No.594140

ソードアート・オンライン 黒と紅の剣士 第十一話 ボス部屋前の激闘

やぎすけさん

遅くなりました。

2013-07-04 00:58:06 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1550   閲覧ユーザー数:1488

デュオ視点

戦闘開始から1分。

この短時間で敵の数はかなり減った。

既に1/3はリメインライトになっているが、こちらのHPも既にレッドゾーンに達している。

 

デュオ「プロミネンス・ドラゴン!!」

 

防御態勢に入って態勢を立て直そうとする敵に、俺は爆炎の竜を放って、逆に態勢を大きく崩す。

 

キリト「うおぉぉぉぉ・・・!!」

 

デュオ「てぃぃぃぃやぁぁぁぁ・・・!!」

 

クライン「おりゃぁぁぁぁ・・・!!」

 

俺たちは、迫りくる敵を次々に斬り倒し、ボス部屋へ近づけさせない。

さすがに攻略ギルドを名乗るだけあって、能力はなかなかのものだが、キリトやヒースクリフに比べれば、大した強さではない。

 

デュオ「スターバースト・ストリーム!!」

 

左右両方の剣が青白い光を纏って敵に殺到する。

16発の連撃を受けた敵プレイヤーは、直後に爆散し、リメインライトを残して消えた。

戦闘開始から2分18秒後、後ろの扉が重々しい音を立てて開く。

周りを取り囲む敵を薙ぎ払ってから振り向くと、スリーピング・ナイツの6人と右手にランベントライトを握ったアスナがその内部に飛び込んでいった。

どうやら先遣隊を突破することはできたようだ。

俺の近くで戦っていたキリトもそれを確認したようで、閉まり始めている扉に向かって右手を持ち上げ、Ⅴサインを突き出した。

直後、ボス部屋の扉は完全に閉ざされた。

これでこの扉は、ボスが倒されるか、アスナたちが全滅しない限り開くことはない。

あとはこちらの敵を片付けるだけ

 

デュオ「クレイジー・バーン!!」

 

俺は叫ぶと、大剣を横一線に振り切った。

剣の軌跡から無数のオレンジ色の球体が飛び出し、周りに爆発を引き起こす。

 

サラマンダー「密集体系!」

 

その声に従って、プレイヤーたちは一か所に集結すると、メイジ隊が回復魔法の詠唱を始める。

 

クライン「させっか!」

 

クラインが果敢に突進して、それを防ごうとするが、周りのタンクに阻まれて攻撃がメイジ隊まで届かない。

だが、急に集められたためか、タンクはこちら側に密集しているので、向こう側は守りが薄い。

 

デュオ「背中借りるぜ、クライン。」

 

俺は走り出すと、クラインの背中を足場にして飛び上がり、フレア・シフトを発動させる。

しかし、相手はそれを読んでいた。

空中の俺に向けて、数人のメイジが攻撃魔法を放とうとしている。

HPの残量からして、ファイヤーウォールは発動できない。

かといって、あれだけの魔法攻撃を全て迎撃するのは、ファイヤーウォール以外では不可能だ。

 

デュオ〈ここまでか・・・〉

 

そう思った直後、放たれた多数の攻撃魔法が俺に向かってきた。

俺は最後の悪あがきとばかりに、フレア・シフトを発動させたブレードダスクを振り回す。

その時、思い掛けないことが起こった。

 

?「バリアスプラッシュ!!」

 

強烈なライトエフェクトが発生し、俺に向かっていた魔法が全て打ち消される。

 

?「デストロイスラッシャー!!」

 

魔法が消え、俺が着地すると、今度は俺の上を三日月型の真空波が通過した。

それはそのまま、密集体系を取っているプレイヤーたちに直撃すると、その盾や体を貫通して全員に大ダメージを与える。

 

サラマンダー「な、なんだ・・・!?」

 

リーダー格のサラマンダーが喚くと、その後にややだらしなさそうなイメージの声が聞こえてきた。

 

?「まったくよ。久々にアインクラッドのボス攻略に来てみれば、何でボス部屋の前で大乱闘してんだ?」

 

聞き覚えのあるその声に、前を向いて見ると、そこにはSAO時代と変わらぬ装備を身に纏ったALOでも最強ギルドの5人が立っていた。

 

通常視点

ノーム「ば、バスターズ・・・っ!!」

 

ケットシー「何で、ALO最強ギルドが・・・!?」

 

驚きの声を上げるプレイヤーたちに、バイカが呆れた顔で答える。

 

バイカ「さっきも言ったろうが、ボス攻略に来たって。」

 

ジリオン「そうしたら、この騒ぎだったんでな。」

 

カルア「どういう事情があるかは知りませんが、僕らの友人に手を出すというのなら・・・」

 

ゲイル「容赦はしない・・・」

 

バスターズの面々がそう言うと、部隊は一瞬じりっと下がったが、すぐに勢いを取り戻す。

 

ノーム「最強って言ったってたった5人じゃねえか。この数でやれば勝てる!」

 

ケットシー「そうだ!こいつらを倒して、俺たちが最強になってやるぜ。」

 

ノームとケットシーの言葉に、全員が武器を構え直すと、バスターズもそれぞれの武器に手を掛けて身構える。

 

バイカ「どうするよ、マイティー?向こうはやる気満々みたいだぜ。」

 

マイティー「降りかかる火の粉は払い除ける。」

 

マイティーはそう言うと、【シャイニングエクセリオン】を構える。

 

バイカ「んじゃ、久々に暴れるとすっか。」

 

マイティーに倣って、バイカもサラマンダーバーニングを構える。

 

サラマンダー「メイジ隊!」

 

サラマンダーの指示で、メイジ隊が攻撃魔法の詠唱に入る。

さすがの高速詠唱によって完成した魔法が、バスターズに向かう。

 

ジリオン「カルア!」

 

カルア「了解です。」

 

カルアは先頭に立つと、左手の盾を魔法かざす。

 

カルア「バリアスプラッシュ!!」

 

再び強烈なライトエフェクトが発生し、飛来する魔法弾を全て打ち消した。

それを見て、またも驚きの声を上げるプレイヤーたちにバイカが突っ込む。

 

バイカ「見惚れてる暇はねえよ!」

 

次の瞬間、バイカの槍が赤いライトエフェクトを纏うと目の前のプレイヤーたちに高速の連続突きを浴びせる。

 

ノーム「この野郎!!」

 

ここで、重装甲のお陰で仰け反らなかったノームが反撃に出る。

だが、バイカはそれをかわしてバックステップで後退すると、今度はマイティーが前に出る。

 

マイティー「ブレイブ・シャイン!!」

 

既に白く輝いているシャイニングエクセリオンの刀身が、更に別の白いライトエフェクトを纏って敵を切り裂く。

相手の身体が爆散してリメインライトになると、マイティーは後退しながら叫ぶ。

 

マイティー「ジリオン!」

 

ジリオン「了解!」

 

後退するマイティーの後ろで、仮面をつけた巨漢のジリオンが巨大な斧を振りかぶる。

 

ジリオン「デストロイスラッシャー!!」

 

振り切った斧から発生した真空波が、敵目掛けて突進する。

 

サラマンダー「全員、回避!!」

 

先ほどことで、タンクの盾では防ぎきれないことを知っているサラマンダーは、回避を試みようとする。

だが、的確に放たれる風の弾丸がそれを許さない。

ゲイルの射撃に阻まれた攻略ギルドは、ジリオンの攻撃をまともに受けて崩壊寸前まで追い込まれた。

 

サラマンダー「た、退却・・・退却!!」

 

勝ち目が無いと思った連結部隊は、残り少ない仲間とともに撤退を始める。

それを見たバイカは、槍をクルクルと回しながら言った。

 

バイカ「けっ、おととい来やがれってんだ!」

 

カルア「これに懲りたら、もう僕たちの友人に手を出すのはやめてくださいね。」

 

呆れ気味の顔をしたカルアが言った。

そして、連結部隊が見えなくなると、8人は武器を収めた。

 

デュオ「援護サンキュー。助かったよ。」

 

ブレードダスクを背に戻して、カリバーンをストレージに収めたデュオが礼を言うと、バイカが答える。

 

バイカ「気にすんな。俺たちはただボス攻略に来ただけなんだから。」

 

バイカの言葉にカルアとジリオンも賛同する。

 

カルア「そうですよ。それに困った時に助け合うのは当然です。」

 

ジリオン「そういうことだ。でもなんであんなことになったんだ?」

 

デュオ「ああ、実は・・・」

 

デュオは先ほどの戦闘が起こった原因と、大手攻略ギルドが行っている占領行為について説明した。

説明が終わったちょうどその時、重々しい音を立てて扉が開いた。

一斉に扉に眼をやると、中から出てきたアスナとスリーピング・ナイツの6人がキリトたち8人に向かって、Vサインを突き出した。

 


 
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