No.63562

帝記・北郷:十二~二張来々~


帝記・北郷の続き。

短いんで短期更新です。

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2009-03-16 04:58:38 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:6763   閲覧ユーザー数:5873

『帝記・北郷:十二~二張来々~』

 

 

「はぁはぁはぁ…」

険しい…そんな言葉すら生温く感じるような山道を、雪蓮は進んでいく。

蒼亀から、賢者の住む山と教えられたこの山に修行の為に入ったのは何日前だったろうか。

山に入って何日経ったのかすら解らない。

今が昼なのか夜なのかも解らない。

とにかくこの山は異常だった。先程太陽が昇っていたかと思えば、次の瞬間星々が輝き、白い霧が出てきては周囲を覆い。危うく崖から落ちかけたことも一度や二度ではない。

本当にこんな所に人が住んでいるのか?騙されたのではないか?

そんな疑念にさいなまれながらも、もはや山から降りることもかなわない雪蓮は、棒のような脚をひたすら前に進めた。

しかし、やがてそれにも限界が来る。

ほんの小さな石につまずく。

たったそれだけで、雪蓮の体は朽ちた木の倒れるかのように地に伏した。

何とか両腕の力を使い起き上がろうとするが、すぐに力が抜けてしまう。

朦朧としてくる意識。

死というものがひどく明確に感じられた。

(……死ねない)

ただそれだけ。

それだけの思いが、彼女の四肢を動かす。

それでも立つことは敵わない。

(死ねない…帰るって一刀と約束したんだから、一刀を頼むって龍志に頼まれたんだから!!)

だが無情にも体は言う事を聞かない。

ただ思いだけが激しく踊る。

その時だった。

「おやおや…しばらく山を開けている間に随分と可愛らしいお客さんが……それも、随分と熱い心の持ち主だ」

場違いに穏やかな声が響いた。

雪蓮はそちらに顔を向けようとするが、それすらも叶わない。

「だ…れ……?」

ただ小さくそう呟いただけ。

「私は水鏡…。揺らげども砕けぬその身に、朧の中の一抹の真実を映すもの」

驚くほど澄み慈愛に満ちた声を聞いて。

雪蓮の意識は深い闇の中へと落ちて行った。

 

 

揚州・合肥城。

長江支流の一つから突き出たような場所に位置する巣湖の北岸にあるこの城は、新魏からすれば対呉線において長江流域に匕首を突きつけるような前線基地であり、孫呉に対する攻撃、防衛そのどちらにおいても一大拠点である。

そして孫呉にとっても、長江流域の地盤を完全に確保する為にも必須の地であった。

新魏王・北郷一刀の意思により対呉戦線の指揮を任された美琉こと張儁艾と霞こと張文遠は、十五万の呉軍を相手に二万の兵で対峙すること七日。孫呉の攻撃を一切受け付けなかった。

加えて孫呉に先導された群盗の制圧の為に動かしている臧覇と侯成率いる各々一万の軍勢も、掃討作戦をまもなく完遂しようとしている。

しかし、余談は出来ない。相手はこちらの総兵力の三倍近い数を誇っているのだ。

一刀の率いる本体が到着するまであと三日はかかる。

二人の名将の下、城兵達の士気は高かったがその疲労は日に日に大きくなっていっていた。

 

「霞様!!どこに行くのですか!?」

「どこて…ちょっくら孫権に挨拶しに行く言うてるやん凪っち」

「無茶です!!たった八百の兵士で無謀すぎます!!」

城門の裏で、騎馬に跨った霞を徒歩の凪が必死にとどめていた。

霞の後ろにいるのは張遼隊の中でも特に精鋭といわれる例の旗本八百騎だ。

「八百いうても舐めたらいかんで。うちと董卓軍の頃から戦い抜きて来とる精鋭達や。孫呉のひょろひょろ兵士なんや敵やあらへん」

「し、しかし……」

「どうしたん?凪」

そこにふらりと現れたのは、凪の親友の一人・真桜。

何か面白いことでもあったのかと目を輝かせているその顔を、一瞬凪は殴ってやりたくなった。

「真桜も止めてくれ…実は霞様が……」

「大変大変大変なの~~!!」

凪が言い切るより速く、通りの向こうから沙和が駆けてきた。

「凪ちゃん真桜ちゃん~~」

ぜいぜいと息を切らしながらも、沙和は必死に息を整えて言葉を絞り出す。

「美琉様が疲れがたまるから八百で弓を持ってるの~~!!」

「は?」

「へ?」

「ほえ?」

意味が通っているようで通っていない沙和の言葉に、霞まで口を開けていた。

「と、とりあえず沙和、落ち着き…」

「落ち着いてられないの~~!!」

阿鼻叫喚。

どうしたものかと頭を抱える三人に、凛とした声音が響く。

「おや…霞も同じ考えでしたか」

「ああ!来ちゃったの~~!!」

泡を来る沙和に、一同がそちらに視線をやると、鉄の長弓を携えて馬に跨った美琉が騎馬隊を引き連れて佇んでいた。

「ああ、美琉も行くんか」

「ええ、戦はこちらが優勢とはいえ数の不利はじわじわと効いてきていますからね。この辺りで城兵に喝を入れようかと思いまして」

鞍に結んだ矢筒の中の矢羽を弓で弄びながら美琉が言う。

そのうち何本かは必殺の鉄矢。それ以外も通常の矢よりも太く頑丈な彼女御用達の矢である。

「ふ~ん…で、本音は?」

「……あなたこそ」

ニヤリと笑みを浮かべる霞と、冷笑を浮かべる美琉。

その異常な空気に、三人娘は思わず声を失う。

「その槍…いつもの偃月刀じゃありませんよね」

「ああ…華雄が出て行く前に無理行って貸してもろたんや」

そう言って霞が見せたのは、白い房の付いた大身槍。

龍志の愛用したあの槍である。

「うちの友人(ダチ)が認めたゆう孫権の器…それが本物かどうか確かめるんに、そしてその命を断つんにこれ以上の武器はないやろ?」

「確かに…私もそう思いますよ」

美琉も自分の弓を霞に見せ。

「だから私も…あの人から頂いたこの弓で孫権の天祐を問います」

「気持ちは同じか……ほな、行こか」

「ええ」

そして二人は馬を並べて城門をくぐる。

その後に、各々八百の手勢が続いた。

「く…真桜!止めないと!!」

「そうなの~いくら二人でもこれじゃ無謀なの~」

「……無理やな」

必死に呼びかける二人を、真桜は一言で切り捨てる。

驚く二人に、真桜は一言。

「もしもや…先の戦いで死んだんが龍将軍やなくてうちやったら、二人ともどうした?」

はっとした顔をする二人に、真桜は静かに頷き。

「そういうこっちゃ…もう二人を止められへんよ」

すでに城門を出切った二人の部隊を見送った。

「張遼隊!行くで!!」

「張郃隊!出撃する!!」

 

 

一方その頃、呉の陣。

「仲謀殿。いかがなされましたか?」

孫権の幕舎が置かれている丘の上。そこに佇み合肥城を見る孫権に、徐盛が語りかけた。

「いえ…ちょっと考え事をね」

「考え事?」

「ええ…北郷一刀。龍志が誰よりも認めてその命を捧げた王。その彼ともうすぐ相まみえることになる」

龍志に認められた自分。そして龍志が彼女以上とみなした王・北郷一刀。

王の選定者に認められた二人が間もなく雌雄を決する。

「本当ならば、この合肥よりも呉国内部に彼等をおびき寄せて叩くのがより有利だという事は知っているわ…でも私ははやる気持ちを抑えられない。まだ見ぬ未知の王と刃を交える…その昂ぶりを拭えない……愚かだと思うかしら?」

「…元来、王とは常人には測れぬ者。その賢愚を判断することは私には過ぎたことです。ただ、あなたはあなたの王道を行けばいい。我々は命をかけてそれに付き従うだけです」

「……ありがとう」

ふっと笑みを見せる孫権に、礼をする徐盛。

そして孫権が再び合肥城に視線を戻した時だった。

「?何か近付いて……」

「敵襲です!!張遼率いる約八百騎が本陣目指して真っ直ぐに突っ込んできます!!」

泡を食った伝令に、孫権は鋭い声で。

「うろたえるな!!八百程度なら慎重に包囲して殲滅なさい!!」

「はっ!」

孫権からの指示を伝えに散っていく兵士達の背を見送り、やれやれと孫権は溜息をつき。

「まったく…この間の龍志の単騎駆けのせいか、ああいうものに兵士が怯えてしまいがちね」

苦笑するして徐盛を見る孫権だったが、彼の顔が険しい事にすぐさま笑みを消す。

「御主君…一刻も早くこの場をお離れくだされ」

「え?」

「速く!!この敵軍の放つ威風は尋常じゃない!!」

 

ドォーーーーーーーーン!!

 

「じ、陣門が破られましたーー!!」

陣の正面から悲鳴が響く。

信じられない光景だった。木製とはいえ頑丈な陣門が一太刀で斬って捨てられたのだ。

「おらおらおらーー遼来々や!!死にとうないんなら道を開けんかい!!」

先頭を行く霞の槍が煌めく度に、兵士達が朱に染まる。

一撃必殺。たとえ相手が先に襲いかかろうともその刃が届く前に相手を斬る。まさしく神速の刃。

幾人かの将が、得物を手に彼女の行く手に立ちふさがる。

「邪魔やーーーーーーーーーーー!!!」

大喝しながら大身槍を斜十字に振るう。

次の瞬間、その将達は成すすべもなく馬ごと身を裂かれ骸をさらしていた。

その武威に、先日の龍志の姿を重ね見たのか呉兵に動揺が走る。

だがそんな呉兵の動揺など歯牙にもかけないと言うように、霞を先頭に一丸となった張遼隊はただひたすらに孫権のいると思われる一際立派な幕舎を目指して駆け抜ける。

「御主君!!」

「あ、ああ…」

徐盛に促され、孫権は馬に跨ると後陣目指して駆けだした。

本来ここで総大将を退かせることは得策ではない。

だが、このままここにいても敵にみすみすその命をくれることになると徐盛は考えた。

それほどまでに張遼隊の勢いは凄まじい。

「待たんかい孫権!!総大将が後ろさらすんかい!!」

「挑発に乗ってはなりませぬ!!」

右手に矛。左手に楯を持った徐盛が霞に躍りかかる。

「ええい!邪魔すんなや!!」

 

ゴッガッドッゴキッ

 

嵐のような連撃を放つ霞。

その勢いに押されながらも、徐盛は隙を見ては矛で反撃をする。

その地味だが堅実な戦法に、霞も相手を崩しかねていた。

となると、勢いの殺された張遼隊は敵陣で孤立することになる。

それが徐盛のねらいであった。無理に霞を倒す必要はない。時間を稼ぎさえすれば、兵力差で敵は瓦解する。

もしもそれが張遼隊のみだったならば、それで終わりだっただろう。

「徐将軍!敵の一部隊が後陣へ向かう孫権様の一隊を追跡しています!!」

「何だと!!?」

思いがけない報告に、徐盛の動きが乱れる。

それを見逃す霞ではなかった。

「もろうた!!」

「くっ!?」

咄嗟に身をひねり直撃を避ける徐盛だが、したたかに肩を斬られる。

刹那、霞は徐盛の傍らを駆け抜け、再び孫権を追った。

 

 

「孫権!!この張儁艾の弓を受けよ!!」

気焔をあげながら孫権とその護衛に迫るは、先程敵陣の混乱に乗じて回り込んだ美琉率いる八百騎。

始めからこの作戦は二段構えだったのだ。

霞がまず本陣を攻める。それで孫権が斬れればよし。そうでないならば回り込んだ美琉が孫権を討つ。

突如横から現れた騎馬隊に、孫権隊は方向を変えて山へと進路をとる。

(山に逃げられたらそれまでか…ならばここは時間との勝負!!)

矢筒から鉄矢をとり出し、美琉は弓につがえた。

「孫権の天命を…この矢で貫く!!」

放たれる必殺の一矢。

それは真っ直ぐに飛び、孫権を護衛する兵士を三人貫いて止まった。

何という威力。重い鉄矢でありながら、遠方の孫権めがけて恐るべき精度で飛んでくる。

単純に精度だけならば蜀の黄忠、厳顔や、新魏の黄蓋、夏侯淵の方が上であろう。

だが彼女の矢は、一撃で肉を抉り骨を断つ破壊の矢。

再び放たれる美琉の一撃。今度は鉄矢ではなく太い木矢であった。

それは二人の兵士を貫き、孫権の頭上ギリギリを通過する。

もしも誰にも当たることがなかったら、その矢は孫権の頭を貫いていただろう。

「く…何という豪矢」

「そ、孫権様!!張遼が左方より迫ってきております!!」

「何!?」

孫権隊の左方より疾風迅雷の勢いで迫るは、本陣を脱出した張遼隊。

後ろには本陣からの追撃を受けているが、狙うは未だに孫権の首一つ。

背後には破壊の弓将・張儁艾。左方より迫るは神速の驍将・張文遠。

孫権に従う兵士は五百程度。

(絶体絶命か…だが何故だろうな。何故か血は未だに滾っている。そして恐怖は無い……)

「……全隊止まれ!!」

突如、孫権は部隊の歩みを止めた。

思いがけない事態に動揺する兵士達に、孫権は簡潔に言う。

「皆…巻き込んでしまってすまない。だが、逃げるのはここまでだ!!私の天祐を信じて…私に従ってくれ」

そして孫権は部隊に円陣を敷かせる。

兵士もただ逃げていてもどうしようもないと言う事は解っているのか、その指示に素直に従った。

まず迫りくるは張郃隊。

「孫権!!」

放たれた美琉の矢を、孫権は紙一重避け馬を前に進める。

「いい加減逃げるのも飽きたのでな!!」

それに対して美琉が第二矢をつがえた時。

「孫権ん!!」

横から張遼隊が突っ込んできた。

「いくで…おのれの命じゃ割に合わんが、友人(ダチ)の仇取らせてもらうで!!」

振るわれる霞の疾風の豪撃。

それを孫権は時に剣で受け、時にかわし、紙一重でかわしていく。

そう、何もかもが紙一重。

龍志の剣とは違う。王の天命を問うものではなく、天命をただ穿ち抉るための狂撃。

それが全て紙一重で孫権には届かない。

埋まりそうで埋まらないその隙間。

(何や…何で当たらん……これが孫権の天祐っちゅうんか!?)

「霞!!」

背後からの声に、霞は咄嗟に身を横にずらす。

そこを美琉の鉄矢が駆けた。

「っあ!!」

 

ギイィィィン!!!

 

反射的に剣で受けた孫権だったが、矢の威力の前にその剣は真っ二つに砕け折れた。

「これで終わりや!!」

「さらばだ孫権!!」

その機を逃さず襲い来る、霞の槍と美琉の鉄矢。

その二つが、孫権には驚くほどゆっくりと見える。

(死ぬのか…私は。私の天祐はこの程度なのか!!)

かっと眼を見開く孫権。

その眼は死に逝く者のそれではない。

(まだだ…まだ死ねない!!龍志の見極めた王器はこの程度で砕けるはずがない!!)

 

 

ガギィン!!

 

「な……」

「何やて……」

刹那。戦場に吹き渡った一迅の風。

「りゅ、龍泰……」

ホッとした表情で笑みを浮かべる孫権を庇うように白馬に跨るは、龍を模した被り物で顔を覆った一人の人物。

その異形に、歴戦の勇士である霞と美琉も息を呑む。

いや、異形故にではない。

その者の放つ凄まじい威圧感に、二人とも悟ったのだ。

目の前にいる存在は、恐ろしく強いと。

「………」

龍面は何も言うことなく、剣を構える。

その構えには、一部の隙もない。

いや、隙はあるのだ。そう、武の達人でなければ見抜けないような僅かな隙が。

もしも霞が少し腕が立つ程度の武人だったならば、その隙を突こうとしただろう。

だが、霞や美琉程の武人なら解る。これは誘いだ。それに乗ったら間違いなく自分達は荒野に躯を曝すことになるだろう。

すでに敵兵も態勢を整えてきており、この場に長居するのは得策ではない。

だが、霞も美琉も動けなかった。

恐怖故ではない。ただ一つの目の前の事実。

そう、龍泰が持つ剣が龍志の愛剣・碧龍の片割れであるということ。

「……何で、何でおどれがその剣を持っとるんやーーー!!!」

始めに動いたのは霞だった。

大身槍を風車のように振り回し、激しい連撃を放つ。

それは相手を仕留めるためではなく、相手の構えを崩し無理やり隙を作る為の攻撃。

「………しっ!!」

それに応じて龍泰が動いた。

ただの一突き。

「ちい!!」

 

ガガガガガガガガガ!!!

 

いや、そうではない。速すぎて一突きにしか見えないだけだ。

霞には見える。彼女に繰り出される無数の突きが。

「く…なんつうでたらめな奴や……」

隙を作る為、先に動いた自分が気づけば防戦一方になっている。

龍泰の腕前は霞の予想を遥かに超えていた。

いや、それ以上に霞を困惑させたのは龍泰の太刀筋に見覚えがあったからである。

(この太刀筋…まさか……)

「霞!!」

横から龍泰の隙を窺っていた美琉が、霞を救うべく矢を放った。

「………!!」

横からの攻撃に、視界の狭い被り物を着けたままでは完璧には対応できなかったらしい。矢を避けたことで龍泰は馬上でバランスを崩す。

その時、美琉は気づいた。

被り物の布に隠れていて気付かなかったが、龍泰には左腕が無い事に。

(隻腕…白馬…まさか!!)

「どりゃああああああああああ!!!」

霞の懇親の一撃が、龍泰を襲った。

 

ザンッ!!

 

しかし、彼女が切り裂いたのは龍の被り物だけ。

「く……」

初めて、龍泰が声を漏らした。

そして今度こそ霞と美琉は、その声となにより露になった龍泰の顔に愕然とする。

「な…阿呆な……」

「ど…どうして……」

切れ長の眉。鋭いが優しさを讃えた双眸。深緑の瞳。女と見まごうばかりの黒髪。

そう、それはまごうことなく……。

「龍泰!!退くぞ!!」

「は、蓮華様!!」

呆然とする二人を尻目に、彼は馬首を返すと孫権の横に並び、姫を守る騎士のように去っていった。

「……何故や」

「………」

「何であいつが…龍志が孫呉の軍におるんやぁ!!」

戦場に木霊する霞の叫び。

だが、それに答える者は誰一人としてその場にはいなかった。

 

                       ~続く~

 

 

後書き

 

どうもタタリ大佐です。

色々と誤解を呼んだ『二張来々』言われてみれば紛らわしかった…すみません。

というか、美琉が張郃だって皆覚えてたのかなぁ……。

何はともあれ、一刀に続いて蓮華の(惑える)王としての姿を書いてみました。そして予定より早い誰かさんの復活。

いや、洛陽から書いていたら随分後だったんですが。

 

それから前作で色々とご指摘を頂いたところで、前回のコメント欄で補足していなかった点を補足するとともに、現在の北郷軍の戦力…というか国力のようなものを簡単に説明したいと思います。

まず、流石に蜀戦線に名軍師三人も割かないんじゃないかという意見…ごもっともです。あれは、三人の内一人でもあちらに向かうだろうから、それだけこちらは有利になるというくらいの意味なんです。表現がまずくてすみません。

それから、一刀の現状を夷陵の劉備と重ねている方がいらっしゃいましたが、根本的に状況が違います。

具体的に言うならば。

一、中原を主な領土としている一刀と益州のみしか所持していなかった劉備との国力の違い。

二、総司令官の冷静さと、軍師の質の高さ。

三、侵攻戦か迎撃戦か。

この三点が大きな違いです。つまり、二人を同一に見ることはできません。

 

 

では、次回作でお会いしましょう。

 

 

次回予告

生きていた龍志

しかし、一刀達の思いとは裏腹に

彼は孫呉の将・龍泰となっていた

困惑する新魏軍

そんな中、呉でも龍志の存在が大きな意味を持ち始めていた

 

次回

帝記・北郷~王佐の才~

 

 

 

 

 


 
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