No.633923

【デジナミ】ハロウィン大遅刻!【ハロウィン2013】

七月一夜さん

ハッピーハロウィン……でした!
完璧遅刻で失礼します!

お借りした皆様

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2013-11-03 22:48:14 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:640   閲覧ユーザー数:627

ピピピピ、と携帯が鳴っている。

これは緊急アラームだから、起きないといけない。

俺は布団の中から這いずり出て、日付を確認した。

携帯に表示された日付は10月31日。

……10月31日?

そうだ思い出した、今日はハロウィンだ。

ハロウィンと言えば、クレセントゾーンで開催されるイベントの中でも、規模が大きい部類に分類される。

規模が大きいということは、つまり準備も半端なく大変な訳で。

クレセントゾーン所属のGMである俺の仕事は、それはもう思い出したくない位の量だった。

 

そう、だった。過去形だ。

俺は去年の大騒ぎの反省として、今年のハロウィンは準備のみ参加になったんだった。

口から魂が出てる状態の奴らしかいないデバッグルームで最終チェックを終わらせたのは0時直前。

なんとか今年も間に合って、創佑に後を全部任せて帰宅した。そして寝た。3日ぶりに。

 

「ん?じゃあ何で緊急アラームが鳴ってるんだ?

悪い、起きてくれギル。そっちはどうなってる?」

 

「……わしの所には連絡は来ておらんの。

コールの相手は創佑じゃろう?直接連絡をとってみたらどうじゃ」

 

手早く自室のPCを立ち上げながら、デジヴァイス越しにギルを呼び出すと、

いつもと比べてテンションが三割減、眠そうな様子の声が返ってきた。

これは不味い。昨日深夜までデバッグに付き合わせた影響が出てるな。

後であんパンを買っておかないと。

 

「確かにそうだな、ちょっと創佑にコールしてみるか。

……って、コール不可?」

 

チャット画面を起動して、1:1コールを試みるものの失敗する。

通常コールからGMコールに変更して再度試してみても、結果は同じ。

念のため、GM専用画面からログイン状態を確認したところ、ログインと表示されている。

他のイベントに参加しているはずのGMにもコールしてみるが、全滅だった。

 

「コール不可じゃと?」

「ああ。こっちからの呼び出しは全部キャンセルされてるな。

メイン移動会場に移動……は無理か。

エリアごと封鎖されてる、ってことはこれは確定か」

 

GM専用コマンドで移動を試みても、失敗する。

これは、もう確定でゴーストデジモンが出ているんだろう。

あいつらが出ると、ログイン中の全ユーザーが意識ごとゲーム内に取り込まれてログアウト不可になる。

そして、一部の権限を持つユーザー以外のログインが出来なくなる。

俺のアカウントはGM権限を持つからログインは出来たけれど、奴が出ている場所への移動は制限されているようだ。

 

こうなるとこっちからの支援は出来ないのでお手上げ状態なんだよな。

どうしようかと思考を巡らせていると、チャット画面に着信通知が表示された。

 

 

『神城君、君は今日は非番ではなかったかい?』

「三谷さん……緊急コールで叩き起こされたんですよ。

間宮さんに非番の時には緊急コール飛ばさないように言っておいてくださいよ

それにしても、今年はミイラ男ですか。似合ってますね』

 

チャット画面に現れた三谷さんとルシーは包帯でぐるぐる巻きで、パートナールックだった。

結構似合っている。

それに対して俺はいつものGMの制服。

今年のハロウィンは不参加の予定だったから、準備をしていなかった。

 

『それにしてもおかしいな。間宮君のグループチャットはログイン中のGMが対象となっていたはずだ。

まあ、それはともかくとして、折角のハロウィンなのに、その格好はないだろう。

これは俺からのプレゼントとして受け取ってくれ。

ちなみに、準備したのは間宮君だ』

 

三谷さんがそう言って何か操作した瞬間、俺の服装が変化した。

ついでに、顔には仮面が装着された。

……仮面が?ちょっと待て、これ外れないぞ?

 

『今のままでは、そちらからの干渉はできないのだろう?

その衣装に特別性のワクチンを組み込んでおいた。

仮面含めて効果が発生するから、外れないようにしてある。

あと、君は今日は非番だから、仕事していないことにしとかないと上がうるさいだろう?

それでは、俺も間宮君の所に行くから、遅れないように』

 

それだけ言い残して、三谷さんからのチャットは切断された。

再度接続しようとしても無理か。

これ以上は、現場に合流してから聞くしかない。

 

「よう似合っておるのう?

折角の好意、よもや無下にするつもりはなかろうの?」

「……そうだな、折角のハロウィンだもんな。

もちろん、俺だけじゃなくて、ギルにも付けないとな」

 

去年三谷さんからもらったデジモン用ハロウィン変装セット(仮面・シルクハット)を引っ張り出して、ギルにくっつける。

もちろん取り外し不可で。

 

「うん、折角のハロウィンだし、デジモン仮面とかで行ってみるか!

上に休日出勤がバレたらどやされるからな、そうだそうしよう」

 

ギルから反対の声が上がっているが、気にしない。

創佑と合流するために、俺はGMコマンドを操作した。

 

 

 

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10月31日

ゴーストデジモンが発生したらしく、創佑から緊急コールで呼び出された。

急いでログインしたんだが、既にログインしているはずのGM達と連絡が取れず、合流もできない状態だった。

 

どうしようか悩んでいると、三谷さんが中からPGを直接いじって連絡してくれた。

ついでに、中に入るための衣装(ただし取り外し不可)をくれたので、創佑たちと合流することにした。

俺一人だけ仮装ってのも悪かったから、ギルには去年三谷さんからもらった衣装を着てもらった。

……ん、取り外しできないって?

いや俺たちデジモン仮面だから、仮面は外しちゃダメだろ?

 

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