No.63419

繰り返しながらも新たなる外史[旅]!? 改め ~再演外史~ ~帰還の章~・第三話

つよしさん

「役満」ではなく「役萬」だったらしいです…。

どうも、つよしです。タイトルを変更しました。
今回は、足りない頭を必至に振り絞りましたよー。

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2009-03-15 11:55:05 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:13859   閲覧ユーザー数:9982

おおっ!泣いてませんよ?

 

 

 

 

韓浩「では、ただいまより軍議を始める」

将『は!』

韓浩の号令により、今回「数え役萬☆姉妹」の護衛に来ていた将達が返事をする。

 

一刀「…あれ?」

韓浩「どうされたのですか?」

一刀「護衛に来ている将ってこれだけ?凪とか来てないの?」

将A「な!?なにゆえ楽進様の真名を呼ぶか、貴様!」

一刀「おっと!?」

見知らぬ将に楽進の真名を呼んだことに対してキレられました。

 

…あー、こいつ見たことないなぁ。じゃあ、俺が消えた後の仕官したのかな…。

だったら、俺のこと知らなくても無理ないかもね。

 

 

韓浩「おい!やめろ!」

将A「し、しかしですね!」

へー。韓浩の方が偉いらしい。

韓浩「…お前この方を知らんのか?」

将A「は?知りませんよ…、こんなやつ」

韓浩の問に答えつつ、俺を睨む。

他にも俺を知らない者が警戒の目で俺を見ている。

将B「おいおい、この方は北郷様だぞ?」

将A「…北郷?…ああ。確か魏の種馬とか言……う………っ!しっ!ししししし失礼しましたっっ!!!!」

将Aが頭が落ちそうな勢いで頭を下げる。

 

…なぁ、それは知らなかった事に対しての謝罪か?それとも、その呼び名についてか?

まずは、そこを聞こうか。

 

一刀「あー、いいよいいよ。頭上げて。で、なn…」

将A「ま、誠に申し訳ございません!し、仕官して間もない故!」

まだ、頭を下げる。

 

…知らなかった事に対してらしい。

また目から………な、泣いてないよっ!

 

一刀「いいってば、仕方ないよ。これだけ経ってればね」

種馬についてはスルーしとこう。

 

しかし4年という歳月は長かったらしい。

それでも、覚えてくれてる人はいるんだ。それだけで嬉しい。

 

将A「…?は!寛大な処置、痛み入ります!」

一刀「別に寛大ってわけじゃ…」

聞こえぬよう、呟く。この方が上の立場的にはいいみたいだしね。

 

周りを見れば、他の者も納得の顔をしている。

……お前ら、種馬で納得したのか?

 

 

 

韓浩「…続けてもよろしいでしょうか」

一刀「…ん。ああ、すまない。続けてくれ」

最初から腰折っちまったな。気をつけよう。

韓浩「は。では、楽進様についてですが李典さま、于禁様……、と共に、近くの邑に賊が出たとの報せが入りまして、公演の途中に兵、三千五百を引き連れ討伐に向かわれました」

一刀「賊?」

韓浩「なんでも、邑の付近で屯していると…」

一刀「…規模と距離は?」

韓浩「数は二千程、距離は、約二里とのことです」

一刀「………」

韓浩「あの、如何されましたか?」

一刀「…いや、軍議を続けてくれ」

少し、考える。

確かに凪の判断は正しい。所詮、賊だ。そこまで数はいらない。

とはいえ、こちらも大切な兵を減らすことはできない。そして警備の方も疎かにはできない。だからこそ、その兵数。

だが…。

 

 

韓浩「では、状況の説明を頼む」

将B「は。ねお黄巾党が現れたのは、彼女たちが舞台から下がり、天幕に入ろうとしたとき」

将C「加えて、一刻後にわかは潰す、と近くにいた警備の者に伝えていると!」

 

にわか?

 

一刀「…どういうこと?というよりネオ黄巾党とは何者だ?」

スルーされていたことを今度こそ聞きたい。

韓浩「は。実は、数え役萬☆姉妹の公演のときに、度々、『ふぁん』と衝突しているもの達です」

一刀「…どういう風に?」

韓浩「なんでも、『特等席に座れないやつは本物じゃねえ』、『毎回らいぶに参加しないやつは屑だ』などと罵倒し、公演を見に来ている民と諍いを起こしている連中でして」

一刀「痛っ」

韓浩「…お怪我でも?」

一刀「…いや、なんでもない」

…狂信者ってことか。正直怖いな。華琳もこのことは懸念してなかったか?

けど…

一刀「確か、特等席はかなり値がはって、そうそう座れないはずだけ…ど……って、ああ、だから黄巾党なわけか」

韓浩「お察しの通りです。奴らは村や街を襲っては財を奪い、それを公演の券と変えているようでして。しかも連中は前の黄巾党とは違い、精鋭中の精鋭らしく、各国が捜査網をしいているにも関わらず、なかなか尻尾を掴ませないのです」

 

一刀「ふむ…」

聞けば、連中は本物の黄巾党だという。

本物とはどういうことか?

それは天和たちのファンだけで構成された賊だということ。

 

俺がこの世界に来た頃に討伐された黄巾党は、『和漢洋』ともいうべきか、とにかくごちゃ混ぜだった。

たとえば、ネオ黄巾党のように、天和たちに良かれと思って各地を荒らした者や、あの頃の漢王朝に不満を持って乱をおこした者、乱に乗じて黄巾党に入った匪賊、ノリで、など様々だった。

 

 

天和たちを捕らえたときのことを思い出してみよう。

 

連中はでかくなり過ぎた。

様々な賊が入り乱れ、指揮系統もバラバラ。武具や防具、様々な物が不足していた。

それは主への敬慕の差から生まれたものだ。

だから最後はあっけなかった。

主がしっかりとしている『個』は軍として、強固な『個』として動くことができる。が、思想が違いし『個』が集まれば、それは只の烏合の衆。

それが黄巾党崩壊の原因。

 

だが、ネオ黄巾党は違う。

彼らは天和たちを首魁として置いている訳ではない。

だが、目的は一つ、思想は一つ、欲望は一つ。

そう、たった一つ。

 

これは、この大陸を統治している『魏』、『呉』、『蜀』。

この三国も目的は一つだった。

 

 

目的が一つという点では同じだ。

 

だが、三国の目的は壮麗であり雄大だった。

 

それに対し、ネオ黄巾党の目的は単純明快。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『天和たちを我がものにしたい』

 

 

 

 

 

 

 

…目的はあまりに小さい。

だが、ある意味では大きい。そして、その欲は連中を精兵へと変えた。

 

彼らは黄巾党が潰れた後、天和たちが生きていると知り、目的のため、ひたすら鍛練を積み重ねてきたという。

 

 

………ここまで真面目に語った自分が馬鹿みたいだ。

 

 

ちなみに、『ネオ』と名づけたのは地和らしい…。俺が『ネオ』って言葉教えたんだっけ?

一刀「…波才と張曼成?」

韓浩「はい。その二人が、ねお黄巾党の指揮官です」

一刀「二人とも討ち取られたんじゃなかった?」

韓浩「ええ、自分もそう聞いていたのですが、どうやら影武者だったようです。それについて、自ら噂を流したようでして…」

一刀「多少は頭の回る相手だってことか…」

だったら、なおさらおかしい。

一刀「なあ」

韓浩「なんでしょう?」

一刀「この公演についてなんだけどさ、どういう目的?」

将C「大陸全制覇公演です!!」

韓浩ではなく、けたたましく答えた者がいた。

一刀「…………彼は?」

韓浩「……数え役萬☆姉妹の大ふぁんだそうです。一歩間違えれば、ねお黄巾党の一員になるほどの」

韓浩が将Cに聞こえぬよう呟く。

…なにも言うまい。

一刀「そ、そっか。それでさ、これの目的と宣伝方法は?」

将C「は!戦が終わった後、天和様たちが大陸全土を巡業し、その達成記念としての興行です!この興行は毎回十五万を超える観客を動員している次第であります!宣伝方法といたしましては、この巡業が始まる前から喧伝しているのですが!更に、天和様たちの興行中に、天和様たちが雇いし宣伝要員が、次の興行付近にて宣伝している次第であります!」

 

うるさい。

 

一刀「…も、もう少し、静かに報告してもらえるかな?そんなに大きな声で話さなくてもいいからさ」

将C「は、わかりました!天和様たちの事でしたので、つい!申し訳ありませんでした!」

君、わかってないよね。

 

 

しかし…。

一刀「………。やっぱり、おかしい」

韓浩「と、いいますと?」

一刀「…君だったら、分かるはずだよ?現れた賊って、タイミング……時機がよすぎることがね」

韓浩「………!なるほど、囮ですか…」

 

一刀「そういうこと。この巡業には魏の兵士たちが警護についている。そのことは宣伝で分かるはずだ。それなのに賊は近くに出た。たしかに只の賊だ。宣伝については気付かないかもしれない。けど、賊が屯している所は、たった二里先。気づかないはずがない。そんなことをすればすぐに討伐されることは目に見えてる。それでも現れたということは……」

 

韓浩「それは、ねお黄巾党による囮の可能性が高いですね。討伐するにしても警備があるため、そこまで人員は割けない。討伐に向かう場合、討伐する側も少なめにするためには将がいればいい。強き将がいればなおのこと。強き将がいれば兵の士気も上がりますしね。そして、都合よく賊は、潰しやすく、自然な数で、二千」

 

一刀「ああ。その賊に扮したやつらはおそらく、討伐にきた軍を目的遂行のために公演場所から引き離そうとするはず。たぶん駿馬のみで構成された部隊なんだろうな。すぐには戻ってこれないだろう…。ここまで、全て向こうの思惑通りなんだろうな。…残存兵力は?」

 

将A「はー。…え?あ、は、はい!い、一万弱です!」

俺達の見解に感嘆の声を上げ、放心していたらしい。

一刀「二十万の観客に対し、だいたい一万五千か。…妥当だな。ネオ黄巾党の数は?」

将B「斥候の話によれば、約二万です」

一刀「…ちっ。約2倍か。結構な精兵なんだろう?ちょっと苦しいな…。凪たちに連絡は?」

将A「すぐに放ったのですが、北郷様の予想通り随分離れた所にいるらしく、すぐに戻るのは難しいかと」

一刀「うーん。まんまと嵌められた訳か…。凪なら気付かないとは思えないんだけどなぁ…」

向こうが余程うまいのか…。それとも凪たちが精彩を欠いているだけなのか…。

 

 

一刀「民の避難は?連中、目標は公演を見ていた人達なんだろう?」

韓浩「急ぎで進めています。ですが混乱が起こっており、一刻後には間に合うかどうかは、微妙なところかと…」

一刀「うーん、やばいなぁ…。ネオ黄巾党ってさ、大層な名を掲げたって結局は賊だよな?予定を早めたりしないのか?」

将B「いえ、それは大丈夫でしょう。指揮官の『波曼』は義理堅き男達と聞きます。その心配はないかと」

 

ん?

聞きなれない(?)単語が出てきたよ?

 

一刀「…はまーん?…誰?それ…」

将B「は?えっとですね。波才と張曼成は二人の名を合わせて『波曼』と名乗り、薔薇の旗を掲げているとのことですが…」

一刀「………………」

将B「…あの、なにか?」

一刀「…なんでもない」

 

 

あっれっれー?なんだか思うことが1つあるよー?

 

『ここは本当に俺が消えた世界なのか?』

 

っていう疑問だね。

正直自信ないなぁー。

 

……………いや、ホントに。

 

 

それは、ともかくだ。このままじゃちょっとヤバい。

このままじゃ民に被害が出る。

 

確かに、魏の兵は精兵。たかが賊になど負けない。

だが、その精兵に精兵と呼ばせるネオ黄巾党。

それに加え、凪たちがいないのであれば、少し心許ない。

 

策がないわけではない。一応考えたものがある。

しかし…。

 

 

一刀「やっぱり、強い将がいるなぁ…」

ボソリと。

 

こちらも指揮系統と、士気を上げる者が必要だ。

韓浩は確かに優秀な将なのだろう。だが、副将という身分だ。兵の全てが彼に綺麗に従うとは思えない。

他の将も副将らしい。しかも、韓浩に劣る。

だからといって、俺が出てもあまり意味がない。将Cのように俺のことを知らない者がいる。これだと兵が付いてきてくれるか分からない。

凪たちが今すぐ戻ってきてくれればいいが…。

さて、どうする…?

 

 

回りを見渡すと、将達、韓浩さえも困惑しているようだ。

一刀「あー、くそ!」

苛立ちで、髪を掻き毟る。

 

────そのとき、天幕の外から、何やら女二人の話声が聞こえ、その声の主は文句を垂れながら天幕の中へと入ってきた。

 

 

???「あーもう、なんなんだよぉ。この混乱じゃ、ゆっくり休むことも出来ないじゃんかあ…」

???「本当だねえ。一体どうしたんだろう?兵隊さんたちもなんだか焦ってるみたいだし…」

???「せっかく、???と愛し合おうとしたのに…」

???「もー!???ちゃんたらぁ!なに言ってるの!」

 

 

天幕の中の雰囲気に気づかずに入ってきた二人の女のコ。

はっきり言ってこの二人はかわいい部類だ。

そして、俺はこの二人を見て、安堵したように口元に笑みをこぼす。

 

 

一刀「なんだ、いいのがいるじゃないか…」

そう、ニヤリと…

 

 

 

 

 

 

────続く!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一刀を見た将達は皆、こう思った。

 

「(『魏の種馬』が肌馬を見つけやがった!)」

 

~あとがき~

 

長いのでタイトル変更!

 

今回は、ちょっと頑張ってみました。

結構真面目です。

だから、ギャグ少なめです。

 

…あれ、じゃあ需要おちるんじゃね?とか、考えています。

大丈夫かな?

 

 

とにかく、こんな感じになりました!

ちなみに今回、一刀にちっちゃい勘違いをさせています。

これが原因(?)で今後、大変なことになるんですがね。

 

そして、出てきた女の子2人は武将!

ついに登場です!

だれだと思いますか?

 

正直分かると思います!

けど、言わなーい!

 

 

それでは、また次回!

 


 
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