「ふぅ…」
「いい天気ですねぇ一刀さん。」
「ホントだなぁ月。」
時は昼時。只今俺と月は、庭でのお茶会をやっているところだ。ついでにお茶も茶菓子も月の手作りだ。
「平和だなぁ。」
「……………」
…ん?返事が無い。
「月?どうかしたの?」
「…皆さんが、大変な思いをしているのに私たちだけ平和で良いのかなぁって思って…」
「あ…」
何やってんだよ俺!
少し考えればわかる事じゃないか!
「ごめん。何も考えないで平和だなんて言って…」
「まったく…今度からはもう少し現状を考えてから発言して欲しいわね。」
うっ…月が詠みたいな話し方に…
「ボクみたいじゃなくて本人よ!」
…………………え?
ハッ!として俺は顔を上げた。そこに居たのは――――――
――――月だった。
「…あれ?月?」
「はい?」
う〜ん、まさか幻聴なのか?だが確かに声が…
「後ろよ、後ろ!」
「ん?」
言われて振り返る。
そこには、詠が居た
「「・・・」」
あぁ、この沈黙の正体か?
これはだな、詠の格好が原因なんだ。
その、なんだ。今で言う、『メイド服』だった。
「えっと…その格好は?」
「あぁ、これ?」
そう言ってくるりと一回転してみせた。
うん、反則的に似合っている。
「さっき、霞と街に行った時に呉服店で見つけたのよ。ところで…」
「…ん?」
「なにか言う事は?」
…あぁ、そういう事か。
「凄く可愛いよ、詠。思わず抱きしめたい衝動に刈られる位に。」
とりあえず思った事を素直に口にしてみた。
「―――ッ!?///」
お、照れた。
「なな、なに変なこと言ってんのよ!? ///」
「クスッ。良かったね詠ちゃん。」
「か、からかわないでよぉ!」
耳まで真っ赤にした詠が、月に反論するが、そんな顔で怒られても恐くない。
「あぁ、もう!月、ボクにもお茶頂戴!」
「クスッ。はいはい。」おぉ、軽くあしらわれてる。
―――数刻後―――あの後、詠も落ち着いたのか、さっきまでの動揺が嘘の様に茶会を楽しんでいた。
「でも、ホントに月は料理上手だよなぁ。」
「へぅ。そ、そんなこと、ないですよ〜。///」
可愛いなぁ。
ナデナデ
「へぅ〜」
「はい、そこ!イチャつかない!」
そんな感じで楽しんでいた時だった。
「月ちゃん!詠!一刀!」
ん?
「お、霞か。丁度良いところに。今、月の手作りの茶菓子を食べていたんだが、霞もどうだ?」
「お、ホンマ!じゃあお言葉に甘えt――「この大馬鹿者がぁぁぁ」ゲシッ!――ぐはぁ!」
霞に刹那のドロップキック炸裂!
クリティカルヒット!!効果は抜群だ!
「…という訳で軍議や…ガクッ。」
「さっさと集まるぞ。」
ズルズルと霞を引きずる刹那についていく。
「霞さん、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫でしょ?」
「まぁあのくらいで倒れるような子じゃないだろう。」
「ところで詠よ?」
「なに刹那?」
「お前、その格好で軍議に出るつもりか?」
「…ボクは後から向かうからみんなは先に行ってて。」
そう言うや否や、脱兎の如く走り去って行った詠だった。
「近々諸侯が攻めて来るだって?」
玉座の間で音々音によって伝えられたのは、なんとも嫌な出来事だった。
「そうですぞ。戻って来た斥候の話によれば、参加するのは袁紹、曹操、袁術、公孫賛、それと最近出てきた劉備、後は袁術の客将扱いになってる孫策が主なのです。」
音々音がそう言い切った時――――――
「孫策だとぉ!?己ぇ!今すぐに私があの世へ送ってくれる!」
刹那が激昂していた。
「ちょっ!落ち着けよ刹那!今は軍議の最中だろ!」
俺がそう言うと、刹那はハッとして、
「す、すまない。私としたことが…」
そう言って自分の席についた。
「オホンッ!では、作戦ですが…」
音々音が仕切り直して、軍議が再開される――――――――
軍議の結果氾水関、虎牢関に部隊を配置し、篭城戦をすることになった。
割り振りは、
氾−霞、刹那、俺
虎−恋、音々音
待機−詠、月
…うん、妥当といえば妥当だな。
「では、これで軍議は終了なのです。」
その言葉を機に皆が席を立った。
…一部を除いて。
「…」
「…どうかしたの、刹那?」
「ん、北郷か…いやなに。昔の事を思い出してな…」
「…さっきのことと何か関係があるのか?」
「…まぁな。」
「刹那…話してくれないか?勿論無理にとは言わない。でも俺はできる限りみんなの力になりたいんだ!」
「北郷…」
「だから、頼む…」
数分程頭を下げていた。そして――――
「…わかった。そこまで言われたら話さない訳にもいくまい。」
そう言って刹那は俺に話してくれた。
まとめると以下のとおりである。
刹那は昔、荊州にいた孫堅と戦ったこと。
そして、その戦いの最中に刹那の部下が暴走し、結果逃げ帰る嵌めになったこと。
そしてその孫堅の娘こそが――――――
「孫策なわけか…」
「そういう事だ。」
そう言って刹那は自嘲気味にフッと笑った。
ビシッ!
「痛ッ!?北郷!貴様いきなりなにを――「気にするなよ、そのくらい。」――…え?」
額を押さえ涙目の刹那に俺はそう言った。
あぁ、やったのはデコピンだ。
「勝敗は兵家の常だろ?それに、敗戦から得られる物だってあるじゃないか。」
「…例えば?」
「さぁ?」
「んなっ!?」
「だって、それは刹那にしかわからない事だと思うから。」
「………そうだな」
そう言って、刹那は立ち上がった。
「どこに行くんだ?」
「鍛練に決まっている。」
お前もどうだ?と誘われたが、遠慮しておいた。
「なぁ北郷。」
呼ばれて刹那の方に振り返りながら返事をした。
「どうかs――ッ!」
どうかしたのか。そう言うつもりだった。
だが、俺の口は動かせない。何故なら、俺の目の前に、ほぼ零距離で刹那の顔があり、尚且つ、刹那の唇が俺の…
いや、スマンが割愛させて頂く。
しばらく経ち、
「では、私は鍛練に向かう。」
「あ、あぁ。」
不甲斐ない。不甲斐ないぞ俺!
「あぁ、それから北郷。」
「ん?」
よし。良いぞ俺!そのまま、平静を装って…
「好いているぞ、お前の事。勿論、一人の男として。」
「………」
「ではな。」
カラン、コロン…
好き?刹那が?俺の事を?一人の男として?
「…えぇーー?!」
かくして、一刀の周りで新たなる戦いが始まった。
諸侯との戦いで待ち受けるものとは――
一刀達の運命は――
そして、一刀を中心に巻き起こる恋の嵐とは―――――――
―――すべては外史と天のみぞ知る――
続きを待つが良い
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前回の続き。
文が稚拙。
キャラ崩壊の可能性あり。
以上の点が許せる者は…
ゆっくりしていってね!