No.634370

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~世界の光、ブライトの血族~前篇

soranoさん

外伝~世界の光、ブライトの血族~前篇

2013-11-05 11:21:08 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1414   閲覧ユーザー数:1282

~メルカバ伍号機・ブリッジ~

 

「フフ、気にしないで下さい。………私はクロイス家に”幻の至宝”を授けてしまった結果、ゼムリア大陸を再び混沌へと導くきっかけを作ってしまった私の責任を取る為に来たのですから………それに……私も感謝しているのですよ?貴女のお蔭でまたお母様に会え………お母様の話にあったお父様とエレナお母様にようやくお会いできたのですから………」

会釈をされたエイドスは微笑んだ後真剣な表情で答え、そして再び表情を微笑みに変えてミントに視線を向け

「えっと、エイドスさん……いくらクロイス家の人達が今回の事を起こすとわかっていても……」

視線を向けられたミントは真剣な表情でエイドスに話しかけ

「――――わかっています。”歴史の流れ”は守らなければならないのですから。………例えその流れでどれほどの犠牲や悲劇が出てしまおうと………それが私が愛した”人”が創る歴史ならば受け入れるしかありません………」

話しかけられたエイドスは辛そうな表情で頷き

「「………………………」」

エイドスの言葉を聞いたケビンは真剣な表情で、リースは辛そうな表情で黙り込んだ。

「フフ、私もエイドスと同じように本当に嬉しいわ………遥か昔に寿命の関係で死別した大好きなお母さんとお父さんにまた会えたのだから。こうしてまた会えるなんて夢みたい………」

(クー♪)

一方もう一人の女性は微笑みながらエステルとヨシュアを見つめた後嬉しそうな表情でエステルに抱き付き、サティアの中にいる母より受け継いだ”白水竜”クーは嬉しそうな鳴き声で鳴き

「ア、アハハ……あたしの方は凄い複雑なんだけど………産んでもいないのに、こんな大きすぎる娘が現れるなんて……しかも結婚しているし………」

「お願いしますから絶対に僕達の未来を教えたり、僕達を親扱いしないで下さいよ、サティアさん………」

サティアに抱き付かれたエステルは苦笑した後溜息を吐き、ヨシュアは疲れた表情で女性―――サティアを見つめて言い

「ええ、わかっているわ。―――エステル、ヨシュア。」

ヨシュアの言葉にエステルから離れたサティアは微笑みながら頷いた。

「けど、”サティア・ブライト・シルフィル”ね~。この名前で既に誰と結婚しているかバレバレじゃない……」

エステルは苦笑しながらサティアを見つめ

「ねえねえ、サティアさん。サティアさんが結婚する時、セリカさんはママとパパに頼み込んだのかな??」

ある事に気付いたミントは首を傾げて尋ね

「ええ。ちゃんと頭を深く下げたわよ。」

尋ねられたサティアは微笑みながら答え

「な、なんか全然想像できないよね……」

「そうかしら?あたしからしたら当然だと思うけど。………ちなみにその時のヨシュアは『娘を貰いたければ僕に勝つ事だ!』って言ってセリカと戦わなかったの?」

サティアの答えを聞いたヨシュアは苦笑し、エステルは首を傾げた後ある事を思いついて尋ねた。

「いいえ?そんな事はなかったわよ。」

「何よもう~。ヨシュアったら情けないわね~。娘の父親は娘を貰う男と戦うのが常識でしょう!!」

サティアの答えを聞いたエステルは呆れた表情でヨシュアを見つめた後真剣な表情で声を上げ

「いやどう考えても100%僕が負けるし、そんな常識聞いた事ないから。」

ヨシュアは疲れた表情で指摘したが

「あ………でも、ヨシュアがお母さんと結婚する時、お祖父さんと戦ったっていう話は聞いた事があるような………」

「え”。」

「うんうん、さすが父さんね!って、その『お母さん』って言う呼び方は止めてって言ったでしょう!?お母さんそっくりの容姿で、しかも子供も産んでいないこの歳でそんな事言われるなんて、凄い違和感を感じるのよ~!!」

ある事を思い出して呟いたサティアの話を聞いたヨシュアは表情を引き攣らせて大量の冷や汗をかき、エステルは納得した様子で頷いた後すぐにジト目でサティアを見つめて指摘し、声を上げた。

 

「フフ、つい癖で呼んでしまったわ。ごめんね、エステル。……そういえば………結婚で思い出したけどミント姉さんが結婚する男性にはエステルとヨシュア、それとお祖父さんが一人ずつ順番で相手をしていたわ。」

「わあ―――――――――ッ!サティアさん、ストップ、ストップ!ミントがいつ結婚したとか、ミントの旦那さんが誰かとか絶対言わないでっ!!ミントも未来のミントも自分の未来をサティアさんに聞かないようにしているんだから~!」

さらにサティアが呟いた言葉を聞いたミントは慌てた様子で叫んだ後必死の表情でサティアを見つめて言い

「へえ………?一体誰がいつ、ミントと結婚するのか気になるね………」

「全くよ!一体どこの馬の骨が何年後にあたし達の可愛いくて純真なミントを奪うのよ!?」

一方ヨシュアは全身に膨大な殺気を纏って笑顔になり、エステルは怒りの表情で頷いて叫んだ。

「ア、アハハ………」

二人の様子を見たミントは苦笑し

「ていうかエステルちゃんとヨシュア君に加えて”剣聖”と一人で戦うって………」

「ご愁傷様としか言いようがない………というか一対一であの3人と戦って認められるなんて一体どんな男性か凄く気になってきた。」

ケビンは大量の冷や汗をかき、リースは目を伏せて呟いた後興味深そうな表情をし

「フフ……………そういえばそうだったわね。(きっと幼い頃からミント姉さんに恋焦がれていた自分達の弟――――アドル叔父さんがミント姉さんの結婚相手だと知ったら驚くでしょうね………)」

(そう言えばお父様も私が結婚しているって知った時、祝福してくれたお母様達と違って、凄いショックを受けていたようだけど………”父親”はみんな同じなのかしら?)

サティアは微笑み、エイドスは不思議そうな表情をした。

「えっと………今気付いたのだけど………な、なんかサティアさん、微妙に性格が変わっていない?」

「び、微妙にお茶目な性格にもなっている上、ママに対してすっごく甘えているよね?」

(確実に変わっているわよ………)

(ク、クー………)

その時ある事に気付いたエステルは戸惑い、ミントは苦笑しながら尋ね、エステルの中にいるパズモとクーは大量の冷や汗をかき

「そうかしら?私はそんなつもりは全然ないのだけど……」

「ま、まさにエステルちゃんと同じ天然やんか………」

不思議そうな表情で首を傾げて言ったサティアの言葉を聞いたケビンは表情を引き攣らせた。

「フフ………けどもしそんな風に変わっているのだとしたらきっとお母さんの影響かもしれないわね。私は”家族”の中でお母さんを一番慕っていたし。」

「なるほど………一体どんな教育をしたんだろうね?」

微笑みながら答えたサティアの言葉を聞いたヨシュアは頷いた後呆れた表情でエステルに視線を向け

「ちょっと!そこで何であたしを見るのよ!?それとサティアさん!何度も言っているけど『お母さん』って呼ぶのも止めてって言ってるでしょう!?」

視線を向けられたエステルは声を上げた後サティアを睨み

「フフ、いきなりこの癖を治すのは難しいから許してもらえないかしら?それに私がお母さんの娘として産まれてくることは最初からわかっていたし、何より私はお母さんの血の繋がった娘だし、できるだけ呼ばないように努力するから大目に見てもらえないかしら?」

睨まれたサティアは微笑み

「う”……」

サティアに微笑まれたエステルは表情を引き攣らせて唸った。

(どう考えても原因はお前だろうが………)

(何せ”神”の性格を変えた前科があるしねえ………)

(さ、さすがはエステルさんというか………)

(恐れていた事が実現してしまったわ…………………もう………一体どんな教育をしたのよ………)

(…………………)

(ク、クー………)

(下手をしたらこの娘の子孫はみんなこの娘みたいになるのじゃないかしら?)

エステルの中にいるサエラブは呆れ、ニルとテトリは苦笑し、パズモは疲れた表情になった後呆れた表情で溜息を吐き、カファルーは黙り込み、クーは大量の冷や汗をかき、エステルの棒の中にいるフェミリンスは表情を引き攣らせていた……………

 

 

 


 
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