契約を終えると突然、リリアが近寄ってきた。
「んぁ?なんだ汀、京との契約きってたのか。」
「うん。まぁね。」
汀はこっちを振り向くと無言で訴えかけてきた。
さっきのことを話さないでほしいようだ。
まぁ、そのときリリアや楓はいなかったのだから
知らないほうがいいだろう。
そのまま、夜になり再び、集合場所まで行った。
すでにレベッカが何本かタバコをすい終えている。
足元には吸殻が散らばっていた。
「ん?」
ふとこちらに気がつく
そして、汀の方をむくと一瞬レベッカが微笑んだ気がした。
「ふむ。やはりそうしたか。」
小声でそうつぶやいた。
「さて、じゃぁ今回の依頼だが
単純にいおう邪の殲滅だ。簡単だが無駄に広い二手に分かれよう
汀と京たち、私とリリアでそれぞれ西と東を受け持つ
結界は、張ってあるから好きなだけ暴れていい。」
結界とは、その周辺の地形や破壊された対象を自動的に戻すものをいうらしい
また外部への進入、干渉を完全に拒絶する異界なのだとか
「ところで邪って結局なんなんだ?汀」
ふとした疑問を汀に問いただす。
主に昼間に戻った記憶は、汀やリリア、楓そしてレベッカとの関係とそれに関する記憶。
重要なところがほとんど戻ってない。
「邪っていうのは、雑念の集合体よ。
死者の未練だったり願望のほかに周辺地域の無意識下の雑念。
最近流行ってるでしょ?コックリさんとか
あれ、交霊術の一種なの。まぁ実際きたのはほとんど皆無だろうけど。
でもそれをやると大半は残りカスができるのよ。それが無意識下の雑念
人間の無邪気な雑念、こうなったら面白い。こうなったら楽しい。
それには方向性がないのよ。方向性がない雑念が漂い方向性のあるものに導かれるている。
・・・・そうね。磁石と同じよ。鉄を無意識下の雑念とすると磁石という強力な方向性を持ったものにひきつけられるのよ。そして強力な方向性によって方向性が決定される。
そして、邪はそんなものがマイナス方向になったものが集合したものよ」
すると、後ろからドロリという音がした。
振り向くとそこには見覚えのあるスライム状のものがいた。
「ちょうどいいわ。私の武器化したときの使い方を覚えてもらうわね。」
そういって汀は、僕の手を握った。
「月紋拘束封第一解除」
すると僕の手には、一振りの刀があった。
長さ的には、ちょうど僕の胸の辺りまである長い刀。
柄から刃先まで真っ黒だ。
刀の刃の部分だけが怪しく光っている。
【私との記憶が戻ってるなら扱えるはずよね?京】
とりあえず、思いつくように振ってみることにした。
汀が微妙に補正してくれてるのか、刀は流れるように動く。
その気配に気がついたのか、邪がこちらに向かってきた。
不思議と集中力が増してゆく・・・
殺るか殺られるかも意識のそこに。
呼吸も脈動もごくごく普通に
見えるのは相手と周りの地形だけ。
僕は、無意識に走り出す。
邪の触手がこちらに伸びてくる。
あれに触れてはいけないと体が反射的によける。
そしてその伸びた触手を切った。
切れた場所が見る見る凍っていき砕けた。
が、気がつくと目の前まで何本もの触手が迫ってきた。
瞬間、体が何かに引っ張られ上に跳んでいた。
【なるほど、使い方は覚えてるのね。それじゃぁ終わらせましょうか】
つばの部分から黒い光が刀の刃を包みこむ
そして、僕は刀を横に振る。
空を切った刃からは黒い猫のような物体が何体も現れ。
じゃに襲い掛かる。
そのすべてが邪を貫く。
凍りつき砕け散りそこには何もなくなった。
「さって、使い方は覚えてはいるけど勘が鈍ってるわね。京
私があの時うごかなあったらどうなったか・・・・。」
「まぁ、しばらくおうてなかったのじゃ。しかたなかろう。汀」
ねぇさんがいった。
「まぁそれはそうと今の動き、悪くなかったぞ。京」
「雛乃さんは、すぐ京を甘やかす。」
汀が、不機嫌そうに言う。
なんというかすごく懐かしい気がした。
っと、もう一人、誰か大切な人を忘れてる気がした。
そして今気がついたことがひとつ・・・・。
イデスについてほとんど記憶がないのだ。
何も思い当たる点がない。
彼女が何者なのか。そしてなぜ僕の心の中に封印されてるのか。
「知りたいか?ぼうや?」
イデスの声がした。
不意に僕の・・・・眼前の光景を暗転させ、意識が遠ざかった。
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マジで長くなるなと(((
もうちょっとで大学受験が終わる((