No.586762

GGO~剣客の魔弾~ 第9弾 エントリー

本郷 刃さん

第9弾です。
今回は大会にエントリーするまでの話になります。

どうぞ・・・。

2013-06-13 10:03:22 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11124   閲覧ユーザー数:10010

 

 

 

 

 

第9弾 エントリー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

ゲームが終わってゲートから出る時に気が付いたが、

いつの間にかギャラリーがさっきの倍以上の20人は超えていた。

みながみな、口々に驚きの言葉や何者かなどと喋っている。

そんな中、アスナとハジメとシノンが傍によってきた。

 

「……さすがだな、キリト」

「カッコ良かったよ/// わたし、惚れ直しちゃった///」

「ハジメならできると思うぞ。それとアスナ、ありがとう」

 

笑みを浮かべて称えてくれたハジメに軽く返答し、頬を微かに染めて言ってくれたアスナには頭を撫でてあげる。

一方、シノンは眼を丸くしながらゆっくりと口を開いた。

 

「…キリト、あなたどんな反射神経してるの…? 最後のレーザー、あんな距離だと、回避なんて不可能に近いのに…」

「まぁ強いて言うなら、弾道予測線を予測したってところかな…」

「だ、弾道予測線を、予測ぅ!?」

 

シノンの問いかけに答えると、彼女の女の子らしい叫びが店内に響き渡り、ギャラリーも呆然と口を開いていた。

ハジメは首を傾げ、アスナは苦笑した後にこう言った。

 

「そんな事を普通にするの、キリトくん達くらいだよ…」

 

何を言うか、アスナ。お前だって似たようなものだろ。

弓から放たれた軌道や剣閃を予測するだろうに。

 

キリトSide Out

 

 

 

シノンSide

 

キリトのビックリ人間業を見て、アスナとハジメとの会話を聞いて理解した。

この3人は強い…銃の腕前はともかく、戦闘においてはこのGGOのトッププレイヤーにも並ぶ、

いや…もしかしたら凌駕しているかもしれないと思う。

特にキリトとハジメ、この2人は別格だ。

アスナも強いと予測できるけど、会話からしてこの2人はアスナ以上なのだろう。

 

「………ン、……ノン、シノン」

「え、は、はい」

「ボーッとしてたけど、どうかしたの?」

「ううん、大丈夫。ちょっと考え事してただけだから…」

 

アスナに名前を呼ばれて、自分が考え事に集中していたことに気付き、慌てて応える。

いけない、これから大会だっていうのに…。

 

「そっか。あ、それでね、そろそろ総督府に向かおうかなってキリトくん達が…」

「そうね、そろそろ行かない、と……え、もうこんな時間!?」

 

左手首にあるクロノメーターを見てみれば、

大会へのエントリー締め切りである3時まであと15分というところになっていた。

 

「みんな、急いで総督府に向かうから、全力で走って!」

「「「あ、ああ(う、うん)!」」」

 

3人に急ぐように声を掛けて私が先頭になり、総督府へ向けて揃って全力で走る。

 

「……シノン、テレポートの類はないのか?」

「GGOにおいて、起きる瞬間移動現象はたった1つ…死んで蘇生ポイントに戻るだけ。

 このグロッケン地区の蘇生ポイントは総督府付近だけど、街中じゃHPは絶対に減らない。

 だからその手段は無理なの」

 

全力で走りながらも左隣を併走するハジメが聞いてきたので答える、余裕そうな感じで私に着いてきている。

そのハジメの左隣にはキリトがアスナをお姫様抱っこしながら走って……え?

 

「キ、キリトく~ん///! 恥ずかしいよ~///!」

「我慢してくれ、アスナ。こっちの方が速いんだ」

 

アスナを抱えながらも余裕綽々と言った表情で私達に併走するキリト。

一体どんな筋力と瞬発力をしているの? ううん、もう気にするのはやめよう、そうするのが一番良いはず。

 

「総督府まであと3km、エントリー操作に5分掛かる。

 3時まで残り13分、エントリー時間を除けば8分あるから…なんとかギリギリってところかな」

「……だが余裕があった方がいいな…」

 

確かにハジメの言う通り余裕があればいいけど、とにかく今は全力で走るしかない。

この世界での身体能力なら8分もあればギリギリ間に合う、これが現実世界であったと思うとゾッとするけど…。

 

「ハジメ! アレ(・・・)を使うぞ!」

「……分かった、シノン!」

「え、なにって、きゃっ!?」

 

いきなりキリトとハジメが会話をしたかと思うと、私は手を引かれてそちらに走らされた。

ついた先にはレンタバギーの店、駐車スペースに置かれている3台の内1台に乗せられ、運転席にハジメが飛び乗る。

もう1台にはキリトとアスナが乗り込み、男子2人がクレジットを払うとエンジンが掛かり、スロットルを煽った。

 

「「しっかり掴まっていろ(よ)!」」

「「きゃあっ!?」」

 

それによって車道へとバギーがでたので私は少しの悲鳴と共にハジメの腰に手を回していた。

アスナも同様にキリトの腰に手を回している。

かなりの速度で進んでいくバギー、後ろからメーターを覗き込んでみると時速100kmを超えている。

 

「な、なんで!? このバギー、運転がめちゃくちゃ難しいはずなのに!?」

「……私もキリトもリアルでバイクを運転している! 特にキリトのは中古だからな!」

「余計な事は言うな!」

 

なるほど、リアルでもバイクの運転を…キリトはなんか不満げだけど。でも、うん、凄い!

リアルでもケイのバイクに乗せてもらった事はあるけど、ここまで速いのは初めて!

 

「凄い、気持ちいい! ねぇ、もっと飛ばして!」

「……ふっ、ああ! 行くぞ、キリト!」

「おう!」

「速い、速い♪」

 

私はハジメに頼み、彼は快くギアをトップに踏み込んで速度を上げてくれた。

キリトも応えるように速度を出して、アスナも楽しんでいる。

この速さならすぐに総督府に着き、終わってしまう事になるけど、今は楽しめてるからいいや!

 

シノンSide Out

 

 

 

ハジメSide

 

時速200kmで走行したバギーを総督府の階段前に停車させ、私達は階段を駆け上った。

 

「ここが総督府、通称『ブリッジ』。ゲーム開始地点が『メモリアル・ホール』って言って、その反対側に位置しているの」

「ブリッジ、橋…? いや、確かグロッケンは宇宙船だったから、『艦橋』って意味か?」

「うん、その通り」

 

シノンの説明にキリトが応じた。そういえば、何時だったか前にやったVRMMOで戦艦などの司令室を、

ブリッジ、艦橋と聞いた事があるのを思い出した。

 

「『SBCグロッケン』、そのSBCっていうのは『宇宙戦闘巡洋艦(スペース・バトル・クルーザー)』の略なの。

 イベントのエントリー、それにゲーム関連の手続きは全部ここでするから」

 

そうか、今後ともプレイする時に必要な情報だから覚えておこう。

私達はシノンに続いてずらりと並んでいる数十台の機械、コンビニにあるATMのようなマルチ端末に歩み寄った。

 

「タッチパネル式端末でね、これで大会にエントリーするの。やり方が解らなかったら、私に聞いて」

 

シノンの気遣いに頷いてからメニューを開いて操作し、第3回BoBの予選エントリーボタンが見つかる。

即座に押して新たに現れた入力フォームを確認する、どうやら現実の個人データを入力するものらしい。

これは上位入賞者用の景品を受領する為のものらしいので、

キリトとアスナとアイコンタクトを取り、無記入のまま決定を押した。

 

「3人共、終わった?」

「……問題無い」

「俺も大丈夫だ」

「わたしもOKだよ」

 

確認を取ってくれたシノンに揃って答える。

 

「シノンのお陰で助かったよ。俺達だけだったら、間に合わなかったと思うし」

「ありがとう、シノン」

「……ありがとう」

「い、いいよ、そんな…/// このゲームをやる人が増えてくれたら、私も嬉しいし」

 

キリトの礼の言葉にアスナと私も続き、それを聞いたシノンは少し照れた様子を見せながら応えた。

するとキリトがメインメニューを開いて操作しだした。

 

「シノン、これは案内してくれた礼だ。受け取ってくれ」

「え、ほ、ほんとにいいから!? それに、こんな金額…!」

 

キリトが礼としたのは先程のギャンブルで手に入れた(クレジット)、30万少しの内の15万クレジットだ。

確かにこれをいきなり渡されたら、断りたくもなるだろうな。

 

「いいから受け取ってくれないか。残りの15万は3人で山分けにするし」

「わたしからもお願い、受け取って」

「う……はぁ、分かったわ。ありがたく受け取らせてもらうね」

 

キリトとアスナの2人に強く押されたのでシノンは溜め息と共に苦笑してから受け取った。

私もまた、その様子に苦笑する。

 

「それで、3人の予選ブロックはどこだったの? 私はFの33番だけど…」

「わたしはねぇ、えっと……Eブロック、Eの45番だよ」

「俺はEの29番だな」

「……Fブロック、Fの2番だ」

 

シノン、アスナ、キリト、私の順に各々のブロックを明かす。

キリトとアスナ、私とシノンが同じブロックか。

 

「勝ち残る事が出来れば、みんなで本選のバトルロイヤルに参加できるわね。

 予選トーナメントの決勝までいけば、その時点で本選への参加が決定するし、

 それに誰も決勝以外では当たらないみたいだしね」

 

なるほど、ほとんど同時に決定を押したから固まったのか。

だが勝ち残る事が出来れば全員本選への出場が可能かもしれないのは僥倖だな。

 

「ハジメ、決勝で戦う事になったとしても、全力で行かせてもらうわ」

「……面白い、その時は本気で行かせてもらうぞ…」

 

シノンからの不敵な笑みの挑戦状を叩きつけられた私は、同じく不敵な笑みで応えた。

 

「アスナ、俺達も決勝で戦う事になったら「全力で降参(リザイン)させていただきます!」……」

 

キリトが言い終わる前にアスナは即答した…まぁ、嫌だろうな…。

だがアスナ、その即答は良くないぞ。

キリトが黒い笑みを浮かべている、どうなるのか……予想がついてしまう。

 

「それじゃあ、予選の会場に行きましょ。ここの地下よ」

 

シノンに案内され、私達は地下へと向かうエレベータに乗った。

 

ハジメSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

キリト達がさくさくと行動したので、バギーに乗らずとも間に合う時間にしましたが、バギーに乗ってもらいました。

 

やはり書きたかったものですからw

 

そしてトーナメントはキリトとアスナがEブロック、ハジメとシノンがFブロックですね。

 

次回は予選が開始するまでの流れになります。

 

それでは・・・。

 

 

 

あ~、ここでもう1点。

 

第3回『バレット・オブ・バレッツ』、通称『BoB』の参加者を募集しま~すw!

 

参加者は「キャラクターネーム」、「主武装」、「副武装」、「簡単な容姿」を記入してくれ!

 

あとは「A・B・C」の3つの内から1つと「1~10」までの数字をどれか1つ選んでくれ!

 

慎重に選んでくれよ? 自分の命運を分けるぜ?

 

運が良ければ戦闘の様子を描くし、運が悪ければ名前だけの可能性もありだけどなw!

 

キリト達と戦えるかもしれねぇーぜ?

 

あ、チート武器は勘弁な? まぁ、ある程度自重してくれりゃ~、かまわねぇが・・・(黒笑)

 

さぁ、命知らず共はコメント欄、できればメールに送ってくれ!

 

締め切りは次話投稿までだ、注意してくれよ?

 

それじゃあな!

 

 

 

 

 


 
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