No.619171

真・恋姫†無双 ~西から昇る太陽~ 序章の4

佐中 祐さん

完全なテンプレっぽい流れはようやく終わりだと思います。

オリキャラ達がアップを始めたようです。

2013-09-13 22:28:32 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1041   閲覧ユーザー数:928

 

 その後必死で誤解だと主張したものの、彼女たちの中で俺が天の御遣いなのはもう確定してしまったようだ。どれだけ自分はそんな大層なもんじゃないと説明しても、聞く耳をもってくれない。

 

 「だから違うって!!俺は普通の学生で……」

 

 「でもそんな生地見たことないよ?」

 

 「これはただのポリエステルで」

 

 「ぽーりーえーすてーる? それって天の言葉?」

 

 

 だめだ……二人とも、何言ってるのか分からないいて表情だ。そりゃこの時代にポリエステルなんてあるはずない。この時代の人からしたら『キラキラ輝く不思議な生地』にはちがいない。

 

 二人からしたら、噂の流れ星が落ちた場所に見たこともない服をきた男が立っていて、聞いたこともない言葉を時々使っているんだ……いきなり怪しいやつとして人でも呼ばれていないことをラッキーっと思ったほうがいいのかもしれない。

 

 「うーん……どうしたもんかな」

 

 「じれったいな。違うってんならお前は何者だってんだよ!」

 

 「そうだよねー。そういえば名乗ってもいないお姉さまの字を知ってたみたいだし、も し『天の御遣い』様じゃなかったら怪しい人だよね~。……にひひ」

 

 

 うわ!?人がいちばん心配してたことを!!馬超もなんだか警戒してるし!!てかこのこ分かっててやっただろ!!

 

――チャキッ

 

 ん? 馬超の背中からなんだか槍みたいなものが……槍!?

 

 「どこからそんなもん出てきたんだよ!?」

 

 「うるさい!! あたしの槍の錆にされたくなかったら、正直に全部話してもらおうか! !」

 

 

 そういって俺に突き付けられた槍は金属特有の冷たい輝きを放っていて、馬超の迫力も相まってとても偽物には見えない。

 

 ……これは変人とかそんなこと気にしている場合じゃないかもしれない。見た感じいい娘達に見えるし、もう正直に話すことにした。……隠してたって何がどうなるわけでもないしな。

 

 自分がこの世界の住人ではないようだということ。1800年も後の人間であること。その世界では馬超たちは歴史上の人物として有名であること。どうして自分がここにいるのかわからないこと。

 

 そういったことを一通り説明し終えると、馬超はあからさまに?を頭に浮かべていたが、馬岱は得心言ったように頷いていた。

 

 「だからお姉さまの字を知ってたんだね。じゃあ、蒲公英の字とかもわかるの?」

 

 「ごめん。実はそんなに詳しいわけじゃなくて……馬岱の名前くらいはわかったんだけ ど」

 

 「むー」

 

 ん? というより文脈で答えてしまったけど……

 

 「え、えーと『たんぽぽ』って?」

 

 「「!?」」

 

 ブン!!

 

 「おわっ!?」

 

 異常に重たい風切り音が聞こえ、嫌な予感がして咄嗟に飛びのいたが、おかげで命拾いをした。さっきまで俺が立っていた場所が大きく陥没していた。すぐ近くに馬超が武器を振り下ろした姿勢で立っていたところを見るに彼女がやったようだ。

 

――どんな馬鹿力だよ!!

 

 「な、なにすんだよ!!」

 

 「てめぇ!! 蒲公英の真名を!!」

 

 ブン!!

 

 先ほどと同じような音を伴って馬超が俺をめがけて武器を振り下ろす。

 

 「うわ! ちょ、ちょっと待ってくれ!!真名ってなんなんだよ!?」

 

 「問答無用!!」

 

 「やべっ」

 

 三回目の攻撃を避けようとしたところで、とうとう運が尽きたのか足がもつれて転んでしまった。

 

 避けられないっ!!

 

 

 「お姉さま待って!!」

 

 ドン!

 

 「っはぁー」

 

 どうやら馬岱の静止が間に合ったようだ。槍は俺の体のすぐ脇に大きなクレーターを作っている。

 

 「なんでだよ蒲公英!?こいつはお前の真名を!!」

 

 「たぶんその人真名がなんなのか知らないんだと思うよ」

 

 「へ?」

 

 「違う世界から来たって言ってたでしょ? だから真名のこと知らないんじゃない?」

 

 そう言って確認をとるようにこちらを伺った馬岱に、俺は深く頷いた。

 

 「ね?」

 

 「マジかよ……」

 

 「う、うん」

 

 「知らなかったんだから、しょうがないんじゃない?」

 

 「お、おう……お前がそれでいいなら」

 

 まだ釈然としないようだが、馬超も槍をしまってくれた。どうやら助かったみたいだ。

 

 「お兄さんも、気をつけなきゃダメだよ?」

 

 「ご、ごめん。それで……その、『真名』ってなに?」

 

 

 

 馬岱に教えてもらったところによると、『真名』とは、家族や本人が認めた人間しか呼んではいけない神聖な名前だそうだ。それを許可なく呼べば、いきなり首を刎ねられても文句が言えないという。ついさっきの馬超は冗談でもなんでもなく殺しにきてたってことか……やばかった……

   

 ひとしきり説明を聞き終えたところで「ぐう」という音がした?

 なんの音だ? 

 

――ぐう

 

 「……お姉さま」

 

 「ち、違うぞ!! あたしじゃない」

 

――ぐうううう

 

 「あう……しょうがないだろ!!ずっと昼飯我慢してたんだから。……ってあーー!?」

 

 「ッ!!どうしたのお姉さま!?」

 

 「やばい……警邏の途中でこんなに道草くってたら」

 

 「叔母様に殺される……」

 

 馬岱もなにかに気づいた様で二人して震え始めた。

 

 「急いで帰ろう!!」

 

 「蒲公英!!こいつどうする?」

 

 「えー?わかんないよ!でも『天の御遣い』なら叔母様のところにつれてったほうがいいんじゃない?」

 

 「んじゃ、そうすっか」

 

 そう言って、事態を飲み込めていない俺を馬超が担いで馬に乗って走り出してしまった。

 

 「俺は荷物か!!!てかどこにいくんだ!?ンッ!?」

 

 「しゃべると舌噛むぞ。」

 

 ……そういう事は早く言ってくれ。

 

 「とりあえず母様んトコつれていくから、細かいことは母様に聞いてくれ」

 

 人任せかよ!!

 

 

あとがき

 

 

 アドバイス頂きながらあまり反映できなくてスイマセン!!!!

 

 でも、翠とか蒲公英好きなんですもん!!!それで手抜きとかしたくなくて書いてるうちにノってきちゃって……

 

 次からやっと謁見して勢力入りして、本格的に√スタート・・・となると思います。

 お話が始まれば嫌でもテンポは速くなると思います。 ……だって黄巾の乱で書くことがたくさんあるほど、歴史詳しくないし……

 

 このルートなんでオリキャラが出るのは仕方がない思ってもらえ……ればいいな         


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
12
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択