No.592791 リリカルなのはSFIAたかBさん 2013-06-30 10:11:55 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:5591 閲覧ユーザー数:5056 |
第二十七話 叫べ!自分の為に!
高志視点。
「おまえをー♪さーえぎるものーはー、なにもなーい♪」
気落ちした俺はとある病院の中庭でバサラのトライ・アゲインを謳い終える。
二日前にデレたプレシアにダニーキックをされた。
その時に気を失ったらしい。が、そこに溜まって日頃の疲れとストレスが噴き出て、丸一日ずっとベッドの上で寝ていたらしい。
で、目を覚ましたのはとある教会のベッドの上。アサキムと再会した時に保護した少女もすぐ傍のベッドに寝かされていた。
大事を取って更に一日は安静にしているようにと言われてベッドの上でのんびりしていたが、さすが『傷だらけの獅子』のスフィアというべきか。ダメージの回復も早い。
損傷回復をもつ
だが、午前中はのんびりしているのにも飽きた。俺は寝かされていた建物内を探検することにした。
ここは病院というよりはお城という感じがする。
しかし、看護師の一人もいないのはどういう事か?ナースコールもないし…。
「もういっかい。もういっかい」
一緒に寝かされていた幼女と一緒に探検することになったのは、ほんの二十分前。
最初は俺に怯えていたが、二人に寝かされていた部屋を出ようとすると、『うう…』と涙目になる。近づけば怯えられる。
どうしろと?と、思ったが、ベッドの傍に置かれたお見舞い用のメロン。そして、V字のバナナを見て…。
キャアアアッチ、マイハァアアアット!
バナナはミッドでも三日月の形が普通らしい。奇妙なバナナを仕入れてきたアリシアには後でお礼を言っておこう。
実は、こういう変な物は大好きなのだ。
そして、思わず叫んでしまった。
その恥ずかしさを誤魔化すために歌ったよ。「ぶるわぁあああ」と。
そしたら幼女に懐かれた。さすが、ビクトリィイイイで、ワンモセアな歌。
なんか違う人が混じっているが気にしない。
歌を「おかわりだ」と、要求された。
この施設内を探検するお供に幼女を加えて、あちこち歩き回っていたが、幼女が疲れたらしいので歌を歌って疲れがとれるまでのんびりしようとしたら幼女からのアンコール。
もうそろそろ歌エネルギーは0よ?
そう思うくらいに歌を歌って、持ち歌も尽きかけてきた。
だが、エリオに引き続き、この子も順調に俺色に染めてみようか?
「わもあせあ♪」
幼女からのアンコールを貰った。
とはいえ…。
前世でスーパーロボット大戦にはまっていた俺の持ち歌はシャウト系が主で残念ながら幼女向けの歌なんて知らない。
辛うじてマクロスの中にあった女の子。というか、子どもにうける曲はさっき歌いきったし…。
…いかん。時空シンデレラの歌なんて歌えないわっ。
「んー?」
い、いかん。幼女が俺を求めているっ。
俺の歌を求めているっ。
よ、よし。ドリルだっ。天○突破だ。
ブラスタが壊れた今、アカペラで歌うしかない。出来るのか、俺に!いや、やるんだ!
俺に力を、サウンドブースターを!
俺の歌を聴けぇええええ!
「その子から離れてください!傷だけの獅子!」
ズバァアアアアンッ!
中庭で気合を入れて歌おうとしたら、トンファーのような物を構えた女性が現れた。
赤紫色の髪をしたお姉さんが険しい顔をしながらいきなり現れた。
あと、『傷だらけ』だ。『傷だけ』じゃねえ。
・・・否定が出来ねえ。
「…ふぇっ。……え?」
「え?」
「シスター・シャッハ。え?」
幼女の方は怯えていたが頭に落ちた感触に、トンファーを持った姐さん。そして、彼女を追ってきたのか小走りに近寄ってくるなのはの三人は俺の方を見て驚いている。
あれ…?なんで三人は俺の方を見て戸惑っている?
「…お兄ちゃん。…泣かないで」
あれ…。俺、泣いていたの?
俺にはまだ、心の
はやて視点。
私はプレシアさんを指令室に呼んで、二人だけで聖王教会に送った女の子の容態を調べた結果を見ていた。そして、その結果から取れた情報。
「…見ての通りや。プレシアさん。私達が保護した女の子。あの子は」
「…人造魔導師。しかも、スフィアリアクター候補生。しかも、綺麗に合成してくれたわね。一体どこから私達のDNAデータを手に入れたのかしら。…これだから管理局は信用ならないのよ」
あの少女は『傷だらけの獅子』である高志君。そして、そのスティグマを刻みやすいテスタロッサ母娘のDNA。
高志君:プレシアさん:アリシアちゃんの割合で2:1:1で、配分されていたDNA配列。
リニスさんやリインフォースの情報。そして、高志君の事は闇の書事件をきっかけにスフィア、リアクターの情報は漏れていたのだろう。
「…まあ、私が言っても何の説得力はないけどね」
「…プレシアさん」
「フェイトとエリオには出来るだけ秘密にしておきたいけれど…」
「気づいてしまうやろな。あの二人には…」
プロジェクトF。
フェイトちゃんやエリオ。
高資質の魔導師を人工的に生み出す計画。作られた命。
「とにかく、戻ってきた高志君やなのはちゃんにも説明をしないとな」
「…はやてさん。…ごめんなさいね。気をつかわせて」
アリシアやフェイトにこの子とは触れないようにと、はやての優しさを感じたプレシアははやてにお礼を言う。
そんなプレシアの仕草に苦笑をしながら空中に魔力で映し出したモニターを操作する。
「さて、高志君とその少女は今頃何をしてい『いいいいいいい、やぁあああああああ、だぁああああああ!』…ん?」
モニターに映し出されたのは保護した少女にしがみつく現『傷だらけの獅子』の姿だった。
「「…え?」」
何があったんや?
フェイト視点。
「いやだぁあああああ!俺がここを離れたらお前等がこのヴィヴィオを洗脳する!」
洗脳ってどういうこと?!
私はただ、クロノに言われて高志を時空管理局本部に連れて行くことだったんだけど、保護した女の子。
ヴィヴィオがタカシから離れないので、ここ
ヴィヴィオ自身もタカシが敵ではない。というか、聖王教会で歌を歌ってもらい、弱々しく泣いていたので、自分の敵ではないと思ったらしい。
それからタカシに懐いていたのだが…。
「た、高志君。せ、洗脳ってどういうこと?」
なのはが高志に近付こうとすると、ますますタカシはヴィヴィオを抱きしめて部屋の隅に移動する。その行動には恐怖の色が見れた。
な、何にそんなに怯えているの?せ、洗脳に怯えているの?というか、その様子じゃ私達がヴィヴィオを洗脳しようとしているみたいだけど…。
「俺がいない間にヴィヴィオを将来
そう言って、怯えた目をしながらもヴィヴィオを私達に近付けないようにするタカシ。
ど、D・Vなんて…。
・・・。
「フェイトちゃん?!」
ごめん、なのは。心当たりがあるから。
私はタカシとヴィヴィオを守るようになのは達にバルディッシュを向ける。
「フェイトも俺の事をお父さんって呼んでくれないし!もう俺の癒しはティーダさんの豆腐か、ヴィヴィオしかないんだ!」
「…私の方は諦めて」
というか、まだ諦めてなかったのか。と、フェイトは半ばあきれていた。
何かと六課のメンバーの殆どに
「俺は、俺は最後の希望を、守りきって見せるぅううううう!」
ヴィヴィオがD・Vに走ったらもう女なんか信じられない。死ぬしかない。そんな気迫を見せる高志の姿。
そんな姿を見た心当たりのある六課(フォワード陣ではティアナのみ)とゼクシスメンバーの女性陣は高志から目線を逸らした。
そんな怯えている高志の頭を優しく撫でるヴィヴィオ。
とても不思議な光景がそこに広がっていた。と、後にエリオは語ったという。
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第二十七話 叫べ!自分の為に!