No.637705 魔法少女リリカルなのは~原作介入する気は無かったのに~ 超・番外編 別作品とのコラボ(その2)2013-11-17 19:19:41 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:24349 閲覧ユーザー数:21304 |
「おい、カルピスウォーター」
「何だ勇紀?」
「何で俺…ていうか俺達は
今、俺達がいる場所はかつてmakeさんの作品『ダメ人間の覚悟』のメンバー達と交流を交わした別空間の中庭だった。
前回同様にテーブルには沢山の料理がある。
ただ、中庭は前回よりも遥かに広くなっている。
今回ここにいるメンバーは俺、シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリ、メガーヌさん、ルーテシア、ジーク、亮太、椿姫、暁、鳴海少将、西条の13人と前回よりも人数が増えている。
吉満は相変わらずの欠席だ。
「愚問だな。自分が顕現し、この空間にお前達を呼び寄せた以上、理由なんて1つだろう?」
「……またコラボですか?」
「正解だシュテル」
「コラボ……また透達と何かするの?」
「いや椿姫。今回はmake氏ではなく別の作者とのコラボだ」
別の作者…誰だ?
「そんな事よりもカルピスウォーター、何で顔変わってんの?」
レヴィが指摘する。
そう…我等が『原作介入』の作者カルピスウォーターの顔は前回のチョコボと違い、今回はドラクエでお馴染みのスライムだ。
「今日はスライムの気分だ。そしてこの顔だとドラクエシリーズの魔法、特技が使える」
ああ、アンタドラクエは最新の10以外はプレイ済みだもんな。
「ふむ。見た所、相手はまだ来ておらぬようだな」
「今回は誰が来るんだろうね?」
「前回みたいにオリキャラとなのはちゃん達の組み合わせなんじゃないですか?」
「私としては同年代の人がいるのかが心配だよ」
ディアーチェ、亮太、暁、鳴海少将の順に口を開く。
「ていうよりも『澪』の呼称が『暁』に戻ってますね」
「うむ。今回コラボする先方の作品と自分の『原作介入』はそれ程時間差がないのでな。今回はお前達全員本編の姿のままだろう?今はまだ澪との距離も名前で呼び合う程縮まってないしな」
確かにカルピスウォーターの言う通り、今回の俺達の姿は本編のままだ。
「というか最近めでたい事あったっけ?」
「ですよね。前回は『百話達成記念』だった訳ですし」
「そこの所どうなのかしら?カルピスウォーターさん?」
「どうなのー?」
メガーヌさんとルーテシアがカルピスウォーターに聞いている。
「ん?そんなモン無いよ」
無いって言い切った!?
「じゃあ、なんでコラボしてんの!?俺、本編でフィー姉護らないといけないんですけど!?」
それに本編の続きを待ってくれているかもしれない読者の期待を裏切ってる様で申し訳無いんですけど!?
「良いじゃんか。前回のコラボのあとがきで自分は他の作者にコラボの募集しただろ?」
「確かにしてましたね」
カルピスウォーターの言葉にシュテルが頷く。
「あの後、すぐに『コラボしたい』というメールが届いてな。まさか『超・番外編』を投稿してから僅か3時間足らずでくるとは自分も予想外だったが嬉しさのあまりテンション上がってな。急遽書き始めたのだよ」
「3時間…凄いな」
素直に驚かざるを得ないよ。
「それにいつまでも放置したら忘れてしまいそうという理由もあるんでな。『まあ、記念じゃなくてもいいか』って感じで……」
「んな事ぁどうでも良いんだよ!!!」
「ひうっ!!」
突然吠え出す西条。そのせいでジークがビックリして俺の後ろに隠れてしまう。
「どういう事だカルピスウォーター!!!何でメガーヌとルーテシアがクソモブと一緒に住んでるんだよ!!それにソコにいる子供って『なのはViVid』のジークリンデだよな!!?何でこの時期に出て来てるんだよ!!?」
「あ?そんなの本編読み返せや」
メンドくさそうに答えるカルピスウォーター。
アイツ、前回のコラボで精神がヤラれた筈なのに今はいつも通りだ。
カルピスウォーターが言うには『前回は前回、今回は今回』との事。
別に前回のままで良かったのに。
そう思っていたら、向こうの扉が開く。
来たか。今回のコラボ先の方々が。
今回も団体さん……っておいおい。
「…向こうにいるのは私ですね」
「僕もいるよ」
「我もだ」
「私は誰かと腕を組んでますね」
反応したのはシュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリ。4人がそのまま向こうからやって来たからだ。
そしてユーリと腕を組んでいる人物が1人に、女性が2人。
「ユーリと腕を組んでいるのは女の子ね。もしかして向こうのユーリは百合系?」
「違いますよ椿姫ちゃん。アレ、男の子ですよ」
暁の意見に同意する。
正確に言えば『男の娘』だな。
彼が別作品の主人公か?
とりあえず、挨拶に行こう。今回は透の時みたいにボケたりしないでマジメにな。
ディアーチェの拳骨痛いもん………。
~~???視点~~
「長ぇよこの廊下」
俺は愚痴る。この長い廊下に対して愚痴る。
「さっきから五月蠅いぞ仔兎」
「そうは言うがなディア。俺はいくら神の頼みだからって今回の件に参加する気無かったんだぞ。家でゆっくりするつもりだったんだ」
「じゃあ何故参加したのだ?後、我をディアと呼ぶな」
「今更だろそんな事。今回の一件に参加しなけりゃ『魂抜き取って殺す』って脅されたんだ」
「うわー…神様の権力ってそんな事まで出来るんだね」
あの神め。俺を転生させた時は『どうか、あなたの再びの生に幸在らんことを……』なんて言ってたくせに。
「ていうか私達がこれから向かう場所には誰かいるんですよね?」
「そうだ。何でも俺達の世界とは別世界の『リリカルなのは』の世界の住人らしい」
「その世界にもユキみたいな人がいるのかなぁ?」
シュテルの問いに俺が答え、レヴィがその世界について想像している。
「いたらその世界は終わったも同然ですね」
「「
「お前等俺のデバイスなのに相変わらず辛口だな!?」
ファントム、アリス、雪奈の中での俺の評価って…。
「「「製作者が貴方ですから」」」
わーい。泣けてくるよー。
「今更気にしちゃ駄目ですよ雪兎。本当の事なんですから」
効果は抜群だ。…ってか抜群過ぎだ。
「あれ?マイスター、どこ行くの?」
「ちょっとアッチの部屋で首吊ってくる」
もう…俺はいらない主人公なんだははは…。
「雪兎、逝っきまーーーーす!!」
「ちょ!?ごめんなさい雪兎!!私達が悪かったですから早まらないで下さい!!」
俺はユーリに必死に止められ、精神が安定するまで10分程の時間を要した………。
「よし、行くぞ」
「全く…突然自殺なんて考えないで下さい」
「だったら俺に対してもっと優しく接して下さい」
あまりにも扱いが酷いと兎はストレスで死んでしまいます。
「お前は兎ではないだろう?だから多少ストレス溜まったぐらいでは死なぬわ」
だからと言ってストレスを溜めさせても良いって訳じゃないよ?
「そんな事より、廊下の向こうに扉があるよ」
雪奈の指す方向には個室に入る様な扉と違い、一回り大きくてやや豪勢な造りになっていた。
「この向こうにいるのかな?」
「気配は感じるな。俺達よりも大所帯みたいだ」
「ならさっさと扉を開けて中に入りましょう」
「そうだな」
扉をゆっくりと開けて中に入る。
扉を抜けた先は大きな中庭だった。
豪勢な料理がテーブルの上に沢山用意されている。『これ全部食べきれるのか?』と思えるぐらいにだ。
「おおおおぉぉぉぉぉっっっ!!!!!」
レヴィは目を輝かせ、様々な料理をガン見している。
「いただきまーーーーーす!!!」
「待ていっ!」
ガシイッ!
料理に飛びつこうとしたレヴィをディアが羽交い絞めで止める。
「な、何するの王様!?料理が僕を、僕を呼んでるんだよ!?」
「料理など後でいくらでも食べれば良かろう。まずはアレを見よ」
「アレ?」
ディアーチェが指差す先はレヴィ以外の面々(俺含む)が向こう側にいる複数の人物と
「???僕がもう1人いるね」
「我、シュテル、ユーリもおるな」
「別世界の人達とは聞いていましたが、向こうの世界の私達も来たという事ですか」
「…ていうか私達がいるって事はアチラ側でも『砕け得ぬ闇事件』が発生したって事ですね」
俺も多少驚いていた。まさかシュテル、レヴィ、ディア、ユーリがいるとは思わなかったからな。
「けど、コチラ側の貴女達と比べてアチラ側の方が身体の発育が良くない?」
「「「うぐっ…」」」
あ、雪奈の何気ない一言に心を深く抉られた3人。レヴィは気にしてない様子だ。
確かにな。コッチ側のコイツ等よりも出るトコは出てるし、身長も向こうの方が高い様だ。
「た、多分向こうの方が私達の時間軸より進んでるんですよ」
「そ、そうだ。我等ももうじきあれぐらい成長する……筈」
「うう…向こうの私が羨ましいです」
焦った様に言うシュテルと自信なさ気に応えるディア。ユーリは俺と組んでいた腕を離し、自分の胸元をペタペタ触りながら羨望の眼差しを向こう側の自分に向けている。
うーむ……
「……悪くない」
「???何が悪くないのマイスター?」
「いや、何でも…。それより俺は先方に挨拶して来るわ」
ちょうど、向こう側からも1人の男がコッチに向かって来てるし。
俺もシュテル達をその場に待機させ、足を進めるのだった………。
~~???視点終了~~
「…という訳で今回は『夜の魔王』氏が執筆されている作品『魔法少女リリカルなのは 闇を纏いし者』からの主人公一家がゲストだ。ほれ『原作介入』組、挨拶しろー」
カルピスウォーターが促してくる。
言われるまでもないので俺達は挨拶する。
「どうも。『原作介入』の主人公兼転生者、長谷川勇紀だ」
「俺は『闇を纏いし者』で主人公やってる四季咲雪兎だ。俺も転生者なんでよろしく。気軽に雪兎って呼んでくれ」
主人公同士、お互いに握手する。
「僕は大槻亮太、転生者です」
「転生者の滝島椿姫よ。初めまして」
「私も転生者で暁澪と言います」
「私は鳴海理。彼等同様に転生者だ、よろしく頼むよ」
まずは西条を除く『原作介入』側の転生者陣の挨拶。
「初めまして、アリスと申します。漢字では『亜梨珠』と書きます。闇の書の防衛プログラムの制御プログラムですので宜しくお願いします」
「私は雪奈だよー。『
向こうのオリキャラ陣の自己紹介も終わる。
「転生者は雪兎だけなの?」
椿姫が質問し、雪兎が答える。
「いや、俺以外にもいるぞ。『木崎神戸』っていう奴と『デューム・テスタロッサ』…それに『SBB』っていう一団にも何人かがな」
「ソイツ等は来てないのか?」
「……連絡するの忘れてた」
…うわ~、可哀相な奴等だなぁ。せっかくのコラボなのに。
続いてお互いの世界のマテリアル達、そしてメガーヌさん、ルーテシア、ジークが自己紹介する。
「俺は西条貴志ってんだ。よろしくな」(ニコッ)
…最後に西条。勿論ニコポを忘れずに使用する。
「「「「「「……………………」」」」」」
『闇を纏いし者』組の面子は特に無反応。
「どうした?皆照れてんのか?恥ずかしがり屋だなぁ」
…どうしてそういう解釈になるんだろうか?
『原作介入』組の面子はすでに離れ、料理を食べ始めている。西条に関わりたくないが故の行動である。
「何かあったら俺に言ってくれよ。全力でお前達の力になるからな」(ニコッ)
再びニコポを使って言う西条。
「じゃあ、どっか行って。何かアンタ気に入らない」
「
雪奈とアリスだったよな?バッサリと言うねぇ。
「ヒャハハ。本当に照れ屋だな雪奈とアリスは」
しかしその程度の言葉は全く通じないのが自称・オリ主なんだよね。
しかも出会ってすぐの女性に対しても馴れ馴れしく接するのがデフォルトだ。
「おい貴様。その卑下た笑顔を浮かべるのは止めろ」
西条のニコポを見るに見かねた『闇を纏いし者』側のディアーチェが突っ掛かる。
「何だよディアーチェ~。心配しなくてもちゃんと相手してやるから拗ねんなよ~♪」
「寄るな下郎!!」
キッと睨んで西条を見るディアーチェだが、西条は全く気にしていない。
「向こうの我は大変な目に遭っているな」
「助けないのですか?」
「馬鹿を言うなシュテル。行けば我もあの塵芥に絡まれるだろう。向こうの我にとっては気の毒だがこれも経験と思って貰わねば」
ディアーチェは向こうにいる『闇を纏いし者』側のディアーチェに同情の視線を送っている。
「カルピスウォーター、何とかしてあげてよ。このままじゃ交流深めるどころじゃないよ」
レヴィが作者に訴える。
確かにこのままじゃ西条が相手側に迷惑掛けて終わりになりそうだ。
「……仕方ないな」
面倒臭そうにだがカルピスウォーターは席から立ち上がって西条の方へ歩いて行く。
「おい西条、初っ端から飛ばし過ぎだ」
「んだよゴルァ!!今俺はコッチ側のシュテル達と楽しくお喋りしてんだ!!邪魔すんじゃねえよ!!」
「「「「「「(楽しくなんてない!!!)」」」」」」
明らかに『闇を纏いし者』のメンバーは嫌がってるのがその表情から容易に窺える。アリスだけは表情を全く変えていない。
けどああ言う無表情なキャラでも心底嫌がってると俺は思う。
ゴゴゴゴゴゴ……
「……………………」
そしてコチラにはキレかけてらっしゃる主人公がいるんだがね。
「んー、とりあえず今は寝とけ。『ラリホー』」
ドラクエでお馴染み、眠りの呪文をカルピスウォーターが唱える。
バタッ!
「ぐお~…ぐお~…」
そのまま仰向けに倒れ、眠った西条。
「コイツ、今の内にゴミ袋に詰めて捨てようぜ」
「うーん…可燃物で捨てるべきか?」
「この豚は可燃物じゃなくて絶対に産業廃棄物ですよ」
「
「ロケットに放り込んで太陽に突っ込ませたら良いんじゃないかな?」
雪兎、俺、暁、アリス、雪奈の順に喋る。
西条の処理方法……悩むぜ。
「とりあえず適当な場所に放置しておきましょう。誰も介抱する気は無いでしょう?」
シュテル(原作介入)の意見に皆『はーい』と元気良く返事をして俺達は西条を庭の隅に投げ捨てた。
当の本人はいびきを掻いて深い眠りに就いている。当分は起きないだろう。
「しかしアレだな。さっきの雪兎の殺気は思わず後ずさりしてしまいそうな程強烈だったぞ」
「そりゃ、俺の家族に不快な思いをさせていたんだ。キレたくなるさ」
「ん?ソッチ側のシュテル達は雪兎の家族なのか?」
「まあな」
『ズズズ…』と音を立て、雪兎はお茶を啜りながら答えてくれる。
「コッチの世界だと勇紀がシュテルさん達と一緒に過ごしてるんだよ」
俺が言う前に亮太が説明する。
「俺ん家の前で倒れてたからなー。放っておけなかったんだよ」
「倒れてた?勇紀は『砕け得ぬ闇事件』に関与した成り行きとかじゃないのか?」
「俺、基本的に『ジュエルシード事件』から『砕け得ぬ闇事件』までは一切関わって無いぞ」
『闇の書事件』の時は魔力蒐集中のシグナムさんに襲われたが逃げ切ったし。
雪兎と喋りながらシュテル達の方に視線を向けると会話に花を咲かせている様だった。
「つまりソチラ側の我等は人間になったというのか!?」
「うむ。ユウキのおかげでな」
「むむ…じゃあソッチの僕が僕より成長してるのって…」
「人間になったせいじゃないかなぁ?」
「うう…同じ私なのに身長と胸が負けてます」
「そこまで大きく差が開いてる訳じゃ無いんですから気にしなくても良いじゃないですか」
『闇を纏いし者』側のディアーチェは『原作介入』側の自分達が人間になっている事に驚き、レヴィ、ユーリは『原作介入』側の自分達と自分のスタイルを見比べている。
ていうか『闇を纏いし者』側のユーリはかなり落ち込んでいる。
「どうやって人間になったのですか?何か特殊なロストロギアでも使ったとか?」
「ユウキが神様に頼んだ結果ですね。私達を治療するだけのつもりが神様の気まぐれで人間にされてしまいました」
『もっとも、人間にしてくれた事に私達は感謝していますが』とシュテルが付け加える。
本編ではレアスキルの副作用って事にしてるけどねー。
『闇を纏いし者』側のシュテルはジーッと『原作介入』側のシュテルを見た後で雪兎の側までやってきた。
「ユキト、私も人間になりたいです。人間にして下さい」
「俺にそんな事出来ねえよ!?」
「神に頼んで下さい」
「どうやって!?」
「主人公補正でお願いします」
「そんな都合良く補正掛からねえよ!!」
『闇を纏いし者』の世界では神様と接触出来ないのか。
コッチでは鳴海少将を通じて連絡取れるからなぁ。
「使えない主人公ですね」
「……なあシュテル。俺、何かお前の気に障る様な事でもしたか?やたらと言葉に棘を感じるんだが?」
雪兎は向こうのシュテルに嫌われてるんだろうか?
「いえ…ただ、こんな簡単なお願いも叶えられないユキトにいささか失望しただけです」
「簡単じゃないよ!?簡単に出来たらもう俺が神を名乗っても可笑しくないよ!?」
「……向こうの私は中々心にグサッと来る様に言いますね」
「…お前は大丈夫だよな?」
俺はシュテルに確認する。
『闇を纏いし者』側のシュテルの様に棘のある言い方しないよな?
「さあ…どうでしょうか?知りたいですか?」
シュテルの一言に戦慄し、俺は凄い勢いで首を左右に振る事しか出来なかった………。
「へえ…じゃあ雪兎も本局じゃなく地上の方に所属してるんだ?」
パチッ
「ああ…もっとも、ソッチ側と違ってシュテル達は所属してないけどな」
パチッ
「しかも首都防衛隊か。俺も将来ソコに所属する予定なんだよね。ゼストさん、クイントさん、メガーヌさんが局員辞めたから」
パチッ
「ん?あそこにいるメガーヌさんは局員じゃないのか?」
パチッ
「正確には『元局員』だな。メガーヌさんだけじゃなくゼストさんやクイントさんも公式には『死亡』扱いされてるし」
パチッ
「…ていうよりも2人は一体何をしてるのよ?」
俺と雪兎が喋っていると椿姫が割り込んできた。
「何って…」
パチッ
「見たら分かるだろ?」
パチッ
「「これが囲碁以外の何に見えるっていうんだ?」」
そう…先程から鳴っていた音は碁石を打つ音で俺と雪兎は頭脳勝負の意味も兼ねて碁を打っていた。
「いや、何で碁盤や碁石があるんだい?」
「ん?常に誰とでも打てる様に宝物庫に保管してるんだよ」
亮太よ、『備えあれば憂いなし』と言うではないか。
「ふーん…で、どっちが勝ってんの?」
雪奈が盤面を覗き込みながら尋ねてくる。
「今の所は互角だな。半目の差を付けたり付けられたり」
「勝負はまだ中盤だからな」
「
「何故って…」
「そりゃあ…」
アリスの質問に対し、俺と雪兎はお互いに顔を見合わせてから
「「神の一手を極めるためだ」」
声を揃えて言い切った。
「…前回の透の時同様に今回も仲良いですね」
「主人公同士だからでしょうか?」
「ていうかあの2人、囲碁のルール知ってたんだ」
「本編じゃそんな描写無いもんねー」
俺と雪兎は盤面を見ながら次の一手、更にそこから来る相手の攻め方を予想している最中、周囲の連中は何やら話している。
「神の一手……勇紀に『藤原佐為』を憑りつかせて『ヒカルの碁』編でも始めてみるか?」
何かカルピスウォーターがお好み焼きを食べながら言ってるけど止めてよね。
俺、プロの棋士になるつもりなんて無いからね。
「そんなことないもん!!!」
「「「「「「「「「「???」」」」」」」」」」
突然大声が聞こえてきたので俺と雪兎は思考を一旦中断、顔を上げる。
対局を見ていた皆も声の聞こえてきた方向に顔を向けると
「ルーテシア、お前は騙されているんだ。あのクソモブはお前とメガーヌを洗脳しているんだぜ」
「そんなことないもん!!おにーちゃん、わたしとママにせんのうなんてしてないもん!!」
いつの間にか目覚めていた自称・オリ主君とプンプン怒っているルーテシアの姿があった。
「いやいや、絶対クソモブはお前とメガーヌを利用しようと考えてるんだ。もしそうじゃないならお前達を家の中で軟禁する筈がねえ」
「なんきんなんてされてないもん!!わたし、おそとでくーちゃんやみんなとあそんでるもん!!ママもよくおかいものいくためにおそとにでてるもん!!!」
「そんな訳無いだろ?それが事実なら街中で俺がお前やメガーヌを見掛けて気付かない筈が無い」
それはお前やなのは達が気付かない様に認識阻害が常時掛かる特殊なデバイス装着してるからだよ。
気付いたら絶対絡むだろ。今みたいにな。
ていうかルーテシア…君、幼女なのに『軟禁』の意味知ってるの?
「う~~~~~……」
「だからメガーヌと一緒に俺の家に来るんだ。あのモブに汚される前に」(ニコッ)
幼女相手にも惜しみなくニコポる西条。
「…何度か彼を街中で見掛けた事あるのだけど、女の子相手によくあの笑顔で接していたわね」
メガーヌさんが静かに呟く様に言う。
…けど娘が迷惑掛けられてるのを見て怒ってますよね?その笑顔とは裏腹に目が笑ってないですし。
「あのクソ野郎……」
んおっ!!?
雪兎の奴も超キレてる!!?
『ギリギリ』歯軋りの音までするぐらいに。何でそんなにキレてんの!!?
「マイスターは子供が大好きだからねー」
俺の心の疑問を察してくれたのか雪奈が教えてくれる。
そこへ『闇を纏いし者』側のシュテルとユーリも続いて口を開く。
「ええ。『闇を纏いし者』側でも忙しなく働いてるメガーヌの代わりにルーテシアの世話をよくしていますね」
「彼の通り名に『
『
「ううっ…ぐすっ…」
って、ほんの少しの会話の間にルーテシアが泣きそうになっている。
ドウンッ!!!
それに比例して雪兎から放たれる殺気が更に膨れ上がる。
「ユウキよ。あやつを止めぬのか?」
ディアーチェが雪兎を指すが俺は『止めない』とハッキリ言う。
別に西条を片付けてくれるなら誰でもいいし。
「モグモグ…はっ!!?ルーテシアが泣きそうになっているだと!!?」
お好み焼きを頬張っていたカルピスウォーターの表情に焦りが見える。
どうしたんだ?
「おい、お前等!死にたく無かったら今すぐにルーテシア(と西条)から距離を取って全力で障壁を展開しろ!!」
やや早口気味に俺達へ警告を促すカルピスウォーター。
「何を言ってるんだ!!
メッチャ怒ってるやん雪兎。
「全く…子供の事となるとやる気がトコトン跳ね上がりおって」
『闇を纏いし者』側のディアーチェは呆れ顔だ。
「馬鹿を言うな雪兎!!お前の世界にいるルーテシアと違って『原作介入』側のルーテシアはチート染みてんだ!!いくら『闇を纏いし者』で主人公やってるお前でも死にかねないんだぞ!!」
カルピスウォーターが必死に訴える。
……おいおい。確かにルーテシアは『ヒエヒエの実』食ってチートキャラになってるけどそこまで大げさに言う事か?
「良いから自分の言う通りにしろ!!答えはすぐに分かる!!!」
もう大声で叫んでるカルピスウォーターの剣幕に圧されたのか、皆距離を取り始める。
雪兎も渋々ながらついてくる。直後…
「びええええええぇぇぇぇぇぇぇぇんんんんんんっっっっっっ!!!!」
ルーテシアが声を上げて泣き始めた。
するとルーテシアの足元に魔法陣が現れ、力強く輝き始める。
これって…
「「「「「「まさか、召喚魔法!!?」」」」」」
ジークを除く俺達長谷川家とメガーヌさんは驚愕する。
え?まだ本編では魔法使えない筈だけど!?
「まあ、この世界の構成要素の1つ『何でもあり』が彼女の魔法を可能にさせているんだろうね」
冷静にルーテシアを見ながら鳴海少将が分析し、解釈を述べる。
「出るぞ。ルーテシアの召喚獣達が」
カルピスウォーターの言葉とほぼ同時に、ルーテシアの召喚獣達が姿を現す。
「ギャオオオオオオオオッッッッ!!!!!!」
「グオオオオオオオオオッッッッ!!!!!!」
「ピギャアアアアアアアッッッッ!!!!!!」
召喚されると同時に一斉に暴れ出す召喚獣達。
ガリュー、インゼクト、地雷王、白天王…それに
「いかんな…完全に暴走している。特に『さっくん』『プーさん』『エイちゃん』『ゴリ』の暴走具合が半端無い」
いやいやいや!!!泣いて暴走するってどこの
てか明らかに原作にいない召喚獣が呼び出されてるんですけど!?
カルピスウォーターが言った『さっくん』『プーさん』『エイちゃん』『ゴリ』がそれに該当する。
この召喚獣達だが
『さっくん』=『新世紀エヴァンゲリオン(TVアニメ版)』の『第3使徒サキエル』
『プーさん』=洋画『プレデター』の『プレデター』
『エイちゃん』=洋画『エイリアン』の『エイリアン』
『ゴリ』=『スラムダンク』の『赤木剛憲』
……………………
………………
…………
……
「待て待て待て!!最後のは明らかに召喚『獣』じゃないだろ!!?」
ていうかファンタジー要素皆無のスポーツマンガの人物じゃねえか!!
「ふっ、甘いな勇紀。ゴリの『ハエタタキ』はなのはのスターライトブレイカーはおろか、タイミングさえ合えば泰造の衝撃波すら叩き落とすぞ」
カルピスウォーターから告げられる意外な設定。
凄えな
「な、何だ!!?」
ルーテシアの側で動揺する西条。
そこへ一斉に召喚獣達(+α)が襲い掛かる。
「ちいっ!!化け物共が!!!」
慌てながらも飛び上がり、空中から攻撃しようと投影し始める西条。だが…
「「っ!!」」
ドゴオオオオォォォォォォンンンンッッッッッッ!!!!!!!
「あの塵芥は死んだか?」
障壁越しに眺めているディアーチェが呟く。
召喚獣の攻撃には非殺傷設定なんて無いからね。
モクモクと煙がゆっくり晴れていく。
西条は……健在だった。
ヤツの目の前には7枚の花弁の形を模した障壁『
「ふう…ふう…。ひゃ、ヒャハハ。流石オリ主の俺だ!!あのタイミングで防御が間に合うなんざ最強の証明に他ならないぜ」
「「チッ…ギリギリ間に合いましたか」」
「「素直にくたばれば良かったのにね」」
舌打ちするシュテル2人と心底残念がっているレヴィ2人。
「しかし豚の障壁から途方もない魔力を感知しますね」
「アレじゃない?吉満と貴女の力を奪った影響で魔力だけは群を抜いたから」
「魔力だけなら椿姫同様のMクラスだね」
暁、椿姫、亮太の順に答える。
アイツ、確かに魔力バカになっちまったもんなぁ。
「けどあそこまで魔力増え過ぎたらStsにどうやって絡むんだ?機動六課に配属とかハッキリ言って無理だろ」
部隊の保有制限にバリバリ引っ掛かるし。
「どうせ
「豚はしょせん豚ですね。Mランクが機動六課の配属可能範囲まで力を抑えたら逆に足手纏いになるって理解していないのでしょう」
「いや、それよりも俺は『原作介入』側のルーが他作品のヤツまで従えているとは思わなかった。ソチラの作者、カルピスウォーターの言った通り、チートだな」
流石の雪兎も呆然とするしかなかったみたいだ。
「というかあんなのを本編に出していいのか?」
「心配するなディアーチェ。他作品の連中はこの超・番外編だけの出演…………予定だ」
「予定なのか!?『今回だけ』と言い切らんのか!?」
カルピスウォーターの言葉に速攻で反応し返す『原作介入』側のディアーチェ。
あんなのが本編に来たら大変だろ!?
「ふっ、全ては読者の皆さんの意見次第さ」
「「「「「「「「「「読者に丸投げ!?」」」」」」」」」」
本当に賛成されたらどうすんだよ!?
Stsはもうルーテシア1人と召喚獣達(+α)で無双状態じゃねえか!!
「あっ、ゴリが跳んだ!」
『闇を纏いし者』側のレヴィが指差す先には西条向かって地面から数十メートル跳躍する
…………
……
「「「「「「「「「「ゴリ凄過ぎ!!?」」」」」」」」」」
最早普通の人間じゃ決して出来ない事をやってのけている
「なっ!?何だテメ……」
「ハエタタキ!!!」
ブオンッ!!!
父さんの衝撃波をも叩き落せるというハエタタキが
パキパキパキ…パキイーーーン!!!
振り下ろされた手は簡単に
この時点で
バチンッ!!!
「ぶべっ!?」
そのまま叩き落され、地面に落下していく西条に
ヘルメットから照射される3本の赤いレーザーが西条の心臓部分に狙いを定める。
ズバンッ!!
そして左肩の部分に装着されていたプラズマ砲から放たれたプラズマ弾が西条に迫る。
「ぐ…ぐおおっ!!」
必死に上体を逸らした西条。だが
ボンッ!!
完全には躱しきれず、プラズマ弾を受けた左手が吹き飛んだ。
「があああああぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!」
そのまま西条は地面に落ちる………寸前で西条のデバイス、ギルガメッシュが浮遊魔法を行使し、激突は避けられた。
そのまま立ち上がる西条。
「く…クソが!よくもオリ主の俺の腕を…」
ドシュッ!!
「あ゛?」
西条は何かを言い終える前に自分の腹に巨大な刃先が生えたのを目撃した。いや、巨大な刃が西条の身体を背後から貫いていた。
それは
「い…いぎいいいぃぃぃぃぃっっっっ!!!!!」
やっと苦痛が感じとったらしい西条は声を上げる。
しかし
あ…何となくこの後の光景が容易に想像出来る。
俺はアルテミスを展開、射出し皆に軽く当てる。
「「「「「「「「「「わっ!?(きゃっ!?)」」」」」」」」」」
全員がビックリする……筈だったのだが亮太と雪兎には当たらなかった。
しまったな。
雪兎にも通じなかったけど、アレが本人の言っていた『闇の帷』ってヤツか。
「ユウキ!!いきなり何するのですか!!」
「いや…今からグロい光景を見る事になるだろうから皆には見えない様に予防をね」
「予防ってどうやってですか?」
「こうやってだ。
「「「「「「「「「「っ!!?」」」」」」」」」」
亮太と雪兎以外の視力を一時的に奪わせてもらう。
「亮太と雪兎も目を瞑るか他所を見てた方がいいぞ」
「「何で?」」
「何でって…」
俺が言葉を紡ごうとした瞬間
「ピギャアアアアアアアッッッッ!!!!!!」
ズチャッ!
気持ちの悪い音が聞こえる。
「「「うわあ……」」」
俺と亮太、雪兎は見てしまった。
エイリアンの口から飛び出た第二の口の様な長い顎が舌の様に飛び出す。
その顎が西条の眉間を貫き、
そのまま西条の腹部を貫いていた尾を無造作に振り回して西条を放り投げる。
ドサッ
地面にうつ伏せになった西条は血を流したまま動かない。
言うまでも無く既に絶命していた。
「《これは確かに皆にはキツい光景だね》」
「《誰も好き好んで死体なんて見たいと思わないだろうからな》」
亮太も雪兎も視力を失わせている皆に気遣い、言葉に出すのを止めて念話で会話する。
「《2人は平気なのか?》」
「「《前世であの映画観た事あるから》」」
成る程…多少は耐性がありましたか。
もっとも、映画で観るのに慣れていても
「ねえ…さっきの音は何なの?」
「何か鈍い音だったな」
「ユウキ。何がどうなっているのですか?」
皆がざわついている。
「《カルピスウォーター。どうにか出来ないか?》」
ここは作者の力で何とかして貰おう。
「《んあ?自分がか?どうとでも出来るぞ。何せ作者だからな》」
「《じゃあ何とかしてくれ》」
「《…はあ。召喚獣達(+α)は自分でどうにかしてやるから勇紀はルーテシアをあやしてやれ。良いな?》」
「《おうさ》」
俺は力強く頷く。
カルピスウォーターは悠々と障壁を抜け、悠然と歩き出す。
そこへ、カルピスウォーターの気配に気づいた召喚獣達は一斉に襲い掛かる。……が
「ウザったい!!!召喚獣達(+α)の数だけ『バシルーラ』!!!」
バシュンッ!!
カルピスウォーターが呪文を唱えると召喚獣達(+α)は吹き飛ばされ、一瞬でその姿が視認出来なくなった。
「ふぅ…手間を掛けさせおって」
あっさりと召喚獣達(+α)を対処した我等が作者は懐から取り出し、何かを振りまいた。
「カルピスウォーター…それは?」
「これか?『時の砂』だが?」
ああ…ターンを巻き戻すアイテムか。
『時の砂』が振りまかれると召喚獣達(+α)が暴れた事によってボロボロになった中庭の風景が徐々に戻っていく。
「おい勇紀。時の砂に気を取られてないでさっさとルーテシアをあやせ」
「ん?ああ、分かった」
俺は未だに泣いているルーテシアに近付いて行く。
…あんなのを従えているなんて本当、チート過ぎるぜ。
どうか番外編だけの出演であります様に………。
ルーテシアも泣き止み、
皆も障壁を解除して再びワイワイ交流し合う俺達。
と、突然服の裾を誰かに掴まれた。
「…ジーク、どうした?」
「うう…怖かった」
「さっきの召喚獣達(+α)がか?」
「うん……」
まあ、思いきり暴れてたしなぁ。
特に西条が死んだ瞬間のシーンはトラウマになるかもしれんし。
で、現在西条の死体には誰の目にも留まらぬ様にブルーシートを被せて隠している。どうやら時の砂の効果の恩恵を受けなかったみたいだ。……哀れ。
ジークの頭を『よしよし』と撫でていると不意に視線を感じる。
「ジーーー…………」
「どうした雪兎?」
「可愛らしい子供の頭を撫でられて羨ましい(……いや、兄妹の中が良くて微笑ましいな)」
「言ってる事と思ってる事逆だからな!?」
「……俺も撫でたい(俺も撫でたい)」
「今度は言ってる事も思ってる事も同じだからな!?」
物凄いガン見してるし。
どんだけ子供好きなんだお前は!?
「雪兎、子供が好きなのも結構ですが、もう少し私の事も構ってくれませんか?」
そこへやってきたのはオレンジジュースを片手に持ってやってきた『闇を纏いし者』側のユーリだった。
「ん?向こうで皆と話してなくていいのかユーリ?」
「ええ。充分交流は取れましたし」
どうやら仲良くなれている様で何よりだ。
「ていうか雪兎とユーリはやけに仲良いな」
「そうか?まあ、恋人同士だしこれぐらい普通だろ?」
「そうですね。付き合ってる者同士ならこんなものだと思いますが?」
2人は何気なく言うけど
「付き合っていたのですか!!?」
「「「「んおっ!?(ひゃっ!?)」(ひうっ!?)」」」
突然大声を上げられたのでビックリする俺、ジーク、雪兎、『闇を纏いし者』側のユーリ。
声の主は『原作介入』側のユーリ。
どうやら『剃』を使って瞬時に近付いて来た様だ。
「どうか!!どうかその辺の事を詳しく教えて下さい!!」
「あわわわわ……」
ユーリ(原作介入)がユーリ(闇を纏いし者)の肩を掴んで激しく揺さぶっている。
やけに喰い付きが凄いな。
「きっかけは!?付き合い始めたきっかけは何なのですか!?」
「あわわわわ……」
「告白は!?告白はどっちからしたのですか!?」
「あわわわわ……」
「お願いします!!教えてくださいソッチの世界の私!!」
ガクガクガクガク
「って、ユーリ落ち着け!!ソッチのユーリが喋ろうにも喋れないから!!」
俺は『原作介入』側のユーリを引き剥がす。
「ゆ、ユーリ大丈夫か!?」
「はうぅ…頭がグワングワンしますぅ~……」
あんだけ揺さぶられたらそうなるだろうよ。
「うう…気になります」
「何でそんなに気になるんだ?」
「だって雪兎と私のカップリングですよ!?タグに『オリキャラ×ユーリ』のタグが付いていても可笑しくないんですよ!?」
「…まあ、そうだな」
「向こうの私と付き合い始めたきっかけを参考にすれば私とユウキがこ、こここ、恋人同士になれる方法が思い浮かぶかもしれませんし//////」
「そ、そうか…//」
そこまでストレートに言われると照れます。
「本編でもそうやって積極的に言えば良いのに」
「本人に面と向かって言ったらもう勇紀と付き合えてるかもしれないのにね」
「まあ、修羅場が起こらなくなるのは私的には面白くないから現状維持を望むのだけど」
「椿姫だって本編じゃ原作の男キャラ堕としまくってるよね」
椿姫と亮太が何か言ってる。
「こ、こうなったらカルピスウォーターに直訴します!!カルピスウォーターは何処ですか!?」
ユーリはキョロキョロと辺りを見回す。
カルピスウォーターは西条の死体があるブルーシートの側に立っていた。
「おお西条よ。死んでしまうとは情けない(笑)」
カルピスウォーターは笑いながらドラクエでお馴染みの台詞を言っている。
作者にすら悲しまれないなんて、西条………本当に哀れな奴。
「まあ、このまま死体のオブジェとして放置しておくのもアレだから生き返らせてやる。感謝しろ西条。『ザオリク』」
えっ!?生き返らせんの!?
俺の思いをよそに西条の死体があるブルーシートが動き始める。
「んっ……ふああぁぁぁぁぁ~~~~~。よく寝たぜ」
欠伸をしながら起き上がる西条。
アイツ、今まで寝てたと思い込んでるのか?
「おはよう西条。生き返った気分はどうだ?」
「ん?作者じゃねーか。何で俺はこんなトコで寝てたんだ?」
「寝てたんじゃなくてお前はついさっきまで死んでたんだよ」
「死んでた?ハッ、何言ってんだ?オリ主の俺が死ぬわけねーだろ」
いや、『オリ主だから死なない』ってどんな理由だよ。
ていうか現にさっき死んでたよマジで。
「いや、ホントにお前死んでたよ」
「あ?確かにそれっぽい夢はみたけどよ。所詮夢だろ」
アイツにとっては先程の出来事は『夢』だと認識してるらしい。
「ハア~…面倒な事になりそうだな」
そもそも何故生き返らせたんだ?
「ん~~……ん?…ゴルァ!!何俺のユーリに近寄ってんだぁ!!!」
ほら来た。俺達の方に視線がロックオンした瞬間、憤怒の表情を浮かべて声を上げる。
「聞いてんのか!!そこのオカマモブ!!!」
オカマモブ……って、雪兎の事か?
西条からすれば『男の娘=オカマ』なんだろうか?
「ユーリが嫌がってるだろうが!!さっさと離れやがれ!!」
「……勇紀、アイツは何を言ってるんだ?」
「あー…放っとけ放っとけ」
言わんこっちゃない。だから生き返らせなきゃ良かったんだ。
西条がコチラに近付いてくるとジークは俺の背に、『闇を纏いし者』側のユーリは雪兎の背に隠れる。『原作介入』側のユーリはいつの間にか皆の輪の中に戻っていた。
……逃げたな。
「オラァ!!聞いてなかったのかオカマモブ!!!」
余計に突っ掛かる西条。
『馬鹿は死ななきゃ治らない』という言葉があるが、どうやらそれは間違っている様だ。
『馬鹿は死んでも治らない』という言葉こそが正解だと思う。
「お前こそ…さっきから下らん事をゴチャゴチャと抜かしやがって」
…俺はもう知らんぞ西条。
俺は2人の事の成り行きを見守るとしよう。
「モブ風情が粋ってんじゃねえぞ!!!ユーリを解放してテメエはどっか行きやがれ!!!」
「馬鹿の一つ覚えみたいに『モブモブ』しか言えないのか?とんだオリ主様だなぁオイ」
「ああ゛!?洗脳しなきゃユーリ達と一緒にいられない様なモブがほざくんじゃねえよ!!」
ブチッ
……雪兎、完全にキレたな。
「決めた。お前は今ここで潰す!肉体だけじゃなく精神的にも完膚なきまでに潰す!!」
「上等だオカマモブ!テメエにオリ主とモブの格の違いってのを教えてやる!!」
対決フラグ立ったね。
なら俺はジークとユーリ(闇を纏いし者)を連れて皆の方へ避難……
「それとソッチのクソモブ!!テメエもついでにブッ殺す!!」
…する事は叶わなかった。
「何で俺まで…」
「決まってんだろうが!!!メガーヌとルーテシアを洗脳、俺のジークを言葉巧みに騙してやがるんだからな!!!」
だから洗脳なんてしてねーし。それとジークはいつからお前のものになったんだよ?
「正直、テメエの家族ごっこなんかに付き合わされてるシュテル達が不憫でならねえぜ」
「よし西条、お前は俺が叩き潰す!!」
やっぱコイツはトコトンまでボコらないと今の俺の気が済まん。
「勇紀君、心底怒ってるわね」
「当然ですよメガーヌ。『家族ごっこ』という単語はユウキの逆鱗に触れる言葉の1つですからね。第十話の時も同じ事言われてキレましたし」
「それだけ『家族』というのを大切にしている証拠だな」
メガーヌさん、シュテル(原作介入)、ディアーチェ(原作介入)の順に喋る。
「待ってろよジーク。すぐに俺が助け出してやるからな」(ニコッ)
「ひうっ!」(ササッ)
西条にニコポられたジークは完全に怯えている。
「おい西条、うちの義妹を怯えさせた罪は重いぞ」
「オラワレェ!!!子供をビビらせやがっていてまうぞオラァ!!!」
見ろ、雪兎なんかキレ過ぎて言葉遣いが荒々しくなっている。
こうして俺、雪兎、西条は睨み合ったまま誰もいない場所まで転移する事にした。
「雪兎…彼女である私が迫られた時より、ジークちゃんに迫った時に対する怒りが大きかったのはどうしてなのか、戻ってきたら一度O☆HA☆NA☆SHIした方がいいかもしれませんね」
…転移する前にユーリ(闇を纏いし者)がそう呟いていたのが聞こえた気がした………。
さて、今回はどうやって叩き潰そうか?
前回は透とタッグを組んで緋村をボコッたし。
やっぱ今回も『主人公タッグVS自称・オリ主』で行くか?
「フフフ…俺の世界でもここまでキレさせた犯罪者や管理局員の上層部はいなかった。喜んでいいぞクズ」
殺る気満々ですねぇ。
「はっ、なら見せてやるよ。最強が不動のものとなった真オリ主の実力をな」
鼻で笑って魔力を解放する西条。自分の呼称が『オリ主』から『真オリ主』に変わってやがる。
足元には巨大な魔法陣が展開され、何も無い空間から何かが現れ始める。
「「「「「「「「「「真オリ主参上!!!!」」」」」」」」」」
出て来たのは無数の西条達。
奴は吉満から奪った
「キモッ!?」
つい今しがたキレていた雪兎も若干…というかかなり引き気味だ。
これが『とある』のシスターズだったらまだ見栄え良いんだけどねぇ。
「ていうか数増えたら勝てるとか思ってんのか?」
どうせ、呼び出した西条達は簡単に消滅させられるんだろ?ならアルテミス乱射で一掃するだけだし。
「ヒャハハハハ!これだからモブは馬鹿で困るぜ。真オリ主となった俺様の真骨頂はこれからよ」
そう言うと西条達が陣形を整え始める。
「…どうする勇紀?今の内に殺っちまうか?」
「一応待っておいてやろうぜ雪兎」
真オリ主(笑)である西条の最初で最後の見せ場になるだろうし。
俺と雪兎はその様子を眺める。
最初に15人の西条が横一列に並び、両手と両膝を地につけてorzのポーズを取る。ただし顔だけは正面の俺達に向けているが。
「次ぃ。二列目の俺達用意!!!」
「「「「「「「「「「おう!!!」」」」」」」」」」
今度はさっきより1人少ない14人が横一列に並んだかと思うとorz状態の西条達の上に乗り、同じ様にorzのポーズを取る。
「次ぃ。三列目の俺達用意!!!」
「「「「「「「「「「おう!!!」」」」」」」」」」
そして次は更に1人減って13人の西条達が同じことをする。
「次ぃ!!……次ぃ!!……」
と、1人減らしては次々と西条達の上に乗っかって同じポーズを取っていく。
約10分程経って
「よし、最後は真オリ主のオリジナルである俺様の番だな」
どうやら本物らしい西条が一番上に乗っかる。
「…勇紀、アイツは何がしたいんだ?」
「…さあな。真オリ主(笑)の考えは俺も理解出来ん」
多分
今、目の前にいる西条達は15段の人間ピラミッド状態になっている。
組体操を俺達に見せて何する気なんだか?
「見るがいい。これが真オリ主の真の姿だ!!!合っっっっ体ぃぃぃぃぃぃ!!!」
ピカッ!!!!
「「眩しっ!?」」
突如、西条達から発した凄まじい光が視界を埋め尽くす。
目…目が……。
ボワンッ!!
そして白い煙が辺りを包み込む。
「「ゲホッ…ゲホッ…」」
煙たい。
迷惑極まりないな。
「ヒャハハハハハハハハ」
と、西条の笑い声がかなりの大音量で周囲に響く。
煙が晴れて行き、俺と雪兎の目も落ち着いてきた。
視界が戻ってくるとそこには
「どうだモブ共。貴様等にこの様な芸当は出来んだろう」
「「……………………」」
俺と雪兎はポカーンとしたまま西条を見る。
「どうしたぁ?ビビッて声も出せねーのか?だが俺は容赦しないぜ。身の程を弁えないモブ共には真オリ主の俺が鉄槌を下さねばならんからなぁ」
でっかい西条を俺達を見下ろしながら、余裕そうに笑みを浮かべている。
俺と雪兎は目を合わせると互いに頷き、再び西条に向く。
「「お前はキングスライムか!!!」」
俺と雪兎がそう叫ぶのも無理はないだろう。
同じ奴等が一か所に固まって合体とか……それ以外に何を浮かべろと?
「ヒャハハ。それがお前等の遺言か?」
自称・真オリ主の西条……もうでっかくなった奴は『キングサイジョー』とでも呼ぶ事にしよう。
キングサイジョーは両手に魔力を集中させ、投影でお馴染みの夫婦剣『干将』と『莫耶』を作り出す。
「死ねえぃ!!!」
ブオンッ!!!
振り上げた干将を勢いよく振り下ろしてくる。
俺と雪兎は西条の一撃を回避し、飛行魔法でキングサイジョーよりも高い位置を陣取って奴を見下ろす。
ドゴオオオンッッッ!!!!
振り下ろし、地面に叩きつけられた一撃はそこそこの威力があり、地割れが出来ていた。
……この空間の底ってどうなってるんだろうな?
「逃げ足だけは一人前だなモブ共ぉ!!」
睨みつけてくるキングサイジョー。
あのでっかい夫婦剣で
「《雪兎、どうする?》」
「《とりあえず、奴には地獄を見せないと俺の気が済まん!!》」
地獄ねぇ…。
「だが逃げ回るしか出来ない様じゃ、この戦いの結果は見えたな」
いや、まだ初撃を回避しただで逃げ回ってなんかないし。
「(さて、どうしようか…)」
ドオンッ!!
「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
「「ん?」」
次の行動を思案してる最中、俺達の背後から飛んできた2発の砲撃が西条の両目を捉えた。
ゴロゴロゴロゴロ!!
「目が…目があああぁぁぁぁぁ!!!!!」
西条は地面で転がり回りながらムスカの有名なセリフを口にする。
今の砲撃ってシュテルのブラストファイヤーか?
振り返ってみると先程まで中庭にいた筈のメンバーが全員来ていた。
ていうかメガーヌさんも空飛べるんですね。
ここが超・番外編だからか?
「「ユウキ(雪兎)、大丈夫ですか?」」
「いや…大丈夫も何も…なぁ」
「俺も雪兎も今からキングサイジョーを殺るつもりだったんだが」
「「「「「「「「「「キングサイジョー?」」」」」」」」」」
『今のアイツの呼称だ』と付け加えておく。
「それより何で皆ここに?」
「カルピスウォーターに『せっかくだから本編での鬱憤をここで晴らしてきたらどうだ?』と言われまして」
「あの塵芥にはウンザリしているからな」
「ここでブッ飛ばしても本編には影響無いんだろうけど、ストレス発散には丁度良いしね」
「どうせなら本編にも反映してほしいのですけど」
「とりあえず、娘を泣かせてくれたお礼をしてないから」
長谷川家+メガーヌさんは参戦する気満々です。
「まあ、僕も協力はするよ」
「私も良い機会だから」
「豚に掛ける情けはありませんから」
「私は特に迷惑を掛けられてはいないが…この場のノリに乗って……かな」
亮太、椿姫、暁、鳴海少将も参戦確定。
「先程まで凄く鬱陶しかったものですから」
「ソッチの僕がウンザリする理由も分かったしね」
「アレがユーリに掛けた迷惑は死罪に値する」
「私も頑張ります」
「
「マイスター、私もアレを殺るよ」
『闇を纏いし者』側の面々は言うまでもないな。
「じゃあ勇紀と雪兎、それに自分を含めると合計で19人参加だな」
…カルピスウォーター、何時来たのさ?
ていうかアンタも参加するのか?
「うむ。あそこにいるルーテシアとジークを守りつつ参加するとしよう」
カルピスウォーターの指差す先にはルーテシアとジークの姿が。
てか連れて来る必要無かったよね?
「仕方ないだろう。中庭に居残るのを嫌がるんだ。それでも説得しようとしたら2人共涙目になるんだ。自分としては子供を泣かせたくはない」
「当然だ。子供を泣かせるなど、言語道断だ」
カルピスウォーターの言葉に雪兎も深く頷いて答える。
「まあ、今はアレをボコる事でも考えとけ。ああ、
俺の意見も聞かず、片手を小さく上げてルーテシアとジークの側に行くカルピスウォーター。
「で、どうするんですかユウキ?」
「んー…やる事は1つ。全員でフルボッコ」
「具体的には何をするんだい?」
「『なのはA’s』や『なのはA’s劇場版』で行われたフルボッコの再現をしようと思う」
「「「「「「「「「「成る程…分かり易い」」」」」」」」」」
皆、一瞬で俺の意図を理解してくれた。
これも今回が超・番外編のおかげだな。原作知識の無い鳴海少将や原作キャラですら上記の台詞で理解するんだもん。
「とりあえずバインド使える奴はキングサイジョーを拘束して下さい。その後、フルボッコしますんで」
「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」
皆、良い返事だ。
「ううっ…まだ目がチカチカしやがる」
ん?
先程までのた打ち回ってムスカごっこを堪能(笑)してたキングサイジョーが目をパチパチと瞬きしながらゆっくり立ち上がる。
「クソモブにオカマモブめ。正面から戦って勝てないから不意打ちを仕掛けてきやがるとは……モブの風上にもおけねえ」
何故か『俺と雪兎が不意打ちで攻撃した』とキングサイジョーの脳内では処理されているらしい。
「だがもう不意打ちはさせねぇ。はあっ!!」
キングサイジョーが魔力を放出し、
全方位からの攻撃に対応するためか。
もう花弁型じゃなく、純粋なドーム型だアレ。
「あの障壁、破るの面倒臭そうだね」
亮太の言う事はもっともだ。
Mランクまでランクアップしたキングサイジョーの七重障壁だ。ちょっとやそっとじゃ……
「
アリスが無表情ながら淡々と答える。
「そうなのですか?硬さはどれ程か分かりますか?」
「
……という事らしい。
「おい、さっさとあのクズを始末しようぜ」
雪兎の言葉に皆大きく頷き、デバイスを構える。
俺達の視界に入っている
「(何だか本当にアニメや劇場版の展開に似て来たな)」
「じゃ、始めよっか…」
雪奈が言う。
「本編で散々我等にちょっかいをかけてくる塵芥…」
ディアーチェも冷たい目でキングサイジョーを見ながら喋る。
「忌むべき自称・真オリ主(笑)への裁きをここへ…」
そして椿姫の呟きを合図として俺達は行動に移る。
※ここからフルボッコシーンが開始されますので脳内に流す曲は『BRAVE PHOENIX』(アニメ版挿入歌)もしくは『Sacred Force』(劇場版挿入歌)を激しく!!!激しーーーーーーーーーーーーーーーーーーーく推奨させて頂きます!!!!!!
「ケージングサークル!」
「「ルベライト!」」
「「雷光輪!」」
「「ジャベリン!」」
「チェーンバインド!」
ブゥーン……ガシガシガシッ!!!……ジャラジャラジャラ!!!
椿姫はユーノが劇場版で披露した捕獲系魔法でキングサイジョーの行動範囲を制限し、シュテル(両作品)、レヴィ(両作品)、ユーリ(両作品)、メガーヌさんが一気にキングサイジョーの巨体の至る所へバインドを絡めさせる。
「前回は拒否ったが今回は使わせて貰う!縛れ!!
ジャララララッ!!!
対神宝具もオマケでくれてやる。
「ぬがっ!?」
突然拘束されたキングサイジョーは必死にもがいてバインドや宝具を引き千切ろうとするが、上手く外せない。
「最初は僕が行くよ」
先陣をきるのは亮太。
「
ピュピュピュピュピュン!!!
光弾の嵐が降り注ぎ、
ピキピキピキピキ……パリーーーーン!!!!
光弾がぶつかる度に障壁に罅が入り、瞬く間に大きな音を立てて砕け散る。
まず1枚。
「続いていきますよ『闇を纏いし者』側の私」
「ええ、準備はOKですよ『原作介入』側の私」
次はシュテル(両作品)がルシフェリオンの先端をキングサイジョーに向ける。
「「シュテル長谷川(
ガスンッ!×2
2人共カートリッジを1発ロードし、瞬間的な魔力向上を行う。
「「ディザスター……ヒィーーーートッッ!!!」」
ドンドンドン!!×2
3連発で放たれる砲撃が
パリーーーーン!!!!
受け止めたかと思いきや、またも簡単に砕け散るドーム型の障壁。
続けて2枚目。
「3番手、鳴海理!!」
「この作品内では初の戦闘だなナギ。せいぜい恥を掻く様なミスはするなよ?」
「はは…頑張ってみるよエヴァ。と言っても動けない相手に攻撃するだけなんだがね」
鳴海少将が苦笑しながら自分のデバイスと会話する。
デバイス名は『エヴァ』でしたか。
しかし次の瞬間、表情はマジメなものに変わり即時に溜めた魔力を放つ。
「『雷の暴風』!!!」
鳴海少将が魔法名を叫び、極めて強力な稲妻と旋風を前方に放つ。
原作でもかなり使用頻度高い魔法だよね『雷の暴風』って。
ズガアアアンンンンンッッッッ!!!!
キングサイジョーの障壁にぶつかり激しい爆発が起きる。
同時に障壁をまた破ったのを感知する。
3枚目……っと。
「「僕達もいくよ!!」」
元気が有り余ってる2人のレヴィ。
「「いっけー!!!光翼斬!!!」」
上段で構えたバルニフィカスを大きく振り下ろし、魔力刃を飛ばす。
ガガガガガガガッッッ!!!!×2
徐々に障壁を削り取っていく魔力刃。
それから10秒もしない内に障壁がまた砕ける。
これで4枚目……本当に脆い障壁だな。
「では暁澪!推して参ります!!」
次の障壁破壊担当は暁だ。
暁の手には武器が握られている。
「食らいなさい豚め!
暁の凄い一撃がキングサイジョーの障壁を打ち破る。
5枚……って、ちょっと待てい!!
「「「「「「「「「「攻撃の描写が超適当!!?」」」」」」」」」」
この場にいた全員から総ツッコミが入る。
『凄い一撃』ってなんだよ『凄い一撃』って………。
もっとこう…あるだろ表現の仕方が。
「《これについてはどうなんだカルピスウォーター?》」
現在、ルーテシア、ジークと共に離れているカルピスウォーターに念話で尋ねる。普通に声に出しても届きそうにないからだ。
「《うむ。『暁の使った武器に関しては本編をお楽しみに』という意味であえて伏せ字にしたり、表現を適当にしてみた。ちなみに暁が使った武器は『神様に願って貰ったヤツ』だと答えておく》」
ああ、第九十六話で暁の性格がマトモになった時、本人が言ってた『神様に頼む報酬』はレアスキルじゃなく武器にしたのね。
ちなみに同じ話で俺が渡した水鉄砲と懐中電灯はまだ暁が所有している。返却する際の条件は『新たなレアスキルを得た時』だからな。
俺としては別に返してくれなくても良いけど。
「《まあ、今はそんな事よりフルボッコ続行しなさい》」
…そうだな。
「「我の出番だな」」
既に準備を終えている2人のディアーチェはエルシニアクロイツを掲げる。
「「死ね!塵芥!!アロンダイト!!」」
ドゴオオオオオンンンンッッッッ!!!!!
殺意の籠もったディアーチェ達の魔力砲撃が障壁に直撃。
残る障壁は後1枚。
「じゃ、俺も働くかな」
『原作介入』側の主人公として最後の障壁破壊を担当する。勿論障壁破壊後のキングサイジョーダイレクトアタック祭りにも参加するけど。
俺は魔力を収束する。
弓矢状の魔力をキングサイジョーに向ける。
「ビューティーセレインアロー!!マジカルシューーートッ!!!!!」
弓矢状の魔力を射出する。直後…
「「「「「「「「「「それは『赤ずきんチャチャ』だろ!!!」」」」」」」」」」
何ていう総ツッコミが聞こえたが気にしない。こういうのはノリと勢いで言った者勝ちだ。
そんなやり取りをしてる間に最後の障壁も砕け、これでキングサイジョーに攻撃が通る様になった。
「馬鹿な!?
意外そうな顔をするキングサイジョー。
もしかしてコイツ、
ちなみにバインドと
だがキングサイジョーは自分の背後に投影で剣を精製し始めた。
…デケェよな。
「この薄汚いモブ共が。テメエ等を片付けてシュテル達は俺が救ってみせる!!」
はいはい。どうせ背後の剣を一気に投擲して
けどそんなデカい剣爆発させたらお前が『嫁』と呼んでいるシュテル達も巻き込むからな?
「うらああぁぁぁぁっっっ!!!!!」
しかし激昂してるキングサイジョーは問答無用で投影剣を一斉投擲してきた。
「
「
襲い来る剣の群れを前にアリスが書物型のストレージデバイス『白天の書』を起動させるとデバイスの音声が響く。
次の瞬間、魔力によって構成された巨大な魔獣の群れがアリスの周囲に次々と溢れ出し、投影剣に向かって飛び掛かる。
魔獣に剣が突き刺さると爆発が起き、剣、魔獣共に消滅する。
魔獣はその身を盾にして俺達を投影剣の雨から守ってくれる。
ちなみに爆発が起きているのはアリスの操作によって魔獣が自身を爆発させているからであって
消滅した魔獣は再びアリスの魔力と白天の書によって再構成され、再び剣に向かっていく。
だがあれだけの巨体を持つ魔獣を構成するとなると魔力の消費も半端無いだろう。
「アリス1人では厳しいでしょう?私も手伝うわ」
アリスと肩を並べるのは椿姫。
「久々にメティスを使うとしましょうか。顕現なさい『ペルセポネ』。そして飲み込みなさい」
椿姫が言葉を発すると背後に影が立ち昇り、徐々に異形の怪物へと姿を変えていく。
影の怪物は剣の雨の一部を吸い込んで無力化する。
『ペルセポネ』
『カミカゼ☆エクスプローラー!』原作において宇佐美沙織のメティス『アンブラ』のセカンド。全てを飲み込む影の怪物。メティス波をはじめ、電気・光・熱などのありとあらゆる『エネルギー』を飲み込み無効化するブラックホールだと沙織は述べていた。メティスが感情エネルギーや人を飲み込んだ場合、その人の記憶や心の声などが流れ込んでくるが、脳の記憶力が許容量を超える場合があり、ヘタをするとしばらくの間、脳への負荷のため昏睡状態に陥る。メティス波を根こそぎ飲み込まれたメティスパサーはしばらくメティスが使えなくなり、完全に元に戻る保障はない。沙織の『他者を識りたい』『友達が欲しい』と思う心から、貪欲な方向に進化したメティスである。
アリスと椿姫のおかげで俺達は防御を気にせず攻撃に集中出来る。
「なっ!?椿姫にアリス!!どうしてだ!?お前等もクソモブとオカマモブに操られてるのか!?」
「
「アリスの言う通りよ。いい加減鉄先輩と愛を育んでおきなさいな」
キングサイジョーの台詞を否定するアリスと椿姫。
「くっ…あのクソモブとオカマモブめ。椿姫とアリスの本心では無い言葉を無理矢理言わせるなんてまさに外道の極みだな。早急に奴等を潰して俺が…」
「ガイスト・クヴァール」
「ぐあああぁぁぁぁぁっっっ!!!」
何かキングサイジョーが喋ってる途中で攻撃を加えられ、台詞が途切れて悲痛の声を上げだした。
キングサイジョーの足元には攻撃を加えた張本人、ジークの姿が…。
「……………………」
って、『エレミアの神髄』が発動してるーーー!?
さっきの一撃…『
「《おいカルピスウォーター!!何でジークが参戦してんだよ!?》」
「《いや、大量の投影剣見た時に身の危険を感じたっぽくてな。その際に『エレミアの神髄』がね…》」
待て。普段は『エレミアの神髄』を抑えている『
「《ああ…何かさっき外してたぞ。その時に…ねぇ》」
何でそんな都合良いタイミングで外してんの!?
「むー…わたしもやっつけるー!」
更に
トテトテと可愛らしく走って来たルーテシアと、その後を追ってやってきたカルピスウォーター。
「くらえーー!『あいすたいむかぷせるーー』!!」
ルーテシアから冷気の弾丸が無数に放たれる。
パキパキパキパキ!!
「なっ!?身体が!?」
冷気の弾丸が直撃する度にキングサイジョーの身体が凍り付いていく。
もっとも今のルーテシアでは下半身を凍り付かせるので一杯一杯みたいだった。巨体であるキングサイジョーの下半身全てを凍らせるだけでも凄いんだけどね。
ヒエヒエの実を食べたルーテシア……恐るべし。
「おお?凍らせて良いの?なら私もやっちゃうよ!」
雪奈がそう言うと右腕をグルグル回して一層やる気を見せる。
その手に握られている
「氷の彫像にしてあげるわ。
ドオンッ!……パキパキパキッ!
「う…うおおおおぉぉぉぉぉぉっっっ!!?」
抵抗も出来ず、あっという間に上半身を凍り付くし、キングサイジョーの彫像が出来上がった。
…フルボッコやり終える前に終わっちまった。ついでに
「《お…おぉ……》」
ん?
「《真オリ主が…この程度でええぇぇぇぇっっ!!!》」
バキバキバキ……バキイイィィィィンンン!!!
凍り付いて喋れないから念話で叫ぶキングサイジョー。
氷に罅が入ると、一気に砕けてキングサイジョーが復活する。
と言っても氷から解放されただけでバインドと
「アイツしぶといねマイスター」
「ああ、だがダメージは通っているんだ。プランは変更せずこのままでいく」
アニメ、劇場版でもクロノが似た様な事言ってたぞ雪兎。
いや…雪兎がクロノの台詞を雪兎風に言ったと言うのが正しいか。
「とはいえ、そろそろ俺も殺るか。はあああぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
一気にキングサイジョーに向かって突撃する雪兎。
と、同時にデバイスである大剣に魔力で変換した炎を纏わせる。
「受けろ!!焔斬り!!」
ズバアッ!!
雪兎が振り下ろす一閃。
燃え盛る大剣の一撃を受けたキングサイジョーは斬撃と火傷…二重のダメージを受ける。
「ぬがああぁぁぁぁっっっ!!!!オカマモブウウウゥゥゥゥゥゥッッッッ!!!!!!」
斬り付けられたキングサイジョーは怒りの籠もった目で雪兎を睨みつけるが、睨みつけられている本人は何事も無い様に視線を受け流している。
「「では私達も」」
続いて2人のユーリもキングサイジョーに向かう。
キングサイジョーの胸元にいつの間にか突き刺さっていた剣の柄を掴んで、剣を引き抜く。
で、一旦距離を取る。
「「エンシェント…マトリクス!!」」
次に、引き抜いた剣を再びキングサイジョーに向かって投げつけ
「「たあーーーっっ!!」」
突き刺さった剣の柄を踏みつけて更に深く刺し込んだ後、高く跳躍する。
直後、剣が大爆発を起こし、キングサイジョーにダメージを与える。
「がはあっ!!」
おっ?
中々に効果があったみたいだな。
「皆の魔法に比べたら微々たる威力だけど…リフレクトミラージュ!!」
メガーヌさんがキングサイジョーの周囲に反射用の魔法陣を展開し、複数の砲撃魔法を魔法陣に当てる。
バシュバシュバシュバシュバシュ!!
魔法陣に当たった魔力砲撃は別方向に反射し、また別の魔法陣に当たったりキングサイジョーに直撃したりしている。
四方八方から襲い掛かる反射砲撃魔法。あれって『なのはViVid』でルーテシアが使用した魔法だよな?メガーヌさんも使えたんだ。
「うぐ…お、おおおおぉぉぉぉ!!!!」
苦しんでる苦しんでる。
一通りの攻撃を終えたのでそろそろフルボッコもフィナーレとしようか。
皆にその旨を伝え、一斉に同時攻撃の準備に入る。
ただしメガーヌさん、アリス、雪奈はジークとルーテシアを連れて距離を取り避難する。
雪奈は広域殲滅魔法が得意らしいから避難しなくても良かったんじゃあ…。
「「疾れ明星!すべてを焼き消す炎と変われ!」」
「「轟雷爆滅ッッ!!」」
「「紫天に吼えよ我が鼓動ッ!出よ巨重!!」」
「「私達は最強の魔法じゃありませんけど、エターナルゥ…」」
「収束収束。光を収束ぅ~……っと」
「トラウマと言えばこの魔法よね。全力全開ぃ…」
「では私は今度はコレを使いましょう」
「エターナル・ネギィ…」
「グラム、フォルム
上から順にシュテル×2、レヴィ×2、ディアーチェ×2、ユーリ×2、亮太、椿姫、暁、鳴海少将、雪兎の順で言葉を発する。
ていうか暁が使ってるのは俺が渡した水鉄砲だ。水鉄砲の安全装置を解除し、狙いを定めてチャージし始める。
俺も今回は宝具を使おうと思い、宝物庫から一本の剣を取り出す。
「
取り出した剣はかの騎士王の象徴とも言える聖剣の姉妹剣であり、担い手と共に太陽の恩恵を受ける聖剣。
皆がチャージしてる中、誰よりも行動が早く済んだ俺が一番手を取る。
「
聖剣の真名を解放する。
『
『Fate/EXTRA』のセイバー(白)が使用する宝具。柄に擬似太陽が納められた日輪の剣でアーサー王の持つ『約束された勝利の剣』と同じく、妖精『湖の乙女』によってもたらされた姉妹剣。伝承では多くを語られる事のない聖剣だった。
王とその剣が月の加護を受けるのに対し、彼とその剣は太陽の恩恵を受ける。『
なお、『
さらに抜刀し、魔力をこめることで内部の疑似太陽が運動し、剣の刀身を可視できる範囲まで伸ばすことが可能である。
キングサイジョーとその周囲を太陽の炎で包む。
「ぬがああああぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!!」
悲鳴を上げるキングサイジョー。
だがそんなキングサイジョーに残りのメンバーが追撃する。
「「真!ルシフェリオン!ブレイカーーーーーーッッッ!!!」」
「「雷刃封殺爆滅剣ッッッッ!!!!!!」」
「「ジャガァーーーノーートォーーーーッッ!!!!」」
「「セイバーーーー!!!!」」
「どりゃあああぁぁぁぁぁっっ!!!」
「スターライトォ…ブレイカーーーーーッッッ!!!!」
「
「フィーーーバーーーーーーッッッ!!!!」
「ジャッジメントォ…ブレイカーーーーーッッッ!!!!!」
「ふふふ……ここ最近
先程同様の順で皆叫ぶ。
何気に最後はカルピスウォーターが宣言通りに参戦してる。ドラクエのアイテム『魔法の絨毯』に乗って。
ていうか
大人気ないぞカルピスウォーター。
ズガガガガガガガガガガガガアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァンンンンンンンンンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
最早キングサイジョーの悲鳴が聞こえない程の爆音がこの空間一帯を支配する。
明らかにアニメ版や劇場版を超えるフルボッコじゃね、コレ?
煙が晴れるのに数分かかり、地面を見渡せるようになると超巨大なクレーターが出来ていたがそこにキングサイジョーはいなかった。
何でだ?
『まさか逃げられたのか?』と思い、俺達はキングサイジョーの姿を探す中、
「……あ、自分デバイス無いから非殺傷で攻撃出来ないんだった」
その事を思い出したカルピスウォーターが『ポン』と手を叩いて呟いた。
どうやら西条は本日、2度目の死を迎えた様だ………。
「ユーリ、大丈夫か?」
「雪兎ですか?私は大丈夫ですけど…」
「そうか良かった。彼女があんなのに巻き込まれたら大変だからな」
雪兎の会話が聞こえ、そちらを見ると安堵した表情を浮かべる雪兎の姿が。けど雪兎…お前は1つミスを犯しているぞ。
「あのですね雪兎…」
「ん?何だ?」
「貴方の彼女である『闇を纏いし者』側の私は
「……………………」
その言葉を聞いて雪兎は硬直する。
そう…雪兎が心配していたユーリは『原作介入』側のユーリだった。
『闇を纏いし者』側のユーリはゆっくりと近付いている。
あれ?ユーリ(闇を纏いし者)の雰囲気が…
「雪兎…」
思わず身が竦む程の声色でユーリ(闇を纏いし者)が背を向けている雪兎に声を掛ける。
よく見たらユーリの色彩が赤色に変わり、肌に模様が浮かんでいる。
あれって、破壊衝動が沸き上がってる時の状態だよね?
「君は自分の彼女である私と、他作品の世界の私との区別もつかないのか?」
「マ、マサカ…ソンナワケナイジャナイデスカ」
「そうか。所で何故君は私に背を向けたまま喋っているのだ?失礼だと思わないのか?」
「わ…わたくしごとき凡人がヤミさんを見る等恐れ多い事でして…」
「私は気にしない。だからまずはコチラを向こうか」
「で…ですがヤミさん……」
「……エンシェント「はいっ!!ソチラを向かせて頂きます!!」…よろしい」
マトリクスをぶち込まれる前に180度反転し、ユーリ(闇を纏いし者)と向き合う形になった雪兎。
「……怖いな、向こうのユーリは」
「ですね」
何時の間にやら俺の隣に来ていたてんというより避難してきたユーリ(原作介入)の姿があった。
「ヤミの迫力はここまでひしひしと伝わってきますね」
「ヤミ?」
「あの状態の私の名前らしいです。何でも『赤い私』が『白い私』の事を『あの子』と呼ぶのに違和感を感じた雪兎が付けた名前らしいです」
「へー…」
「向こうの私はラブラブで羨ましいです」
「あれ…ラブラブなのか?」
今、俺の目の前に見える光景は雪兎を魄翼で一方的に攻撃しているユーリ…いや、ヤミの姿があった。雪兎は闇の帷が発動してるのでダメージは無さそうだが。
「はっ!?そうです!!カルピスウォーター!!」
「ん~?呼んだか?」
「今すぐこの作品のタグに『オリキャラ(又は勇紀)×ユーリ』のタグを付けて『ハーレム』のタグは消して下さい!!」
「何で?」
「何でって…私と勇紀がラブラブになるためです!!////」
ユーリ(原作介入)がカルピスウォーターに直訴し始めた。
「待てユーリ!!何抜け駆けをしておるのだ!!」
「随分とセコい事してますね」
「よりにもよってカルピスウォーターに直訴するなんて」
そこへ憤怒の表情を浮かべたディアーチェ(原作介入)、シュテル(原作介入)、レヴィ(原作介入)がやって来た。
抜け駆けしたユーリ(原作介入)が許せないご様子で。
そのままギャーギャーと騒ぎ始めた4人。
「はあ…カルピスウォーター、コレどうすんの?」
「放っとけ。自分は西条を復活させて来る」
「またか?もうフルボッコとか面倒なんだけど?」
「大丈夫。次は何も出来ない様にするから」
そう言ってクレーターの中心に降り立つカルピスウォーター。
西条を生き返らせようにも死体が無いんだけど?
「この辺に灰が落ちてるだろ?それが元々西条の肉体だったものだ」
確かに灰が落ちてる。
「じゃあ、生き返らせるか。『ザオリク』」
カルピスウォーターはザオリクを唱えた。しかしMPが足りない。
「「……………………」」
気まずい沈黙が訪れる。
そういやカルピスウォーターが使った『マダンテ』は全てのMPを消費して攻撃するんだった。
「……さて、アイツ等止めるか」
今の行為を無かった事にしたーーーーー!!?
「MPが無けりゃ呪文使えんからな。仕方ないさ」
魔法の絨毯に乗って再びギャーギャー騒いでる4人の側へ戻るカルピスウォーターと、その後を追う俺。
「…落ち着けお前等。そう言う言い合いは本編でやれ」
「「「「む~~~……」」」」
未だに4人は自分以外の3人を睨み合っている。
「……やれやれだ。どう頑張っても勇紀が最初に愛する女性キャラは
ピシッ
その呟きを聞いて俺はおろか、睨み合っていた4人もカルピスウォーターへ向き、詰め寄る。
「どういう事だカルピスウォーター!?」
「どうもこうも言葉通りだが?」
俺の言葉に表情1つ変えずにカルピスウォーターは答える。
「じゃじゃじゃ、じゃあ誰何ですか?なのは達の誰かですか!?」
シュテル(原作介入)が問い詰める。
「違う。ていうか『リリカルなのは』の原作キャラじゃないし」
更なるカミングアウトキターーーーーーー!!!!?
「ま、まさか『とらハ』キャラか!?」
「それとも今本編で出て来てる『緋弾のアリア』キャラじゃあ…」
「候補として一番ありそうなのは『神宮寺くえす』なんですが…」
ディアーチェ(原作介入)、レヴィ(原作介入)、ユーリ(原作介入)も混乱しながら予想してる。
「すべて外れだ。てかまだ本編に出てないし」
どういう事だよ!?
「これは勇紀が中学2年の時、とある事件が2件起きてそれに巻き込まれる。2件とも異世界へ次元漂流するんだが、その内の1件で出会うんだよ。勇紀が初めて愛する女性キャラがな」
「「「「「……………………」」」」」
俺達は静かにカルピスウォーターの告白を聞く。
「ま、もっとも自分は中学2年の時の内容は書かんから、そういう設定で行くだけの予定だがな」
「いや、そういう設定あるならちゃんと書けよ!!?」
「書いたらSts編が更に遅くなるから却下。書くなら後日、外伝か普通の番外編としてなら書くかもな」
何その適当な対応!?
「もっとも、これはあくまで『予定』だからな。読者の意見次第ではこの設定無くすし」
「読者の許可なんていらないよ!!!そんな設定は却下却下!!!」
「レヴィの言う通りだ!!見知らぬ女にユウキを寝取られてたまるか!!」
「寝取られる心配はないぞ。何せ『ハーレム』タグがあるからお前等も立派なハーレム要員だし。ただ勇紀が最初に愛し、『初体験』を済ませてしまう相手だっていうだけだ」
「「納得いきません!!!!」」
皆必死に拒否るよなぁ。
しかし俺が愛し、は、はは初体験を済ませる女性キャラだと?
ただでさえ鈍感街道まっしぐらな本編の俺を振り向かせるなんてどんな女性なんだ?
「その女性ってオリキャラか?それとも他作品のキャラか?」
「ふっ…これ以上はネタバレせんよ」
不敵に笑うカルピスウォーター。
これだともう何も教えてくれなさそうだ。
「ま、アンケートでも取るからこの設定が採用か不採用かは読者の意見に委ねるとしよう」
「むー!!!読者の皆!!!絶対に不採用に一票入れるんだよ!!!」
「そうだ!!!決して採用なんてさせるでないぞ!!!」
レヴィ(原作介入)とディアーチェ(原作介入)はこの小説を読んでいる読者に必死に訴えている。
「…向こうの我等は大変だな」
「見知らぬ女がメインヒロイン宣言された様なものですからね」
「その点ユキはユーリ一筋だろうから安心だね」
同情する様な視線を向けながら喋る『闇を纏いし者』側のディアーチェ、シュテル、レヴィ。
「雪兎、私達の世界に帰ったらしっかりとO☆HA☆NA☆SHIするから覚悟しておけ」
「勘弁してくれヤミ!!俺が悪かったから!!」
そして未だ攻防が続いている雪兎とヤミ。
「僕達、忘れられてる?」
「でしょうね」
「あはは…長谷川君も大変ですね」
「この作品が『ハーレム』どころか『超・ハーレム』系だから彼の
「ママ~、わたしねむたくなってきた~」
「そう…おいでルーテシア」
「うぅ…兄さんが次元漂流してる間、
「…自分の作品へ帰る準備しよっかアリス」
「
亮太、椿姫、暁、鳴海少将、ルーテシア、メガーヌ、ジーク、雪奈、アリスはそんな状況を見詰め、
~~あとがき~~
という事で早くもコラボ第2弾でした。
今回のお相手は、夜の魔王様がハーメルンで執筆されている作品『魔法少女リリカルなのは 闇を纏いし者』でした。
本編中で語った様に前回のコラボ編を投稿して3時間足らずでコラボ依頼きたのでマジ驚きました。けど依頼が来たのは嬉しかったです。だから本編そっちのけで書いちゃいました。本編の更新を待っている方には申し訳ございませんでした。
今回は『西条をフルボッコして下さい』という依頼もあったので最初は勇紀と雪兎が組んでボコる予定だったのに気付けば全員参加のフルボッコ祭りになってました。まあ、息抜きにA’s劇場版のブルーレイ見て路線変更したのが理由なんですが。
夜の魔王様や読者の皆様に満足して頂ける内容なら良いんですけど。
コラボは現在も絶賛募集中なので気が向いた方はショートメールでご連絡どうぞ。ただ、本編の兼ね合いもあるので次回以降のコラボはもっと間が開くかもしれませんが。
それと久々のアンケートです。内容は本編でも自分が言ってた様に『勇紀が最初に愛した女性』が登場する事件に関してですが。
①この設定採用。けどやるなら外伝もしくは番外編として!
②この設定採用。てか本編に組み込め!
③この設定採用。けど設定だけで書く必要は無え!
④この設定不採用。いらんだろこんな設定。
てな感じの四択です。
①は書くとしても更新は『原作介入』優先のため、物凄く不定期更新です。
②はSts編に入るのが更に遅くなります。ええ、メッチャ遅くなりますとも。Sts編を少しでも早く読みたい方には推奨出来ません。
③は勇紀にそういう設定だけ加えて外伝とかは一切書かないです。
④は今まで通りですね。
期限は11月24日(日)までです。
ま、気が向いた方は投票して下さい。
あ、ルーテシアの召喚獣の件はアンケート取りません。あんなのに賛成する方なんていないと思いますんで。
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