No.647801

真・恋姫無双~Re:道~

ツナまんさん

なんとか一章終わりです。

『Re:道』と書いて『リロード』ということで

注:オリキャラがでます。リメイク作品です

2013-12-24 03:03:28 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1332   閲覧ユーザー数:1221

   第一章‐漆話 『 善悪問答 』

「まさか急いで来たら無駄足とは思わんかったわ。」

「ん?そいつぁ悪いことしたな。」

 

あの後、天水から来たという張遼に連れられ天水で張遼が仕えている主人(張遼は月と呼んでいた)に会うことになった。なんでも恩賞がどうとかで…。

というか和輝はなんであんな仲良く話してるのか分からん。関羽の時もそうだったけど普通に接しすぎな気もする。(一章‐弐話)

 

「ところで橘やったか。なんであんたらに着いて来てる奴等は頭押さえてるんや?」

 

と張遼は後ろを着いてきている降伏した『元』賊の一団を指差して尋ねる。

 

「あぁ、ありゃあ太白…じゃ分かんねぇか。波才と管亥から拳骨もらったからだ。」

 

ちなみに補足するが二人とも女の子であって当初賊はその程度ならと考えていたが太白は氣を纏わせていたし、白妙は斬馬刀を振り回すような怪力なわけで想像を絶するような鈍い音と断末魔にも似た悲鳴が木霊していた。結果、頭を押さえたゾンビのごとく着いてきているのである。

閑話休題…

「で、此処が天水か。」

「せや。なかなかええ所やろ。」

 

確かに張遼の言うように道行く人達には笑顔があふれている。それだけで此処を治めている人物がどれだけこの街の人々の事を想っているかが窺える気がする。

 

「まあ、表向きは確かに立派だな。」

「それ喧嘩売っとるんか?」

 

和輝からポロリと出た台詞に張遼が食って掛かる。張遼にしてみれば自分の仕える主人を馬鹿にされたようなものだから仕方ないのかもしれないが。

 

「あ~、すまん。俺の悪い癖でな、どうも物事の裏を読もうとしちまってな。悪気は無えんだ。」

「…ええわ、今はそういうことにしといたる。」

 

張遼はそう言ったがその表情はすこし不機嫌そうである。

 

「ところで、張遼が仕えてる人ってどんな人なんだ?」

 

気まずい雰囲気を紛らわそうと思い別の話題をふったつもりだったが、張遼から返ってきたのは予想の斜め上だった。

 

「董卓ゆうんやけど、他人のことを思いやれるええやつやで。」

「へ?董卓?!」

「知っとんのか?」

「ええっと、まあ。董卓っていえば…」

―ジュッ

「ぅわあっつ。」

 

答えようとしたところにいきなり和輝が煙管の火種を首筋に当ててきたのでそれどころではなくなり、張遼はいきなり奇声を上げる一刀を何事かと覗き込んでくるが和輝が何でもないと制して有耶無耶にした。

 

「一刀。お前は街中でドンパチしてぇのか?」

「うっ…悪い。てか他にやり方あっただろ。」

「あれだ。文字通りお灸を据えたっつーことで。」

「色々間違ってると思うぞ。」

「――次は頭の上に火種を落とす。」

「すいませんでした。」

 

そんなコントみたいなやり取りをしている間にどうやら目的の場所―天水の城に着いたらしく張遼は兵士に指示を出して城門をくぐり一刀と和輝をそれに続く。

ちなみに太白達は城門前でゾンビモドキの見張りという名目で待機させることにした。

そのまま張遼に連れられて進んで行くと一際豪華な扉の前で止まった。どうやらこの扉の奥に董卓がいるらしい。

 

「じゃあ、声掛かるまでちょっと待っとき。」

「おう。」

「分かった。」

 

張遼が中に入っていったのを見送ってから和輝に話しかける。内容はもちろん董卓についてだ。

 

「どう思う?」

「董卓か?本当に歴史通りなら大悪党だな。だが、お前も薄々感じてるんだろ?」

「ああ、張遼は嘘を言ってるように見えなかったし、そもそも嘘を吐く必要も無い。どういうことなんだ?和輝は何か分かってるのか?」

「俺が知るかよ。ただ、憶測で物を言えば、俺等の知ってる歴史はアテにならねぇって事かもな。」

「そうだな。その方が分かりやすいかも。」

 

ちょうどそこで扉が開いて中へと招かれたのでこの話はここで一時中断となった。

招かれるままに中へ入ると広い部屋の両脇には此処まで二人を案内してきた張遼の他に三人の武将が居並びその奥の台座、玉座というやつだろうか―の脇に眼鏡を掛けたつり目の女の子とその玉座にはまるで人形の様な綺麗な女の子が座っていた。おそらくはそれが董卓なのだろうが某無双ゲーの爆弾魔とは似ても似つかない。改めて此処が異世界なのだと実感する。

 

「この度は賊への対処感謝します。おかげでこの天水を含め近隣の邑も被害が無く助かりました。」

 

董卓は透き通った澄んだ声色で感謝を述べ、それからと話を続ける。

 

「聞いたところによると、あなた方は誰に仕える事もなくたった五人で千人もの賊を打ち破ったとか。そこで…」

 

と、言葉を切ると一度隣の女の子を見やり再び言葉を続ける。

 

「もしよければあなた方の武勇を私達のもとで振るっていただけないでしょうか?」

 

思いもよらない申し出だった。だが、その申し出に応答したのは和輝だった。

 

「いくつか聞きてぇ。見たところ此処にいる奴等も十分な猛者だろう。その上でなぜこれ以上に力を求める?」

「守る為です。土地を、民を、戦いとは無縁の人々を守りたいからです。」

「じゃあ、その為にお前は何ができる?」

「それは…」

 

そこから先を続けられない董卓に溜息を一つ吐いて再び和輝はつづける。

 

「ま、一端置いとくか。最後にもう一つ聞く。もし俺とこいつ、どちらかが善人でどちらかが悪人だとしてお前はどうする?」

 

漠然とした問いだがこれがおそらくは和輝が一番聞きたいことなのだと理解できる。それを董卓も察したのだろう、暫くの沈黙が続いた。

 

そして・・・

 

「善も…悪も…それは人の数ほどあると思います。だとしたら私は善でも悪でもなくその『人』を信じたいと思います。」

 

それが董卓の導き出した答えだった。その答えには少なからず周りも目を丸くしている。

 

「一刀、いいか?」

「ここは年長者に任せるよ。」

 

それだけ話して和輝は一歩前へと進み出る。

 

「さっきのやつな。お前に出来んのは仲間信じて背負うことだ。『人』を信じるなら…ま、後はその内解るだろ。」

「えっと、じゃあ…」

「暫くの間、厄介になる。よろしく頼む。」

「は、はい。こちらこそよろしくお願いします。」

 

とりあえずの話はこれで纏まった。この董卓の下でようやく物語がはじまる。そんな予感が一刀の胸の中では湧き上がっていた。

 

 

「…だから黄昏るなし。」

「ぶっ。なんで白雪達が此処にいるんだよ。」

「ウチがさっき呼びに行かしたんや。」

 

結局いろいろとぶち壊しだった。

あとがき

 

もうすぐクリスマスですね。ま、ツナまんには関係ない行事なので普通に小説書いて過ごす予定ですけどね・・・。

ともあれこれにて一章は終わりになります。黄巾を三人連れて月√ですが一応役目がありますから。

後、書き終わってみて月ちゃんが逞しく仕上がってしまいましたがこれはこれで有りかなと思いこのままいくことにしました。

 

では、また次回!!


 
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