No.620266

ジョジョの奇妙な冒険、第?部『マジカル・オーシャン』

piguzam]さん

養分をくれぇ~お前の養分を俺にく(ry

2013-09-17 07:04:08 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:9220   閲覧ユーザー数:8328

 

前書き

 

 

マジでタイトル考える時間が一番長い(・。・;

 

っていうかオリ主君の正確とか初めて書いたからわからんべ。

 

あっ、明日は出勤がメチャ早なので、今日は短くします。

 

サーセン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーい。じゃあ4時間目はここまでです。お昼休みが終わったら、5時間目は体育ですから、皆頑張りましょう」

 

『『『『『はーーい!!』』』』』

 

授業終了のチャイムが鳴って、社会の先生が終了の言葉を言い、日直が終わりの挨拶をする。

これから海小(俺の学校)は昼休みだ。

ちなみにウチの学校は給食なので、給食当番の皆がエプロンを付けて食事を取りに行く形式になってる。

でも今日は俺のいる班の日じゃ無えので、皆机に座ったて喋ったり本を読んだりして給食を待っているんだが、その中で俺は自分の机に凭れ掛かって誰共喋らずに居る。

別にボッチってワケじゃ無く、俺は今別の事に力を使ってるので周りから見たら寝てる様に見せてるだけだ。

そして俺が今やってる事といえば……。

 

「(……見つけた。ってアイツ等弁当なのかよ……美味そうだな)」

 

俺はアリサとすずかの居る聖祥まで飛ばしたスタンドの目から視覚を共有して、楽しそうに3人でお喋りしてるすずか達の弁当を羨ましそうに思った。

そう、昨日アリサ達に頼まれたDQNネーム君から身を守ってやるという面倒なミッションをスタートさせてんだな、コレが。

聖祥の屋上にある貯水タンクの影にスタンドを隠しながら、笑って楽しそうにご飯を食べてるアイツ等を見てる俺……傍から見たら俺がストーカーじゃねぇか。

 

「(アイツ等の弁当見てると腹減ってきた……早く来いやオリ主ェ……)」

 

とっととブチのめして作業終わりにしたいんだからよぉ。

そんな事を考えながら屋上を見てると、アリサとすずかと一緒に弁当を食べて笑ってる女の子が居るんだが、多分あれが昨日言ってたなのはって子なんだろう。

明るい茶色の髪をツインテールにした明るそうな子だが、アリサの話しじゃ所謂スットロイ子らしい。

人は見掛けによらねぇモンだなぁとしみじみ思う。

あっ、アリサがなのはって子にレモンぶつけた……しかも何故か頬引っ張ってる。

突然始まった軽い喧嘩の様なモノを、すずかが焦りながらも必死に止めてる。

何だあのカオスはぁ……っていうか話しに出てた相馬って奴は居ないのか。

一応転生者かどうか見極めておきたかったが、まぁ居ねぇんなら仕方ね……。

 

ガチャッ。

 

「よう!!俺の嫁達!!探したぜぇ!!」

 

そう考えてると、屋上の扉が開いて高らかにアホな事を叫ぶ銀髪の少年が現れた。

見た目はそれこそ不気味なぐらい整いすぎてて、顔と体のバランスが変。

白い歯をキラリと光らせて歩くその姿は、何処か氷村を連想させる。

アイタタタ……判りやす。

内心頭を抱えながらその光景を見てると、アリサ達3人の表情が嫌なモノを見る目に変わっていく。

っていうか、あの人の良いすずかにあんな嫌悪感剥き出しの顔させるとか……昨日聞いた以外にも色々とやらかされてんだな、すずかの奴。

 

「来るんじゃないわよッ!!コッチはアンタなんてお呼びじゃないし、アンタの顔見たら楽しいランチが不味くなるわッ!!」

 

「ははは、相変わらずツンデレだなぁアリサは」

 

「近寄るなッ!!気持ち悪いッ!!」

 

そして、そんな嫌な顔と気持ちを前面に押し出してるにも関わらず、甚だ見当違いの事を抜かすオリ主君に、ある意味尊敬の念が湧くぜ。

 

『ちょっとバニングスさんッ!!神無月様の事悪く言わないでよッ!!』

 

『そうよッ!!ちょっと顔が良いからって調子に乗らないでッ!!』

 

と、近寄ろうとするオリ主君に敵意剥き出しで吠えたアリサに対して、オリ主君の後ろに控えていた女子軍団が一斉にブーイングを始める。

っていうか良く見たら皆揃って目に光が無い……あれって操られてねぇか?

そんな疑問を感じつつも様子を窺っていると、オリ主君は手をスッと上に挙げて、後ろの女子軍団を黙らせる。

 

「まぁまぁ皆、アリサは只恥ずかしがってるだけなんだ。すずかも奥ゆかしすぎて、俺への愛を素直に語れないらしい。だからそんな風に怒らないでくれ。俺は皆平等に好きだからさ(ニコッ)」

 

『『『『『はぁ~い。神無月様~~!!』』』』』

 

オリ主君の鶴の一声とも言える言葉で女子達は黄色い声を挙げながらオリ主君に熱い視線を送る。

その女子軍団を見て満足そうな微笑みを浮かべるオリ主君だが……あれが、神様が言ってたニコポってヤツだろう、確かにスゲエ威力だ。

でも簡単に惚れられちゃ物語がつまんねぇから、原作キャラには効かないって言ってたっけ。

多分、オリ主君はその辺の説明を聞かずに選んだんだろうなぁ……基本的に能力の説明は、説明を求めてきた人にしかしないって言ってたし、俺の場合は特典を決めた後で興味本位で聞いただけだったからな。

しかし別に嫌われる程の効果は無いって言ってたけど……ニコポが効いて無いのに色々やり過ぎた結果ってワケだ。

 

「(……ん?)」

 

と、そんな事を考えていると、オリ主君に嫁呼ばわりされて、且つ事実をねじ曲げられながら話されていたアリサの背後から――。

 

 

 

「……いい加減に、キレても良いわよね、アタシ?」

 

「……もう、嫌だよ」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ……。

 

 

スタンドの像がぼんやりと浮かんでいた――ってマズッ!?

今にも目の前で喋ってるオリ主君にスタンドで殴りかかろうとしているアリサを見つけた俺は、直ぐ様貯水タンクの影から飛び出してオリ主君の元へと飛翔する。

しかも良く見ればすずかも我慢の限界が近いらしい。

アリサ程じゃ無ぇが、微妙に背後が歪んでる、こりゃマジでヘビーな状況だ。

何でアリサとすずかがスタンドを発現しそうになって、俺がこんなに焦っているかと言うと……今のアリサ、若しくはすずかにスタンドを使わせたら、確実にオリ主君が死んじまうからだ。

 

 

 

 

 

……事の起こり、そして俺が焦る理由は昨日に遡る――。

 

 

 

 

 

「……まぁ、煽ったのは俺であって、お前等にスタンドを貸したのも俺で、俺に原因が皆無だなんて一っ欠片も思っちゃいねぇよ?……只なぁ」

 

俺は椅子に座って視線をキョドらせてるすずか、アリサの2人を見据えながら、面倒くささ抜群って感じに頭をボリボリと掻いて溜息を吐く。

 

「し、仕方無いじゃない。漸くあの馬鹿を懲らしめてやれるんだと思ったらその……頭がカーッとなっちゃって……悪かったわよ」

 

「私も……最初は定明君の言う通り、襲ってくる氷村の叔父様の事を想像してたんだけど……途中から神無月君も一緒に襲ってきたら?って考えちゃって……もう無我夢中な気持ちに……ごめんなさい」

 

「いや、俺に謝ってもしゃーねぇだろ?それに謝るなら……」

 

縮こまる2人に小言を零しながら、チラリと視線を向けた先には……。

 

「ア、アハハ……全壊だぁ~……アハハハ……」

 

「し、忍ッ!?気をしっかり持てッ!?」

 

「だ、大丈夫よッ!?壊れたら、また立て直せば良いんだしッ!!」

 

「……この部屋、有名な建築家の人に設計してもらった、ビクトリアンエドワード方式に則った部屋で……設計してくれた人はもう随分前に亡くなってるの……アハハハッ……」

 

「あそこでヘヴンに逝きかけてる、部屋の持ち主の忍さんに謝らにゃ駄目だろ?」

 

ほぼグチャグチャの全壊と化した部屋の惨状を眺めながら、空虚な笑い声を出す忍さんが居る。

俺の計算違いだったが、どうにもすずかとアリサの2人が抱いてるオリ主君への怒り具合は半端じゃ無かったらしい。

あの時、初めてスタンドを具現化できたのは良かったんだがその先が問題。

強すぎる怒りが燃料となり、スタンドが半ば暴走状態に入って、手当たり次第に拳のラッシュをブチカマし始めたんだ。

しかもその様に混乱したアリサとすずかは止めて、止めてと叫びながら部屋中を走り回り、結果として2人が通る場所は全て破壊されるという悪循環になった。

最終的には俺がホワイト・スネイクを使ってもう一度スタンドをDISC化して抜き取る事で、2人の暴走は何とか鎮圧できたが……部屋は酷いまんまだ。

 

「うっ……そう、よね。まずは忍さんに謝らないと……スイマセン。忍さん、アタシ、ちゃんと弁償しますから」

 

「うん……お姉ちゃん、ホントにごめんなさい」

 

まぁ兎に角、自分達が悪いってのは理解してるすずかとアリサは、2人揃って忍さんにペコリと頭を下げる。

そんな妹達の姿を見て、忍さんは脱力したかの様に大きく溜息を吐いた。

 

「……まぁ、さくらさんの言う通り、壊れちゃった物は仕方無いわ……それより、皆に怪我が無い事を喜びましょう」

 

2人が真剣に謝ってるのを感じ取った忍さんはそう言って2人の頭を撫でる。

恭也さんとさくらさんも忍さんが落ち着いたのを見てホッと息を吐いて安堵した。

ノエルさんとファリンさんは、瓦礫の撤去準備を始めている。

まぁ原因はアイツ等だけじゃなくて俺にもあるんだし俺がこの部屋を直しますか。

 

「あー、すんません忍さん。すずか達だけじゃなくて、原因は俺にもあるんで…」

 

「良いの良いの。まぁとりあえず、この部屋じゃもうお茶会は出来ないから部屋を移動し……」

 

「いや、それには及ばないッス。俺がキチンとこの部屋、『治します』から」

 

「……え?」

 

俺の言葉に呆気に取られたのか、忍さんはポカンと口を開けて固まる。

でも、俺はそれには反応せずに部屋に入り、ハートのアクセントが体中に散りばめられ、背中から頭にパイプが通された人型のシルエットを持つ、破壊された物体を元通りに修復してしまうスタンド、『クレイジーダイヤモンド』を呼び出す。

 

「俺のスタンド、クレイジーダイヤモンドならこの部屋を――」

 

そこで言葉を切り、クレイジーダイヤモンドはその巨腕を振りかぶって――。

 

『ドラララララララララララララララララ、ラァッ!!!』

 

辺り一面、そこらかしこに拳のラッシュを叩き込む。

そうする事で、クレイジーダイヤモンドの能力が発現し、床に散らばっていた天井やガラスの破片が浮き上がって、元あった位置に戻っていく。

それら全てがまるでパズルのピースの一個一個であるかの様にピタリと嵌っては形をつくり規模を大きくさせ、最後には元通りの綺麗なガラス展望室の姿に戻った。

 

「治して戻せる」

 

壁や天井、更には装飾の花瓶等が全て元通りに戻ったのでクレイジーダイヤモンドを仕舞って後ろに振り返れば、またもや皆さんポカーンと口を開けて呆けてる。

まぁそれも何時もの事か、と勝手に納得しながら、俺を見て呆けてるアリサとすずかに向かって口を開く。

 

「とりあえずアリサ、すずか。お前等明日嫌な事があってもスタンド使うなよ?」

 

「えッ!?」

 

「な、何で使っちゃいけないのよッ!?折角スタンドの出し方覚えたのにッ!!」

 

俺の言葉、というか禁止令を聞いた2人は目を丸くする。

そりゃそうだ、本当ならオリ主君から身を守る為にスタンドを貸した筈だからな。

でも、今のコイツ等にスタンドを使わせる訳にゃいかねぇ。

 

「あのなぁ……お前等そのDQNネーム君の事を想像しただけで、部屋一つ丸ごと潰したんだぞ?そんだけ強い怒りがあるってのにスタンドをまた暴走させてみろ?今度はそのDQNネーム君が死んじまうだろーが。それでも良いのかよ?」

 

「うっ……そ、それは……」

 

「嫌、かな……」

 

俺の言った通りのシチュエーションを想像したのか、2人は揃って苦虫を噛んだ様な表情を浮かべて押し黙る。

まぁいくら嫌いな奴でも殺すなんて事はしたくねーだろう。

そんな事で自分の人生に一生ケチが付くだなんてゴメンの筈だ。

 

「本当なら一度スタンドを返してもらうトコだが、また昨日みたいな奴等が現れる事は100%無い、なんて言えねぇ。だからお前等にはスタンドを渡したままにすっけどよぉ……すずか、アリサ。お前等のスタンドはスゲー危険だ……むやみやたらとカッとなって使うんじゃあねーぜ、いいな?」

 

「わ、分かったわよ……スタンドは使わない様にする」

 

「うん、ちゃんと我慢するね」

 

ちゃんと俺の言葉を聞き分けて頷いてくれる2人だったが……。

 

「何かしんぱ「定明くーーーんッ!!本っっ当にありがとうッ!!部屋を直してくれて本当に感謝するわッ!!もうお姉さん大感激よッ!!」……どーもッス」

 

部屋が元通りに直った事に遅ばせながら感激して感謝してきた忍さんに遮られて、結局俺の心配は有耶無耶にされてしまった。

そんでさすがに時間が遅いって事になったので俺は帰る事になり、すずか達には後日スタンドの操作の仕方について教えてやるという約束をし、俺は帰宅した。

 

 

 

 

 

――あれ程カッとするなっつったのによぉッ!!

 

 

 

 

 

どうにもあのオリ主君と一言二言言葉を交わしただけで、アリサの忍耐のタンクがレッドゾーンを振り切ったご様子。

すずかもジリジリと我慢の限界が来てる様だ。

そこまで嫌なのかよアレと会話すんのが……これまた誤算だぜ。

自分の計算力の無さに後悔の念が湧き上がるが、今はソレより目の前のオリ主君にこの場からご退場願うとしよう。

俺はアリサ達を見るのに使っていたスタンドを動かして、今にも拳の形が顕現しそうなアリサとオリ主君の間に飛翔。

そこで一度スタンドを『バラバラに分解』し、分解された体のパーツは自動的に形を『足跡』の様な姿に変える。

 

「このアンポン――」

 

「ん?何か言ったかいアリ(ドボギョッ!!)ぐえッ!?」

 

「タ――え?」

 

そして、結果的に言えば俺のスタンドの方が、アリサがスタンドを完全に顕現しようとするより早くオリ主君を捉え、オリ主君の『体の中に食い込んでいく』。

 

「な、何だいきな(ズギュンズギュンズギュンッ!!)ごぐえぇ……ッ!?」

 

『『『『『か、神無月様ッ!?』』』』』

 

一体何が起きたのか検討も付かないって声を出しながら、オリ主君は体を床に寝転がせてしまう。

その様を見たオリ主君のおっかけ女子が悲鳴を挙げ、すずか達は目の前で起こった自体に呆気に取られたのか、口を半開きにしてポカンとしてる。

 

「ど、どうしちゃったのかな?……ア、アリサちゃん、すずかちゃん?二人共どうしたの?」

 

と、何の前触れも無く行き成りオリ主君が倒れ伏したのが理解できなかった3人の内、なのはって子が一番最初に意識を取り戻すが、すずかとアリサが今だ呆然としてる事に疑問を浮かべながら話し掛ける。

まぁ、あのなのはって子がこの状況自体を理解してねーのに対して、アリサとすずかは俺のスタンドが見えてるからこそ、ビックリしてんだろーな。

女子に囲まれてる中で倒れ伏すオリ主君、その体に次々と足跡の様なモノが飛来して形を造り、最後は網目の入ったデザインの人型状態になる。

これぞ、匂いを覚えたら決して追跡を止めず、そして追いついた獲物から養分を吸い取ってしまう猟犬の様な遠隔操作型スタンド、『ハイウェイ・スター』だ。

ぶっちゃけ、余りにも距離があると使えるスタンドはかなり限定される。

まぁその中でもコイツは追跡とかに向いた能力でダンチのスタンドだしな。

そんで今は、オリ主君の匂いを記憶した上で、養分を吸い取ってるんだが……。

 

「な……何だよ、この気分……力が、入らねぇ」

 

何かしらの転生特典を貰ってる筈なのに、コイツには俺のハイウェイ・スターが認識出来ねえみてーだが……それはそれで良い。

コレをやったのが俺だってバレなきゃ良いからな。

そうして養分を大分吸ったかなーって辺りでハイウェイ・スターをオリ主君の体からどかすと……。

 

「お、おげぇ……ガクッ」

 

『『『『『神無月様ーーーーーーーッ!!?』』』』』

 

『は、早く神無月様を保健室にッ!?』

 

『いやあッ!!神無月様ぁッ!!死んじゃ嫌ぁッ!!』

 

哀れ力尽きたオリ主君は、頬が痩ける程に細くなり、それを見た追っかけ軍団の女の子達が半ば半狂乱に叫んで彼を運び出し、屋上から消えていく。

まぁ死ぬ程養分取っちゃいねーし、2週間も寝て食っての生活してりゃ元気になるだろ。

とりあえずコレで1つ目のミッションはコンプした。

後は……もうひとつ伝言だけ伝えとくか。

 

『……(ギロッ)』

 

「「ッ!!?(ビクゥッ!!)」」

 

「?……二人共どうしたの?ソコに何か見えるの?」

 

だが、俺がハイウェイ・スターを操ってすずか達に目を向けると、2人はビクッと飛び上がらせて俺、いやハイウェイ・スターから目を逸らす。

自分達が約束破っちまったってのはちゃんと理解してんだろう。

でも、2人がいきなりビクついてる理由が分からないなのはって子は、2人の視線を追いながら声を掛けている。

まぁこの子にはスタンドが見えないからどーしようも無いけど……しゃーねぇな。

 

『おい二人共、コレは俺のスタンドの一つだから、変な動きするな、それとこっちに向かって喋るな。なのはって子に気付かれるぞ?』

 

俺は直ぐ様ハイウェイ・スターに自分の言葉を喋らせ、妙な動きをしない様に忠告する。

すこしスタンドの補正がかかって低い声になるが、俺の声だと分かった2人は少しぎこちないながらも笑顔を浮かべてなのはって子に笑顔を向けた。

 

「ご、ごめんねなのはちゃん。な、なんでいきなり神無月君が倒れたのかなーって考えてて、ちょっとボーッとしちゃった」

 

「そ、そうなのよ。折角アタシがブッ飛ばしてやろうかなーと思ったのにアレでしょ?驚いちゃったけど、まぁ良い気味だわ」

 

「そうなの?……でも、神無月君……何か、苦しそうに倒れたけど……」

 

2人の言い訳を聞いたなのはって子はあっさりと信じたのか、直ぐに納得して会話を続ける。

しかし「でも」って何だ?もしかして嫌いな男でもいきなり倒れたから心配し――

 

「本当に良い気味だよね♪」

 

怖っ、女って怖っ。

どんだけ輝かしい笑顔でそんな事言ってんのこの子?

本当に優しい子なのかよ?アリサの言ってたのは間違いじゃねぇのか?

余りにも清々しい笑顔でそう言うなのはって子に戦慄を覚える俺だったが、アリサとすずかまでもが苦笑、というか引き攣った笑みを浮かべてる。

 

「……ア、アンタも相馬の事バカにされてるから、結構溜まってるんだ……」

 

「当然なの。相馬君の事バカにするなんて、本当に失礼しちゃうよ」

 

あぁなるほど、惚れた男バカにされたからキレてんのね?

擬音にプンプンとでも尽きそうな雰囲気で怒ってるなのはって子を見ながら俺は一応の納得はするが……何か、この子は怒らせたら面倒くせえ気がするぜ。

と、兎に角、今はすずか達に伝言を伝えておかねぇとな。

 

『二人共そのままで良いから聞け。とりあえず昨日約束した通り、今日からスタンドの制御練習をすっから……すずか。放課後にまたノエルさんかファリンさんに迎えに来て欲しいって頼んどいてくれ。OKなら背中で指を丸の形にして欲しい』

 

俺が一方的に要件を告げると、すずかは嬉しそうな顔で背中に指でOKサインを出してくれた……だが、何故かアリサは不満そうな顔をしてる。

それを見届けた俺はハイウェイ・スターを頷かせてフェンスの上にジャンプする。

 

『それと二人共、あのDQNネーム君はとりあえず2週間は学校に来れねえ様にしといたから、まぁ暫くは楽しい学校生活を送ってくれ。じゃあな~』

 

それだけ伝えてフェンスからハイウェイ・スターを飛び降りさせた時、最後に見たあの2人のメッチャクチャ嬉しそうな顔は忘れらんねぇ。

そこまで嫌われる様な行為って逆にどんなのか知りたくなるわ。

まぁ兎に角、これで俺の遣る事は終わったのでハイウェイ・スターに戻ってくる様に命令を出し、並んでる人数が大分少なくなった給食を取るため席を立った。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

そして放課後、下校時間がやってきて、俺は皆と別れてまた昨日と同じ様に1人で帰っている。

多分昨日と同じでノエルさんが家の前で待ってる筈……また父ちゃんと話してんじゃ無いだろーな?昨日帰ってからあんだけ母ちゃんに絞られてたから大丈夫だとは思うけど……何か心配だなぁ。

ありえそうで恐い予想を立てながら、例の如く曲がり角を曲がると――。

 

「あらあら~♪鮫島さんは女性を喜ばせるツボを抑えておられますねぇ、さすがはあのバニングス家の執事さんです~」

 

「ホッホ、いえいえ。わたくしの様な老骨等、ご婦人方には相手になどされません。精々ご機嫌を損なわない様にするのが精一杯で御座います」

 

「またまた~ご謙遜を~」

 

「ホッホッホ」

 

ナイスヒゲを蓄えたダンディな執事さんと楽しそうに喋ってる母ちゃんを見て、ご近所さんの家の塀に頭をぶつけてしまう。

母ちゃん、アンタもかい。

 

「あらぁ?あ~、定明~お帰りなさ~い」

 

「おや?此方の方が、定明様でいらっしゃいますか?」

 

「えぇ~。自慢の息子ですよ~」

 

「い、痛てて……ただいま、母ちゃん……そっちの人は誰だ?」

 

ぶつけた頭を擦りながら、俺は妙に間延びした口調で話す母ちゃんに声を掛ける。

俺ぁこんなダンディ執事なんて知り合いに居ねえよ。

俺の質問を聞いた母ちゃんは、何時もと同じニコ~っとした微笑みを浮かべた。

 

「ほっ、これはご挨拶が遅れまして、申し訳ございません」

 

そして、件の執事服をピシッと着こなしたダンディなおっさんが、俺に声を掛けながら優雅に一礼してくる。

 

「わたくし、バニングス家の執事長をさせて頂いております、鮫島と申します。どうぞ、よろしくお願い致します。」

 

「あっ、いえいえどうもご丁寧に……ってバニングス?ひょっとして……」

 

礼儀正しい動作で俺に自己紹介をしてくれた鮫島さんに俺もお辞儀で返すが、途中で聞こえた覚えのある家名に反応して顔を挙げてしまう。

それを察知してくれたのか鮫島さんはお辞儀の体制から戻って更に言葉を続けた。

 

「お察しの通りかと思いますが、わたくしはアリサお嬢様の専属執事も兼任させていただいております。本日はアリサお嬢様のご命令で、わたくしが城戸定明様をお迎えに上がりました」

 

「え?ちょっと待って下さいッス。俺は確か今日すずかの家に……」

 

「はい。その件なのですが、実はアリサお嬢様からすずか様に提案なされたそうです。曰く、前回はすずか様のお屋敷でしたので、今回はバニングス家へ定明様をご招待されたいとの事でして……」

 

何だそりゃ……。

 

「そしてこの提案にわたくし共の主人である旦那様と奥様、そしてすずか様も賛成されたので、本日は月村様の従者であるノエル様では無く、わたくしがお迎えに上がった次第なのですが……何か、不都合がございましたか?」

 

「あぁいや、別に不都合なんて無いんですが、何も連絡が無くて焦ったんで…」

 

少し表情を崩して窺う様に聞いてくる鮫島さんに謝罪しつつ、俺は今回のこの急な変更について納得する。

まぁ今日の約束にしたって、俺がハイウェイ・スター使って一方的に取り付けただけだしな。

 

「そちらに関しましては申し訳ございません。只、お嬢様方も定明様の携帯電話等の連絡先はご存知無かった様でして」

 

「あー。俺携帯は持ってねーんで仕方無いッスよ……とりあえず着替えてきますんで、もうちょっと待ってて下さい」

 

「はい。ごゆっくりどうぞ」

 

別に俺専属の執事ってワケでもねぇのに、態々俺にまで一礼してくれる鮫島さんに感動を覚えながらも、俺は部屋に戻ってササッと着替えを済ませる。

 

「ねぇ~定明~?」

 

「ん?何だよ母ちゃん?」

 

そして一階に降りたんだが、玄関に繋がる廊下で母ちゃんに呼び止められ、俺は振り向く。

 

「そろそろ定明も~携帯、欲しく無い~?」

 

「ん~……別に良いって。特に欲しいって理由もねぇし」

 

「む~……そろそろ私も、息子と携帯で話してみたいのに~」

 

俺の拒否を聞いて頬を膨らませる母ちゃん。

どーゆう理由だよそれ?

っていうかいい大人がそんなリアクションしちゃ駄目だろ?こう、絵的に。

 

「はぁ……まぁ、とりあえず行ってくら」

 

「ちぇ~。行ってらっしゃ~い」

 

俺は母ちゃんに行ってきますの挨拶をして、鮫島さんが乗ってきたリムジンの後部座席に乗り込む。

っつうかリムジンなんて初めて乗ったよ。

発進しても車が揺れないなんて初めての経験だぞ。

そんな風に慣れないリムジンの乗り心地に戸惑っていた俺だったが、大体走りだしてから20ぐらいの時……。

 

「……ありがとうございます。定明様」

 

「ん?何がッスか?」

 

突如、運転中だった鮫島さんからお礼を言われて聞き返してしまう。

いや、いきなりお礼を言われる覚えなんて俺にはこれっぽっちも無えからな。

そんな感じで軽く混乱してる俺に対して、鮫島さんは真剣な顔をバックミラー越しに見せてくる。

 

「昨日あった事は、月村様から既にご連絡を頂いておりまして……巻き込んでしまった責任という事で、月村様ご自身からお話を伺いました……月村様のお家騒動の事、そして月村様方のちょっと変わった血筋の件につきましても……わたくしが申したのは、貴方様がアリサお嬢様とすずか様をお救い下さった、その件についてのお礼です」

 

鮫島さんが語った言葉に、俺は軽く衝撃を受ける。

今の話しだと、忍さんは夜の一族の事に関して、アリサの両親と鮫島さんにも話してるって事になるが……やっぱすずかの親友だからか?

 

「あ、あぁ。それッスか……別に良いッスよ、俺は偶々巻き込まれただけなんで」

 

「例えそうであっても、結果的にアリサお嬢様とすずか様の身をお救い下さったのは、紛れも無く定明様です。わたくしだけでなく、旦那様と奥様も定明様には大変感謝なさってました……この後で旦那様方からもお礼の言葉を申し上げる事になるかと思いますので、わたくしはお先に言わせて頂きたく思い、今この場で申し上げさせてもらったのです」

 

「げっ、マジっすか?……俺、そーいうの、なんつうか……こう、律儀に感謝されんのは慣れてねぇっつうか……気が重いなぁ」

 

多分、鮫島さんの言う事はマジなんだろう。

なんか今からアリサの家に行くの、気が重くなってきやがる。

ホント偶然の出来事だったから、そんな大々的に感謝されんのは辛いぜ。

そう考えて頭を抱えている俺を、鮫島さんは面白そうに笑って見ていた。

 

「ホッホ。何事も経験にございます」

 

できればそんな経験は一生ご遠慮したトコなんだがなぁ……。

この先の展開に少し気後れするが、既に車が走った後じゃどうする事も出来ない。

俺は若干憂鬱な気分のまま、アリサの家を目指して走るのだった。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

『お待ちしておりましたッ!!ようこそッ!!城戸定明様ッ!!』

 

帰りてぇ。

それが今の俺の中に燻る心境だ。

何せ屋敷を囲う正門の所から屋敷の入り口までの道が、メイドと執事の長い列によって道が作られているんだから。

しかも全員90度のお辞儀の体勢で、更には歓迎の挨拶付き。

やっぱ来るんじゃなかったよマジで。

キツ過ぎる歓迎ムードにゲンナリしてると、側に立っていた鮫島さんがニッコリと笑って「こちらです」とか言ってくる。

チラッと後ろを振り返ればメイドと執事が閉まりきった門の前でお辞儀してた。

ご丁寧に逃げ道も完璧に潰されてら。

 

「……はぁ」

 

もうここまで来たら逃げる事は叶わぬと諦め、俺は鮫島さんの誘導に従って屋敷の中へと足を踏み入れる。

屋敷の中は、そりゃ~もう豪勢なシャンデリアだの何だのとあって、如何にもブルジョワって雰囲気がバンバン出てやがる。

つうかスタンドの制御練習するって言ってたのに、こんな人の多い所じゃ無理だ。

そこら辺どう考えてんだ、あの2人……もしかして秘密の特訓室なんかがあったりするのか?

 

「着きました。此方になります」

 

色々と考え事をしながら進むこと5分、廊下の途中にある大きな扉の部屋に案内された。

そこに鮫島さんがノックして「定明様をお連れしました」と声を掛けると……。

 

『あぁ、入ってくれ』

 

と、中から威厳に満ちた男の人の声が聞こえてくる。

許可が下りたので鮫島さんが「失礼します」と言いながら扉を開くと、中にはすずかとアリサ、そして忍さんとノエルさん、もう1人金髪の体格が良い男性がいた。

多分、あの人がアリサの親父さんなんだろう。

 

「良く来たわね、待ってたわよ定明」

 

「こんにちは、定明君」

 

「おーっす。何かえらく機嫌良さそうだな?」

 

中に入って直ぐにニッコリ笑いながら声を掛けてきたすずかとアリサに軽く挨拶しながら、俺は部屋の中へと足を進める。

 

「当ったり前よッ!!あのバカの顔を2週間も見ないで済むなんて、ザマミロ&スカッと爽やかな笑いが出てしょうがないわッ!!」

 

「うんッ!!こんなに嬉しい事は無いよッ!!」

 

「あーそう……でも、お前等ちゃんと反省はしろよ?」

 

「「はーいッ!!」」

 

「返事だけは一人前だな……まぁ良いけど」

 

もうこれでもかと嬉しそうにしてる2人を見て、怒るとかそーいう気になれなかった……まぁ良い気分の時に水を刺すってのも野暮だろ。

そう考えつつ、俺はアリサ達から視線を外して、ソファーに座ってる金髪の男性に目を向ける。

本当なら大人の人に先に挨拶しなきゃいけねぇんだけど、アリサ達が先に挨拶してきたから返す形になっちまった。

そう考えていたら、金髪の男性がニッコリ笑って俺に視線を向けてくる。

 

「やぁ、君が城戸定明君だね?私はアリサの父親のデビット・バニングスだ。今日は良く来てくれたね。歓迎させてもらうよ」

 

「どうも、初めましてッス。遅くなりましたが、城戸定明です。今日はお誘いありがとうございます」

 

金髪の男性、デビットさんに倣って俺も挨拶をしながら頭を下げる。

 

「いやいや。昨日月村さんから詳しい話は伺ってるよ……娘を助けてくれて、本当にありがとう。その事に関しては、感謝してもしきれない」

 

すると今度は逆にデビットさんから頭を下げられてしまう。

大人がこんな風に子供に頭を下げるって……そんだけアリサの事が大事って訳だ。

こーゆう時にあんまり遠慮すると逆に失礼になるって鮫島さんから言われたし、ササッと終わらせよう。

 

「いえ。まぁ、どう致しましてです……」

 

「……フフッ。君のお陰で娘は人生を救われたんだ。その恩に対して、私は会社の総力を挙げて報いろうと思う。コレは妻も賛成している事でね」

 

「あー、あんま大事にしないで貰えた方が嬉しいんスけど……」

 

バニングスグループっていやぁ、日本どころか世界でも有数の大企業。

そんな所に会社の総力を挙げてなんて言われたら萎縮しちまうよ。

 

「だが、娘の恩人に何もしないとあってはバニングス家の名が落ちてしまう。勿論、君に対するお礼がそれ目的かと聞かれれば否定は出来ないが、私も1人の父親として、君に俺をしたいという気持ちは本当だ」

 

「パパ……」

 

父親としての顔と大企業の社長の顔で、デビットさんは俺にそう言い、アリサは嬉しそうな顔でデビットさんの事を見ている。

つまり、俺がお礼を断れば会社と家の名に傷がつくって事かよ……面倒くせえ。

所謂大人の事情ってヤツに巻き込まれた我が身の不憫さに泣けてくるぜ。

今度からポコロコのスタンド常時発動しとくか?

 

「はぁ……分かりました。んじゃあ、欲しいモノがあるんスけど……」

 

仕方無く、仕方無~く覚悟を決めた俺は、デビットさんに欲しいモノを言おうと口を開いた。

俺のお礼を受け取りますって宣言に、デビットさんは笑顔を見せる。

 

「あぁ、何が欲しいんだね?君くらいの歳となるとTVゲームとかかな?それぐらいなら世界中から何本でも集めるが……」

 

ゲーム脳になっちまうって。

っていうか一生掛かってもクリア出来ないんじゃなかろうか?

 

「いえ、違います……美味い飯が食いたいっす」

 

「…………」

 

俺の提案した欲しいモノを聞いて、デビットさんはポカンと口を開ける。

あれ?これじゃ駄目だったか?

ちょっと周りを見渡せば、忍さんやノエルさん、鮫島さんまでもがポカンと口を開いてフリーズしていた。

 

「……く……くくっ……ハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!」

 

え?何その高笑い?

 

「定明……アンタって奴は……」

 

「アハハ……ご、ご飯が良いの?」

 

何故かアリサとすずかは呆れたり苦笑したりしながら俺の事を見ている。

別におかしな事は言ってねぇと思うんだが……。

 

「何か変か?俺は只、普段のっていうか普通の生活じゃ食えねえぐらい美味いモンが食べたいって言っただけだぜ?材料とか考えたら結構高く付くと思うんだが…」

 

「ハッハッハッ!!気に入ったよ定明君ッ!!……フゥ……良しッ!!君のその願いを叶えようッ!!鮫島ッ!!今夜は世界中の一オシ料理を出せッ!!定明君の言う美味いモノを厳選して作らせろッ!!シェフ達には最高の仕事をする様に伝えておけッ!!」

 

「ホッホッホ。かしこまりました、旦那様」

 

俺の言葉を聞いたデビットさんは笑うのを止めて、側に控えていた鮫島さんに怒涛の指示を出す。

それを受けた鮫島さんも嬉しそうに笑いながら命令を承っていた。

っていうか今日なの?俺家に何の連絡もしてねーんだけど?

 

「あの、今日は俺、家に何も言ってきてないんで……」

 

「その点ならご安心下さい。わたくしが既に定明様のお母様へと伝えておりますので、就寝用の着替え等も全てお預かりしてます」

 

待て、ちょっと待て?今なんつったこの人?

確か『就寝用』つってたよなオイ?

何か色々とオカシイナー?と思いつつアリサ達に視線を向ければ、そこにはさっきと違って少し心配そうな顔を浮かべるすずかと、何故か俺に対して申し訳ないって顔、つまり気まずい顔を浮かべるアリサが居た。

お前等かこの騒動の差し金は?っていうかココまで計算してたのか?

 

「……明日は土曜日で学校も塾も休みだから、定明とすずかは今日はアタシの家に泊まっていく様に。あっ、コレ拒否権とかは無しだから」

 

「拒否権無しって……少しは俺にも話をしろよ。何でこんな土壇場になってンな事言うんだよオメエは?」

 

「……そうね。土壇場になったのは謝るわ……けど」

 

俺がかなり怒り気味に言うと、アリサは顔を悲しそうに変えて俺にキチンと謝ってきた。

それで怒りの矛先が鈍った俺にアリサは近づき、かなり真剣な表情を作る。

 

「お願い。今日だけは泊まって行って……ホントは学校で見た時に言いたかったんだけど、なのはが側に居たから言えなくて……マズイ事しちゃった」

 

「言えなかった?マズイ事?……何かあったのかよ?」

 

学校で見た……つまりハイウェイ・スターを操ってた時の事か?

アリサの本気で申し訳ないって表情に怒りを削がれた俺は、雰囲気を和らげてアリサに優しく声を掛ける……何か面倒事の匂いがプンプンするんだが……。

俺が優しく声を掛けても言い辛い事なのか、アリサは少しの間床と俺の視線を行き来し、やがて意を決したのか、口をゆっくりと開く。

 

 

 

 

 

「――ごめん。パパとママにスタンドを使ってる所……見られちゃったの」

 

 

 

 

 

……そりゃ無いぜ、アリサ……。

如何にもな面倒事の到来に、俺は手の平で顔を覆って天を仰いだ。

 

 

 

 

後書き

 

 

今日は短め。ホントだったらアリサとすずかがスタンドを出現させて名前を呼ぶ所まで行きたかったのにぃ……!!(血涙)多分、文章に余計な脂肪があった所為だと思うけど……何処らへんが余分だったんだッ!?

 

 

 


 
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