No.586971

遊戯王GX cross story turn2 舞い降りし星屑の竜と銀河の瞳を持ちし竜

主人公は遊輝……のはずだよね?

2013-06-13 22:52:22 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5291   閲覧ユーザー数:5071

十代とのデュエルの後、流石に勝ち無しの日は僕のデュエリストとしてのプライドが許さないのでつい先ほど合流した親友の木下秀吉、土屋康太ことムッツリーニ、そして一夏の双子の妹である円夏を含めたいつものメンバーに十代と翔を加えて、アカデミアの探索のついでにデュエリスト探しをしていた。そんな僕の後ろでは幼馴染みのはやてが今の心境を読み取ったのか、背中でクスクス笑っていた。

 

「なんやしょうもないプライドに傷つけられた顔しとるな~」

 

「しょうもないってなにさ!?」

 

「大丈夫だよ遊輝。……その、ちっちゃな事で傷付いても遊輝は遊輝だから」

 

「それフォローになってないし!てか寧ろ僕を痛めつけてるよそれ!?」

 

もうやだこの二人、僕のこと嫌いなの?

 

「「「それは絶対にありえない」」」

 

「お願いだから人の心を読まないでくれないかなぁ!?」

 

くそう……これが彼女持ちとそうでないものの差ってやつなのか?もしそうなら三人の不幸を願ってやる。

 

「恨む前にまず男を磨きなさいよ……」

 

むっ、それは既に交際済みの美琴ちゃんにだけは言われたくない言葉だよ。そういうのははやてだけで十分なんだから…………翔とかに言われたら思わずぶん殴ってしまいそうだけど

 

「ん、あっちからデュエルの匂いがするぞ!」

 

言うやいなや、突然十代は僕たちを置き去りにして一人デュエルの匂いの元へと走り去っていってしまった。そしてそんな十代のあとを追いかけようと小さな体で翔も走り出した。

にしてもデュエルの匂いってなんなんだろうね?

 

「「「知らん」」」

 

…………君たちさ、いい加減他人の独り言を読み取らないで欲しいんだけど。 

 

 

十代の言っていた『デュエルの匂い』の正体。それはアカデミアにある巨大なデュエルフィールドの事だった

へ~、かなり豪華な空間だね。見たところ最新の設備ばかりのデュエルフィールドみたいで、音響設備や体感システムなんかも最新モデルとなっていた。ここでデュエルしたらさぞかし気持ちいいんだろうね。

 

「特に誰もいないみたいだな……よし、明久!今度はお前のHEROとデュエルだ!」

 

そんな僕の目の前には十代と明久がデュエルスペースの上で向かい合っている姿が見えた。HERO対HEROか……これは面白そうな展開になりそうだね。

 

「OK、十代!メッタメタにしてやんよ!」

 

おーい、明久~。物騒な言葉はNGだぞー。

 

二人がデュエルディスクを展開して構えようとしたそのときだった。突如背後からコツ、コツ、という数人の足音が聞こえたのでそちらに顔を向けてみるとそこには赤髪のゴリラみたいな人間?とポニーテールにした真っ平らな女子とピンク髪の(牛)巨乳女子がいた。三人ともオベリスクブルーの青い制服をその身に纏っていた。

 

「お前らここで何を……ってなんだ。明久じゃねぇか」

 

先頭に立っていた赤髪が明久の事を見下すような目で見ながら話し掛ける。どうやら明久の知り合いみたいだけど……誰なんだろう?それと明久が凄く嫌そうな顔しているのも気になる。

 

「……なんだよ、雄二」

 

怪訝な顔で雄二、と呼ばれた生徒を睨みながら明久は振り返る。一体あの二人はどういった関係なんだろう?

 

「おいおい、ひさびさに再開したんってのにそりゃあないだろう」

 

ひさびさ?ってことはやっぱり小学校、或いは中等部の時の知り合いなのかな?

実は明久はかつてアカデミアの中等部に所属していたんだけど、そこで理不尽な暴力や猛毒を口に無理やり押し込められていて、それが苦痛になったから僕たちが通っていた中学校に転校してきたんだ。って一緒に転校してきた秀吉が言っていたね。

 

「ちょっと吉井!アンタなんでウチらに何も言わずに転校なんてしたのよ!?」

 

「そうですよ吉井君!酷いじゃありませんか!」

 

すると、坂本の後ろにいた女子二人が明久に向けてそう叫んだのに対して、明久はそんな二人から目を逸らすばかりだった。心なしか、その顔は酷く青ざめていて、まるで思い出したくないもの思い出してしまったかのような顔だった。

 

「明久、大丈夫?」

 

「どこか具合でも悪いのか?」

 

明久が異常であることにいち早く気付いた簪と円夏は急いで明久の元へ駆け寄り、声をかけた。流石は明久の恋人とその愛人(将来確定)。僕たちの中の誰よりも明久に関しての行動力が高いよ。

 

「吉井、アンタなにウチら以外の女の子と仲良くしてんのよ!」

 

「どうやら吉井君にはオシオキが必要みたいですね……」

 

どこから取り出したのか、二人は鉄パイプを握り締めながら明久に詰め寄った…………って、いやなんでさっ!?

 

「おおふ、これが俗に言うSHU☆RA☆BAというヤツでせうか……」

 

違うでしょっ!?これどこからどうみても一方的な暴力タイム開始ギリギリ手前でしょ!

 

「いやだよっ!なんで僕がそんな目に遭わなきゃいけないんだよっ!」

 

「うっさい!アンタは黙ってウチらに殴られていればそれで良いのよ!」

 

「そうです!吉井君は私たち以外の女の子と仲良くしてはいけないのです」

 

さらに距離を詰めようとする二人に反比例して、二人から遠ざかろうとする明久。だがやがて壁際にまで追い詰められるともう逃げることもできない明久はただその場で震えることしかできなくなっていた。

……そういえば

 

「ねえ康太、あの二人と明久はどうゆう関係なの?」

 

さっきから気になっていたんだけど僕には彼女たちがどうしてあんなことを明久にしようとするのかイマイチ分からない。別れた彼女とかそんな感じかな?とは思ったけどなんだか違うみたいだし

 

「……かつて、明久に一方的に好意を寄せていた、ただのクラスメート」

 

……………………なんだろう。今の康太の返事で彼女たちがなにをしたいのかがはっきりわかった気がする……

 

「もしかしてあの二人……嫉妬してるの?」

 

「それで済むのならまだ可愛い方なのじゃがのぅ……」

 

後ろにいた秀吉の溜め息と台詞を聞く限り、そうじゃないみたいだね。それじゃあ一体なにがあの二人を突き動かしているのかな?

 

「あやつらはかなり考え無しというか思い込みが激しくてのぅ、明久に相応しいのは自分たちだけ、それ以外はありえないと思いこんでおるのじゃよ」

 

…………なにそれ、ただのキチガイじゃないか。明久も大変なんだなぁ……

 

「あれ?てことはあの二人は明久の元カノとかそうゆんじゃあ……」

 

「そんな風に考えるられるのは鈍感な遊輝君くらいなの!」

 

うわっ!なのはにツッコまれた。僕の精神のライフポイントは3000削られたよ……というか誰が鈍感なのさ

 

「「……」」コクコク

 

いや、はやてさん?フェイトさん?何故にあなた方はうんうんと納得したみたいに頷いているのでしょうか?それはあれですか?僕が正真正銘の鈍感であっているということを意味しているのですか?

 

「おいそこまでにしておけ島田、姫路」

 

未だ明久に詰め寄ろうとする二人に……ええっと、赤毛ゴリラ?が制止の声をかける。もしかして彼は良い人なのかな?

 

「邪魔しないでよ坂本!」

 

「吉井君にはオシオキしておかないといけないんです!」

 

「はぁ、とりあえず落ち着け。そんな奴をボコるのは後でだって出来る。それよりも今はこっちが先決だろう?」

 

前言撤回。こいつ嫌な奴だ。しかもかなりの

 

「さて、話を戻すがお前らここでなにをしている?」

 

入ってきた時と同じ言葉を赤毛ゴリラが発した。にしてもここでなにをしているって聞かれても、ここでデュエル以外になにをしろと?僕としてはそっちが気になるんだけど……

 

「なにって、デュエルだけど?」

 

これに答えたのはずっと黙りっぱなしだった十代だ。

そして赤毛ゴリラ(もう名前なんてどうでもよくなったや)は僕たちをあざ笑うかのように顔に笑みを含ませると、

 

「はっ、オシリスレッドの屑どもがこんな高級な場所を使っても良いと思ってるのか?ここは俺たちエリートのみが使用を許されている場所だ。屑は外でデュエルでもしてんだな」

 

ムカッ、なんか凄く腹立つ言い方だね。

 

「ふぅん?変だな。このデュエルアカデミアにあるデュエルフィールドにオベリスクブルー専用のフィールドなんて存在しないはずなんだけどな……パンフレットにもそれらしい言葉は見当たらないし」

 

懐から取り出していたパンフレットに顔をのぞき込みながら一夏が赤毛ゴリラ目掛けてそう言ってやった。どうやら彼らのためだけのっていうのは嘘、というか自分たちだけのものにしているらしい。

 

「っ!オシリスレッドの屑風情が……神童とうたわれていたこの俺、坂本雄二さまに逆らってんじゃねえぞ!」

 

神童……確か小学生時代で呼ばれていた総称だったはず。だけど風の噂によると中学生時代では堕落して悪鬼羅刹とかいう名前が広まったって聞いたね。

 

「……神童?」

 

簪、それはテニスラケットの振動止めだよ。というかなんで持ってるのさ?

 

「神童?」

 

それは進化する翼だよ当麻。あとで十代にあげるといいよ

 

「神…童?」

 

それは新聞。それよりもどっから取り出したの一夏

 

「神童……?」

 

それは心臓の模型だよなのは。ってかもう皆わざとやってるでしょ?

 

「て、てめぇら……」

 

プルプル、と拳を震わせている坂本と明久を殴ろうとしているキチガイ二人組、そして何食わぬ顔で平然としている友人達…………なにこれ?すっごくカオスなんですけど……

 

「お前たち、なにをしている?」

 

そんなときだった。突如僕たちの背後の方から黒髪の少年が二人の取り巻きを引き連れてやってきた。三人とも服装からしてオベリスクブルーのようだ。

 

「万丈目か、こいつらオシリスレッドの屑共があまりに身の程知らずだったもんだから学園の厳しさをだなーー」

 

「もうじき各寮の歓迎会が開かれる時間だからな、さっさと寮に帰えることを進める。それと、そんな子供がするような下らないことをしている暇があるのなら少しでもその腐れきった腕を磨き直すんだな『元』神童」

 

「……チッ」

 

小さく舌打ちをすると坂本こと赤毛ゴリラはその場から背を向けてまるで口で負けて逃げるように立ち去っていった。島田と姫路もそれに習うようにデュエルフィールドを後にする。

 

「……さて、同僚の奴らが迷惑を掛けてしまって、済まなかった」

 

「「すいませんっした!!」」

 

赤毛ゴリラを追っ払ったブルー生徒は僕らの方に体ごと向けると取り巻きらしき二人共々、頭を下げた。

その事に皆(十代と翔を除く)は一斉に内心では驚いていた。だってオベリスクブルーってエリート意識とプライドが高い奴が多いイメージがあったもんだからまさか頭を下げるなんて考えても見なかったんだもの。

 

「頭を上げなよ。お前等に非は無いんだからさ、おっと自己紹介がまだだったな。俺は織斑一夏」

 

「高町なのはです」

 

「吉井明久。よろしくね」

 

「上条当麻だ。気軽によろしく」

 

「私は御坂美琴。ブルーにも案外マトモな人がいたのね」

 

「……更識簪」

 

「土屋康太。趣味は写真撮影」

 

「儂は木下秀吉じゃ。よく間違われるが儂はれっきとした男じゃ」

 

「織斑円夏だ。よろしく頼む」

 

「えと……フェイト・テスタロッサです」

 

「私は八神はやてや。三人ともよろしゅうな♪」

 

「俺は遊城十代!ガッチャよろしくな!」

 

「丸藤翔ッス」

 

「僕は篠宮遊輝」

 

「ご丁寧にどうも、俺は万丈目準。できれば気軽に呼んでくれ」

 

「俺は世羅雅史(せらまさし)だ。篠宮のデュエル、イカしてたぜ」

 

田所庄司(たどころしょうじ)。試験でのデュエル、直にこの目で見てたぜ」

 

僕たちはそれぞれの自己紹介を済ませた。この一連でわかったことだけどブルーにだってまともな人はいたんだね。良かった良かった。

 

「ふむ、ではこちらも歓迎会があるからここで退場させてもらうよ」

 

「あぁ、じゃあな」

 

一夏がそう言うと、僕たちは少し急ぎ足でレッド寮へ向かった。

 

 

万丈目と別れ、アカデミアを出てすぐにフェイトたちとも別れた僕たちは走ってレッド寮まで帰ってきた僕たちは狭い食堂で歓迎会を楽しむとそれぞれ自分たちの部屋に戻った。その際に十代と翔の同居人である前田隼人と軽い挨拶をして、部屋で皆と仲良く話していた。

しして改めて思った。この部屋に入ってすぐにわかっていたことなんだけど、やっぱりこの部屋は……

 

「「「「この部屋……凄く狭い」」」」

 

そう、元々扱いの悪いオシリスレッドの寮に加えて一つ一つが一人部屋ときたものだ。入ったことはないんだけど多分安いビジネスホテル程度の広さしかないんじゃないんだろうか。

 

「このパンフレットを見る限り、オベリスクブルーの寮は高級ホテル並みの一人部屋が与えられるみたいだぜ」

 

「ハァ~、ベッドも狭いから伸び伸びと横になれないし……」

 

「は~、キッチンが無いから詰まんねぇ……」

 

当麻といい、明久といい、一夏といい、この部屋には不満だらけらしい。でもそんなのは僕だって同じだ。だから僕は決心した。次の月一試験では絶対にラーイエローになってみせるってね!

 

「あ、遊輝。PDAが鳴ってるよ」

 

「ん、ありがとう明久」

 

え~と、何々?

 

『篠宮遊輝、織斑一夏。貴様ら二人にアンティデュエルを申し込む、夕方会った場所にて待つ。逃げたら一生のお笑いものだwww by坂本雄二』

 

アンティデュエル?

 

「モチ、校則違反だ。そして同じくこの時間に外に出るのもな」

 

「だけどデュエルを挑まれたら受けて立つのがデュエリストってもんでしょ!返り討ちにしてあげるよ!」

 

初代デュエルキングのように、腰に付けているデッキケースを入れた僕はバタンと勢い良く扉を開けて目的の場所に向けて走った。

 

 

「あれ?簪に円夏もかい?」

 

「ということは兄さんと遊輝も?」

 

「みたいだな」

 

デュエルフィールドへと続く入り口付近で僕と嫌々ついて来た一夏はそこで簪と円夏にバッタリ会った。話を聞くと彼女たちは島田と姫路にアンティデュエルを申し込まれたらしい。

 

「ふん、逃げずにきたか」

 

無駄に偉そうな声で挑発してきたさかも……赤毛ゴリラは、無駄に偉そうなポーズで仁王立ちしていた。その隣には島田と姫路が立っていた。

 

「当然!デュエルを挑まれた以上、どんな相手だって受けて立つよ!」

 

「ふんっ、須川。お前は打ち合わせ通りそこのドラグニティ使いを倒せ。俺はそこの常識のなってない野郎を倒す」

 

「おう、任せろ!」

 

赤毛ゴリラがそう言うとどこから沸いて出てきたのか、突如僕の目の前に如何にもモテなさそうな顔をした男子生徒が現れた。

 

「貴様らなにをしている!!アンティデュエルは校則で禁止されているだろうが!」

 

突然万丈目の声が聞こえて一瞬だけ赤毛ゴリラと島田、姫路そして須川の肩がビクッと震えた。

 

「なんでもねえよ万丈目、ただオシリスレッドの屑野郎共に上下関係をわからせてやるだけだ。さあデュエルだ!」

 

僕と須川。一夏と赤毛ゴリラ、そして簪&円夏と島田&姫路がそれぞれ別のデュエルフィールドに別れるとデュエルディスクに各々のデッキをセットした。

 

「「「「「「「「デュエル!!」」」」」」」」

 

遊輝LP4000

VS

須川LP4000

 

一夏LP4000

VS

赤毛ゴリラLP4000

 

円夏LP4000

VS

絶壁LP4000

 

簪LP4000

VS

毒生産者LP4000

 

「先攻は俺だ!ドロー!」

 

ふぅ、先攻じゃなくて良かった。だって後攻の方がなにかしら便利だもの、初手からダイレクトアタックを受けづらくなるし、先に攻撃できるし

 

「ブラッド・ヴォルスを召喚!」

 

ブラッド・ヴォルス ATK1900

 

「そしてカードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

須川

手札四枚

モンスター ブラッド・ヴォルス 

魔法:罠 伏せ一枚

 

ブラッド・ヴォルスか……。レベル4でありながら攻撃力1900という打点と、サポートの多い闇属性のカード。けどその程度で僕の攻撃は止まらないよ!

 

「ドロー!ドラグニティ-ピルムを召喚!」

 

ドラグニティ-ピルム ATK1400

 

「ピルムの効果発動!ドラグニティ-アングスを特殊召喚してその後ピルムを装備する」

 

ドラグニティ-アングス ATK2100

 

「バトル!ドラグニティ-アングスでブラッド・ヴォルスを攻撃!」

 

須川LP4000→3800

 

「カードを二枚伏せてターンエンド」

 

遊輝

手札二枚

モンスター ドラグニティ-アングス

魔法:罠 伏せ二枚、ドラグニティ-ピルム(アングスに装備)

 

「オシリスレッドの癖に生意気な!ドロー!」

 

ドローしたカードを見た途端に、須川は口元をニヤリと上げる。何かいいカードを引いたみたいだけどポーカーフェイスは大事だよ?

 

「永続罠《リビングデッドの呼び声》墓地のブラッド・ヴォルスを蘇生して即刻リリース、来い!坂本から貰った超レアカード!エメラルド・ドラゴン!」

 

エメラルド・ドラゴン ATK2400

 

え、え~?いや、確かにレアなのは認めるよ。カッコイいのも認めるし、レアカード使用できらきらと光っているのも、純粋にかっこいいとは思う。思うけどそのエメラルド・ドラゴンでフィールドを支配する事なんて絶対にできない。良くても中堅程度が限界のモンスターだ。

 

「行け、エメラルド・ドラゴン!アングスを攻撃!エメラレルド・フレイム!」

 

「させるか!トラップ発動!《奇策》手札のコルセスカを捨ててエメラルド・ドラゴンの攻撃力をコルセスカの攻撃力、とどのつまり800ポイントダウンする」

 

エメラルド・ドラゴン ATK2400→1600

 

「なにぃっ!?」

 

「一度始まったバトルはもう誰にも止められない。迎え撃てアングス!」

 

須川LP3800→3300

 

「ック!俺は場にカードを二枚伏せてターンエンドだ……」

 

須川

手札二枚

モンスター 無し

魔法:罠 伏せ二枚、リビングデッドの呼び声

 

「僕のターン、ドロー!」

 

伏せカードが二枚か……少し動くづらくなりそうだね。

 

「まあそんなの気にしないけど、ドラグニティ-ミリトゥムを召喚!」

 

ドラグニティ-ミリトゥム ATK1700

 

「ミリトゥムの効果発動!装備されているピルムを特殊召喚する」

 

ドラグニティ-ピルム ATK1400

 

さて、久々に僕のエースを見せて上げよう。

 

「レベル5のアングスにレベル3のピルムをチューニング!集いし星が新たに輝く星となる!光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴン ATK2500

 

星屑の名を持ちし竜。これこそが僕のエースモンスター、スターダスト・ドラゴンだ!

 

「掛かったな、トラップ発動!《奈落の落とし穴》これでスターダストを破壊して除外する!」

 

そうはさせてたまるか!

 

「スターダスト・ドラゴンのモンスター効果発動!ヴィクテム・サンクチュアリ!」

 

スターダスト・ドラゴンが星屑となってフィールドから消えるとほぼ同時に奈落の落とし穴のカードが破壊される。

 

「スターダスト・ドラゴンの効果、それは相手がフィールド上のカードを破壊する効果を発動したとき、このモンスターをリリースする事でその効果を無効にして破壊する」

 

「なんだとぉっ!?(くそ、だけどスターダストはもう来ないんだ。まだ俺にも勝機はある!)」

 

「バトル!ミリトゥムでプレイヤーにダイレクトアタック!」

 

須川LP3300→1600

 

「よし、次のターンで逆転「させると思ってるのかな?」なに?」

 

「トラップ発動《星屑の残光(スターダスト・フラッシュ)》」

 

星屑の残光(スターダスト・フラッシュ)

 

通常罠

自分の墓地に存在するスターダスト・ドラゴン1体を蘇生制限を無視して特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターはシンクロ召喚扱いとなる。

 

「これによりフィールドに再びスターダストが蘇る!もう一度飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴン ATK2500

 

「そ、そんな……」

 

「これで決める!スターダスト・ドラゴンでダイレクトアタック!シューティング・ソニィィィィィィィィィィック!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

須川LP1600→0

 

 

ふう、終わった終わった。さて、他の皆はどうしたかな?

 

「さあ喰らうがいい、sinの力を!sin真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラック・ドラゴン)でダイレクトアタック!sin黒炎弾!」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

絶壁LP300→0

 

「E・HERO アブソルート・Zeroでダイレクトアタック。瞬 間 氷 結(freezing at moment)

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

毒生産者LP1300→0

 

…………相変わらず安定の鬼畜デュエルだね~。え?レギオンとアキュリスの鬼畜コンボしまくってる僕が言うなって?あっ、そう……

 

「おらぁっ!タイラント・ドラゴンでフォトン・スラッシャーを攻撃!」

 

「…………」

 

一夏LP2000→1200

 

唯一デュエルが終わっていない一夏は現在窮地に立たされていた。相手は攻撃力2900のタイラント・ドラゴン、ORUを二つ持っているサンダー・エンド・ドラゴンとジェムナイト・パールと一つだけ残っているブリキの大公。対して一夏の場にはモンスターはおらず、そのライフも風前の灯火と化していた。

 

「ははは!見たか!これがこの俺様の実力だ!」

 

「………」

 

勝てると思ってか、大きく高笑いしている赤毛ゴリラを呆れた目で見ている一夏。これって一夏がまだ全力を出し切っていないということに気付いていないって事だよね?

 

「相変わらず兄さんは私たちと以外では中々本気になれないな」

 

いつの間にか隣にいた円夏の呟き声に僕も密かに同意する。なにせ一夏が全力でやってたらその殆どがワンキルで終わっているだろうからね。

 

「ドロー。相手フィールド上にのみモンスターが存在するとき、フォトン・イーグルは特殊召喚できる」

 

フォトン・イーグル ATK2100

 

フォトン・イーグル

光属性 鳥獣族 攻撃力2100 守備力1500 星5

 

このカードは相手フィールド上にモンスターが存在していて、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、特殊召喚できる。1ターンに一度このカードのレベルはエンドフェイズまでフィールド上のモンスターエクシーズのランクと同じ数値になる。

 

「フォトン・イーグルの効果により、エンドフェイズまでこのモンスターのレベルをサンダー・エンド・ドラゴンのランクと同じ8とする」

 

フォトン・イーグル 星5→8

 

「さらに魔法カード《フォトン・サンクチュアリ》を発動。フォトン・トークン二体を生成」

 

フォトン・トークン DEF0

 

「攻撃力2000のフォトン・トークン二体をリリース」

 

一夏の目の前に赤い十字架を模したパーツが出現すると迷わずにそれを掴んだ一夏はそのまま空高くまでぶん投げた。

 

「闇に輝く銀河よ、希望の光になりて我が僕に宿れ!光の化身、ここに降臨!現れろ、銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)!」

 

銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン) ATK3000

 

二体のフォトン・トークンが生け贄となって、一体の竜がフィールドに現れる。

それは、まさに光の結晶によって編まれた竜と容するに相応しき姿だった。闇をかき消す神々しさと、あらゆるモノを焼き付くすと言わんばかりの破滅の色という、相反する力を併せ持ったドラゴン。

両翼から眩いほどの閃光を迸らせるその雄々しき姿は、海馬コーポレーションの社長。海馬瀬戸の僕である青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)と比べたとしても決して見劣りはしない。

 

「な、なんなんだよ……そのモンスターは」

 

ただそこにギャラクシーアイズがいるだけで見るもの全てを魅了し、そして恐怖させるほどの圧倒的な存在感。それが今ゴリラに恐怖心を沸き上がらせているモノの根元だった。

 

「さらに闇を打ち砕く!手札から《デステニー・オーバーレイ》」

 

デステニー・オーバーレイ

 

通常魔法

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターと自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターを選択して発動できる。選択したモンスターを素材にしてエクシーズ召喚できる。

 

「この効果で俺はお前の場のタイラント・ドラゴンとレベル8のフォトン・イーグルと銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)でオーバーレイ!三体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!逆巻く銀河よ、今こそ、怒濤の光となりて姿を現すがいい!降臨せよ、我が魂!超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)!!」

 

先程の赤い十字架の時のように赤い槍のような物体が現れるとそれをエクシーズ召喚時に発動する渦に突き刺すように放り投げる。するとそこからフォトンモンスター独特の青い体色とは違い、赤く発光した体躯は灼熱の炎の色を纏い、ギャラクシーアイズ以上の威圧感を放っていた。

その両翼には別々に龍の顔が存在しており、それはどこか伝説のカードである青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメット・ドラゴン)を思わせていた。

 

超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン) ATK4500

 

超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)をエクシーズ素材にしてエクシーズ召喚したとき、フィールド上の表側表示で存在するカードの効果はすべて無効となる。フォトン・ハウリング!」

 

最も、この状況下では何の意味も為さないのだがそれでも発動しておいて損は無いはずである。

 

「そして超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)の効果発動!1ターンに一度、オーバーレイ・ユニットを一つ使う事で、相手フィールド上すべてのオーバーレイ・ユニットを墓地へ送り、その数×500ポイントアップする!」

 

「なんだとっ!?」

 

現在、ゴリラの場に存在するオーバーレイ・ユニットは総じて5つ。それ×500ポイントなので攻撃力は2500ポイントアップする事になる。

 

超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン) ATK4500→7000

 

「こ、攻撃力……7000、だと……?」

 

うわぁ……相変わらずえげつないねぇ一夏……

 

「そしてこの効果で墓地へ送ったオーバーレイ・ユニットの数だけ、ネオ・ギャラクシーアイズはこのターン攻撃する事ができる。バトル!超銀河眼の光子龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)で攻撃!アルティメットフォトン……ストリィィィィィィィィィィィムッ!!」

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

赤毛ゴリラLP3700→0

 

 

「ん~!久々にいいストレス発散になったな~」

 

「あ、そう……」

 

今後は一夏に余計なストレスをため込ませない方がいいのかもしれない……今回のデュエルを見た僕らは改めてそう認識せざるを得なかった。

あ、因みにあのデュエルは仮に向こうがエクシーズを出していなくても一夏は手札の死者蘇生を使ってエクシーズ素材をかき集めて呼び出し、墓地にあらかじめ送っておいたオーバーレイ・スナイパーとオーバーレイ・ブースターの効果を使って勝つつもりだったらしい。

 

「……なんだか私たちの兄弟、或いは友人って鬼畜な人が多すぎる気がする……」

 

「いやそれは簪にだけは言われたくないかんね!?」

 

デュエルフィールドを出てから僕たちはそれぞれの寮へ帰る為に別れるまでの間、門限も忘れて楽しく会話をし続けていた。

 

 

……あれぇ~?可笑しいなぁ……なんだか一夏がオリ主よりも目立ってる気が……

 

一夏「いきなり超銀河なんか出すからそうなるんだよ」

 

否定、出来ねえ……

 

遊輝「あはは……そういえば次は当麻と明久、なのはとフェイトのそれぞれがタッグデュエルをする回なんだよね?」

 

まあ一応は、な。あくまでも予定だからもしかすると予告詐欺になってまうかもしんないし

 

明久「そこは作者の腕の見せ所だね」

 

う、プレッシャーが……

 

当麻「なにげにキツいこと言うな明久……」

 

でも明久の言っていることも事実なわけだし……頑張るか

 

遊輝「うん、頑張ってね~」

 

一夏「ところで話が変わるんだけど作者は何時異世界ISを書く気なんだ?」

 

あぁ、あれねぇ……実は今内容というか作品そのものを大きく書き直そうと考えているんだよ。

 

遊輝「え?なんで?」

 

理由としては昔似たような作品をハーメルンで書いてた時期があったんだねけどさ、その時の評価を最近オススメ的な奴で見たんだよ。

そしたらさ、俺の作品の評価が最低系、ただの自己満足、オリ主と一夏をいちゃいちゃさせたいだけで物語とかなにもかもつまんないとめっさ叩かれてたんだよ……

 

明久「うわ~……」

 

当麻「そいつは……ご愁傷様に」

 

だろう?だから根本的なところから書き直してハーメルンから読みにきた人にギャフン!と言わせられるような作品を……書けたらいいなぁって思ってるわけだよ

 

遊輝「そっか……そういうことなら僕たちはもう何も言わないで置こうか」

 

一夏「だな。因みにそれはいつ頃あがりそうなんだ?」

 

今は遊戯王の勢いがすごいうえにISは難航してるからなぁ……ひとまず予告的な話しを一つ来週までにはあげてみようと思ってるよ。

 

明久「へ~、楽しみだね」

 

あんまり期待すんなよ……なにせ書き直しとはいえ全く手を出していない方面にいこうと思ってるんだからな

 

当麻「さて、そろそろ時間も迫ってきてるし、ここらでお開きにするか」

 

遊輝「あっ、もうそんなに経ってるんだね」

 

時の進みは早いねぇ……

 

一夏「老人か己は」

 

「「「お前(君)が言うな!」」」

 

一夏「うぉい!?」

 

にゃはは、てなわけでまったね~


 
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