追って説明した。荀彧がワザと食料を指定した半分しか揃えず、それの帳簿を見て華琳が荀彧呼び出し叱責しようとした。しかし、それ自体が荀彧が華琳に召抱えてもらう為の策であった。策であることを知った華琳は『このまま出撃したら糧食不足で生き倒れになる処だった』と首を刎ねようとしたが、荀彧が自分の挙げる三つの理由からそれは無いと宣言した。

 

 

「一つ目、華琳様は慎重な方で必ず糧食の最終確認はご自分でなさる。そこで問題があればこうして責任者を呼ぶ。二つ目、糧食を少なくする事で身軽になり、輸送部隊の行軍速度が上がる。それにより討伐行全体にかかる時間は大幅に短縮できる。そして…」

 

「自分の作戦を採用すれば戦闘時間は短縮出来る…だから糧食はそれしか揃えなかった」

 

 

 荀彧は驚きのあまり声が出なかった。

 

 

「驚く事でも無いだろ?輸送部隊の行軍速度が上がっても、討伐にかかる時間が短くなる訳でも無い。なら、それしかないだろ。あと、言わせて貰うならこの乱世に名を残すなら、敵を多く倒す事よりも短時間且つ被害を最小限で勝った方が名が轟き民の心も掴める」

 

 

 自分が考えた策が、行き成り出てきた汚らわしい男に見破られた事も腹立たしいが、何よりそこまで見抜いた事に驚愕していた。一刀はその顔に少々驚いていたが。そこに華琳が締めくくるように手を叩く。

 

 

「さすがね、一刀。桂花、約束は守ってもらうわよ?」

 

「うっ、御意です」

 

「?」

 

 

 荀彧の情けない声を聞きつつ、約束の意味を聞く一刀。それと同時に華琳が意地悪な笑みを浮かべ、背筋をゾクリ震わす。

 

 

「簡単な事、一刀の事は粗方だけど桂花にも話したわ。そしたら桂花が貴方の事を認めないと言ってね?」

 

「当然です!聡明で在られる曹操様の近くにこんな訳の解らない男がいるなんて…!!」

 

「この子、男が大嫌いなのよ」

 

 

 華琳が肩を竦める近くで荀彧が一刀を親の敵…より憎そうな目で睨む。しかし、そこは華麗にスルーし視線で話の続きを催促する。

 

 

「だから、賭けをしたの」

 

 

「賭け…何を?」

 

 

「桂花の二つの理由から三つ目の理由が判るかを、ね。答えられれば私の勝ち、答えられねば桂花の勝ち。まぁ、その賭け事を話す前に答えられたけどね。それで賭けた物は…」

 

 

 荀彧は悔しそうに頭を垂れ、逆に華琳は満面の笑み。華琳が勝者なのは一目両全なのだが春蘭達の顔がどうも優れない様子。その中で華琳が高らかに宣言する。

 

 

「桂花が勝った場合は私の軍師として採用し、閨を共に出来る」

 

「ネヤ?ネヤって言うと、あの閨か?あぁ、華琳って同性愛主義者?」

 

「なによ?悪いの?」

 

「別に良いんじゃないの?人の愛の形はそれぞれだし。それで俺と華琳の関係が壊れる訳でもなし」

 

 

 でも愛する人に仕えられる上に一晩一緒に居れる機会を奪えば荀彧が怒るのも当然である。しかし、それだけであれほどの睨みを利かせる者であろうかと一刀は考える。

 

 あれほど睨むのは負けた時の罰にあるのでは?っと。そしてそれは当たった。

 

 

「私が勝った場合、自分の真名を一刀にも許す事。もう一つが…」

 

「まだあるのか?てか、いいのか真名を賭け事に使って!?大事な物だろう?」

 

 

 それならあれほど睨むのも納得がいく。大事な真名をよく知らない男に呼ばせるのだから。しかし、華琳はそんな考えを木端微塵に吹き飛ばす。

 

 

「確かにその通り。だが、その賭けに乗ったのは己が策に溺れた桂花で失態。それに然りと拒否権はあった」

 

 

 秋蘭と目を合わせると首を縦に振り肯定する。それなら自分がとやかく言う権利はないと、華琳に話の続けてくれるようにお願いした。

 

 次の話もかなりぶっ飛んでいる事も知らずに…。

 

 

「最後の一つは一刀…貴方と共に私の軍師として仕える事よ」

 

 

華琳が意気揚揚と宣言した。

 

 春蘭と秋蘭が呆れる(内面上)。

 

 荀彧が悔しそうに鼻を鳴らす。

 

 一刀が立ったまま気絶している。

 

 春蘭が一刀の頭を殴り意識を取り戻すや否や華琳に問い詰める。

 

 

「どういうことだ!?昨日の今日で、何処をどう見たら俺を軍師として採用できる要素があるのだ!?」

 

「北郷!!近いぞ、もう少し華琳様から離れろ!」

 

「やはり雄猿ね?どうしてこんな奴に私の策が…」

 

 

 漸く、収支が付き華琳が事の内容を説明した。

 

 

「一刀、私は別に貴方に軍師としてのなにかを求めているのではないの」

 

「?言っている意味がよく分からない」

 

 

 華琳以外の皆を少し困ったような顔をしており、もう少し噛み砕いて説明する。

 

 

「私は貴方の桂花の策すら見抜いたその洞察力、場の流れを読む認知力。そして、天の国の知識といったそれらの力は軍師としてのちからは十分だし、それに桂花の知識・智謀・知略が加われば正に無双。お願い二人とも、この曹孟徳に力を貸して」

 

 

 華琳が一刀と荀彧を真剣な目見つめる。その行動に荀彧は、『華琳様のお望みとあらば』と敬う様に頭を下げる。しかし、一刀はまだ腑に落ちないようで少し顔を顰める。

 

 それを見て華琳が『何か不満?』と聞いてきた。

 

 

「華琳、俺を試すようなやり方はやめてくれ」

 

「「「なっ!?」」」

 

 

 華琳と一刀以外の三人が驚き。

 

 

「俺を軍師にするのは、立場上近くにいても怪しまれず、華琳の身に何かあったときすぐに対処できるからだろ?」

 

「そういうこと。本当いい者を拾ったわ。取敢えずはそう言うことで、一刀は桂花の事を真名で呼びなさい。拒否権はないわ」

 

 

本当に面白い物を見つけたように、華琳は笑みを浮かべる。そして、踵を返し皆に出陣の号令を出した。

 

 

 今回はあまり進展がありませんよね?ありませんね。すみませんOTL

 

 今後は次回の題名を入れません。入れると作品が書きにくいので。

 では毎度おなじみ補足。

 

 

宝刀『朔夜』

 

 天衣無縫流継承者のみに扱うことは許される刀。刀身は青白く「我、求ムハ信念貫ク兵ナリ」と刻まれている。鍔は無く、柄には竜の絵が施されており目の部分にはアメジストの宝石が付いており朔が話す度に点滅する。

 祖父の小十郎曰く、「振るえば風すら斬り遠くの物すら斬り、突けば雷の如く岩を貫く」

 孫曰く、「ジジイ、マンガ見ながら説明すんな」

 

 

疑似人格『朔』

 

 貂蝉が朔夜を改造した際に生まれた人工精霊的な物。記憶は朔夜が作られた時からなので精神年齢は結構な歳。性格は基本的には優しいが悪戯好きでサディスティック的な所もある。

 戦闘時は一刀の精神面アシスト及び氣を使う際のフォロー予定。

(イメージCV:水樹 奈〇)

 

朔夜の鞘『望月』

 

紅蓮の色をした鞘。それ以外謎。兎に角頑丈らしく、これで朔夜を叩こうとすると「ごめんなさい、許してください、マイスタ~」と泣きながら謝る。 

 

 

※2009/4/5 更新(修正)しました。

文若[ぶんにゃく]⇒文若[ぶんじゃく]。

 

軍師として軍師として使える⇒軍師として仕える。

 

 


 
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