「・・・・京は、今は覚えてないだろうけど、私はもともとあなたの獣だったの。」
僕の思考は停止する。
「あなた・・・・京という存在は・・・・・・
現在存在する獣使いの中でもっともふるい存在なの。
何世紀という時を転生してきた。
私はその中でも雛乃と同じぐらいにあなたによって作られたわ。・・・」
僕は、汀の一言一言を聞き漏らすことなく頭に入れた。
にわかには信じがたいことではあるが、
僕の記憶が大まかに戻ってきている。
それだけ真実なのだろう。
「それからしばらくして人形師のころのレベッカとであった。
そしてあなたとレベッカは、いっしょに旅をするようになったの。
あなたもレベッカも同じ永遠に生きる存在ということもあってね。
だから貴方の獣のいくつかがレベッカに渡された。
それが私とリリアと楓」
そう、僕とレベッカは、永遠に生きる存在になっていた。
僕は、転生という形で生き続け、
レベッカは、永遠に朽ちることのない自らの肉体を作り上げた。
「そしてあるとき、あなたは転生が不完全で非常に情緒が安定しないときがあった。
そのとき見つけた獣使いが悪意を持った人間だったの。
その人間はあなたの力を使ってこの世界を壊そうとさえしてきた。
もともと貴方の転生は、記憶が飛ぶことが多かったから。
そこに漬け込まれたのね。
そしてその人間は、京とレベッカを戦わせた。
レベッカの存在が邪魔だったから。
そして、その結果、レベッカは私を使って・・・・・貴方を殺したの。
二度と会うことがないと誓ったうえで・・・・」
おそらくレベッカは、転生するとはいえ、
同士を殺すという残酷な現実に耐えられなかったのだろう。汀も同じだ。
雛乃ねぇさんたちは、そのときの記憶を覚えている。
自らを封印することで僕の力を押さえたのだから
「そのとき、リリアと楓はいなかったの。だから彼女達は知らないわ。
でも私は、その事実に耐えられなかった。
私の力によって貴方を殺したんですからね・・・・
私はレベッカに頼んで記憶を封じ込めたの。」
「そっか・・・」
「でも私とレベッカは貴方に会ってしまった。
そして、これはきっと私達への贖罪なのだと
きっと私達は逃げていたのね。貴方を殺したという事実から」
「でも悪いのは僕だろ?汀やレベッカがそんな風に思わなくても・・・」
っと言おうと思った。
でもいわないことにした。
なぜなら、例え僕が悪かったとしても親友を殺したという事実は変わらないのだ。
最も信頼をしていて、最も親愛をもった人間を自らの手で殺したという事実。
それはひとつの重い罪なのだ。
どんな理由があろうとその事実は変わらない。
なぜ会わないと誓ったか。
それは、その事実からの逃亡ではなく、
その記憶とともに自分も消えるつもりだったのだろう。
しかし、僕とレベッカは会ってしまった。
そしてレベッカは、真実を告げることで自らの罪をさらけ出し、
もう一度、僕と関わることにしたのだろう。
それだけの覚悟をしなくてはいけないくらい現状は最悪なのだろう。
「・・・・記憶がかなり戻ったようじゃな。」
突然、ねぇさんの声がした
「して汀、これからおぬしはどうするのじゃ?」
「・・・・・私は、今から再び貴方と契約を行うわ。
おそらく黒幕は、アイツだろうから。」
「・・・・本当にいいんだな?汀」
最後の問いかけを僕はする。
「京、貴方忘れたの?私は一度いったことは曲げないはずよ?」
「そうだったな。」
そして、再び契約を行った。
ちらほら細かな記憶がないものの大まかな記憶は戻っている。
再契約の呪文も簡単に思い出した。
「EXEC Re=geeow parce」再び契約の印を
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意外に長くなりそうだ(