~前回までのあらすじ~
自身の剣道の腕前を評価され……「聖フランチェスカ学園」への『推薦入学』が決まった北郷一刀は上機嫌で自宅の帰路を歩いていた。
しかし、そんな一刀の思いを裏切るかの様に・・・・・・
数日後、「聖フランチェスカ学園」の『廃校』という『残酷な現実』が突きつけれる。
この予想外な事態に困惑する一刀を初めてとした両親と妹達。
今回の出来事によって不安になる一刀を両親と妹達が励ます。
両親と妹の励ましを受けた事で、一刀は気持ちを切り替える事が出来た。
そして、自分を支えてくれる家族の思いに応える為に改めて、一刀は……別の学校への「受験勉強」に望んで行く事を決意する。
だが、そんな一刀の『決意』をあざ笑うかの様に・・・・・・・
更なる『問題』が、一刀を襲うのだった。
一刀side
長い人生に於いて「受験」という物のは、誰もが通る道だ。
人それぞれ理由は異なるが、大体似たような物だ。
希望の学校に行く為、必要な資格を得る為、大学生活をエンジョイする為。
等々……etc。
しかし、「受験」をしたとしても無事に『合格』出来なければ意味が無い。
「高校」や「大学」等の「受験」は人数が多ければ多い程・・・・・「受験倍率」は高くなる。
それぞれが自身の目的を果たす為に、必死で「受験」に挑むからだ。
この時の為に、必死で勉強した成果を出す為に・・・・・・・。
だが、同時に予想外な事で「受験」どころの話では無い事もあり得るからだ。
具体的な例として、俺が良い例だ。
「聖フランチェスカ学園」の突然の『廃校』という、予想外な出来事によって俺は他の学校への「受験」が出来るかどうかも怪しいのだから・・・・・・・。
正直な話、こういうのは勘弁だ。
でも、そう上手く行かないのも嫌な物だ。
何故かって? それは簡単な話しさ。
嫌な事が一度起きたらなら、『ソレ』が一回だけとは限らないからだよ。
-11月-
『あの日』から一ヶ月が過ぎた。
――――カリカリカリカリ!
「・・・・・・・・・・」
俺は現在、自分の部屋で「高校受験」に向けた『受験勉強』をしていた。
理由は、言わずもがな……「聖フランチェスカ学園」の『廃校』騒動によって、『推薦入学』が無くなってしまい……「別の学校」に受験しなければ行けなくなったからだ。
正直、別の学校でも『推薦入学』が出来れば良いのだが……残念ながら「聖フランチェスカ学園」の様に『推薦入学』をしている学校とういうのはそう多いものでは無い。
何故ならば、そういった「制度」がある学校というのは……大体が長年続く由緒ある『名門』の学校であったりするからだ。
その一番具体的な例が『「聖フランチェスカ学園」』だった。
俺としても、近隣の学校は言うに及ばず……学生寮がある遠くの学校でも構わないのだが・・・・・・・
『あの有名』な「聖フランチェスカ学園」が何の説明も無しに『廃校』になってしまった事で、『ソレ』が齎した影響は凄まじい物だった。
只でさえ、受験する学生が毎年多いのに・・・・・・一ヶ月前に起きた「聖フランチェスカ学園」の『廃校』騒動の御蔭で近隣の高校や他県の高校に専門学校等の「受験倍率」が『東大受験レベル』にまで跳ね上がってしまったのだ。
少し前の俺ならば『勉強なんてしたくない』と言っていただろうが、今回ばかりはそんな余裕も無い。
であるが故に、俺は少しでも苦手な教科を克服し……点数を上げなければならない。
そうしなければ「合格」等は、出来無いからだ。
そして、未だに世間では「聖フランチェスカ学園」の『廃校』騒動の問題で大騒ぎであった。
正直、「それは仕方が無い事だと」俺は思っている。
だが、同時に「聖フランチェスカ学園」の在校生達や俺の様に『推薦入学』を勝ち取った者達に「一般受験」をしようとしていた者達を襲った予想外な事態だった。
今もTVの「ニュース」では、「フランチェスカ学園」に関する様々な憶測が飛び交っている。
そんな「ニュース」を目にする度に、俺は「やるせない気持ち」に囚われていた。
ほんの少し前までは、あの有名な「聖フランチェスカ学園」に通える喜びを噛み締めていたのに・・・・・今では逆に少しでも合格する確率を上げるのに必死になって「受験勉強」をしている。
本来であれば、『コレ』が当たり前なのだろうが・・・・・・・・
「幾らなんでも、こんな状況は願い下げだな」
俺は、ノートに問題の答えを書くのを止めて……そう呟いた。
「ふっ! ふううーーーーーーー!」
次に、勉強で疲れた背中の筋肉を背伸びをしながらほぐして行く。
「流石に、4時間も勉強し続けてれば背中も凝るか~」
俺は自分の部屋にある時計を見ながら、誰に言うでもなく・・・・そう呟いた。
「腹も減って来たし、休憩するついでに何か作って食べるか」
俺は椅子から立ち上がり、部屋を出て1階の台所に向かった。
「さーて、何を作ろうかな?」
台所に着くと、炊飯ジャーや冷蔵庫の中をチェックしながら、俺は作る料理を考える。
「結構、腹も減ってるから量のある物が良いな」
だったら・・・・・・
「「オムライス」でも作るか。 「おかず」は、昨日の晩ご飯の残りがあるからそれと一緒に食べよう」
作るものが決まったので、俺は調理に取り掛かった。
「材料」は以下の通り・・・・・・
・卵 2コ
・ご飯 (一人分)
・鶏もも肉
・たまねぎ 1/2コ
・マッシュルーム 2コ
・ピーマン 1コ (ヘタと種を取る)
・トマトケチャップ 大さじ2
・ウスターソース 小さじ1
・トマトケチャップ
・パセリ 適宜
・塩 少々
・こしょう 少々
・バター 大さじ1
・サラダ油 小さじ2
-作り方-
1、鶏肉は小さめの一口大に切り、塩・こしょう各少々をふる。 たまねぎ、「ピーマン」は1cm角に切り。 マッシュルームは石づきを除いて縦四つ割りにする。
2、「チキンライス」を作る。
フライパンにバター大さじ1を中火で溶かし、1の材料を順に加えて炒める。
塩・こしょう各少々をふり、ご飯を加え、へらで切るようにほぐしながら炒める。
3、ご飯がパラパラになったら、「トマトケチャップ」を入れすぎないように、計量スプーンではかって加える。 次に、ウスターソースを加えて混ぜ合わせ、塩・こしょう各少々で味を調える。
4、卵で包む。
ボウルに卵2コを割り入れ、塩・こしょう各少々を加えて良くほぐす。
5、フライパンにサラダ油小さじ2を強めの中火で熱し、4を流し入れる。
箸で円を描くように手早く混ぜて中央を厚めにする(半熟状の部分を中央に集める)。
全体が半熟状になったら、すぐ火を止め、3の1/2量を中央を厚めにのせる。 卵の上側を返してチキンライスにかぶせながら、フライパンの手前側に寄せ(表面が乾かないうちにチキンライスをのせ、上側をかぶせる)、皿を添えてフライパンを返し、中身を皿にのせる。
6、紙タオルをかぶせて形を整え(皿に返したとき形がくずれたら、紙タオルで包む)、好みでトマトケチャップをかけ、パセリを添える。
以上で、完成だ。
「よ~し、出来たな。 我ながら美味そうだ。 早速、食べよう」
出来立ての「オムライス」をテーブルに持って行き、冷蔵庫から昨日の晩ご飯の残りを取り出してテーブルに置く。
仕上げに、スプーンと箸とコップに水を入れてテーブルに持って行き、椅子に座る。
「それじゃあ、いただきます♪」
俺は、両手を合わせてからスプーンを手に取り「オムライス」を食べる。
「うん。 やっぱり、出来立ての「オムライス」は美味しい」
自分で、作った割には中々な物だ。
この時の俺は、上機嫌でご飯を食べていた。
しかし、そんな気分も……あの『最悪な電話』が掛かって来るまでの間だけだった。
Pruuuuuーーーーーーーー!
「はいはい、今出ますよ~」
――――ガチャ!
「はい、北郷です。 どちら様ですか?」
『ソレ』が・・・・・・・
『北郷一刀さんのお宅でしょうか? 私は・・・・・・・・』
『最悪な宣告』とも知らずに・・・・・・・・
次回に続く。
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どうも、皆さん。
劉邦柾棟です。
どうにか、続きが出来ました。
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