目の前で起こった悲劇………
響窃の新技・『終誇の砲弾』により
翠を庇った蒲公英は
戦場で帰らぬ人となった………………
四節 〜甘ったれた事〜
翠「蒲公英ーーーーーっ!!!!」
翠は涙を流しながら蒲公英の名を叫んでいた
翠「冗談だろ!?蒲公英!
いつもの悪ふざけだろ!?
頼む!そう言ってくれ!!お願いだ…………」
星「翠……………」
翠は弱々しく地面に膝と手をついた
響窃「跡形もなく消し飛んだか……
中々良い威力だ………
今後にも『終誇の砲弾』は使えそうだな…………」
愛紗「おのれ響窃っ!!」
小蓮「白蓮の左腕だけでなく蒲公英の命まで奪うなんて!」
秋蘭「貴様は何をそこまで我々の大切なものを奪うのだっ!?」
響窃「私は別に奪いたくて奪った訳ではない………
『奪ってしまった』の間違いだ………」
焔耶「ふざけるのも大概にしろっ!!」
響窃「ふざけたつもりはないのだがな…………
癇に障ってしまったか…………?」
響窃がそう苦笑いをした瞬間
翠「ああーーーーーっ!!!」
フォン!!
翠が狂ったような叫びをあげ、響窃に斬りかかった
響窃「おっと…………」
翠「このーーーっ!!!!」
フォン!!
響窃「悲しみや……」
翠「でやぁぁぁっ!!!!」
フォン!!
響窃「怒りに満ちた攻撃ほど単調で躱しやすいものはない…………」
翠「はぁ…はぁ…はぁ………」
翠は肩で息をし始めた
かなり息が上がっている
翠「よくも…………よくも蒲公英をっ!!!」
響窃「少しは落ち着いたらどうだ………?
そんなに息を切らしていては、話したいこともまともに話せないぞ……?」
翠「『落ち着け』…だと………!?
どの口が言った!?響窃!!
お前が放った攻撃のせいで蒲公英は…………………
死んじまったんだぞっ!!!!」
響窃「言いがかりはよせ
事の根元は馬超、お前であろう……」
翠「ふざけんな!!全部………全部お前の…………」
響窃「少し黙れ…………小娘……」
翠「っ!!」
響窃の静かな威圧に翠は口を閉じた
響窃「前にも同じような質問をしたと思うのだがな…………
馬超………劉備…………此処は何処だ?」
桃香「っ!」
翠「何を…………言って…………」
響窃「此処は戦場だ………
人の一人や二人は必ず死ぬ…………
そんな事も忘れたのか……………?
本当に貴様等はあの乱世を切り抜けた猛者共か?」
響窃は言葉を続けていく
響窃「戦場で油断は死を意味する…………今の馬超や劉備のような状態のことだ」
華琳「…………………」
響窃「現に油断したせいで公孫賛は左腕を失い、そして馬岱は命を失った…………………
仲間の死を悲しみ、怒ることは大いに結構だ…………………
だがな………」
響窃は一瞬、間をあけこう言った
響窃「一人にそこまで感情的にならなければならないのか………?」
華琳「私達は仲間であり、部下であり、同志よ
感情的になって何が悪いのよ!?」
響窃「ならば聞くが
貴様等は乱世の時、兵が一人殺される度に泣き叫んだのか?
怒り狂い、敵を殲滅させたのか?
大粒の涙を流したのか?」
冥琳「っ!!」
響窃「叫ばぬであろう………?
狂わぬであろう…………?
流さぬであろう…………?
それで仲間だの……同志だの…………
はたまた………誇りだと……?」
響窃「甘ったれた事を言うな!!!」
ゴォンッ!!
雪蓮「っ!!」
響窃が叫ぶと波動が我々の身体を通り抜けた
響窃「所詮その程度なのだよ………
貴様等人間は………管理者は!」
ギュォォ!
祭「くっ!!『邪闇気』を溜め始めおったか!」
左慈「その程度とはよく言ったものだな!
魔人の分際でいい気になるなよ!」
響窃「偉そうに上からものを言うな…………左慈!」
華佗「お前は病魔以上の存在だ!
御遣い殿の身体を奪った挙句、大切なものを尽く無きものにしていく!
絶対に許しはしないぞ!!」
響窃「ふっ………………安心しろ、呀猟………
貴様も同じ地獄に送ってやる………」
我々は得物を構え直し、翠は静かに口を開いた
翠「蒲公英………………
お前の仇は…………
アタシが必ずとってやる!!!!」
……終……
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戦場で蒲公英が『終誇の砲弾』を喰らい
遂に死者が出てしまった………………
悲しみと怒りから翠は狂ったように泣き叫んだ
しかし、そこへ響窃が心を挫く発言をする!?