No.582646

リリカルなのはSFIA

たかBさん

第二十二話 フラグメーカー高志

2013-06-02 04:16:38 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5002   閲覧ユーザー数:4482

 第二十二話 フラグメーカー高志。

 

 

 

 高志視点。

 

 「ミスったぁあああああああ!まさか、今になって発症するなんてぇええええ!!」

 

 アサキムが連れてきたと思われる少女を保護するために六課に連絡を入れると今日は非番だったフェイト、なのは。シャマルさん。

 ゼクシスからはアリシアがやって来たのだが、アリシアは俺が体力を消耗していた少女に回復魔法をシャマルさんと一緒にかけていたらアリシアが両手を地面について叫んだ。

 

 「ど、どうしたのお姉ちゃん?」

 

 「…アリシアちゃん。…大丈夫ですか?」

 

 突然手をついたアリシアの奇行になのはとフェイトが声をかけると、アリシアがプルプルと体を震わせながらその小さな唇を開く。

 

 「子どもの頃からスキンシップをしていたら意識してくれると思っていたのに…」

 

 うん?

 

 「さりげなく私の髪をもふもふしたり、くんかくんか匂いを嗅いでいるから順調だったっと思っていたのに…」

 

 「………タカシ?」

 

 こらっ!何を言うか!アリシア!

 確かに昔からお前の髪は良い匂いだったけど、くんかくんかしていない!

 フェイトの目線が怖い!フェイトはお前と同じプレシアの血を引いているんだぞ!

 目線が超怖い!

 

 「俺はお前の髪をそんなにくんかくんかしてないぞ?!」

 

 「…私の髪だって柔軟性はあると思うんだけどな。香水もいいのを使っていると思うんだけど…」

 

 …もふもふはしましたけど。

 

 「もふもふはよくしたんだ・・・」

 

 どうしてこの母娘姉妹(テスタロッサ)は皆揃ってそんなに俺の考えが読める?

 

 だってアリシアの髪質って凄い気持ちいいんだ。

 もふもふとサラサラの割合で言うと、8:2といったところか。

 フェイトは逆に3:7。サラサラ率の方が高い。

 どちらかといえば俺はアリシアの髪の方が好きである。

 

 「…それのせいで、それのせいで。お兄ちゃんが、お兄ちゃんがぁ」

 

 「…うん、俺が?」

 

 フェイトから目を逸らしながらアリシアの次の言葉を待つ。

 地面についていた手で頭を掲げながら天を仰ぎながら叫んだ。

 

 「お兄ちゃんがロリコンになってしまったなんてぇええええええ!!」

 

 …アサキム。お前もこんな気持ちだったのか?

 

 「…なんでそうなるの?」

 

 「…だって、だってぇえ!ベッドの上では私に触ろうともしなかったのに!」

 

 「ぶうぉっふぉうっ?!ち、ちがっ?!あれは…」

 

 「あれは…?」

 

 「「…ドウイウコトカナ?」」

 

 (…修羅場。修羅場ね♪)

 

 「べ、ベベベベッドォオオオ?!」

 

 アリシアさん?!涙目で、上目づかいで俺を責めないでくれ!

 罪悪感と同時にすずかとフェイトの視線に冷気が加わる。

 シャマルさんの視線には冷やかしが入る。

 字体ではちょっとしか違わないのに体感温度がかなり違う!

 電撃だけでなく冷気まで使えるようになったのかフェイト!…おおうっ、この視線!このプレッシャーはまさにプレシアそのもの!

 

 

 

 ここで何といえばいい?!どう答えればいい?!

 この次の俺の言葉次第では…

 俺は

 

 

 

 

 

 

 

 死ぬ。

 

 

 選択肢一。「うん!じつは俺、ロリコンに目覚めたんだ!」

 

 ビシィッ!!

 ドオオオオオンッ!!

 

 すずかとシャマルさんの足止め。なのはとアリシアの砲撃を受けて俺の体は原子という塵になる。

 

 

 選択肢二。「まあ、すずかとアリシアってばいけないひと!」

 

 ビシィッ!

 ドオオオオオンッ!

 

 悪ふざけしすぎて、すずかの足止め。そのあと、アリシアに狙撃(ズキュウウウウウウンッ)される。

 ようは塵になる。

 

 

 選択肢三。「お前の気持ちはよく分かった。だから今からホテルに行こうアリシア!」

 

 「はやく降ろせなのはぁあああああ!」

 

 なのはが必死に止めようとしているが、それでも止まらないフェイト。彼女の作り出したバインドで身動きの取れない俺。

 そして、すずかの作り出した無数の氷の槍で貫かれている俺の姿を見て叫ぶヴィータ。

 

 

 選択肢四。「お前の気持ちはよく分かった。だから今からホテルに行こうすずか!」

 

 「ぶっ殺すほどにシュートッ!シュートッ!!シュートッ!!!」

 

 我が母親(プレシア)の科学力は世界一ぃいいいい!!

 

 

 選択肢五。なのはもしくはシャマルさん。子ども達(エリオとキャロ)が何とか場を切り上げてくれる。

 

 それはない!

 なのはは混乱している。

 シャマルは観戦を決め込んでいる。

 子ども達は話についていけていない。

 現実は無情である!

 

 

 どうして、選択肢の全てが死亡でジョジョなフラグ?

 どうして、赤い占い師で銀色戦車さんより生還確率が低い状況に陥らねばナランチャ?

 

 「…もう、ダメだ。…お終いだぁ」

 

 まさか、アサキムではなく身内に殺されるだなんて…。

 アリシアに代わって今度は俺が地面に手をつき、地面に視線を向けた。

 

 「諦めんなよ!」

 

 「…こんなのエリオ君じゃない」

 

 そんな時、俺の希望の灯をともしてくれる救世主(ケンシロウ)が現れた。

 リン(キャロ)のオマケつきで。

 その名はエリオ!

 状況はよく分かっていないものの、絶望している俺の言葉を聞いて励ましのエールを送る。

 

 「がんばれがんばれ!できるできる!絶対できる!がんばれもっとやれるって!積極的に、ポジティブにがんばれがんばれ!」

 

 「…しゅ、しゅうぞ。いや、エリオ」

 

 心が…。

 熱い。

 

 「ドンウォーリー!」

 

 「ビーハッピー!」

 

 「震えるぞハートォオオオオオ!」

 

 「刻むぜビートォオオオオオオ!」

 

 熱くなってきたぁあああああ!!

 

 「……で、答えは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、高志は考えるのをやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…現実逃避(カーズ)禁止」

 

 だからなんでテスタロッサ母娘姉妹は俺の考えが分かる?

 そんなにわかりやすい顔している?カーズしている?

 

 『緊急通達!機動六課とゼクシスメンバー全員に緊急通達!グラナガン会場にガジェットと思われる飛行物体を確認しました!』

 

 とうとう年貢の納め時かと思った時、希望の声が聞こえた。

 

 『出撃可能な人は至急現場に向かって対応してください!』

 

 飛行可能ななのはとアリシア。すずかはグラナガン海上を。

 俺とちびっ子チームは地上に現れた担当することになった。

 シャマルさんはここにやってくる際に乗って来たヘリのパイロット。ヴァイスと一緒に保護した女の子をつれて六課本部に一度、戻るそうだ。

 リインフォースと守護騎士達もその応援に駆けつける。はやても六課本部からではあるが俺達を指揮してこの騒動の鎮圧にかかるだろう。

 と、俺がそんなことを考えていたら空に飛び立つ前にアリシアがすれ違いざまにポツリ呟いた。

 

 「…これが終わったら答えを聞かせてもらうから」

 

 辞世の句を?

 

 


 
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