No.669283

真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 三十三話

XXXさん

仮面編

やらないんですか 認めないんだから

2014-03-09 13:17:54 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1487   閲覧ユーザー数:1374

詠は走っていた。

今日は朝早くから朝食の仕込みがあるのに寝過ごしてしまったからだ。

同室の月はおそらく眠っている自分を気づかって起こさなかったのだろう。

だからこそ申し訳なく思い、厨房に向かって走っているのだ。

 

「はぁ…はぁ!あっ…!?」

 

途中で足が絡み前に傾く。

早朝ということもあり、うまく体が動かないのだろう。

詠はそのまま倒れる…かと思いきや、誰かに正面から体を支えられた。

その拍子に眼鏡を落としてしまったのだが、眼鏡に損傷はないようだ。

 

「おっと…!大丈夫ですか?」

「え…あ、ええ…」

「そうですか。急いでるのであっても慌ててはいけませんよ?」

 

そう言って眼鏡を拾い、詠に差し出す人物。

声色からして男だろう。

詠は黙って受けとりしばらくそこに立っていた。

 

「では私はこれで」

「あ、ちょ…」

 

眼鏡を掛けずに男を追いかけようとするが、すぐに見失ってしまう。

せめて眼鏡を掛けていれば顔だけでもわかっただろうがもう遅い。

少し後悔しながらも身を整え、厨房に向かう詠だった。

 

 

(今朝のあの人、誰だったんだろ…?)

「………ゃ…」

(兵の一人?でもそんな雰囲気じゃなかったし…)

「え……ゃん…」

(かっこよかったな…ってそう言う意味のじゃないから!あくまで助けてくれた時の対応がそうであって…!)

「え…ちゃん…」

(それにしてもあの声…どこかで聞いたことがあるような…)

「詠ちゃん!」

「へ!?」

 

詠は考えていた最中に親友である月の呼ぶ声で我にかえる。

どうやら相当自分の世界に入っていたらしい…何回も呼び掛けていたのに全く反応しなかったのも頷けるほどに。

 

「あ、ゆ、月!?大丈夫よ、何でもないから…」

「そうじゃなくて詠ちゃん、お野菜切りすぎだよぉ」

「え?…あっ!?」

 

そう、月の台詞から言ってここは厨房。

あのあと詠は無事にここに来ていたのだが…現在色々とドジ連発。

皿を割ったり、砂糖と塩を間違えたり、豚肉と鶏肉を間違えたり、薪を茹でたり、包丁を包丁で切ろうとしたり、まな板に出来た料理を盛りつけかけたり。

現在ではピーマンを切りすぎてしまっている…これではピーマンの割合がかなり高い青椒肉絲が出来上がるだろう。

 

「ご、ごめんね月…」

「ううん。こんな事でめげてたら平沢さんに笑われちゃうもんね」

 

――また言った…

詠は月の言葉に対してそう思った。

月は桃香のもとに来てからしょっちゅう言うのだ。

「魔神さんに笑われちゃう」、「魔神さんに怒られちゃう」などまるで口癖のように。

そして、魔神ことリトが正体を明かしてからは平沢さんと呼び名が変わっただけで前と変わりなく言い続けている。

しかも最近リトに対する視線が憧れ等を越えているのも分かってきた。

 

「でも詠ちゃん、今朝からどうしたの?ぼーっとして」

「う、ううん何でもない!それより早く運びましょ!」

 

詠は月に覚らせないようにして料理の乗ったお盆を運ぶ。

月は頭に疑問符を浮かべながらも詠に続く形で料理を運んだ。

 

 

 

 

 

「――ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでしたなのです」

「……………ごちそうさま」

 

月と詠が料理を運んで十数分、リトと恋、それに音々音は仲良く朝食を終えていた。

ちなみに音々音はリトの膝の上に乗っている…ベストポジションなのだろうか。

恋はリトの隣でもきゅもきゅ食べていたし、おそらく恋ファンには天国なのだろう。

リトも初めはΣ°Д°という顔だったのだが、すぐに´▽`となる始末。

もう一言言えばこの場にはこの三人の他にもう二人同席している。

 

「あの、ごちそうさまってどういう意味なんですか?」

「それにいただきますって言うのは…?」

「ん?ああ、ごちそうさまって言うのは俺の国…日本で使われてる言葉だよ。いただきますは料理に使った食材、生き物の命を貰うからいただきます。ごちそうさまってのはそのままご馳走になりましたって意味…だと思う」

「「へぇ~」」

 

二人…諸葛亮と鳳統は関心している。

自分達の知らない知識を知った二人の目は輝いていた。

それに、食器を片付けていた月に詠も関心している。

 

「すごいんですね、天の国って」

「天の国って言うか、別世界なんだけどな。それより…」

「?どうしたのよ?」

「いや、似合ってると思ってさ。そのメイド服」

「へぅ!?」

「なっ!?」

 

リトの言葉に月と詠は顔を赤くする。

そう、現在彼女たちが着ているのはメイド服。

しかも北郷一刀がいる世界では必ず見る物と同様の。

これはリトが服屋に頼んで作って貰ったものだ。

曰く「この格好じゃないと違和感ある」らしい。

 

「にしても旨かったな、この青椒肉絲。二人ともいい腕してるよ」

「へぅ~、ありがとうございます♪」

「…まぁボクは月のじゃましちゃったけどね」

「でもさ、ちゃんと手伝ってたじゃんか。炒める時とかさ」

「?リト兄ィ見てたのですか?」

「んーん?聞こえただけ」

「どんな耳してんのよ!?」

 

詠が驚くのも無理はない。

現在リト達のいるテーブルから厨房までかなり離れている。

そこから会話を聞き取るのは普通はあり得ないだろう。

 

 

「あり得ないなんてあり得ない…ってな。ま、旨かったんだしいいんじゃね?」

「でも平沢さん、美味しいって言ってもどのくらい美味しかったんですか?」

「…………月と詠のもおいしい…けど流琉のもおいしい」

「どのくらいか……まあ、ベスト10に入ってるな確実に。でも1位はデネブなんだよな」

「デネブ!?デネブとは誰なのですか!?」

 

音々音が身を乗り出して聞いてくる。

リトは少しビビりながらもデネブについての説明をした。

 

「おおふ…、デネブってのは俺の家族でさ。別名オカンとも言う、男だけど」

「男の…人なんですか…?」

「ああ。アイツの料理は何て言うか…次元が違うんだよな。一人で十人分の朝食難なく作ったり、鮟鱇の吊るし切り一分でやるし、食材を無駄なく使うし」

「すごいですね、その人」

「ただ残念な所あってさ。アイツイケメンなのに女性が苦手なんだよ、会話が成立しないほど」

「いけめん?」

「イケてる面してる男のこと」

 

そう、リトの出身世界『クロスオーバーの世界』にいるデネブは原点と同じく女性が苦手。

ただ唯一救いなのはおばちゃんや自分よりかなり年下の子供だったら平気なのだ…キャンディを配るほどに。

お人好しな所もあってモテそうなのに、色々と残念なのだ。

 

「でもアイツらに比べりゃましか…」

「アイツら?」

「一応俺の友達にさ、残念なイケメン二人いんだよ。年齢不明風紀委員長とパイナポーヘアーが」

「ふうき…?」

「…………ぱいなぽー…?」

 

鳳統と恋が首を傾げる。

風紀委員長とは雲雀恭弥、パイナポーとは六道骸の事だ。

どちらもイケメンの部類に入り、なおかつ強者なのだが…

 

「そいつら…主に俺のせいでだけど、同性愛者なんだよね、うん」

「「…ッッッ!!!」」(ガタッ

「はぁ?なによそれ」

「いやさ、俺の一言が原因でさ。俺の遠縁の…弟的存在に付きまとってんだよ」

 

実際リトの見た彼らの行動はかなりヤバイ。

部屋に盗聴器を付けたり、買い物していたときに遭遇ししかもそのまま鬼ごっこ状態になったり、両手両足拘束されて脱がされかけたり、クリスマスに『僕がプレゼントです』なんて言って襲ってきたり。

普通はひくだろうが逆に諸葛亮と鳳統は鼻息を荒くしてリトに詰め寄った。

 

「平沢さん!そのお話聞かせてくだしゃい!」

「!!!」(コクコクコク!

「ん?いいけど…」

 

――え、何でこんな興味津々なの?しかもカミカミ…

リトはこう思わずにはいられなかった。

それもそうだろう、この二人の趣味は八百一が関係しているのだから仕方がない。

もっと言えば、イケメンという部分だろう。

 

「あー……『ねぇ、僕のモノにならないと噛み殺すよ?』とか『君の体はいずれ僕のモノになる。ですので今から僕色に染めても構いませんね』とか」

「はわわ!雛里ちゃん、これが噂のやんでれなんだね」

「うん、そしてそのあと弟さんを…あわわ…」

「いやちょっと妄想ストップ!これ以上ツナを汚さないで!ツナのライフはもう0よ!?」

「え、そのつなって言う人はやらないんですか?」

「やらないよ!やったらアイツ引きこもるから!」

 

それよりヤンデレについての発言に突っ込んで欲しかったがまあいいだろう。

雛里の発言でツナのイマジネーションに(性的な意味で)汚されたツナこと沢田綱吉ができる。

正直綱吉に対してブラコンぎみだから喚いていた。

そんな中…完全にフェードアウトしていた恋達四人の内、詠は何かに驚き固まっている。

雰囲気で察したのか、リトはどうしたのか聞いてみた。

 

「  」

「あ、あのー…詠さーん?」

「…て」

「はい?」

「今、なんて言ったの…?」

「ツナのライフはもう0よ?」

「それより前よ!」

「ねぇ、僕の…」

「行き過ぎ!その次!」

「君の体はいずれ僕のモノになる。ですので今から僕色に染めても構いませんね?」

「ッッッ!!!」

 

急に立ち上がる詠。

その顔はこれでもかというほど赤く、同時に驚愕しているものだった。

そして震える腕を持ち上げながらリトを指差し口を開く。

 

「あ、ああ…あんた、今朝…」

「今朝?」

「今朝…あんた、ボクにあっ…」

「ああ。あの時執事モードで洗濯した帰りにお前に会ったよ?こけかけてたよな」

 

掌をポンと叩き思い出したような仕草をするリト。

そう、リトは朝起きたときに部屋で寝ぼけてシーツを汚してしまったのだ。

それも昨日作ったイチゴ牛乳で。

さすがに悪いと思ったのか、気分で執事モードになりながら洗濯をし、その帰りで詠とあった。

 

(てことはアイツとあの人は同じ人!?抱き締められた…こいつに、平沢に!)

「あのー…」

(じゃああの時どきどきしたのは…、嘘…じゃあボク、ボク…!)

「詠さー…ベホマッッ!?」

 

考え事をしている詠が気になり近づくリトに詠のアッパーが炸裂。

結構きいたのか、リトは地面に背をつくことに。

呆然としている恋、音々音その他を気にせず詠は顔を真っ赤にさせながら…天井めがけて叫んだ。

 

 

「――認めないんだからーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リト「後書きコーナーにございます」

 

一刀「…なぁ、作者。あんた執事モード結構好きだろ」

XXX「まあね。敬語で毒を吐くって言うのが好きでさ。バトスピではモチロン紫電のゼロがお気に入り」

リト「それよりも後書きを始めましょう。尺稼ぎをしたいのですか?」

XXX「すんません」

 

XXX「えー、今回やらないんですかと認めないんだからを混ぜた理由としては簡単です。ただネタがなかったのと短かったからですね」

一刀「それと前回のコメント欄に追加アンケートが記入してあったのでそれでもやろうかと思ったからです」

リト「と言いましても、蜀編ラストの前に短くしか執筆できません故…御理解いただけたらと存じます」

XXX「さーて、普通に後書きスタート!」

一刀「あれ最初よくある少女漫画のワンシンーンだよな」

リト「パンをくわえて遅刻しそうになるので走る→おそらく運命の相手とぶつかる→そのあと教室で転校生として見かける、のありきたりなコンボですね」

XXX「いやー、やりたくて」

一刀「しかも例えが酷すぎるわ。なんだよ包丁を包丁で切るって」

リト「しかもピーマンばかりの青椒肉絲ですか…ヘルシーを通り越していますね」

XXX「ひもじいんだもん…で、風紀委員長とパイナポーのことなんだけど…」

一刀「原作ファンに怒られかねないことやってるな」

リト「おっしゃる通りです。全く…何故あの時あんな事を言って襲ってきたりしまったのか、一作目の自分をギガドリルブレイクしたい気分です」

X一「「あ、少し素に戻った」」

 

リト「それでは不評なアンケートのお時間です」

XXX「まー、今回のこともあって短いのは短い同士でくっつけて尺稼ぎますわ」

一刀「うわ、堂々と尺稼ぎって言ったよ」

リト「ちなみに悪の敵は正義の味方、蕩けちゃう、使いにくいにゃは戦闘回の予定。キン肉バスターはある意味お仕置き回です、短いですが」

一刀「…お前より仕事してるな」

XXX「グハッorz」←絶望中

一刀「しまっためんどくさいことになった!」

リト「―――それではここで閉めたいと思います。アンケートは今回は早く3/11の正午までといたします」

 

orz (O.O;)(oo;) (⌒―⌒)ノシ再見


 
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