姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
劉備軍は敗走する時に通るであろう場所で、司馬師・曹操軍を待ち構えている。
その間、張飛は待ちきれなくなったのか、不満の顔を露にしていた。
「にゃー、まだなのかー! こうなったらこっちから行くのだ!」
そんな張飛が関羽が嗜める。
「落ち着け鈴々、司馬師・曹操軍は強敵だ。多少の抵抗が出来る力が残っていて、孫権軍は時間が掛かっているのかもしれん」
「それにしたって少し遅いのだ!」
「だから……」
関羽は張飛の説得、もしくは説教を続け、何とか踏みとどまらせる。
そんな二人を尻目に趙雲は、諸葛亮にある提案を持ちかける。
「朱里よ、あちらがどうなっているか調べて見ぬか? 鈴々の言うとうり少し予定より遅すぎるように思える……何かあったのかもし
れん」
「ですがもし逃げている最中の司馬師・曹操軍にその偵察兵を見られたら、私達がここで待ち伏せていることがばれかねません……そ
の危険を考えると、やはり素直に待っていたほうがいいでしょう」
「ふむ……」
尤もな言い分なので趙雲はこれ以上言わなかった。
だが、彼女達の思惑とは逆に、孫権軍がすでに敗退している。彼女達も孫権軍同様、あの火計が破られるなど露ほどに思っていない、
諸葛亮と鳳統の見立てでもこれ以上無いくらいの完璧な策だと思っているからだ。あるいは本能的に失敗していることを考えないよう
にしていると言うのもある。あの火計が破られたらほとんど敗北が決定しているようなものだから。
しばらく待ち続けていると黄忠と厳顔は僅かにではあるが人の軍団のような物を見た。
「! あれは……司馬師と曹操かしら?」
「かもしれんな……焔耶! 皆に知らせい!」
「はい!」
魏延は急いで全員に伝えに行く。
彼女の報告で迅速に準備を整える劉備軍。
そしてその人の軍団は、ついに彼女達の近くまでやって来る。その正体は、彼女達の予想どうり瑠理と曹操、そして僅かな兵だった。
「止まってください!」
劉備の言葉に瑠理達は止まる。
「貴方達に最早逃げ道はありません! 大人しく投降してください!」
劉備は瑠理達を討とうとは考えていなかった。漢室側にも非がある思っている彼女はこの戦いが終わったら、何とかして劉辯を説得
するつもりである。
(あの子……本気でそうするつもり? だとしたら本当におめでたい君主ね)
曹操は劉備のしようとしている事をすぐに察知し、そう感想を抱く。
曹操は知っていた。この戦い、漢帝を蔑ろにしている司馬家の専横を防ぐと言う大儀で起きているが、当人である劉辯の目的は司馬
家の人間、全ての抹殺であると言うことを。劉辯はただそれだけを考えているという事も、ある程度ではあるが予想していた。
曹操はこの時、劉備と言う人間が見えてくる。
(劉備はあまりにも人の苦しみと憎しみを、そして信念を知らなすぎるようね……それでは平和的な解決が出来るわけが無いわ)
曹操は袁家の乱が終わった頃、劉備と話す機会があり、その時に可能ならば戦いでは無く、話し合いで解決したいと言っていた。し
かしながら曹操は現在の劉備では確実に不可能であろうと思った。
何故ならば戦いを起こすことには相応の理由と言うものがある。それが曹操の言う、苦しみからの解放、憎しみを晴らす、そして己
の正義を貫く信念といった物だ。
それらを理解した上で何らかの交渉材料を持ち合わせて話し合いで解決しようと言うのならば分かる、しかし理解もせず、何の材料
を持ち合わせずに話し合いをしようと言って聞く者などいる訳が無いと曹操は思っている。
(けれどどういう事かしら? 仮にも王という立場を目指す者はそう言った事に触れる確率や機会は多いはず……それでそれが分から
ないとは一体? まったく機会が無かったとでも言うの?)
曹操はここで思考を止める。今ここでするべき事はそうでは無く、計画どうりに事を進める事だ。
瑠理と曹操は一瞬視線を合わせた後、二人は後ろを向き馬を走らせる。
「すぐに追いかけてください! やむを得ない場合は討つように!」
「雛里ちゃん!」
「桃香様、彼女達に降る意思は無いようです。それに万が一逃がすような事をしてしまったら漢室や孫権軍に何を言われるかわかりま
せん」
「……」
劉備は納得できないと言った表情だが、結局は何も言わなかった。彼女言う事は正論だからだ。
(でもどうして? どうして!?)
劉備の迷いながらも仲間達と一緒い追撃する。
追撃がしばらく続くと不意に瑠理と曹操は止まった。
(え? え?)
劉備は困惑する。彼女だけでは無い。彼女の仲間も困惑していた。
瑠理は手をかざし、振り落としながら言う。
「撃て」
その直後大量の矢が劉備軍に襲い掛かる。
「にゃ!?」
「何!?」
張飛、関羽と言った将達は混乱しながらも何とかこれを防ぐが兵達は無防備に食らってしまう。
そして、彼女達は驚愕する。何と気がついた時にはすでに司馬師・曹操軍に囲まれていた。
「はわわ!」
「あわわ!」
此処に来てようやく諸葛亮と鳳統は気付く。此方の策が完全に見破られ、尚且つ逆に此方が策に嵌ってしまった事を。
「み、皆さん、成都に向けて突破してくだしゃい!」
「この戦は私達の負けでしゅ!」
すぐに突破して逃げるように指示するところは流石であった。
だが簡単に逃げられるほど、瑠理は詰めの甘い人間では無い。即座に指示を飛ばす。
「逃がすな、討ち取れ」
こうして司馬師・曹操軍は囲んで討つための、劉備軍は突破する戦が始まる。
開始早々、劉備軍の方が旗色が悪くなった。
当然ではある、ただでさえ兵力差があるのに囲まれてしまって居るのだ。甚大な士気の低下も影響している。
(く! このままでは壊滅させられる! 何か、何かきっかけがあれば!)
もはや劉備軍の壊滅は時間の問題だった。
瑠理もそれが分かり、ほくそ笑む。
「物見より伝令! 後方から馬騰の軍が!」
「!?」
だが、その状況は一気に変わる事になる。
第三十話
「劉備・孫権の乱 赤壁の戦い 今だ歪む勝敗」
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続いては劉備軍。瑠理達は彼女達に対しても同じように彼女達の策を利用するが……