No.588350 遊戯王GX cross story turn3 覗き大騒動アインハルトさん 2013-06-17 08:14:53 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:5862 閲覧ユーザー数:5692 |
「デュエルモンスターズのカードには大きく別れてモンスター、魔法、罠の三種類が存在します。モンスターには通常モンスター、効果モンスター、融合モンスター、儀式モンスター、シンクロモンスター、エクシーズモンスター。魔法には通常魔法、速攻魔法、永続魔法、装備魔法、儀式魔法、フィールド魔法。そして罠は通常罠、永続罠、カウンター罠に別れます」
「ぐぬぬ……シニョール篠宮、座りなさい」
「はい」
ハンカチを噛み締めて悔しさをぶつけているクロノス教諭を見て、不意にふふっと笑ってしまう。いい年の癖して感情が豊かな人だなぁ。オシリスレッドに対して嫌みなのが悪いところなんだけど、それは言い換えてしまえばそれだけオシリスレッドのレベルが低いということなので、多少は仕方ないのかもしれない。現に今の僕の台詞をメモしているのはラーイエローくらいだし……え?あとの二つはどうしたって?オシリスレッドはそもそも授業を受ける気がないのか殆どがダラダラとしていて、オベリスクブルーはオシリスレッドの説明なんて聞くに足らないと言わんばかりにふんぞり返っていたけど?
「それで~は、シニョール丸藤。フィールド魔法について説明スルーノ」
とりあえずさっきからオシリスレッドばかり指すのはやめにしませんかクロノス教諭?正直言って単に苛めたいだけでしょ?
「え、えっと……」
「今時小学生でも答えられるぞ流石はオシリスレッドだな」
はぁ……どんな所にもああやって人を馬鹿にするのが好きな人がいるね。というかオベリスクブルーの大半がそんな気がする……先日の赤毛ゴリラとかが良い例だね。そういえばこの前女子がオベリスクブルーであることを自慢気に話しているのが聞こえてたけど女子って確かブルーしかないんだよね?なのになんであんな偉そうだったんだろう?
「翔、とりあえず深呼吸をしてクロノス教諭だけを見るんだ。周りの目なんて気にする必要はない」
隣にいた当麻が密かにフォローしてあげると翔は言われたとおりに深呼吸をして頭の中を整理すると辺りをキョロキョロせずにクロノス教諭だけを見る。うんうん、やれば出来るじゃないか
「えっと、フィールド魔法は魔法・ゾーンじゃなくて、フィールドカードゾーンと呼ばれる特別な場所に置くカードで、え~、効果が互いに及ぶカードです。アニキのスカイスクレイパーみたいに攻守が変動したり、遊輝君の渓谷みたいに墓地肥やしをしたり、レベルの変化があるのが多いッス」
「若干説明不足デスーガ、良いでしょう。大事なことを付け加えルート、フィールド魔法は表側表示出存在できるのは一カ所のみ、自分がフィールド魔法を使っている時、相手がフィールド魔法を発動させた場合、ルールによって先に出したフィールド魔法は破壊されルーノ。もちろん自分がフィールド魔法を発動すれば自分のフィールド魔法を上書きできるノーネ」
翔はホッと息を吐くと席に座る。さっき翔を馬鹿にしていた男子はチッと舌打ちをしてから黒板の方を向いて再びクロノス教諭の話を聞き始める。それにしても今日が初めての授業なわけだけど、翔って恥ずかしがり屋なのかな?本人には失礼だけど翔=オタクって扱いだからあんまり実感がわかないね。
◇
「それではこれより実技授業を始める」
僕たちの目の前で仁王立ちをしているのはアカデミアの鬼教師こと西村宗一。別名鉄人と呼ばれていて問題児には容赦なく補習室へ連行するという人によっては苦手とされている先生である。まあクロノス教諭と比べればぜんぜんまともな方だとは思うけどね。
因みにこれからやる実技授業の内容はタッグデュエル。正直入学して間もないのにそれは無理があるのでは?と思ったけどそこは先生の間で決まったことなので特に文句は言わないでおいた。
「それではまず最初に手本となってくれる生徒たちはいないか?」
「はいはーい!俺と明久がやりまーす!」
「ちょっ!?僕が君とタッグを組むの既に決定事項なの!?」
うん、こうなることはなんとなくわかってたよ。だってデュエル馬鹿の十代だもの、やりたがらないはずがない。
「それじゃあ二人の相手は私とフェイトちゃんがーー」
「さらばっ!!」
なのはとフェイトが立とうとすると同時にまるで風の如くスピードで明久は二人からの逃走を図ろうとするがそれは近くにいた当麻と一夏によって阻止された。
「諦めろ明久。お前に逃げ道はない」
「嫌だっ!!僕はまだ心を折られたくないよ!!」
「大丈夫だ明久…………骨は拾っておいてやる」
「どうしよう!まさかの死亡フラグが立っちゃったよ!!」
まあ、あの二人がタッグを組んだとなるとかなーり手強いからねぇ……。明久が逃げたくなる気持ちもよーく、分かるよ。
「明久、裸エプロンの苦しみ……味わいたいか?」
ヤバい、一瞬だけ脳裏に修学旅行での罰ゲームが浮かんでしまったよ……
「さあっ!デュエルの始まりだ!」
あの時の記憶を思い出したのか、明久は当麻たちの拘束をふりほどくと大急ぎでフィールドに戻ってきた。
「「「「デュエル(なの)!!」」」」
十代&明久LP4000
なのは&フェイトLP4000
さて、十代と明久は果たして何ターン耐えられるかな?
~~~数分後~~~
「いっけぇ!
超魔導剣士-ブラック・パラディン ATK5900
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
十代&明久LP4000→1600→0
勝敗はなのはとフェイトの圧勝に終わった。にしても相変わらず二人はすごいなぁ……4000あったはずの二人のライフを僅か1ターンで0にしてしまうんだからね。しかも二人のフィールドにいるのはかつて初代デュエルキングの武藤遊戯とKC社長の海馬瀬戸のモンスターが融合した姿である
「もう……嫌だ。ピンクと金が凄く怖い……」
あ、明久のガラスのハートが木っ端微塵に砕け散ってる。まあご愁傷様だね。
あの西村先生を筆頭に他の生徒たちの皆も顔を青ざめてるし、流石は白い悪魔と黒い死神だね。
「あ~、では各自でペアを組んだら空いたデュエルスペースに順に入り、デュエルをしてくれ」
西村先生の号令が発されると皆は蜘蛛の子を散らすように各々のペアを作るとすぐさまデュエルスペースに入ってはデュエルを始めた。さて、僕もはやいところペアを決めてデュエルしないとね……
◇
「つ、疲れた……」
アカデミアからオシリスレッド寮までの長い道のりを僕はトボトボと歩いていた。他のどの寮よりも圧倒的にアカデミアから離れているオシリスレッド寮へと続く道はタッグデュエルや体育の授業で疲労しきっている僕の体をさらに苦しめていた。
なので高校生活とはやてに振り回されたことによる二つの疲労を癒すためにオシリスレッド寮の自室に戻ってゆっくりしようと思ってたんだけど……
「えへ、えへへへへへ…………」
……翔の様子が少し、いやかなり可笑しかった。これはどこからどう見ても変態だ。しかもかなり悪手の
「こ、これは一体なんなの?」
「さ、さあ?お前らは何か知らないか?」
十代の言葉に他の皆が翔を見るけど誰一人として翔の異常については分からなかった。
「ブラック・マジシャン・ガールの妄想をしているとか?」
「一回上手く発表が出来ただけで喜んでいるんじゃないかな?多分」
「もしくは女子の体操服姿に興奮したとか?」
……なんて酷い言われようだ。流石の十代も皆の言葉はキツいと感じたのか「ハハハ……」と苦笑しているくらいだ。
けれどもどの意見も絶対に違うとは言えないのが現時点での翔に対するイメージだから仕方ないのかも。それからしばらく五人で悩んでいたけどだんだんとめんどくさくなったので結局夕飯の時間までデュエルをしていた。
◇
それは狭い部屋でみんなとトランプをしている時だった。
「大変だ皆!翔が誘拐された!」
「「「「何が有った!?」」」」
勢い良く扉が開き、そこから駆け込んできた十代がそう叫んだのに対して僕たちは思わず絶叫してしまった。
話を聞く限り、先ほど十代のPDAに『マルフジショウハアズカッタ。カエシテホシケレバブルージョシリョウマデコイ』と言うメールが送られてきたみたいだ。そこで翔を攫ったのが学園の関係者であるという事は容易に想像できる。
「そうなんだ……がんばってね十代」
そう言うと明久はサムズアップと共に激励の
「それがさ、メールには『ソレト、シノミヤユウキ、オリムライチカ、カミジョウトウマ、ヨシイアキヒサモツレテコイ』って有ったんだよ」
「翔…………惜しい人を無くしたね」
どこか遠い目をしながら僕は持ってきていた小説を読むことにした。だって如何にも面倒ごとになりそうなんだもん。デュエルなら大歓迎だけどね。
「何言ってんだよ!早く行くぞ遊輝!デッキとディスクも忘れんなよ!」
「え~……」
十代に襟を引っ張られながら僕は一夏たちと共にブルー女子寮へと向かった(連れてかれた)。
◇
草原を走り抜け、森を越えて、ボートに乗って湖を渡った先に女子寮はあった。
というか一体なんて所に建ててるのさ!ってキレそうになったけど、決してブルー女子寮が悪いのではなく、オシリスレッド寮の場所があまりにも不遇なのが悪い。寮がボロいだけでなく、アカデミアからも遠い上に他の寮からも遠いときた。本当に手厳しい学校だね。
「来たわね」
「アニキ~!遊輝君~!助けて~!」
寮の前にいたのは金髪の見知らぬ女子とその取り巻きらしき女子二人、それと縄でぐるぐる巻きにされて哀れな姿にされた翔だった。本当に何をしたらこうなったのかな?
「あれ?あの子どっかで見た気が……」
ボートの上に乗っていた明久が不意にそんな事を呟いたのが僕の耳にも聞こえた。言われてみればどっかで見た感じの子だね。どこかで似たような事であってたりするのかな?
「あぁ、アイツはこの前の坂本……だっけか?そいつとのいざこざの時にコソコソ隠れてた奴だろ?」
「なっ!?」
へえ~、そういえばあの時確かに誰かが隠れてこっちを見ているような視線は感じていたけれど特に気にすることもないと思ってたんだけど、まさかこの子だったとは
「そういえばいたなそんなの……点数稼ぎでもしたかったのか?」
一夏、初対面の人にそんな言い方は良くないよ。まあコソコソ隠れてたわけだから別に良いのかな?
「……あの時は悪かったわね。アナタたちの実力を直に見たかったらつい……」
だからってストーカー紛いな事は良くないと思うよ?
「そんな事よりも翔を返してくれよ!」
十代、いくら相手に非があるとはいえ仮にも相手は女子なんだからそんな事なんていったら面倒ごとになるよ。現に取り巻きの二人はこっちを睨みつけてるし……
「それはできないわ」
「なにせこのロクデナシはあろう事か、私たちの入浴を覗きましたのよ!」
の、覗きだって!?
「おいお前、まさか俺の美琴さんの入浴を!」
「僕の簪と円夏を!」
「俺のなのはのーー」
「「「入浴姿を覗きやがったのか!!?」」」
まさかの連携プレーに僕度肝を抜かれたよ……
「ご、誤解ッス!そもそも僕は風呂場になんて行ってないッス!信じてくださいッス!」
う~ん、こうなってしまうと女性の方が強いからね~。仮に本当に覗いていなくてもその現場にいたんだとしたら疑われても仕方がないし、それに翔の様子が可笑しかったのも、女風呂を覗く前兆だったのだと考えば納得がいく。
「え~と、それでどうして僕たちを呼んだのかな?翔を罰するなら先生たちを呼べばいいんじゃないかな?」
翔が涙目になりながら僕の方を睨みつけれ来るけど無視して話を続ける。可能な限り翔を庇うような事は言わないで、女性を敵に回すような事は言わないでおく。
「それは単純よ。もしアナタたちが私に勝てたならこの子は解放する。もちろん先生たちにも言わないわ。だけどもしもアナタたちのうちほ誰かが負けたらーー」
「翔は退学ってわけか、良いぜそのデュエル受けて立つ!」
「はっきり言うと上から目線なのがちょっち気に食わないけど右に同じく!」
この中の誰かが負けたらその時点で翔は退学になってしまうのか……キツいデュエルになりそうだね。
「それじゃあ誰から行く?」
「適当に十代、明久、当麻、俺、遊輝の順でいいんじゃないか?」
「おっし!張り切っていくぜ!」
◇
「ボルティック・サンダー!」
「きゃああああああ!!」
やった!見事に一回勝利したね!十代もライフを削られてたからかなりヒヤヒヤしたけど最後のドローでどうにか逆転することができた。
さて、次は明久でその次が当麻、一夏と回って最後に僕となる。気を抜けないね。
「よし、頑張ってくるよ!」
「負けんなよ明久」
◇
それからしばらくして、僕は今金髪の女子、天上院明日香(名前はデュエルの途中に教えて貰った)と対立する形でデュエルディスクを構えていた。
十代がサンダー・ジャイアントで、明久はガイア、当麻がブラック・ブルドラゴで、そして一夏が輝光子 パラディオスでそれぞれフィニッシャーとした。
だからこそ僕は皆の想いを無駄にしないためにも、負けるわけにはいかないんだ!
「「デュエル!!」」
遊輝LP4000
明日香LP4000
「私のターン、ドロー!ブレード・スケーターを召喚」
ブレード・スケーター ATK1400
「カードを一枚伏せてターンエンドよ」
明日香
手札四枚
モンスター ブレード・スケーター
魔法:罠 伏せ一枚
「僕のターン。アンキラーザウルスを召喚!」
アンキラーザウルス ATK1400
「いけ!アンキラーザウルス!ブレード・スケーターに攻撃!」
「なっ!?いきなり相打ち狙いをする気なの!?」
「そんなわけないでしょ!アンキラーザウルスの効果発動!このモンスターが攻撃するとき、攻撃力は400ポイントアップする」
アンキラーザウルス
炎属性 恐竜族 星4 攻撃力1400 守備力1000
このモンスターが攻撃するとき、このモンスターの攻撃力は600ポイントアップする。このモンスターが戦闘によって破壊されたとき、デッキからレベル4以下の炎属性モンスター1体を手札に加える。
「くっ……」
明日香LP40003400
「僕はカードを二枚伏せてターンエンド」
遊輝
手札三枚
モンスター アンキラーザウルス
魔法:罠 伏せ二枚
「アナタ、ドラグニティはどうしたの?」
僕が何時も使っているドラグニティがでないことに疑念を抱いたのか、明日香がそう訪ねてくる。確かに授業や試験の時にはドラグニティしか使ってなかったから知らなくてもしょうがないか
「僕の持ってるデッキはドラグニティだけじゃない、ただそれだけの話だよ」
事実、僕の所有しているデッキはドラグニティとこの炎属性、そしてもう一つの計三つのデッキがある。まあ最後のはちょっちえげつないからそうそう使うわけにはいかないけどね。
「そう、なら全力で行かせて貰うわ!トラップ発動!《リビングデッドの呼び声》墓地のブレード・スケーターを蘇生」
わざわざあのモンスターを呼んだって事は、エクシーズ、それともシンクロかな?はたまたリリース要因って言う考えもあるけど
「手札より《融合》。手札のエトワール・サイバーとブレード・スケーターを融合!現れなさい!サイバー・ブレイダー」
サイバー・ブレイダー ATK2100
まさかの十代と同じ融合召喚か……でもサイバー・ブレイダーってかなり相手に依存してるカードだよね。
「サイバー・ブレイダーでアンキラーザウルスを攻撃!」
遊輝LP4000→3300
「けどこの瞬間、アンキラーザウルスが破壊されたことによりデッキからレベル4以下の炎属性モンスターであるエリマキリザードを手札に加える」
「私はこれでターンエンドよ」
明日香
手札三枚
モンスター サイバー・ブレイダー
魔法:罠 リビングデッドの呼び声
「僕のターン、ドロー!」
「相手フィールド上にモンスターが存在しているとき、エリマキリザードは特殊召喚できる」
エリマキリザード
炎属性 爬虫類族 星2 攻撃力500 守備力300
相手フィールド上にモンスターが存在している場合、手札からこのモンスターを特殊召喚できる。
これで準備は整った!
「僕はエリマキリザードをリリース!太陽よ、炎を纏いて龍となれ!!太陽竜ジーク・アポロドラゴン召喚!」
太陽竜ジーク・アポロドラゴン ATK2500
太陽竜ジーク・アポロドラゴン
炎属性 ドラゴン族 星6 攻撃力2500 守備力2000
このモンスターが守備表示モンスターとバトルしたとき、攻撃力が守備力を越えていればその差分のダメージを相手に与える。このカードがユニオンモンスターを装備しているときに攻撃したとき、相手の攻撃力1500以下の数値を持つモンスター1体を破壊する。
「まだだ!リバースカードオープン!速攻魔法《ユニオン・ブレイブ》」
ユニオン・ブレイブ
速攻魔法
自分がレベル6以上のモンスターの召喚、特殊召喚に成功したとき、デッキからレベル4以下のユニオンモンスターを特殊召喚する」
「この効果で僕はデッキから砲竜バル・ガンナーを特殊召喚する!」
砲竜バル・ガンナー ATK1500
砲竜バル・ガンナー
炎属性 ドラゴン族・ユニオン 星4 攻撃力1500 守備力800
自分のメインフェイズ時、フィールド上のこのモンスターを、装備カード扱いとして自分フィールド上のレベル6以上のドラゴン族モンスター1体に装備できる。(1体のモンスターに装備できるユニオンモンスターは1体のみ)このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。また、このカードを装備しているモンスターが攻撃するとき、カードを一枚ドローするか、相手の攻撃力1000以下のモンスター1体を破壊する。
「そしてそのバル・ガンナーを太陽竜ジーク・アポロドラゴンに
太陽竜ジーク・アポロドラゴン ATK2500→3000
「攻撃力3000ですって!?」
「いけ!ジーク・アポロドラゴン!サイバー・ブレイダーを打ち砕け!バル・ガンナーの
明日香LP3400→2500
「っ!だけどサイバー・ブレイダーは相手フィールド上にモンスターが1体存在するとき、戦闘では破壊されないわ!」
そういえば第一の効果はそんなのだったね。まあ特に気にすることでもないけど
「ターンエンド」
遊輝
手札四枚
モンスター 太陽竜ジーク・アポロドラゴン
魔法:罠 伏せ一枚、砲竜バル・ガンナー(アポロドラゴンに装備)
「やるわね……ドロー!」
待ち望んだカードを引いたのか、一瞬だけ頬を緩ませる明日香だったがすぐにそれを元に戻した。
「速攻魔法《スター・チェンジャー》を発動!サイバー・ブレイダーのレベルを一つ下げるわ」
サイバー・ブレイダー ☆7→6
エクシーズ……いや、シンクロ狙いか?
「レベル6となったサイバー・ブレイダーに二枚の《フュージョン・ウェポン》を装備!」
サイバー・ブレイダー ATK2100→5100
っ!!攻撃力、5100だって!?
「バトル!サイバー・ブレイダーでアポロドラゴンを攻撃!」
フュージョン・ウェポンによって強化されたサイバー・ブレイダーの一撃が
遊輝LP3300→1200
「くぅっ!けどこの瞬間、トラップ発動!《龍魂乱舞》」
龍魂乱舞
通常罠
自分フィールド上のドラゴン族モンスターが戦闘によって破壊されたとき、そのモンスターよりもレベルが一つ上のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する。
「このカードの効果によって僕は手札より新たなドラゴンを呼ぶことができる、駆け上がれ!神の名を持つ赤き龍、太陽神龍ライジング・アポロドラゴン召喚!紅の炎の翼はためかせろ!」
太陽神龍ライジング・アポロドラゴン ATK3000
太陽神龍ライジング・アポロドラゴン
炎属性 ドラゴン族 ☆7 攻撃力3000 守備力1200
このカードが攻撃するとき、相手はダメージステップ終了まで魔法と罠が使えない。このカードがユニオンモンスターを装備しているとき、相手モンスターをバトルで破壊した場合、相手フィールド上に表側表示で存在するカードを一枚破壊する。
「そんな、またドラゴンが……くっ、カードを一枚伏せてターンエンドよ」
明日香
手札零枚
モンスター サイバー・ブレイダー
魔法:罠 伏せ一枚、フュージョン・ウェポン×2(どちらもサイバー・ブレイダーに装備)
「僕のターン、ドロー!」
来た、このカードなら!
「僕は魔法カード《浅すぎた墓穴》を発動!互いに墓地からモンスターをセットする」
互いに墓地からモンスターカード一枚をフィールドにセットすると僕は明日香の墓地を確認する。その中から消えたカード、それがセットカードであるからだ。因みに僕はこのときバル・ガンナーを、明日香はブレード・スケーターをセットしていた。
「さらに僕はセットモンスターをリリースして、武槍鳥スピニード・ハヤトを召喚!」
武槍鳥スピニード・ハヤト ATK1800
風属性 鳥獣族 ☆5 攻撃力1800 守備力700
自分のメインフェイズ時、フィールド上に存在するこのカードを自分フィールド上のレベル6以上のモンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する。(1体のユニオンに装備できるモンスターは1体のみ)バトルフェイズ開始時、属性を一つ宣言する。このカードを装備したモンスターが宣言した属性と同じモンスターを戦闘によって破壊した場合、装備モンスターは続けて攻撃を行うことができる。
「このターンで決めてみせる!バトルフェイズ開始時、スピニード・ハヤトの効果により僕は地属性を宣言する。そしてライジング・アポロドラゴンよ!セットモンスターを攻撃だ!この瞬間、ライジング・アポロドラゴンの効果によって相手は魔法と罠の発動を禁じる!」
「なんですって!?(これじゃあミラーフォースが使えないじゃない!)」
ライジング・アポロドラゴンがセットされているカード目掛けてスピニード・ハヤトと
「ここでスピニード・ハヤトの効果発動!バトルフェイズ開始時に宣言した属性のモンスターをバトルで破壊した場合、このモンスターは続けて攻撃する事ができる」
「無駄よ、サイバー・ブレイダーの攻撃力は5100、あなたのライジング・アポロドラゴンでは倒すことはできないわ」
ところがぎっちょん。そうでもないんだよね~
「さらにライジング・アポロドラゴンの効果発動。このカードがユニオンモンスターと
ライジング・アポロドラゴンの灼熱ブレスにより、サイバー・ブレイダーは呆気なく焼き尽くされてしまう。
「連続攻撃にカード除去ですって!?」
「インチキ効果も対外にしなさい!!」
明日香の取り巻きらしき二人がライジング・アポロドラゴンの効果に対して批判の声をあげる。
気持ちはよーくわかるんだけどできればそういうのはデュエルが終わってからにしてほしいなぁ……
「さてと、それじゃあこれで終わりにしよっか、ライジング・アポロドラゴン!明日香にダイレクトアタックだ!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
明日香LP2500→0
◇
「うわーーん!助かったッスよー!!遊輝君、ありがとうッスー!」
「ちょっ!お願いだから鼻水垂らしながら抱きつかないでねよ!?」
お気に入りの制服なんだから野郎の鼻水で汚れるとか御免なんだし、それに僕には男に抱きつかれて喜ぶような性質じゃないし
「はは、よかったな翔。退学にならなくって」
確かに、僕としても入学して間もない頃に友人がいきなり退学になんてなるのは嫌だもんね。
「おっと、もうこんな時間か……急いで帰らないと門限に間に合わなくなるなこれは」
ええっ!?流石に二日連続で門限を破るってのは不味いんじゃないかな?!
「皆!大急ぎで走るよ!!」
「「「「おう!」」」」
「ちょっ!待って下さいッスよー!アニキー!みんなー!」
こうして翔による覗き大騒動?は五度の連続デュエルによって幕を下ろしたとさ(ちゃんちゃん♪)
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