No.651176

真・恋姫無双~Re:道~

ツナまんさん

皆さん明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします

『Re:道』と書いて『リロード』ということで

注:オリキャラがでます。リメイク作品です

2014-01-02 22:49:16 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1372   閲覧ユーザー数:1246

第二章‐壱話 『 仲良くでいこう 』

天水の董卓の下でお世話になることになって数日、簡単な仕事を任されながら過ごしているが董卓側の臣下からの反応はまちまちといったところだった。

和輝と呂布のようにいつの間にか真名を交換しているものもいれば、賈詡は度々突っかかってくるし、華雄のようにどこか見下している者もいた。

「はぁ…」

「んだよ。何辛気臭い溜息出してんだよ」

「いや、なんかさぁ何日かここで過ごしてるけどいっこうに馴染めてない気がしてさ」

「たった数日じゃそんなモンだろ」

確かに和輝の言う事も分かる。だが、そもそも俺達は御遣いかもしれないという事を伝えていない。つまりお互いに相手を信用しきっていない状況である。だからこんな状態になっているのかもしれない。そう考えてしまう。

「一刀はどうしたいんだよ」

「俺は…出来れば隠し事なんてせずに、皆ともっと仲良くしたいと思ってる」

「ならそうすりゃあいい。だがな、だいそれた事を言うにはそれなりの証明が必要だ。だが今の俺達にはそれが無ぇ。有るのは俺達が『正史』の『未来』から来たって事だけだ。イコール御遣いってことには繋がんねぇだろ?」

「確かにそうかもしれないけど、未来から来たって事さえ黙ってるじゃないか」

「お前がそうしたいなら止めねぇけど、俺はあんまし肩書きとかにに甘えるのは嫌いなんだよ」

そう言った和輝の表情は本当に心底うんざりといった感じで元居た世界で和輝に色々あったであろうことはなんとなくだが伝わってきた。それでも今のままでは居心地が悪いと思ってしまいどうすればいいかを考えてしまう。

「…一刀、手合わせでもしねぇか?」

「へ?」

「うだうだ考えてても滅入るだけだろ。気晴らしにどうだ?」

多分、それが和輝なりに気を使ってのことだというのはすぐに理解できた。それに和輝の言う事も一理あるしわざわざ断る理由もなかった。

調練場の中央で和輝は一刀が来るのを待っていた。始めに来た時には張遼と華雄が兵の訓練で使っていたので、調練場の一角を貸してくれと言ったのだが張遼が面白そうだからと兵に休憩をとらせて全面使わせてもらえることになった。

「そういや元々はこれが目的だったんだよなぁ」

とそんなことを思い出す。今でこそ訳も分からず流れでこんな処にいるが元をただせば一刀との手合わせの為にでかけていたのだ。(序章参照)

そのため、今和輝が手にしているのは訓練用に刃引きした物で黒檀の代わりに白樺を使い刀身も普通の物である。

「遅かったな」

「仕方ないだろ。刃引きしてある方の太刀は道場だったから一番似てて手に馴染むやつ探してたんだよ」

そう言ってやってきた一刀の手には訓練用の長剣が握られている。

「それよりなんかギャラリー多くないか?」

「皆、興味があるんだと。それよりはじめようぜ」

 

 

「なぁなぁ華雄。どっちが勝つと思うん?」

「あまり興味が無いな。そもそも私はあんな優男達が千人もの賊に勝ったというのも信じていない」

「でも、これで本当かどうかはっきりするやん」

「まぁ、そうだな」

 

 

お互いにある程度の距離をとって対峙する。

「フーッ」

短く息を吐き殺気を飛ばす。いつの間にか当たり前になった始まりの合図。

「相変わらず凄い殺気だな」

「ふんっ。それを笑って返せるお前も大概だがな」

流すではなく、受け止めた上で笑って返す一刀。思えば初めての手合わせした時でさえ一刀(こいつ)は笑っていた。それは多分一刀(こいつ)強さ(こころ)がそうさせている。それだけの器のでかさがある。なんだって受け入れてしまう奴。だからこんな悪党(おれ)でも笑っていられる。

前に爺ちゃんが言っていた。「自分以外を知るには全てを受けろ」と。そんな時に和輝に会った。最初はアブナイ奴だと思っていた。だけどそれは間違いだった。和輝(あいつ)は否定するだろうけど、あいつは不器用だけど誰より優しい。だから悪を赦せるし、なんだかんだ言いながらも助ける。そんな…本物の(正義)の味方。だから笑って応えられる。

 

「…なかなか動かんなぁ」

「ふん、尻込みでもしているんじゃないか?」

構えたままピクリとも動かない二人の様子を見ながら華雄達はそんな事を言っている。

「違う。…二人共楽しんでる」

「呂布…と、高順か」

「なんや、二人も観に来たんか?」

(…コク)

「それより楽しんでいるとはどういう意味だ?」

スッ

と指を指されてその先をよく見てみると。

「笑ってますね」

「董卓様?!」

「なんや、皆気になっとったゆうことか」

「…動く」

そんな呂布の言葉通りに、和輝が動き出したところだった。

 

 

「疾ッ」

キンッ…

一気に間合いを詰めて抜き放った和輝の高速の斬撃は止められてしまう。だがその瞬間には既に刀は鞘へと収まり次の斬撃を放つ。だがそれも届かない。それでも構わずに高速での連撃を繰り出す。

「はあっ!」

「ちっ」

舌打ちをしつつ和輝は横に跳ぶ。その瞬間、先程居た場所の地面が穿たれる。一刀の一撃だ。剣速は和輝とほぼ変わらない。だが和輝と違い高速での連撃は無い。その代わりその一撃には真剣であれば受けた刀ごと両断できる程の威力がある。

お互いに戦い方に違いはあれど一撃必殺と呼ぶに相応しいものがある。しかし幾度となくぶつかり合ってきた二人にとっては既に手の内が割れている状態。必然、お互い決め手に欠けて勝負は長引く。

だが、二人共それでいいと思っていた。勝敗など関係なくただ楽しみたいだけ。それだけだった。

 

「はぁ…仕舞いだな」

暫くして構えを解いた和輝がそう言った。

「そうだな。さすがにこれじゃあな」

そう言う一刀の足元には二人の勝負に耐え切れず、真っ二つに折れた長剣が落ちていた。

「それにしても、いつから御前試合になったんだ?」

いつの間にか張遼達の傍にる董卓達を見ながらそんな事を言っている。

「なぁ、和輝。俺やっぱりさ…」

「おめぇがそうしたいんならそうしろよ。言っただろ。別に止めねぇって」

「ああ。そうする」

そう言って董卓達の所へ歩いて行く一刀を見送ってから、ふと後ろを見て

「……あいつ等に片付けさせるか」

とボコボコになった調練場を後にした。

 

その日の夕刻、白妙と行軍から帰った元賊によって調練場は一晩かけて綺麗に整備された。

 

そしてこれより、物語は大きく動き始めることになる。

あとがき

 

明けましておめでとうございます。やっと二章に突入いたしました。なんだろう一刀がイケメンじゃないか。等と思いながらこんな感じに仕上がりました。ただ、関西弁に一抹の不安が…そして華雄…違和感バリバリの出来ですね(汗

まあ一先ず置いといて。

こんな作者ですが、皆様今年も一つどうぞよろしくお願いいたします。

 

では、また次回!!


 
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