No.620768

真・恋姫†無双 ~西から昇る太陽~ 第1話 始動

佐中 祐さん

今回から一応黄巾編ということで。

2013-09-19 03:01:21 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1407   閲覧ユーザー数:1059

 

 

 「なんとなく察してると思うが、アタシが馬騰だ。字は……わかるか?」

 

 「寿成……でしたっけ?」

 

 「その通りだ。それでこいつは」

 

 「龐徳、字を令明と申します」

 

 

 賊の討伐から馬超たちが帰還するのを待って、馬騰さんがこれから仲間になる上で主だった面々を紹介してくれることになった。白緑(びゃくろく)と呼ばれていた女性は龐徳だった。真名ってやつだったんだろう。自己紹介してくれるまで待ったのは正解だったようだ。 

 

 龐徳……三国志を少し知っているくらいの俺でも聞いたことくらいはある有名武将だ。

もちろん男性だったはずだが、こっちの世界では馬超たちと同じく女性の様だ。身長は少し高めだが、白……に薄く青みがかった髪を腰のあたりまで伸ばしている。スタイルの良さも相まって間違っても男には見えない。

 

 

 「で、こっちの二人は……説明はいらないか」

 

 「馬超に馬岱だよね?」

 

 「うん」「おう」

 

 

 馬騰に馬超、馬岱、ホウ徳。今のところ俺があった有名な武将はみんな女性だ。

この世界では性別が逆転してしまっているんだろうか?

 

 

 「あと二人、翠の妹がいるんだが、あいにくと今出かけちまってる。そのうち帰ってくるだろうから紹介するのはその時でいいだろ」

 

 

 馬超の妹ね……そろそろ名前もあやしくなってきたな。

 

 

 「真名の話は翠たちから聞いてるんだったな?」

 

 「はい」

 

 「そうか。アタシの真名は千歳と言う。次からはそう呼んでいい」

 

 「……いいんですか?」

 

 「信用してやるってことだよ。他のやつらも自分なりに納得がいったら教えてくれるだろうさ」

 

 「じゃあ、俺のことは一刀って呼んでください。たぶん一番真名に近い名前だと思うから」

 

 「わかった。それと一刀、お前敬語苦手だろ」

 

 「え?」

 

 「ときどき素に戻るしなんか不自然なんだよ。めんどくさいからタメ口聞けタメ口」

 

 「い、いや、母様それはちょっと」

 

 「いいの?」

 

 「イイんだよ!アタシが良いっていってんだから。なんかもんくあっか」

 

 

 馬超がなにか言いたげだったが千歳さんは笑ってるし、龐徳さんも止める気はみたいだ。

 

 

 「で、さっきの話だが、黄巾党?だったかの首謀者がわかるんだな?」

 

 「たぶん。この世界が俺の知ってる歴史通りなら」

 

 

 ……なんか女性ばっかだったりとイマイチ確信が持てないけど。

 

 

 「そうか、なんてやつだ?」

 

 「たしか張角……だったと思う。張宝とか張梁とかもいた気がするけど」

 

 「張角、張宝、張梁……ですか。白緑、知ってるか?」

 

 「いえ、わかりませんね。何者ですか?」

 

 「ええと、なんとかっていう宗教で人を集めていた気がする。『蒼天すでに死す』とかなんとか言って」

 

 「……潰した賊の拠点で同じような物を見たことがあります」

 

 「『蒼天すでに死す』ね……」

 

 「国に反感を持った民を煽っている、ということでしょうね」

 

 

 千歳さんとホウ徳さんは言葉の意味に気づいたらしい。

 

 

 「道理でどこにでも出没するわけだ。そりゃちまちま拠点を潰しても終わらないわな」

 

 「ですが相手は民です。どうするおつもりですか?」

 

 「どうするったってなぁ……張角を探してとっ捕まえるのが一番なんだろうが」

 

 

 テレビも電話もないこの時代では、全国に指名手配をして居場所を見つけるのは難しいだろう。

 

 黄巾の乱は政治に不満を持った民の反乱……ここはどうなんだ?

 

 

 「このあたりは黄巾党はよく出るの?」

 

 「いえ、千歳様は民から慕われていますし、他から流れてくる賊も頻繁に討伐している ので圧倒的に少ないはずです」

 

 「それって善政を敷けば反乱は起きないし、賊の退治をこまめにすれば賊は逃げていく ってことだよね?」

 

 「そうだが、それじゃ根本的には」

 

 「……待ってください。北郷の言いたいことがわかりました。たしかにそれなら、張角の居場所が絞れるかもしれません」

 

 「……そうか。善政を敷き軍事に力を入れる場所には賊は立ち入れない。ましてや、それを煽っている側は」

 

 「はい。すぐに逃げていくでしょう。そうなれば行く先は少しずつ減っていき、黄巾党 の軍勢も大きくまとまっていくでしょう」

 

 「……そこに張角がいると一刀はいいたいわけだな?」

 

 「あ、ああ」

 

 そこまで細かく考えていたわけじゃないけどね。

 

 

 「すぐに居場所がわかるわけではありませんが、しばらくの間やるべきことはわかりましたね」

 

 「おう、でかした一刀」

 

 「方針は決まったの?」

 

 「おう!!今までとなにも変わらないさ。民と国と家族を守るだけだ」

 

 「張角の捜索をわすれないでくださいね」

 

 「そうだったな。はっ、国に喧嘩売ったやつの顔をみてやろうじゃないの。白緑、一応今から目星をつけ始めといてくれ」

 

 「わかりました。北郷くん、あとでもう少し黄巾党のことについて話を聞かせてください」

 

 「わかった」

 

 「方針が決まったとこで、今日はこのくらいにしとくか。一刀、部屋を一つくれてやるから好きに使うといい。用意させるから少し待ちな」

 

 「ありがとう」

 

 

 軍議が終わってみんな肩の力を抜き始めた中、おれは一人、気を引き締めなおしていた。

これから俺は歴史に名を遺した武将たちと一緒にこの乱世を生き抜く…… 

 

 「やっと難しい話が終わったかー!!あたしは肩凝っちまったぜ」

 

 「うそばっかー、お姉さま肩凝ったことなんてないでしょ」

 

 「うっせーぞ蒲公英」

 

 

 ……実感は全くわかないがなぜか何とかなる気がした。

 

 

 

あとがき

 

 毎日更新できる人ってどうやって書いてるんでしょう?

 

 

 今回も読んでいただいてありがとうございます。あんまり短くはできませんでしたね……

 

 会話に落ちが付くたびに一話終わらなかっただけマシかなと思っていただければ幸いです。

 

 次からは何回か拠点だと思います。

 

 拠点で初めて出てくるオリキャラとか……構成勉強します。

 

 

 

 出てくるキャラ全員に台詞与えてスポットあてるの難しい。今回馬騰ママばっかになっちゃったし……

 

 グチが出てきちゃったところで、終わります。次もよろしくお願いします。

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
19
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択