翌日の暁、箒達及びIS学園のISにあるコンピューターウイルスが組み込まれたのはまだ誰も知らない。
早朝のモニタールーム、箒達と千冬たちは一夏から送られた手紙どおりにモニタールームに来ていた。
「お前たちもこれをもらったのか。」
「はい。」
「でも一夏からこんな手紙が来るなんて変ですよね。」
シャルロットの言葉に真耶は同感する。
「確かにそうですね。こんな手紙をよこすなんて織斑君らしくないですし。」
「もしかして何か裏があるのではありませんの?」
「それは流石に・・・・・・」
ラウラは言葉を止める。
「ありえそうね。」
「で、でもそうならなんで皆をここに呼ぶの?理由がわからない。」
「簪の言うとおりだ。一夏がこんなことをするならもっとましな方法をする。」
「それに束さんがいるんだし相当頭を絞らないと無意味だよ。」
その時モニタールームの扉が開く。一同扉の方を向くとそこには胸に手を当てた一夏の姿があった。
「一夏、どうしてここに呼んだんだ?」
「・・・・・・」
「何か言ったらどうだ。」
「・・・・皆・・・・・ゴメン。」
その瞬間一同に衝撃が走る。一夏の口かららしくない言葉が口に出たことに一瞬理解できなかったがすぐに理解できた。
一夏は後ろに1歩下がると同時に扉が閉まる。後から鈍い音が空気を伝わり響き渡った。一同は移送で扉に近づくが扉は開かない。鈴が扉を何度も叩くがまったく反応は無い。
「一夏、どういうつもりだ!」
「ゴメン!・・・・・でも皆を死なせたくないんだ。」
「じゃあ他の教員が死んでもいいというの!」
「・・・・・・・・いや。それもさせない。」
「一夏、僕たちはISを持ってるんだよ。鈴!」
「わかってるわよ!」
鈴はISを部分展開させようとするがISが起動しない。
「どうしましたの!まさかチャージをしていなかったんですの?」
「そんなわけないでしょ。でもISが反応しないのよ!」
「だったら私が・・・・・・あれ?」
「どうしたの箒ちゃん?」
「私のISも反応しない。」
それぞれがISを起動させようとするが全く反応しない。
「どうして起動しませんの!?」
「もしかして一夏君何かしたの?」
「・・・・・・俺じゃない。でもそうしてもらうようにある人に頼んだ。ここのISを動けないようにコンピューターウイルスを仕込んでもらったんだ。」
「でもいっくんは忘れていない?この天才束さんがいることを。」
「・・・・・忘れてません。その人も束さんのことを話していました。ウイルスは一つ解除すれば他のISに感染したウイルスも解除されていきます。でも束さんには解けません。」
一夏がそう言った瞬間アラームが鳴り響いた。
『生徒の皆さんはシェルターに避難してください。ビーストが出現しました。』
一夏は立ち去ろうとするが足を止め、扉の方を再度向いた。
「今回の敵は今までのビーストの集合体・『イズマエル』。今までの敵とは別格。だから皆を死なせたくなくてこんなことをしたんです。」
「いっくんは今時分がどんな状態かわかっているの!?」
「どういうことだ束!」
「今日の朝わかったんだけどいっくんの体はいま体中のアポトーシスがとまらない状態なんだよ!そんな身体で戦ったら今度こそ死ぬよ!」
束の言葉を聞いて箒達は驚愕する。
「それでも行くというの!なんで!」
「・・・・・守りたいからです。」
「・・・・・・え?」
「あの時救えなかったあの命を、もう二度と繰り返したくないから・・・・・・」
一夏はそう言って走り去って行く。
「一夏!一夏!」
箒達は一夏を呼ぶが一夏の声は返ってこない。
「キュィィィィィ」
IS学園の森に全てのビーストの集合体・『イズマエル』が雄叫びを上げて一夏を待っていた。一夏は走りながらイズマエルのほうへと向かう。
しかし突如胸の痛みが一夏を襲い、一夏を転ばせる。一夏は胸の痛みと戦いながらエボルトラスターを鞘から抜き、天にかざす。エボルトラスターから光が溢れ、一夏を包みネクサスの姿にする。
「シュア」
ネクサスは姿勢を低くしながらイズマエルと向き合う。
「キュィィィィィィ」
ネクサスは肥立ち手を胸にかざし振り下ろす。ネクサスはアンファンスからジュネッスブルーに姿を変える。
「シュア」
「キュィィィィィ」
ネクサスとイズマエルは互いに接近し、体当たりをする。ぶつかった衝撃で土が舞う。
「フアア」
ネクサスはイズマエルを押そうとするが力が上手く入らない。イズマエルは右腕でネクサスを押し倒す。
「ジュアア」
ネクサスは倒れる。
「キュィィィィ」
「フ、シュア」
ネクサスは立ち上がりイズマエルに接近し腹部にキックを喰らわせる。イズマエルは後ろに下がる。
「フ、フア、シュア」
ネクサスはイズマエルの頭を左手で掴みパンチを叩き込む。イズマエルは悲鳴を上げる。ネクサスは右腕でイズマエルを固定しパンチを叩き込もうとするがイズマエルは左の爪でネクサスの足元を掬う。ネクサスは倒される。倒れたネクサスにイズマエルは追撃しようと近づく。ネクサスは立ち上がりイズマエルの左腕の攻撃を受け止めるがイズマエルはネクサスの背中を右腕で強く押す。ネクサスは前に飛ばされバランスを崩す。
「キュィィィィィ」
ネクサスはイズマエルに反撃をしようとするがイズマエルは尻尾を振る。ネクサスはそれを両腕で受け止める。
「ギュォォォォ」
「フアア」
「キュォォォォ」
イズマエルは力技で体を横に振りネクサスを尻尾から離れさせる。
「ウワワワワワ」
ネクサスは仰向けに倒れる。イズマエルはネクサスに近づき追撃しようとする。
「ジュアア」
ネクサスはイズマエルの腹部に蹴りを喰らわせる。
「キュィィィ」
ネクサスは立ち上がりイズマエルに接近、腹部にパンチを一発叩き込む。イズマエルはネクサスに接近し両腕でネクサスを挟み込むように攻撃してくる。ネクサスはそれを両腕で受け止める。イズマエルはそれをどうにかしようと上半身を左右に動かすがネクサスはイズマエルに合わせるように上半身を左右に動かす。ネクサスはイズマエルの腹部に蹴りを喰らわせる。イズマエルは悲鳴を上げる。
だがその時であった。イズマエルの右腕から赤い霧が放出される。
「フ、ジュァァァァァ」
ネクサスは苦しみ片膝を突く。イズマエルはネクサスの腹部に蹴りを喰らわせる。ネクサスは後ろに下がる。イズマエルはネクサスに左腕を振り下ろす。ネクサスは下に落ちる。イズマエルはネクサスの両肩に手を掛け、強引に押す。ネクサスは抵抗するも押しに負けた倒れる。
「あの赤い霧状のものって!」
「前に花みたいなビーストが現れてきたときのものと同じだ。」
「それにあのビースト、今まで戦ったビーストの特徴があるよ!」
「総集合体『イズマエル』・・・・・・・厄介な敵だな。」
「束。まだ解読は出来ないのか?」
「もう少しだよ。3・2・1・・・・・はい!て・・・え!」
「どうかしたか?」
「このままだと外に出れないよ。」
「どういうことだ!わかるように説明しろ!」
「見て。」
束が皆にディスプレを見せる。そこにはウイルス解除まで後1歩であることが言うまでもなっくわかった。だがしかし、最終解除にはパスワードが必要であった。
『パスワードを英語で入力してください。
○○○○○○
ヒント:一夏が最も大事にしたいもの 』
一同パスワードに頭を悩ませる。
「・・・・・何なんだ一夏。お前が最も大事にしているものはいったい何なんだ!」
箒は叫ぶもその答えは出てこなかった。
倒れたネクサスはイズマエルの攻撃を腕で防ぎ徐々に対上がっていく。イズマエルは右肩から光線技を放つ。それはネクサスに直撃しネクサスを苦しめる。ネクサスは自力でその自縛を解き、イズマエルの腹部に蹴りを喰らわせる。
「ギォォォォォ」
「シュア」
ネクサスはイズマエルの顔面右即部にパンチを喰らわせる。
「ヒュア」
「ギュィィィィィ」
ネクサスはイズマエルを襲うと両手で両肩を掴む。イズマエルはゴルゴレムの管状の口をネクサスの背後に忍ばさせ、そして背中を攻撃する。
「シュアア」
ネクサスはイズマエルの両肩を離す。イズマエルは右アッパーをネクサスに喰らわせる。ネクサスは倒れる。
「フアア」
ネクサスは立ち上がろうとするがイズマエルはネクサスを踏みつける。
「フア、ア、グ、デュアア」
「ギュィィィィ」
ネクサスは腕をクロスさせ攻撃を防ぎ、押し返す。イズマエルは押し倒される。ネクサスは立ち上がりバク転して距離を取る。だがネクサスは蓄積されたダメージにより片膝片手を着く。
「ギュィィィィィィィィ、キュィィィィィ」
「ハア・・・・」
ネクサスはよろよろと立ち上がる。イズマエルは体中から光線、火球を放ちネクサスに容赦なく攻撃する。
「フアア、グ、ジュアアア」
ネクサスはその攻撃を全身で受ける。ネクサスは徐々に身体を下に下ろし、そしてうつ伏せに倒れる。だがネクサスは力を入れ立ち上がる。イズマエルは左肩から光線を放つ。ネクサスはバク転しながら回避する。ネクサスが立ち止まった瞬間、イズマエルは胸部から光線を放つ。
「シュア」
ネクサスはサークルウェーブを展開しその攻撃を防ぐ。ネクサスはパーティクル・フェザーをイズマエルに放つ。パーティクル・フェザーはイズマエルに命中する。
「キィォォォォォ」
「シュア」
ネクサスはイズマエルに向かい走り出しイズマエルを押そうとするが力足りずイズマエルに両肩を掴まれ振り回される。イズマエルは右腕でネクサスの背中に攻撃をする。ネクサスが体制を崩したところをイズマエルはネクサスの腹部に右蹴りを喰らわす。
「ヘアアア」
ネクサスは腹を抱えるが再度イズマエルに接近しイズマエルを押す。ネクサスはイズマエルの左腹部に蹴りを喰らわす。
「グォォォォォ」
ネクサスはイズマエルの顔面にパンチを叩き込もうとするがイズマエルは左腕を大きく振りネクサスを攻撃する。
「ハア・・・」
イズマエルの右の鉤爪がネクサスの腹部を攻撃する。
「ジュアアア」
イズマエルは左腕の大きな鎌でネクサスに攻撃する。
「ハア・・」
ネクサスはイズマエルに背を向ける。イズマエルはネクサスの背中を右の鉤爪で追い討ちを掛ける。
「ハア・・・・」
ネクサスは両膝両手を着く。
「フュアア・・・」
ネクサスは反転しイズマエルのほうを向く。イズマエルの強烈な鉤爪による右アッパーが炸裂する。
「ヘア・・・ア・・・・・」
ネクサスは両膝を突き、うつ伏せに倒れる。それと同時にネクサスのエナジーコアが点滅する。
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守るために手段を選ばないことを決めた一夏。そしてその時が来た。