No.651929

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 884

soranoさん

第884話

2014-01-05 12:16:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1208   閲覧ユーザー数:1149

その後メンバーの編成をしたロイドは仲間達と共に探索を開始し、ある程度進むと結界が先を進む通路と、同じように結界が展開している場所が2箇所ある広間に出た。

 

~碧の大樹ー神域ー~

 

「ここは……」

周囲の様子を見たロイドは不思議そうな表情をし

「なんだ……?バリアみてぇなのに覆われちまっているが……」

「おそらく何らかの”結界”だと思いますが……」

ランディは目を細め、ティオは考え込み

「フン、大方何らかの仕掛けで先に進めないようにしているのであろう。」

「で、でも……私達、ここに来るまでのフロアごとをくまなく調べながら進んでいたわよね?」

「……もしかしたら見落としていた仕掛けがあったのかも。」

ユーシスは鼻を鳴らした後目を細め、不安そうな表情で呟いたアリサの言葉にフィーは静かな口調で呟き

「う~ん……でもここに来るまでそんな怪しそうな所はなかったわよね?」

「ええ……多分何らかの仕掛けを施されてある事は間違いないのだけど……」

首を傾げながら呟いたエステルの言葉を聞いたエオリアは頷いた後考え込み

「中央のはともかく……左右のものは何なのかしら?」

エリィは考え込みながら呟いた。

 

フフ……それらは”領域”に通じています。

 

するとその時マリアベルの声が聞こえてきた!

「誰だ!?」

「……………!」

「………どこかで聞き覚えのある声だな……」

声を聞いたアドルは警戒の表情で声を上げ、ラウラは武器を構え、セリカは静かな口調で呟いた後ロイド達と共に周囲を見回した。

「ベル……!?……ベルなの!?」

そしてエリィが声を上げると、なんと中央にマリアベルの幻影が現れた!

「うふふ……エリィ、もちろんですわ。――――ようこそ”碧の大樹”へ。あなた方に来てもらってキーアさんも喜んでいるでしょう。いえ――――フフ、むしろ哀しんでいるのかしら?」

幻影のマリアベルは妖しげな笑みを浮かべ

「ベル……貴女………!」

エリィは厳しい表情でマリアベルを睨み

「……マリアベル・クロイスか。」

「貴様が…………」

「IBC総裁の娘にして今回の騒動を起こした張本人の一人か……」

「小さい頃に会った時と比べると随分印象が違うわね…………それが貴女の本性だったのかしら?」

マリアベルを見て呟いたセリカの言葉を聞いたユーシスは目を細め、ラウラとアリサは厳しい表情でマリアベルを睨み

「あら……貴女とどこかでお会いしましたかしら?」

アリサの言葉を聞いたマリアベルは不思議そうな表情をしてアリサを見つめて尋ねた。

「――――私の名前はアリサ・ラインフォルト。まだ私達が小さかった頃にお母様―――”ラインフォルトグループ”会長イリーナ・ラインフォルトと共にディーター総裁に会いに行った時、貴女とも顔を合わせたはずよ。」

「ああ、あの時の……ウフフ、まさか特務支援課の皆さんと共にこの場に来るなんて。一体どんな経緯があったのかしら?」

アリサの話を聞いたマリアベルは目を丸くした後妖しげな笑みを浮かべ

「フン、エレボニアを混乱と破滅に導いた元凶の一人がよくぬけぬけとそんな事をほざけるな?」

「そなた達の姦計によってエレボニアどころか世界中にどれほどの被害が出たと思っている?」

ユーシスは鼻を鳴らした後不愉快そうな表情で厳しい表情をしたラウラと共にマリアベルを睨んだ。

「貴女たちの意図はともかく……何が何でも、俺達を阻むつもりではなさそうですね?」

その時ロイドは真剣な表情で尋ねた。

 

ええ、この”神域”はキーアさんの内面そのもの……あなた方に来て欲しいし、来て欲しくないという心の表れがそのまま反映されています。それが徘徊する守護者という形で現れているという訳ですわ。

 

「そんな仕組みが……」

「精神的な内面だけでこれだけの空間を構築したのか……」

マリアベルの説明を聞いたリーシャは驚き、ワジは疲れた表情で呟き

「まるで”影の国”みたいだな……」

「確かにあそこは”想念”が関係していましたから、似ていますな……やれやれ。こりゃ”輝く環(オーリオール)”の時より厄介になりそうやな……」

アドルが呟いた言葉を聞いたケビンは真剣な表情で頷いた後溜息を吐いた。

「―――どけ。くだらん事に時間を取る必要はない。俺が力づくで破壊する。」

その時剣を構えたセリカがロイド達に向けて呟き

「は、はい。」

セリカの言葉を聞いたロイドは仲間達と共にその場をどいた。

「――――紅燐舞華斬!!」

ロイド達がその場からどくと膨大な闘気と神力を魔剣ラクスハイシェラに纏わせたセリカが結界に叩きつけた!すると結界は粉々に破壊された!

「す、すごっ!?」

「セリカ殿には一体どれほどの力が秘められているのだ……?」

破壊された結界を見たアリサは驚き、ラウラは真剣な表情でセリカを見つめ

「ま、何にせよこれで進めるな―――」

ランディは口元に笑みを浮かべて呟いた。するとその時結界が再び現れて先へ進む通路を塞いだ!

「なっ!?」

「……結界が復活しましたね……」

再び現れた結界を見たロイドは驚き、ティオは真剣な表情で呟き

「……この様子だと何度結界を破壊しようと同じ結果になるかもしれんな。」

セリカは静かな表情で呟いた。

 

ウフフ、最後の宴を力づくで全て破壊するなんてマナー違反ですわよ?皆様に楽しんで頂く為に別会場を用意させてもらいました。それが――――それらの”門”ですわ。

 

「別会場……?」

マリアベルの説明を聞いて仲間達と共に左右の”門”を見たティオは不思議そうな表情をし

「オイオイ……勿体ぶるのは止めてくれねぇか?」

ランディは溜息を吐いて呟いた。

 

うふふ。簡単なことですわ。この”神域”がキーアさんの内面を反映しているように……それらの門には他の方々の内面を反映した”領域”へと繋がっています。

 

「他の方々……!?」

「も、もしかして……」

マリアベルの説明を聞いたロイドとエリィは血相を変え

「……”赤の戦鬼(オーガロッソ)”達?」

フィーは真剣な表情で尋ねた。

 

フフ、”縁(えにし)”のある者がいれば別会場に入る事も叶いましょう。では――――案内はこれにて、本会場にてお待ちしていますわ。あなた方が無事、生きて辿り着けたらですけど。――――ああ、そうそう。先に言っておきますがセリカさん、レシェンテさん、リタさん、ハイシェラさん、カーリアンさん……その5人は”別会場”には入れないようにしてありますので、彼らを連れて行く事はできませんわよ。

 

そしてロイド達の疑問に答えたマリアベルの幻影は妖しげな笑みを浮かべた後消えた…………!

 

 

 


 
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