No.62017

もしも5

呂布さん

書いていて思った…
これは微妙過ぎる!
…という訳で、前回の続き。

2009-03-07 16:57:51 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:5917   閲覧ユーザー数:4423

呂布が近くの村を守るため、単騎で黄巾党の大群と交戦しているとの報を聞き、俺達は呂布と村を助けるがため、その村へと急行した

 

 

 

 

 

 

 

―――――一方とある村では―――――

 

「野郎共!ぶっ殺せ!」

オオォォォオ!

「…うっとうしい」

そう言うと、少女は戟を振るった。

「…ふん!」

ザシュッ!

「ギャア!」

「ぐはぁ!」

少女が放つ一撃は、黄巾党の群れを容易に打ちのめす。

だが…

「オラオラァ!数ではこっちが勝ってんだ!どんどん突っ込めぇ!」

オオォォォオ!

確かにその少女は強い。しかし…

やはり、『1対7000』では無理があった。

「………ふん!」

ザシュッ!

「ゴブァ!」

「ゴフ!」

ドシュッ!

「ギャア!」

次々と黄巾党を切り倒して行く少女

しかし、少女とて人の子、疲れを知らぬ訳ではない。

「…ハァ…ゼェ…ハァ……むん!」

疲れを紛らわすかのように少女は力任せに戟を振るった。

その時―――――!

「…………ッ!?」

少女は気づかなかった。自分の足元に転がっていた人間が、まだ『生きていた』事に…

「ヒヒッ…年貢の納め時だなぁ、女?」

「なぁ兄貴?こいつ結構良い外見してるし、捕まえて売っちゃわねぇ?」

「あぁ、そうだな」

ぐへへ、と不気味な笑いをしながら男達は、少女へと近づいた。

「…クッ」

もうダメだ…。少女が諦めかけた

次の瞬間!

「はぁーーー!!」

ザシュッ!

「おりゃあぁぁ!」

ドシュッ!

「せぃ!やぁ!」

ザシュッ!グサッ!

「ギャア!」

「ぐはぁ!」

「ゴブァ!」

ドサ、ドサ、ドサ…

「お、オイ!どうした!?」

「いや、ただアンタの仲間が倒されてるってだけだよ。」

「なっ!?馬鹿な!こっちは七千人の大群なんだぞ?!」

「フッ。たかが、黄巾党に我ら董卓軍が負けるはず無かろう!」

「アハハ!そらそうやなぁ!」

「お!さすが霞と刹那だな。もう全員片付けたのか!」

「当然だ。」

「楽勝やったで〜!一刀の方は?」

「う〜ん、恥ずかしながら、量に苦戦した。」

俺がそう言うと、

「お!でも全員倒したんやな!偉いで一刀!」

「まぁ次はもう少し迅速に倒して欲しいがな。」

「うっ…善処します。」

そんな感じで和んでいると、

「……霞…華雄?」

「おぉ!恋、助けにきたで!」

「かなりの疲労が見られるな。だが私が来たからにはもう安心だ。」

「刹那が言っても説得力ないなぁ?」

「霞!貴様私の武を愚弄するのか!?」

「…喧嘩、良くない。」

「恋殿の言う通りなのです!今は目の前の敵に集中してほしいのです!」

「まったく…先が思いやられるわ。」

「むぅ…それもそうだな。」

「いやぁスマン、スマン。」

…刹那はともかく霞は懲りてないな。

「なぁ、みんな?そろそろ戦闘再開しないか?」

俺がそう提案すると

「あぁ、そうだな。」「よっしゃ!」

「…(コクッ)!」

こうして、俺達は黄巾党と再び刃を交えた――――――――

 

 

 

―――数刻後―――

「ふぅ…やっと終わったな。」

「ホンマ疲れたで。」

「この程度で疲れるとは…貴様らに武人としての誇りはないのか?」

「いや、武人としての誇りは関係ないのです。」

「音々音の言う通りだな。」

「むぅ…」

刹那の反応に皆が笑っていると、

チョン、チョン

「ん?」

今突かれた気が…

「………誰?」

あぁ、この子か。

「俺の名前は北郷一刀。」

俺は右手を差し出しそして、

「これからよろしく恋!」

笑顔でそう言った。

ついでに、恋は呂布の真名なんだが、戦ってる最中に許可された。

「…///(コクッ)」向こうも少しはにかんだ笑顔で握り返してくれた。

…そんな彼女にときめいたのは極秘事項だ。

「恋さん、大丈夫ですか?」

月が心配そうに恋のことを見つめる。

と、

「―――――ッ!?」「なっ!?」

「月ちゃん!?」

上から順に、恋、刹那、霞である。

それにしても、三人の様子が変だな。

霞なんて、なんか、居たらおかしいモノを見たような…

「…どうして?」

不意に恋が月に尋ねた。

多分、どうして月がここにいるのか、という意味だろう、状況的に見て。

「あ、えっと…その…それは、一刀さんが…」

言いながら月がこちらを向いてきた。

「おい、北郷!本当なのか!?」

刹那が俺に問い掛ける。

「あぁ。俺が月を連れt――「このアホンダラァァァ!」ゲシッ!――ぐはぁ!」

霞の渾身の右手ストレート!効果は抜群だ!

「一刀!こんな戦場まがいの村に月ちゃん連れて来て怪我でもしたらどないすんねん!!」

「いや、霞さん?これには訳が…」

俺が弁解しようとしていると、

「説明しておられなかったのですか、一刀殿?」

音々音が呆れながら尋ねてきた。

「ハァ…だから、最初に説明しとけば、ってボクがあれほど…」

詠なんてため息混じりの説教だし…

「…説明やて?」

「どういう事だ?」

「……………??」

詠と音々音の登場で三人が冷静さを取り戻した。

「俺達が悪者なんかじゃない事を証明するためだよ。」

俺が三人のに質問に応える。

「諸侯に伝わっている噂は、『董卓が反乱を起こし、洛陽で暴政を働いている』ってモノだ。反乱の方はどうしようもないけど、暴政の方はまだ無実だって証明できると思うんだ。その為に、月には同行してもらった。」

そう。月を同行させて、『董卓軍が全力で近くの村を助けた』という噂を間諜に変装させた斥候に流させる。

策と言えるかは微妙だけど、詠と音々音には許可されたし、問題無い…よな?

「そうだったのか…。」

「…月、悪者じゃなくなる?」

「そうなるように、みんなで頑張るんだ。」

「…なぁ一刀?」

「ん?なに霞?」

俺が霞の方に振り向くと、

「ホンマごめん!」

…全力で謝られた。

って、え?

「ちょっ、どうしたんだよ霞!?」

「だって…うち、なんも聞かないで、いきなり殴ったりして…とにかく、ホンマにごめんな!」

そんなスグにでも泣きそうな顔で言われたら、嫌だなんて言えないじゃないか。

…まぁ言うつもりなんて元々無いけど

「あ、謝って足りひんのやったら煮るなり焼くなり好きにしてええよ?」

「わかった。お言葉に甘えさせてもらうから、真っ直ぐ立って。それと、みんなは先に城に戻ってて良いよ?」

「…(コクッ)」

「了解なのです!」

「ふむ。」

「仕方ないわねぇ…行こう、月!」

「あ、待ってよ詠ちゃん〜。」

ザワザワ…

「みんな行ったか。さてと…霞。」

「応ッ!」

「それじゃあいくよ?」

「いつでも来いや!」

そういうと、霞はギュッっと目をつぶった。

俺はそれを見ると右手を上げて――――

「うひゃあ!?」

―――力いっぱい抱きしめた。

なんか霞が奇声を発した気がするけど、気にしない事にしよう…

「///か、かか一刀!?」

「ん?なに?」

「な、なにって!?なんでうちの事抱きしめとんねん!?殴るんとちゃうんかい!?」

「殴る?なんで?」

「なんでって…だってうち一刀のこと思いっきり殴ったんやで?!」

「でもそれは月のことを思ってやったことだろ?そんな友達思いの霞を殴るなんて俺にはできないよ。」

「せやかて――「それに、」――ん?」

霞の言葉を遮るように俺は言った。

「霞は女の子だもん。」

「…はぁ?そんなことで?」

「いや、そんな事でって…充分だと思うけど…」

俺がそういうと、

「プッ…ハハハ!」

「し、霞?」

急に笑い始めた。

それからしばらく経ち、霞の笑いも落ち着いていた。

「ゼェ…ハァ…いや笑った、笑った。」

「いや、笑いすぎだから。」

「アハハ、スマン、スマン。」

「まったく…」

「…なぁ一刀?」

「ん?」

霞は急に真面目な顔になった。

「一刀は…辛くない?」

「…え?」

「戦ってる時に、不意に一刀の顔が見えたんやけど…そん時の一刀が、なんや辛そうに見えてな…」

「霞…」

俺は少し考え、そして答えた。――――

「辛いよ…とても辛い。」

霞は黙って俺の話を聞いている。

「俺の居た世界では戦争は…少なくとも俺の身近では無かった。それが、今は俺の目の前で起こってる…。正直、逃げたいって思うよ。」

「………」

そう言った途端、霞が哀しそうな顔になった

「…でも」

と、俺は続ける。

「みんなを助けたいから、俺はみんなと戦うよ。例え恐くても…辛くてもね。」

「…後悔してへん?」

「なにを?」

「…うちらに出会ったこと。」

霞は涙目で聞いてきた。

「する訳無いだろ?」

「…ホンマ?」

「こんな事で嘘ついてもしょうがないだろ?むしろ…」

「…むしろ?」

俺は霞の方に向き直り、

「みんなに会えて、良かったって思ってるよ。」

「…そっか。」

そう言うと霞は涙を拭って、ぐっと背伸びをした。

「…カッコ悪いとこ見せてしもうたな。」

「そんなことないよ。霞は俺の事を心配してくれたんだろ。だったらカッコ悪くなんてないよ。」

「…ありがとう、一刀。」

「どういたしまして。じゃ、そろそろ城に帰ろうか。」

「…応ッ!」

こうして俺達は城に帰った。

…と、これで終わればちょっとした美談だったんだが、そうは問屋が卸さない。

そのあと、城で後処理をしていた、詠と音々音にこってり絞られた。

さすがに城に着いたのが夜だったからな。心配もかけただろうと言うわけでみんなにちゃんと謝っておいた。

…まぁ結局許してもらえず、俺は残りの仕事の処理、霞は一月の飲酒禁止となった。

その時の霞の慌てようって言ったら…

 

 

 

…と、なんだかんだで俺はこの世界を楽しんでいた。

俺の知っている三国志の世界と、似ているようで異なる世界を…

 

 

 

 

 

 

 

これから起こる戦いも知らずに

 

 

 

 

一刀の行く先に待ち受けるものとは――

董卓達の運命は――

これから起こる戦いとは―――――――

 

 

 

 

――すべては外史と天のみぞ知る―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続き、待ってて。


 
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