No.647836

真・恋姫無双~Re:道~

ツナまんさん

この作品はこれが今年最後の更新です。

『Re:道』と書いて『リロード』ということで

注:オリキャラでます。リメイク作品です

2013-12-24 09:23:53 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1106   閲覧ユーザー数:1026

     休章‐閑話 『 それぞれの小噺 』

橘 楓(たちばなかえで)

 

「うぅ~今日は先輩学校来てなかったなんて。お兄も昨日から帰ってないし二人でなんかやってんのかなぁ。」

 

フランチェスカ学園の敷地を出たところでそんな独り言を口に出す。出したところでどうにかなるわけではないが現実を再認識するには十分だった。正直お兄はどうでもいいが北郷先輩がいないのは精神的につらい。

 

「やっと見つけたわぁん。あなたが楓ちゃんね。」

 

不意に名前を呼ばれて振り向くとそこには

 

「きゃあ!化け物!」

「んもう、失礼しちゃうわぁん。」

 

ブーメランパンツに三つ網の筋肉の塊がクネクネしている。・・・気持ち悪い。

 

「えっと、とりあえず非常用のテルミットが…」

「ちょっと物騒な物出そうとしないでよ。まずは話を聞いて。」

「汚物の話は聞く必要は無いと思いますけど。」

「北郷一刀と橘和輝に関係があるのよん。」

「さっさと話せ肉達磨!」

 

正直こんな変態普段なら相手にしないところだが、その口から先輩に関係あると出てくれば話は別だ、ついでにお兄の事も解るなら尚更である。

 

「じゃあ、話すからとりあえず落ち着いて聞いてね。」

 

こくりと頷いて私は話を聞くことにした。

「つまり、今先輩とお兄は『外史』っていう別世界にいて、私もそこへ連れてくるように言われた訳で、私もその『外史』に行くことになってるわけか。」

「そうよん。というかあなた達兄妹って理解が早くてそっちに驚くわぁん。」

「よし、そうと決まれば早速…」

「『外史』に行くのね。」

「何言ってんの?着替えとか色々準備しないといけないじゃない。あっ、そうなると先輩の洋服も預かってこないと。不本意だけどお兄のも…。あとは護身用にアレコレかなぁ。よし!先輩待ってて下さいね。」

「ちょっと、待ちなさいよ。はぁ、先が思いやられるわぁん。」

*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

「っくしょん。ずず…。」

「なんだ一刀。風邪か?」

 

恋する乙女が合流するまでまだ時間が掛かりそうである。

≪橘 和輝≫

 

昼時にはややおそい時刻。昼飯を逃した和輝は食堂に来ていた。理由は単純に腹が減ったから。だが、昼食の時刻はとっくに過ぎ、当然飯は無い。結果和輝のとった行動は

 

「作るか。」

 

ということでとりあえず厨房で食材を探して出てきた物は小麦粉、昆布、調味料一式だった。

その中から和輝は小麦粉をとりだして水と塩を加えて混ぜ、体重を掛けて捏ねていく。

一通りその作業を終えると台の上に打ち粉をして伸ばしていき同じ太さで切り分ける。

そのあとは鍋を二つ火にかける。一つは水を張った寸胴、もう一つは昆布で出汁を採り調味料を加えて味を調えていく。

で…麺を茹でて出来上がったのは飾り気の無い素饂飩(すうどん)だった。と、饂飩の完成と同時に妙な気配を感じて厨房の入り口に目をやると紅い二本の触覚…のようなものが見えている。一応世話になるので一通りの自己紹介などは終えているが…

 

「呂布か?」

 

試しに呼んでみると、顔だけ覗かせてこちらを見つめてきた。そして盛大に腹の虫が鳴り響く。

 

「…一緒に食うか?」

(コクコクコク)

 

尋ねた途端に勢い良く首を縦に振られる。仕方なしに残りの麺を茹で器に盛り呂布に手渡す。

 

「いただきます。」

「いただきます。」

 

…ずずず

…ずずず

 

…ずずず

…ゴクゴクゴク

 

…ずずず

「…おかわり。」

「早ぇよ。てかもう無ぇしなぁ。」

 

そう言うと呂布はなんとも残念そうに見つめてくる。

 

「そんなに気に入ったのか?」

(コクコク)

「んじゃあまた今度、たっぷりと作ってやるから今日は我慢しとけ。」

「・・・約束?」

「ああ。約束だ。」

「じゃあ、約束。後、今度から恋でいい。」

「真名か?」

(コクリ)

「なら俺も和輝でいい。これで約束な。」

「…わかった。」

 

と真名を交わし約束を取り付けると恋は厨房を出て行く。それを見送ってから和輝も残りの饂飩を平らげる。

・・・後日休みの殆どを恋の饂飩作りに費やすことになるのはまた別の噺。

≪太白・白妙・白雪+α≫

 

晴れ渡る青空の下、天水近郊にて元族である一団を率いて行軍をしていた。別に何かしらの用で出陣している訳ではなく只の訓練である。だが、天水を出て一刻もしないうちに三人の後ろにはゾンビの列が出来上がっていた。理由はすこし前に遡る。

「親分にこいつ等鍛えとけって言われたけどどうしたらいいっすかねえ?」

「…とりあえず体力不足だし。後打たれ弱いし。」

「じゃあ重い物持って走ればいいのさ。」

「…一つじゃ足りないし。」

「じゃあ持てるだけ持つのさ。」

といった話し合いの結果後ろを着いていく男達は全員が両手両足に錘を着け胴体の前後には土嚢袋を括り付け頭にも錘が着いた状態での行軍を行っている。

で、こんな拷問にも等しい状態で誰一人文句を言い出さないのか?その理由は先頭を歩く白妙が全く同じ状態で歩いているからである。

 

「けど、自分達は普通に歩くだけでいいんすか?」

「…別に気にしなくていいし。こういうのは馬鹿妙と負け犬だけで十分だし。」

 

そんな会話を全く聞こえていない白妙と聞こえていても反論する元気のない男達の行軍は日がどっぷりと沈むまで続き、これが見せしめの役割になって一時期天水周辺の賊が減ったとか減らなかったとか・・・

あとがき

 

拠点のようで拠点じゃなっかった。単に思いついたから書いてみたといってもいい。

そんな小噺でした。まあ今後はこれを拠点用に仕上げていこうと思っております。てか三人娘は短かった。まあ仕方ないね今後に期待しよう。一応今回はオリキャラメインで構成しました。(試験の意味も込めて)

ということで(←なにがということでだ)『Re:道』はこれが今年最後になります。

間に合えば『虎と狐』があと一回か二回更新予定です。

では、とりあえずこちらの方では『皆さん良いお年を。そして来年もよろしくお願いします。』


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
5
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択