No.652160

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 885

soranoさん

第885話


2014-01-06 00:23:34 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1221   閲覧ユーザー数:1162

~碧の大樹ー神域ー~

 

「……………ベル…………」

マリアベルの幻影が消えるとエリィは疲れた表情で呟き

「さすがに戯れが過ぎるな……だが、中央の門はともかく、左右の門に入る事はできそうだ。」

ロイドは疲れた表情で呟いた後考え込んだ。

「問題は”誰”がその先にいるかですか……」

「しかもいきなりこっちの切り札を封じて来やがったな……」

ティオは真剣な表情で呟き、ランディは目を細めて呟き

「……多分セリカさん達がロイド君達に力を貸せば”確実”に負けると思っているからやろうな……」

「……………………」

(フン、くだらん小細工を。)

真剣な表情で呟いたケビンの言葉を聞いたセリカは黙り込み、ハイシェラは鼻を鳴らした。

「でも、逆に考えたら向こうはこっちの戦力を把握していないって事になるんじゃないの?さっき挙げた名前の人達じゃなければ、付いていけるみたいだし。」

「確かにそうだね。それは僕達にとって有利に働くだろうね。」

「まあ何せこっちには、”空の女神”までいるものねえ。」

そしてエステルが呟いた言葉にアドルは頷き、エオリアは苦笑し

「ま、何にせよ関係のあるヤツがいねぇと中には入れないみてぇだし。門を調べてみるか。」

「……そうだね。」

「……はい。」

ランディの提案にワジとリーシャは頷いた。その後ロイド達はまず左の門に近づき、ロイドは結界に触れた。

 

「……駄目か。どうやら攻撃しても壊せるものじゃなさそうだ。」

結界に触れて何も起こらない様子を見たロイドは溜息を吐き

「せめて誰が中にいるかだけでもわかったら……」

エリィは考え込んだ。するとその時

 

ククク……カカカ…………俺は……俺のチカラは最強なんだ…………ああそうだ……あの野郎よりもなああっ……!

 

聞き覚えのある青年の声が聞こえてきた!

「……まったく。どうして僕みたいな半端者にこだわるんだか。」

声を聞いたワジは複雑そうな表情で呟き

「ワジ……」

「……ま、お前もオレみたいに過去に決着を付ける時が来たって事や。」

ロイドは複雑そうな表情になり、ケビンは真剣な表情で言った。

「どうやらそのようだね……どいてくれ、ロイド。どうやら”彼”は僕との決着をお望みらしい。」

「……わかった。」

そしてワジが結界に触れると結界は消え、転移装置が現れた。

「障壁が消えた……」

「一体どんな仕組みになっているのかしら……?」

結界が消える様子を見たエリィは呆け、アリサは考え込み

「……ローエングリン城の仕掛けと似たような類だろうな。」

「確かに言われて見れば、似ているな……」

ユーシスは目を伏せて呟き、ユーシスの言葉にラウラは頷き

「”影の国”の”試練”を思い出すな……」

「そう言えばあの時もアドルさんやあたし達が指名されて、アドルさん達が石碑に触れると先に進めるようになったわよね?何か関係があるのかしら?」

「……さすがにキーアと”影の国”は関係ないと思いますが……唯、両方とも”至宝”の力ですから関連性があるかもしれませんね。」

アドルの言葉に頷いた後推測したエステルの話を聞いたティオは考え込みながら呟き

「ま、何にせよこれで”領域”って場所に行けるってわけか……」

ランディは目を細めて呟いた。

「ああ……だが今度ばかりはお遊びじゃ済まないだろう。万全の態勢で臨むとしようか。」

「はい……!」

そしてロイド達は左の門に入る前に右の門に誰がいるか調べる為に右の門に近づいてロイドが門の結界に触れた。

 

「……左の門と同じか。」

「こちらには……一体、誰がいるのかしら?」

エリィが真剣な表情で呟いたその時

 

フフフ……アハハハハ…………まだかな……まだ来ないのかなぁ……?もう楽しみすぎて待ちきれないくらいだよ……!

 

聞き覚えのある少女の声が聞こえてきた!

「……………………」

声を聞いたリーシャは複雑そうな表情で黙り込み

「な、何なの、今の笑い声……?」

「狂気に満ちた笑いのように聞こえたな…………」

「フン、俺達がガレリア要塞で剣を交えた”帝国解放戦線”の幹部――――”S”と同類かもしれんな。」

アリサは戸惑い、ラウラは警戒の表情になり、ユーシスは鼻を鳴らした後目を細め

「やれやれ……アイツかよ。しかも、どうやら待ってるのは俺の方じゃなさそうだ。」

ランディは目を細めて呟き

「……それにしてもどうして”血染めの(ブラッディ)シャーリィ”はそこまで”銀(イン)”との決着に拘るのかしら?」

「……戦いの狂気に呑まれた猟兵は強者との決着に拘る独特の癖があるから、”血染めの(ブラッディ)シャーリィ”も多分それだと思う。」

「……………………」

エオリアの疑問にフィーが答え、フィーの言葉を聞いたランディは複雑そうな表情で黙り込み

(……お前と同類か。)

(この戯けが。あんな小娘とこの我を一緒にするでないだの。)

セリカの念話にハイシェラは不愉快そうな表情で答えた。

「……なあ、リーシャ。できれば彼女のことは俺達に任せて……」

そしてロイドが申し出たが

「――――いいえ。私と彼女はある意味、似たような境遇の存在です。私自身が、この先の道を見出すためにも……私は彼女ともう一度、見(まみ)えなくてはなりません。」

「……わかった。」

決意の表情のリーシャを見て頷いてその場をリーシャに譲り、リーシャは結界に手で触れた。すると結界は消えて転移装置が現れた。

 

「消えましたね……」

「これで”領域”に行けるな……」

その様子を見ていたティオとロイドは呟き

「……相手が相手です。一方的に圧倒されないよう、メンバーを厳選して万全の態勢で臨みましょう。」

「そうだね。」

リーシャの言葉にワジは頷いた。

 

その後ロイド達は左右の門を同時に攻略する為にそれぞれの門を攻略するメンバーを選び……右の門にはロイド、エリィ、ティオ、ランディ、ノエル、リーシャ、ラウラ、フィー、ミリアム、マキアス、ユーシス、エオリアのメンバーに、左の門にはワジ、キーア、ケビン、リース、エステル、リィン、エリゼ、サラ、アリサ、エリオット、エマ、ガイウスのメンバーに編成し……それぞれ探索を開始した…………!

 

 

 


 
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